ダンジョン潜って5年、地上に出たら色々変わってました。 作:一般通過社会人
〜北区 メインストリート〜
ステイタス更新から二日。ダイダロス通りの戦闘の後片付けも漸く区切りが付いた翌日の朝、俺は北のメインストリートに来ていた。目的は…。
「あ、来た来た!おーい!コッチだよ〜!」
「うぃーっす…」
小麦色の肌にその健康的な身体を惜しげもなく晒すような露出の多い服。ロキ・ファミリア幹部、ティオナ・ヒュリテさん。この人に呼び出されたから。しかし…。
「……あの、何でティオネさんまで?」
「ちょ〜っと気になってたのよねぇ、君。別に取って食ったりはしないわよ?」
しかも姉妹揃って来ている。えっホントに食われないよね?
「それじゃ、レッツゴー!」
「楽しみね!」
「えっえっえっ」
両脇が美女で埋められた。えっ、ホントに食われないよね?ホントに食われないよね!?(蘇る歓楽街でのトラウマ)
〜黄昏の館 中庭〜
第一級冒険者に脇を固められ、抵抗もできずに来たロキ・ファミリア本拠、黄昏の館。昔姉がフィンさんとガレスさんに良くボコられていた場所に、今回は俺が立っていた。
「……なんで?」
「やだなぁアイズの弟君。こんな広い場所でアマゾネスと居るんだよ?やる事は一つでしょ?」
「アイズはどっか行っちゃったし、フィン団長は後処理。思いっきりヤっちゃいましょう!!」
二人ともギラギラした目でこちらを見てくる。……わりぃ、俺…死んだ!
「私からっ!」
「っ!!」
ティオナさんが突っ込んでくる。右ストレート…いや見せかけての回し蹴りか。脚が若干浮いてる!
「やあっ!……わっ!?」
「よっ…と!」
脚を絡め取って前方に押し込み、バランスを崩した所を足払い。ティオナさんの身体が宙に浮いた
「へぇ…」
「ふんっ!……や〜、やっぱり強いね君!結構不意打ち気味だったのに!」
「アマゾネスとの戦闘は慣れてますからね…どっかのイシュタルのせいで」
「名前出してるじゃない…」
身体を宙で捻り、着地するティオナさん。うーんやっぱり第一級だなぁ…。それとおのれイシュタル。お前のせいだからな?アマゾネス連続撃破なんぞさせおって。
「じゃ、もうちょっと本気出しても良さそうだね…行くよっ!」
「うおっ!?」
飛び膝蹴り!?いきなり上げすぎだろ!?避ける!
「まだまだぁっ!」
「っち!」
飛び膝蹴りで距離を詰めた所に、拳のラッシュ。流すのが精一杯だな。隙を作るしかない。
「…其処っ!」
「んぐっ!?…フッ!!」
拳をはたき落とし、空いた腹にキック。反撃の拳が飛んでくるも、ギリギリで回避できた。…コレは。
「……テルスキュラ出身ですか?」
「…バレちゃった?」
「…あんまりその名前を出して欲しくなかったけど」
一見すれば荒々しく豪快に見えるが、ソレはカモフラージュ。内には妙に洗練された技と駆け引きがある。長い年月で良く磨き上げられた、戦闘民族特有のソレだ。反撃してくる余裕も残していたのだ、間違いないだろう。
「やっぱりバレやすいのかな〜」
「テルスキュラ以外のアマゾネスってほぼ我流か少数流派ですからね。此処まで洗練された動きはできませんよ」
Lvの強弱関係なく、ちゃんと武術とか闘法を修めている人の動きは分かりやすい。ヘスティア・ファミリアの命さんとかもたぶんそうだろ。普段は抑えてるつもりでも、分かる人には足運びとか重心の載せ方でバレる。……って、輝夜さんが言ってた。
「そう言うキミもLv.3の動きじゃないけどね〜。レベルアップした?」
「二日前に」
「Lv.4ねぇ…本当に?」
「偽装なんてしてませんよ…」
ウチの場合偽装する意味も薄いんだよなぁ。ヘルメス・ファミリアみたいに秘密主義でもないし、そもそも秘密主義するには色んな所に首を突っ込みすぎるし。
「…まあ良いや!交代!」
「次は私よ?楽しませて…ねっ!!」
「いきなりか…!」
蹴りが飛んでくる。間一髪で躱し、反撃の拳を見舞った。
〜レフィーヤ視点〜
「はぁ〜…」
迷宮街の片付けが一段落し、今日は休み。早朝にアイズさんに相談を持ちかけられた後、結局部屋に戻り一眠りしてしまった。遅めの朝食を済ませ、書斎に続く廊下を渡る。
「…?」
ふと、中庭から破砕音がしている事に気付いた。本を抱えたまま窓の方に目をやる。
「………へ?」
其処には三つの影。ティオナさん、ティオネさんに……え?
「アイズさんの弟さん!?」
えっ、え?な、何で此処に…私達数日前までバチバチに戦りあってましたよね?此処本拠ですよ!?
