ダンジョン潜って5年、地上に出たら色々変わってました。 作:一般通過社会人
〜???視点〜
居た。居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居たっ!!
私の、私だけの
5年前、私は
産まれたばかりだったけど、自分の役割は理解してた。お母様を傷つける奴を、ただ殺す。それだけ。
喰う事もなく、嬲る事もなく、殺す。それが役割。はっきり言って退屈。
でも、そんな時に
ちょっと遠くに居た男達は葉っぱを斬るみたいにあっさり死んだのに、ダーリンは私の攻撃を3回も防いだ。何時もは一撃で終わるのに。
3回。たった3回と思うかもしれないけど、どれも本気で爪を振った。でも、弾かれた。
1回目は結界に弾かれた。結界が割れた。
2回目はメイスに弾かれた。メイスが真っ二つになった。
3回目は綺麗な黒い光に弾かれた。私の身体が吹き飛んだ。
たった3回だったけど、でも私はソレがとても尊く、美しい物に見えた。
最後は一撃。あの金髪と赤髪の女に
そして。炎に包まれ、意識も、身体も消え逝く中で、お母様に私は願った。何を願ったかって?そんなの、一つしかない。
やっと見つけた
たとえダーリンが彼処で終わってしまうのだとしても、生まれ変わったダーリンも
好きだよ、ダーリン。愛してる。本当に、純粋に、貴方だけを、愛してるよ。だから……。
〜ロイ視点〜
「良いよっ、ダーリン!すごいすごいっ♡」
「バケモノめ…!」
戦闘開始から既に5分程が立っている。が、それでも傷一つ付けられていない。早くて当たらない。
「フッ!」
「アハッ♡」
「っち!」
剣とメイスが衝突。アイズとの戦いで酷使しすぎたのか、メイスの柄があっさり斬られた。もう使えないな。投げ捨てる。
「最後の1本だねっ♡」
「なぁに心配すんな。これも潰れたら拳になるだけだ」
「ソレも素敵っ♡」
本来なら瞬殺されてもおかしく無い実力差だが、俺も
【
任意発動。
怪物種に対するチャージ実行権。
怪物種に対し攻撃力高域強化。
殺意の丈により効果上昇。
普段は隠されている第三のスキルだ。正直破格すぎるのでコレを知っているのはアストレア様、団長、アーディとリオンだけだ。4人にはテキトーに口裏を合わせてもらっているし、他の冒険者に目撃されても知らぬ存ぜぬを通している。
「問題は…」
「もっともっと♡」
「ぐっ!?」
早すぎて当たらないし、相手の攻撃を避けるのも厳しいって事だ。
「まだまだぁ♡」
「ちっ…!」
そしてあっちはまだまだ元気だ。エリクサーで傷は治ったとは言え、こっちの方が消耗してるのには変わりない。斯くなる上は…。
「フッ!」
「キャッ!?あっ…逃げる気!?」
閃光弾を地面に叩きつけ、民家の壁を蹴って昇り、屋根へ。此処じゃ救援にも見つけてもらえない可能性がある。そして広い方がやりやすい。
「逃がさないっ♡」
「好都合!」
追いかけてくる。そうだそれで良い。コイツは此処で殺す。生かしておけない。そう言う生き物だ。ごめんなベル。
「到着っと!?」
「つっかまえた〜♡」
「いきなり剣ぶん投げんな!後始末するの俺達だぞ!?」
「プレゼントだよ♡」
「要らねぇよ!一応貰っとくけど!」
「きゃーッ♡」
剣……いや爪っぽいな。まあ良いや、とにかく剣を回収し、構えた。だって安物メイスじゃ限界があるもん。
「フッ!」
「わわっ!」
「当たらね〜…」
爆弾を投擲したものの、避けられた。本当に当たらんなコイツ。速さは健在だ。たぶん
「も〜っ!最初はプレゼント使ってよ!」
「剣はそもそも専門外なんだよっ!」
お師匠曰く棒状の物を振り回して殴る才能はあるが、引いて斬るタイプの剣とかはヘタクソらしい。刀とか全然無理。大剣とか戦斧とかなら辛うじて…でもスピードが潰れるしなぁ。ちなみに結界の制御の為に昔は魔杖使ってました。
「片刃か…まあ良い」
「使ってくれるんだ!」
片刃なら峰打ちで対応できる。正直スキルが役に立たない以上、打撃に拘る必要は無いけど…まあそこは愛嬌って事で。
「フッ!!」
「わわっ!?」
っと!?軽っ。持った時も思ったが振ると余計に軽さが目立つな。思わずスッポ抜けそうになった。普段重いの振ってるから余計に…。
「もーっ!離さないでよ〜!」
