ダンジョン潜って5年、地上に出たら色々変わってました。 作:一般通過社会人
〜東部 メインストリート〜
「品行方正で人懐こくてシャクティお姉ちゃんの妹で、Lv.5のアーディ・ヴァルマだよ! じゃじゃーん!」
「(一言目に自己紹介とか)頭ガネーシャかよ」
あの後、流石に1日半寝たので眠れず、結局外を散歩する事にした。そしたら見事にアーディに見つかった。まあもう見つかっても問題無いから良いけどさ。と言うか副団長って出世しすぎだろ何があった?
「久しぶりの再会なのに酷くない!?」
「だって俺が生存してる事は主神経由で聞いてただろ」
「そうだけど…それでも泣いたからね!?部屋に3日は引きこもったよ!?言う事あるでしょ!?」
「ご心配おかけして申し訳ございませんでした」
「よろしい!」
ちなみに、団長達はアストレア様の帰りを待つらしい。リオンは付いてきたが…。
「ふふっ…!」
「?」
「どうしたのリオン?」
「あ、いえ。再びこの三人で歩ける事が嬉しくて…!」
あーね。確かに久しぶりも久しぶりだ。えーっと…?
「5年半と…ちょっとぶりか?」
「5年半と1週間と3日ぶりだよ!」
「細かっ。」
「ずーっと数えてたもん!」
「アーディに隠し事されていたのは不服ですが…それでも、この景色が再び見れる事が嬉しいです」
「わっ…リオン可愛い!!」
アーディがリオンに抱きつく。てぇてぇ。ちなみにアーディとの関係は……うーん、まあ友達…?くらいの関係だ。時折恋人にさせられそうになるけど。親友以上恋人未満…?
「アーディ✕リオンか…アリだな」
「百合って奴だね!間にはロイ!いや〜完璧!」
「百合の間に挟まるのはNG」
「だーめ。強制サンドイッチだよ〜?」
やっぱり付き合ってたかもしれねぇ。と言うか近くねぇ?俺コイツに関してはそんな善行してないんだけど。精々ネックレス複製して贈ったくらいなんだけど。
「ふふっ…♡」
「……近いんだけど」
「良いのっ!」
「良くないから言ってるんだが…?」
近い近い近い。前から近かったけど、それでも近い!
「ロイ、アーディも5年ぶりなのです。少しは我慢して下さい」
「確かに…お前は同じベッドに連れ込んだし、しょうがない…のか…?」
「えっ、リオン?」
「もうやめて…///」
これからリオンはこの事で一生イジられる運命なのだ。おぉ、哀れ哀れ。
「ふっふーん…でも、今回も派手にやったねロイ?」
「派手になったんだよ。もっと準備できればこうなる前に解決してたさ」
「本当に驚きました…ダンジョンから撤退したら、ロイが愚者扱いですから。」
「実際何も知らない人から見たら愚かだからねぇ…まあ冒険者相手に何言われても感じないけど」
早めにウィーネの暴走を止めた為に建物の被害こそ数軒だけで収まったものの、モンスターを庇った俺とベルは見事に怪物趣味のクソ野郎扱いだ。
「……何か腹立ってきた。一回やり返したほうが良いかな?」
「気持ちは分かりますがアーディ、私達がやったらダメですよ」
「冗談だよ冗談。……でも、冗談で済ませてほしいけどね?」
目が笑ってない…まあ、早めに収まるように努力はしよう。ガチギレしたアーディはチビるほど怖いからな(3敗)
「兎に角、ちょーっと私も怒ってるって話。早めに解決してね?じゃないと…何するか分からないから♡」
「アーディ、怖いです…」
「でもリオンも怒ってるでしょ?」
「……はい」