「どうしたレフィーヤ?」
「り、リヴェリア様!あれ…!」
「…………は?」
「ヒッ…!」
リヴェリア様の背後に
〜ロイ視点〜
アレからひたすら殴り合い、組み合う事数十分。いや、もう一時間は経ったかな?時間感覚すら曖昧になる中で、俺は地面に仰向けになってた。ボロボロの状態で。
「………」
「あっちゃ〜…ちょ〜っとやり過ぎちゃった…?」
「軽いスパークリングのつもりだったのに、白熱しすぎたわね…」
何がちょ〜っとだ。明らかにやり過ぎだよ。泣いて良い?泣いて良いよね?俺二日前に地獄の二連戦したばっかなんだけど?
「っぎぎぎ…いだぃ…!」
「えぇ…もう身体起こせるの…?」
「頑丈すぎない?」
お前等のせいじゃろがい!!ったく、あーあ…服は買い替えだなぁ…。
「…ま、良いや!次はお話しよっ!もうお昼だし、何か食べながら………さ……?」
「あー…ティオナ、此処までよ…見つかっちゃった」
?何で急に青褪め…殺気!?
「……ロイ」
「あっ」
後ろからお師匠の声。わりぃ、俺…死んだ!(本日二回目)
〜食堂〜
………ガッデム。
「全くお前は帰ってきてからも連絡すら寄越さずに危険な事に首を突っ込んでボロボロになってかつての師匠にも容赦なく魔剣を放つしその上今度は急に本拠に来て戦闘訓練などガミガミガミガミ…!」
「はい…はい…すいません…はい…」
あれから食堂に連行され容赦無い説教が始まった。痛い、痛すぎる。周りの視線が。
『あの人がアイズさんの…』
『と言うかリヴェリア様と近くない?もしかして…』
『何言ってるの貴女リヴェリア様があんなハーレム野郎のケダモノとそう言う関係になるわけ無いでしょっ!!』
『リヴェ✕ロイ……アリね』
「其処、黙れ」
「「「「ハイっ!」」」」
エルフが多い…お師匠の部下の皆さんか…。えっ変な噂立たないよね?エルフってむっつりな所あるからな……おいリオンお前にも言ってるんだぞ。(唐突なリオン虐)
「…はぁっ。兎も角、連絡くらい寄こせ馬鹿者…!」
「…すいません」
感極まったのか抱き締めてくる。でも優しい。コレで済ませてくれるのはガチで優しい。ぶん殴られてもおかしく無いムーブしたからな今回に関しては。コレも全部イケロス・ファミリアのせいなんだ!!
『『きゃーッ!!』』
『キタコレ!』
『リヴェ✕ロイよ!!新刊の準備を!』
『そんな…リヴェリア様…?』
……ガッツリ聞こえてるんですが。何も来てないからね?あとそんな寝取られたみたいな顔されても…。
「お前は何時も無茶をする。他のファミリアに行っても目を離せんよ…」
「……耳が痛いです」
前に座らされ、髪を手で梳かれる。うっ…身長差30Cが此処にも…早く大きくなりたい…。
『……なんか、恋人って言うより』
『親子みたいね…』
『それもアリ…?』
『どちらにせよリヴェ✕ロイは今が旬よ!すぐに案を纏め…』
「【終末の前触れよ、白き雪よ。黄昏を前に
「「「「すいませんでしたぁっ!!」」」」
………もうツッコまんぞ。
「はぁ………よし、何処か食べに行くぞ、ロイ。私の奢りだ」
「マジすか!?やったぁ!」
「ティオナとティオネも呼び戻すか…おい、お前達も…」
「「「「お供しますっ!」」」」
なお服も新しいのを買ってもらった。流石お師匠、太っ腹である。そしてヒュリテ姉妹は暗い顔で沈んでいた。後で説教されるらしい。何も周りに伝えてなかったらしいからね、仕方ないね。
〜なぐり書き〜
リヴェリア→マッマ。今回の件でその地位を確固たるものにした。あえてアイズとの仲は聞かなかった出来るママ。主に身長差と態度のせいで恋人に見られることは未来永劫無い。ロイに対しては平然とスキンシップもするし、めっちゃ可愛がる。なお年齢差を考慮するともはや孫とおばあちゃ(殴
ヒュリテ姉妹→前の戦いは不完全燃焼気味だったのでティオナの約束を利用して呼び出した。思ったよりもずっと強くてビックリしたが、アイズの弟なら不思議でもないかと勝手に納得。今後も度々呼び出されるだろう。
アイズ→蚊帳の外。ベルの方にうつつを抜かしている隙に弟がえらい目に遭ってることを知らない。バレたらヒュリテ姉妹とリヴェリアは1週間くらい口を聞いてもらえなくなるだろう。
ロイ→危うく薄い本を出されかけた男。なお既に神々の間ではアストレア・ファミリアとのおねショタ物の薄い本が出回っている。作者は田舎で隠居中の好々爺らしい。なお神々の団結によりロイ含めた本人達は知らない模様。
今後の展開について。どっちが先の方が良いですかね?
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大抗争(アストレア・レコード編)
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深層編