ダンジョン潜って5年、地上に出たら色々変わってました。   作:一般通過社会人

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当分の方針決め(予定通りに行くとは言ってない)。

 

〜星屑の庭〜

 

「…あ、そうだ団長。聞いたか?」

 

「何?」

 

「昨日の夜、街にモンスターが出たんだ。今ギルドは大騒ぎだってよ。」

 

「ふーん…。」

 

……いや、情報交換するのは良いけどさ。その前に…。

 

「団長。そろそろ交代していただけません?私も撫でたいですわぁ。」

 

「えぇ…?もうちょっと良いじゃない。久しぶりのロイなのよ?」

 

「そう言って交代で撫で回し続けてかれこれもう昼じゃないか…そこまでにしとけよ団長。輝夜もだ。ロイは人形じゃないんだぞ?」

 

「私も…。」

 

「「「オメーは昨日の夜たっぷり堪能しただろうが!!」」」

 

「…。」

 

相変わらずポンコツなリオンは置いておいて、恩恵を刻まれた後俺は団長、輝夜さん、ライラさんに交代で撫で回されていた。俺はおもちゃじゃないんだよ?

 

「ふふっ…。」

 

アストレア様はこちらを見てニコニコしているだけだ。こんな所見て何が面白いんだか…。

 

「街に出たってのが厄介なんだよなぁ…私達のパトロールのルートからも外れてたし。」

 

「種族はどうなの?ゴブリン?コボルト?」

 

「それが…竜女(ヴィーヴル)らしいんだ。翼が見えたらしい。」

 

「はぁ?ヴィーヴルぅ?中層のモンスターじゃない。」

 

「わたくしも初めてです。中層のモンスターが地上に出るなど、聞いたことも無い。」

 

ヴィーヴルか。輝夜さんの言う通り中層のモンスターが地上に出れるなんて稀も良いところだ。そういえば、未だにヴィーヴルの異端児には会ったことが無いな。元々稀少種だからしょうがないんだろうけど…。

 

「私達も動かなきゃかもね。あぁでも、ロイが居るから此処は空けたくないわ…。」

 

「いや団長、自衛ぐらいはできますよ。まあでも武器防具は買い直さなきゃでしょうけど…。」

 

現状、ステータスはあるものの防具と武器が無い状態だ。前に使ってた物はヘファイストス・ファミリアに依頼して作ってもらったワンオフ品なので全く同じ物を買うのは難しいだろうが。

 

「そうだぜ団長。5年のブランクがあるとは言え、ロイも冒険者だ。」

 

「再加入とは言え恩恵を刻まれたんです、ちゃんと仕事をしてもらった方が本人も気持ち的に楽なのでは?」

 

「ダメよ!ちゃんと私達の居る所で勘を取り戻してから再開してもらわないと、何かあったら私嫌よ!」

 

「私もアリーゼに賛成です。5年のブランクは大きい。」

 

ライラさんと輝夜さんの意見に、団長とリオンが反発する。

 

「でも、全く身体を動かして無かった訳じゃないのよね?ロイ。」

 

「そっすね。匿ってもらってた人達に、一応何時でも動けるようにって鍛錬には付き合ってもらっていました。」

 

ちなみにアストレア様含めてファミリアの皆には異端児達の事は話していない。フェルズから口止めされている。正直、話したとしても…正義の眷属、アストレア・ファミリアがモンスターに肩入れすると言う意味を考えると、味方してもらえるかどうかも分からない。ここは黙っているのが安牌だろう。

 

「…ま、ステイタス次第だな。見てから決めよう。」

 

「うーん…分かった。とりあえず見てから決めましょう。アストレア様、良いですか?」

 

「良いわよ。コレがロイの新しいステイタス。」

 

ライラさんと団長の呼びかけでアストレア様が紙を取り出す。そこには俺のステイタスが刻まれていた。

 

 

Lv.3 ロイ

 

力 I 69

 

耐久 I 52

 

器用 I 21

 

敏捷 H 102

 

魔力 H 111

 

【魔法】なし

 

【スキル】

 

撲殺蛮族(バルバロイ)

打撃で敵性存在を排除した場合『力』と『敏捷』上昇。

連続排除の場合は更に効果向上。

上昇する効果に上限無し。

 

黒隠(ナイトシーフ)

暗所、または黒色を布面積の80%以上身に纏った場合、結界魔法の自動展開。

結界魔法の硬度は魔力のアビリティに比例。

スキルの発動には精神力を消費。発動中は継続的な消費。

単独での戦闘時に精神力の自動回復。

 

【????】

 

【???】

 

 

……うーん。

 

「弱くなったな。」

 

「弱いですわぁ。」

 

「弱体化ですね。」

 

「何時ものロイね!…え?」

 

ありがとう団長。もうちょっと撫でてて良いよ。

 

「Lv.3になって発展アビリティがリセットされただけなの…。」

 