うーん愛されてるのは嬉しいけど胃がもたれる。あれ、アーディは…あ、ジャガ丸くん。
「あ、ジャガ丸くんだ!あずきクリームと…チーズ、プレーンだね!おばちゃーん!」
「お、アーディちゃん。はいよ。」
「ありがと!」
そしてサラッと奢ってくれる。うーんデキる女だなぁ…。
「ん?何か褒めた?」
「いやデキる女だなって」
「ロイに褒められた!やったぁ!」
「むっ…ロイ、私は?」
「ポンコツエルフ。可愛くて性格良いのだけが救い」
「……そうですか///」
「オメーさてはチョロいな?」
「ロイ限定です!」
嬉しいけどポンコツエルフは否定しようよせめて。輝夜さんと違いすぎるでしょ扱いが。嬉しいけどさ。
「ロイ!」
「?」
「また会えて嬉しい!」
「……うん。俺も」
帰ってきて良かったなぁ…。
〜広場〜
あ〜あ。
「うわ最悪…」
「そんな露骨に顔顰めんでもええやんロイたん」
「誰がロイたんだぶっ殺すぞ」
「ロイ〜?口悪くなってるよ〜?」
さっきの発言秒で撤回する羽目になってしまった。メインストリートをブラブラ3人で歩いて広場で休憩していたら、壁神…ロキと出くわしてしまった。
「全く…5年前まではよく朝までしっぽり呑んだ仲やろ?そんな邪険にせんでもええやん。」
「いや一応事構えた後ですからね?しかもまだ全部終わってないですからね?」
「それはそうやけど…それでも元主神やで?帰ってきて挨拶くらいしてくれても良かったやろ?」
「こっちにも事情があったんですぅっ!」
「ほーん…ええ事聞いたわぁ…!」
「笑顔がいやらしいぞ壁神」
「急に罵倒するやん…」
糸目に緋色の髪。そして清々しいまでの無乳。俺の飲み仲間(コイツが一方的に飲ませてきただけ)件元主神、ロキである。色々お世話になったけどそれ以上に性格が悪いし酒癖も悪い。信用できるし信頼もしている…が、尊敬だけはできない残念神である。
「まあそれは兎も角帰ってきて早々えらいやらかしたみたいやし、ちょっと呑みながらお話しようや。お二人もどうや〜?」
「あはは…私お酒はちょっと…」
「ロイ、楽しんできてください」
「リオンお前ただ絡まれたくないだけだろおい。」
「いえ。全然そんな事は…」
豊穣の女主人にもよくロキは行っていた。店員としてよくロキのアレを見てるからな。絶対そうだ。
「残念やなぁ…それじゃ行くでロイたん?」
「っはぁ〜…はいはい。でも奢ってくださいよ?」
「分かってるわ!久しぶりやからなぁ…たっぷり呑もうや」
ロキに肩を組まれ、連れて行かれる。何考えてるんだか…。
〜豊穣の女主人〜
……うへぇ。
「ロイたぁ〜ん!!」
「ロイたん止めろ。あと近いわ!」
ロキが涙と鼻水を擦り付けながら抱きついてくる。べっちょべちょだ。相変わらずだなこの
「うぇっ、グスッ、寂しかったわぁ〜!」
「飲み仲間たくさん居るでしょ貴女…」
「そう言う事やあらへんわこのクソボケ鈍感朴念仁!!」
急にキレるじゃん。自覚はあるけどさ…。
「五月蝿いよバカ神が。此処は楽しく酒を呑む場所さ。あんまり泣き喚くなら叩き出すよ!」
「そんな事言わんといてやミア母ちゃん〜!」
「すいませんミアさん…」
「坊主もいい加減自分に向けられる好意を自覚しな。あんたは愛されてる。それを受け止めるんだよ!」
「うっす…」
受け止めるって言われてもなぁ…。
「ん〜……ぷはっ!酒が美味い!もう一杯!」
「かしこまりました♡」
シルさんがロキのジョッキを満たす。……えっ何かこっち見てる?