「悪い悪い…って何で謝ってるんだ俺は!」
クソっ調子狂うな。こういうタイプ苦手だ。おいお前等に言ってるんだぞ
「……今他の女の事考えたでしょ」
「キッショ何で分かるんだよ」
本当に会うの二回目だよな俺等…?ゾワッと来るからやめてくれ。
「……私との
「もう現在進行系でお仕置き紛いのことされてますけど…っ!?」
咄嗟に剣を前に振り、奴の剣を受け止める。あっぶね。
「ちっ…!」
「アハッ♡」
兎に角チャージだ。チャージしないとどうにもできん。剣の耐久性が不明な所が痛いが、気にしていたら詰む。メイスでやったらメイスが保たないしな。
低い低音が辺りに響く。魂に染み込むような、じっとりと纏わり付く低音。チャージしてる時の特有の音。輝夜さん曰く、お寺?の鐘に似てるらしい。お寺が何なのかは知らんけど。
「わっ…ふふっ、綺麗…♡」
「コレを綺麗って言ったのはお前が始めて……でもないか」
あのドブカス姉妹も言ってた。味方に褒められた事はないけど。
「…また他の女の事考えた」
「ごめんて」
ベルみたいな大鐘楼の音が良かっ……いやあのBBAと被りたくないな。
「また他の女の事考えたっ!!」
「ババアだから良いだろ」
「良くないっ!!」
でもババアだよ?もう三十路だよあの人。
「……もう良いもん!ダーリンが浮気するなら私の魅力で悩殺しちゃうもん!」
「……フッw」
「鼻で笑われたっ!?」
アストレア様くらいデカくなってから出直してこい。何処がとは言わんけど。
「お仕置きっ!」
「づっ!!」
剣が直撃。結界が割れた。再展開には時間がかかる。
「痛えなっ!!」
「キャッ!?」
「もう1回…ぐっ!?」
「お返しっ♡」
っ……腕にナイフが刺さった。刃物は大体生成できるらしい。利き腕じゃないだけマシか。
「綺麗な血♡ゾクゾクしちゃう♡」
「お前の血も拝みたいところだね…!」
「わっ!」
素早く一閃。だが当たらない。手数が足りな過ぎるな。右手のチャージをぶち込む隙が作れない。二刀流か。
「フッ!」
「そっちも使うんだ!」
「っち!」
メイスと剣の二刀流でラッシュを仕掛ける。でも当たんね。
「っ…!」
「速いけどっ…私のほうが速いよ!」
「言わんでも分かるわ!」
あ〜くっそ。ダメだこれ無理だな。救援信じて時間を稼ごう。
「早めに来てくれよ…!」
〜アイズ視点〜
「っ!?」
今の音…、ロイのスキルの…!
「あ?」
「うん?今の音って、大鐘楼?」
「…いや、アレはロイのスキルだ。だが、モンスターに対してしか発動できなかった筈…」
そんなの関係ない。
「行ってくる…!」
「待ってアイズ、まだリヴェリア達も帰ってきていな…」
「知らないっ!」
ティオネの言葉を強引に区切り、駆け出す。何でかは分からないけど行かなきゃいけない気がする。行かなきゃ一生後悔する気がする。
〜ヘスティア視点〜
「アリーゼ君っ!」
「ヘスティア様!?」
「ヘスティア様、重いです…!」
「ごめんヴェルフ君…ってそんな場合じゃないんだ!」
ヴェルフ君の背中から素早く降りて、ロキの
「大変なんだ、ロイ君が!!」
「ロイがどうしたんですか」
「ヒッ…」
怖っ。一瞬で距離を詰めてきた。と言うか本当にアリーゼ君なのかな?目が真っ黒だ。
「答えて。私達のロイが、どうしたんですか???」
「……いや、それが分からないんだ。兎に角、Lv.5以上の人を、応援を呼んでくれって、通信が途切れちゃって」
「…輝夜、行ける?」
「問題無い。何時でも行けるぞ団長。いや、もう行って良いな?あの馬鹿が助けを求める時は既にアイツ一人ではどうしようもない時だ。放っておけば死ぬぞ」
「ネーゼ、此処は任せる」
「了解だ。速く行ってやってくれ」
「私も行く。ヘスティア様、ありがとうございます。私達、行きます」
「あ、ああ…。いってらっしゃ…速っ。」
もう言ってしまうとは…あまりの圧に気圧されるだけだった。と言うか輝夜君ってあんなキャラだったっけ…?猫被ってたのか…?
あれ、鐘の音…?
〜新スキルについて〜
【
任意発動。
怪物種に対するチャージ実行権。
怪物種に対し攻撃力高域強化。
殺意の丈により効果上昇。
凄く大雑把に言ってしまえば
ロイ君はこれからもこの絶妙に噛み合いが悪いスキル達を駆使して、理不尽を捻じ曲げて行きます。