「えぇ。スキルはそのままのようですが、そのせいで最後の二つのスキルも読めませんし…。」

 

アストレア様が困り顔で呟き、リオンが同意する。

 

「と言うか何でLv.3なんだ?」

 

「さぁ…?分からないですね。すみません。」

 

ここに関しては推測するしかない。

 

「…まあ、しょうがないか。一回死んだんなら当然だ。」

 

「そうよ!ロイは悪くないわ!寧ろ悪いのはあの時見殺しにしてしまった私よ……。」

 

「それを言うなら私もですアリーゼ。私があの時飛び出さなければ…。」

 

「いや私のせいだ。傍に居ながら守れなかった。」

 

「いや輝夜のせいじゃねぇよ。ルドラのカス共の謀略を読み切れなかったアタシの責任だ…。」

 

「いや俺のせ…」

 

「「「「それはない。」」」」

 

「ヒエッ。」

 

俺の番になったら急速に否定してくるじゃん。ガチトーン怖いからやめて?

 

「そこまでよ皆。その件の責任は誰にも無いわ。それよりも、これからどうするか。」

 

「…そうでした。ありがとうアストレア様。」

 

「本人も気にしないでって言ってるんだから、あまり気に病まないでね。」

 

「はい!」

 

団長が持ち直した所で、話が進む。

 

「…やっぱり、止めた方が良いと思います。イシュタル・ファミリアが消滅した事で歓楽街に潜んでいた悪党達もオラリオ中に流れ出ている。そして、この度のモンスターが街に出たと言う情報…もはやこのオラリオに完全に安全な場所はありません。」

 

「えっマジ?イシュタル送還されたの?ざまぁ。」

 

一回誘拐されたからな。結局イシュタルには俺が一発入れて、キレた団長とリオンが殴り込みに来て眷属達に一緒に落とし前つけさせたけど…あの女神魅了が通じないとキレ出すから嫌いなんだよ。これだから美の女神は…。

 

「そうよ!女神フレイヤにボコボコにされて送還されたわ!いい気味ね!!」

 

「でも発端は今話題のリトル・ルーキーだって話だがな。」

 

「うわマジか。」

 

恩人がとんでもない事してた。アイツレベルだけ言って経緯はぼかしまくってたけど…そういう事だったのか。

 

「おかげでわたくし達はいい迷惑ですわぁ。イシュタル・ファミリアの関係先全員洗う事になったんですから。」

 

「お疲れ様です。」

 

「ロイが居てくれたらもうちょい楽だったな。」

 

俺なんて殴るしかできないんだから変わらんだろ。過大評価がすぎるわ。

 

「はいはい!また話題が逸れてるわ!」

 

「そうでした…やはり、私は反対だ。弱体化しているのなら尚更です。特に切迫した状況では無い以上、無理させる訳には行かない。」

 

「まあ正直アタシも行かせたくないが…ロイ、お前はどうなんだ?」

 

「行きたいっスね。できれば死なない程度に死にかけたい。」

 

「ロイ。」

 

「死なない程度ですよ団長。」

 

それになぁ…。

 

「それに、団体行動するなら尚更です。えーっと…あれ、ライラさん、今のアストレア・ファミリアにLv.3以下は居ますか?」

 

「居ねぇな。団長がLv.6、輝夜、アタシがLv.5、リオンと他の皆はLv.4だ。」

 

あら。リオンの実力ならもしかしたらLv.5行ってるかもと思ってたけど…。まあ良いか。

 

「そこに一人Lv.3が紛れ込めば、かなり動きが制限されますよ。ダンジョン攻略にしろパトロールにしろ、アビリティの差があり過ぎる。」

 

「…それは、そうだけど…。」

 

複数人Lv.3が居るなら簡易的にパーティーも組めるが、俺一人だ。暗黒期程では無いにしろ、俺一人の護衛に戦力を割いていたら少数精鋭のアストレア・ファミリアでは頭数が足りなくなる時が必ず来る。

 

「…分かりました。では、万が一に備えて私が行きます。それが絶対条件です。」

 

「…しょうがねぇ。回復も使えてレベルも近いお前が適任だな。じゃあ当分、ダンジョンでのロイの面倒はリオンが見るって事で。」

 

「異議無し。」

 

「…ちょっと羨ましいけど…リオン、任せたわよ。」

 

「任せてください。」

 

さてと。方針も決まった所で…。

 

「じゃ、俺行ってきます。」

 

「ん?あぁ、登録か。いってら。」

 

「リオン、ついて行って。ダンジョンに行くわけじゃないけど、一応ね。」

 

「いや下見はしますよ?」

 

「「なら連れて行けや!!」」

 

「下見くらいならいいかなって…。」

 

「「良くない!!」」

 

別に良いと思うけどなぁ…。リオンに睨まれながらギルドに向かった。

 

 

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