「シルさん何か…?」
「いえ、何でも無いです♡」
「はぁ…?」
「ウチの子に色目使うなや!」
「はーい♡」
「あんたの子じゃないだろ…」
うーんやっぱりシルさん苦手だ。人と会話してる気がしない。魔法か何か使ってるのか?そんな感じがする。
「んくっ…で、何が聞きたいんです?」
「ん〜?ウチはただ久しぶりにロイたんと呑みたかっただけやで?ま〜でも…何でロイたんが『よりにもよって』モンスターを庇ったのかは、ちょーっと気になっとるけどなぁ…」
「はぁ…ま、教えても良いですけど、条件は付けさせて貰う事になりますねぇ。」
「ほお?条件かぁ…ま、ええわ。乗ったる」
「流石。じゃ、何で俺が彼処で庇ったのかですけど…」
〜3分後〜
「……ほーん。やっぱりかぁ…」
「お師匠辺りは察してそうですけどね。何なら会話見られてるし」
「せやなぁ…確かにリヴェリア辺りは勘づいとったわ。会話は周りに民間人おったから喧騒で聞こえてなかったみたいやが」
「でも、フィンさんはその上で殺そうとするでしょ?」
「…せやな。ウチが止めても無駄やろな」
「……やっぱり、戦うしか無いですよね」
「……ごめんなぁ」
「貴女のせいじゃないですよ。元々…異端児達と会った時から覚悟してました」
「……なぁ、アイズたんの事やけど」
「…その前にさっきの条件です」
「…おぉそうやった。で、何をして欲しいん?」
「…異端児達に、武装したモンスター達に…意志がある事、友達になれるかもしれない事…俺との関係含めて全部話してください。ロキ・ファミリア全員とは言いませんけど、せめて幹部陣には。そしてその上でハッキリと選ばせて下さい。フィンさんの意志や命令とかじゃなくて、自分達はどっちにするかを」
「意外や。てっきり言わないでって言うんかと思ってたわ」
「前までの俺ならそうしました。けど、もうそんな事言ってられない。知ってしまったのなら、俺達の作った選択肢にこれ以上踏み込むつもりなら…選んでもらう」
「……成長したなぁ。嬉しいわ」
「…分かってると思いますけど、アイツ……いえ、アイズにもです。知った上で、選ばせて下さい」
「結論出せへんままお前とぶつかるかもやで?」
「それならそれで良い。これからも悩んでもらうだけです」
出しては欲しいけどな。もうあの時の関係のままって訳にもいかないだろうし、いい加減アイツにも前に進んでほしい。ただ、この事実を前に悩み続けもせず思考停止して異端児達を排除しようとするなら…その時は、俺もキレる。
「…酷な事言うなぁ。アイズたんは…正直、選べへんと思う。ロイたんの事も含めて…あの時から、止まってしまっとる」
「ならテキトーに部屋に閉じ込めといて下さいよ。そんな奴よこされても苛つくだけだ」
「……分かった。でも、保証はできん。それでええか?」
「十分です。お願いします」
「…よしきた!任されたわ。で…えっと、アイズたんの事な。一応聞くけど、戻って来るつもりは…」
「無いです。俺はもう…【アストレア・ファミリア】だ」
「やろうなぁ…アストレアも手放すつもりは無いみたいやし」
「えぇ。そうね。」
背後から優しい声が唐突に響く。びっくりしたぁ…。
「うおっ……びっくりしたわ。いつの間に入って来たんや自分…」
「アストレア様…何で此処に?」
「ウラノスの所の帰りよ?ライラには先に帰ってもらったわ」
「護衛くらいつけましょうよ…」
「あら、攫われてもロイが助けてくれるでしょう?」
「いやそうですけど…」
この
「それでロキ、ロイの事だけど…」
「分かっとるわ。ロイはもう、お前んとこで居場所を見つけた。それは応援しとるし、受け入れとる。でもな…アイズたんは別や。未だにロイに戻ってきて欲しいと思うとる」
「でしょうね。一回全員で話さなきゃって思ってるんですけど…」
「話したところでなぁ…話すだけじゃ終わらんやろ。5年前ならまだしも、アイズたんは…アストレア・ファミリアに良い感情は抱いてない」
「剣姫から見たら私達は、ロイを自分から盗った挙句に死なせた集団だから…少なくとも穏便には済まないでしょうね…」
「ですよねぇ…」
流石に最初から私怨丸出しで斬りかかる事は無いだろうけど。それでも良い感情は抱いてない筈だ。俺は望んで命を捧げたけど…周りから見たらそう言う問題じゃないのだろう。
「…はぁ。まあお前は悪くない。ウチらが何とかするから…ちょっと待っといてや。今入り用でなぁ」
「入り用?何かあったんです?」
「…クノッソスは知っとるよな?」
「当たり前」
「そこでなぁ…」
〜説明中〜
「……え、とんでもない事になってません?」
「せやな。割ととんでもない事になっとるわ。アリーゼ達にも手伝ってもろたんやけど、結局犠牲は避けられんかったし」
「ロイが居れば、何か変わったんでしょうけど…」
「うーん…」
じゃあ、フィンさんが異端児達を追ってるのは…そう言う事か…!
「……」
「お、何や何や。またえらい悪い顔してるやん?」
「…あ、いえ。ちょっと…ね?」
「ロイ…」
思わずニヤけてしまった。成る程、あっちは鍵が欲しいんだな?成る程成る程…。
「…良い事聞けました」
「あっちゃ〜…余計な事言ってしもうた。こりゃフィンに怒られるなぁ…」
「怒られてくださいよ。さて…」
そうなればやる事は決まった。
「…ま!暗い話は此処までや!今夜は呑むでぇ〜!」
「まだ呑むんですか…?」
「硬いこと言うなやぁ〜!な、ええやろアストレア!?」
「ふふっ…仕方ないわね。私も付き合うわ。」
「アストレア様って呑むんですね…」
「あら。ワインくらいなら私も嗜むわよ?」
「ミア母ちゃ〜ん!デメテルのとこのワイン!」
「あまり飲ませすぎるんじゃないよ」
「分かっとるわ〜!」
楽しい夜は更けていく。
〜他派閥との関係性〜
ロキ・ファミリア→古巣。とある事がきっかけで半ば家出のような形で改宗してしまったが、主神との関係はプライベートでも未だにある。
ロキ→元主神にして飲み仲間。なおロイに初めて酒を飲ませた神物でもある。基本的に主人公は神と言う物を信用してないので、アストレアを除けば神の中では断然関係が深い方。なおロキ視点ではもはやただの飲み仲間ではなく……。
アストレア→現主神。主人公視点では未だに主神と眷属の関係を出ていないが、アストレア視点では…。ちなみに、アストレア・ファミリアに入ったのはロキが裏である程度手を回したからというのもある。
シル→主人公視点では正体は分かっていない…が、得体の知れなさは感じているしマトモな人間で無いことも察している。昔はかなり主人公にお熱だった。今はベルにその矛先が向かっている。ちなみに仮に結ばれたとしたら相性はベル以上に良い。
フレイヤ→直接対面した事は無い。良くもなく悪くもない印象。主人公は昔イシュタルに狙われた事もあったので基本的に愛や美の女神という物とは距離を置いている。なおそのせいでフレイヤからのイシュタルへの扱いは原作よりも酷かった。
フレイヤ・ファミリア→死の7日間で主人公が暴れすぎた結果、目をつけられて猪と猫に度々誘拐……ツラ貸せやされて戦いの野(フォールクヴァング)での洗礼に巻き込まれていた。ヘイズには死ぬ程お世話になっている。
イシュタル→死ね。送還されたと聞いて主人公大歓喜。次もし顔を見かけたら殺すくらいの意気込みでいる。なお危うく童貞を散らされかけた相手。死ね。