バジリスク伊賀転生帖~天膳殿は異世界でもまた死んでおるぞ!~ 作:onakatarumi
冒険者ギルドの訓練場に血潮が舞い天膳が死んだ!
「よし! 経験値ゲット!」
「天膳さんのお陰でレベリングが
喝采を叫びステータス・ウィンドウを確認する冒険者たち!
「やや! あそこで死んでいるのは間違いなく天膳!」
「うぬら! 何をしておるか!」
いかに嫌な男とはいえ天膳は伊賀の副首領である!
蛮行止めんと
「あ、ダメですよ。いま
その前に立ちはだかるは冒険者ギルドの受付嬢!
「宿怨るーぷ、だと?」
「ええ。死んでも蘇る天膳さんのユニークスキルを利用した無限レベリングのことをそう呼んでいます」
事も無げに語る受付嬢! なお最初の悲鳴は天膳の血が飛び散って汚かったからである!
「いかに生き返ると言っても殺して良い道理はなかろうて!」
「アレは天膳さん自身が言い出したんです。ああやって死ぬことで天膳さんは報酬を貰っています。天膳さんが死ねば死ぬほど儲かるんです」
受付嬢から説明を受けて、納得しつつも念鬼は唸る!
「天膳のやつめ! 変な趣味にでも目覚めよったか?」
「前からおかしなな奴だとは思っておったがのぅ……」
訝しむ二人に対し、地の底から響き渡るかの様な声!
「ククク。言ってくれおる、念鬼に陣五郎よ」
切り傷が塞がり立ち上がるのは
「やはりお主らもこの奇怪な世に流れておったか。フフ、わしの思うようにことは運びよる」
「どういうことだ天膳!」
逸る念鬼を手で制し、冒険者たちを「今宵は仕舞じゃ」と追いやる天膳!
「どうやらあの忍法争いで死んだものは
「おお! あの憎っくき
「いや待て陣五郎。天膳がここにおるということは……」
「その通りじゃ念鬼よ。まっこと口惜しいことに我らは敗北した。
「おお……」
「なんと、朧さま……」
嘆く念鬼と陣五郎! だが天膳は不敵に笑う!
「だが! ついに真なる死を迎えたかと思われたワシはここに蘇った! そして念鬼よ! 陣五郎よ! お主らもここにおるとなればやることは一つ!」
「なるほど合点がいった!」
「忍法勝負の再開じゃあ!」
猛る念鬼と陣五郎! だが念鬼はすぐに首を傾げる!
「それがどうしておヌシが何度も死ぬことに繋がるのだ?」
「ククク。路銀稼ぎもあるがそれはついでじゃ。この奇妙な世の
「当然!」
「小四郎の奥義、吸息の旋風かまいたちが如きを多くの者が使いよる!」
念鬼と陣五郎、ここに来るまで冒険者稼業を生業としていた! それは当然知っている!
「甲賀の奴らめが恥知らずにも忍法争いに余人の
「甲賀の奴ばらならあり得ることじゃ!」
まったくもっての恥知らず!
「それに備えて冒険者たちの手の内を丸裸にするべくこの天膳は殺されておったのじゃ!」
「なるほど!」
天膳は誇り、陣五郎は頷く! 念鬼だけが首を傾げた!
「いや待て天膳! お主、殺されてばかりで『れべる』上げはどうした? いや、ここに来てから何回殺されおった?」
「十から先は数えておらぬ。それにしても『れべる』だと? 念鬼よ、どういうことだ」
ひとつの可能性に思い至った念鬼は天膳に指示する!
「天膳よ! すぐに手をかざし『すてーたす・おーぷん』と叫ぶのじゃ!」
「何を慌てる念鬼。まぁ、よかろう。……すてーたすおーぷん!」
天膳が叫ぶやいなや現れたるはステータス・ウィンドウ!
「これは、れべる?
「それは『まいなす』じゃ天膳! お主、殺される度に経験値が失われ、『れべる』が『まいなす』になったのだ!」
天膳のステータス・ウィンドウに記されるレベルはマイナス333!
「この世界ではワシらも『れべるあっぷ』で強くなるのじゃ天膳! ワシはそれで覚えた『くりえいと・うぉーたー』の『すきる』で陣五郎を救えたのじゃ! それが事もあろうに『まいなすれべる』になるとは……それは
天膳の失策を念鬼がなじる!
対して天膳は不敵に笑う!
「フフフ。『れべる』なぞ。この天膳の不死の術を以ってすればどうとでもなる。それより
「きゃああっ!」
その時! 冒険者ギルドに併設された酒場にて給仕が転んで酒が入った
天膳の水難!
その後頭部に杯が直撃した!
「げ、げんの、すけぇ……」
不明瞭な呟きとともに天膳が崩れ落ちる!
「天膳め死によった!」
「言わぬことではない! 『すてーたす』が低下しておるからじゃ!」
不定形の身体で忍び寄る異形の忍者、
体毛を自在に操りし忍、
不死にしてまた死んだ、
次回! バジリスク伊賀転生帖! 『迷宮夜行』!
オリジナル小説を投稿しにハーメルンにやってきましたが、せっかく二次創作の聖地に来たので思いついたやつをサクッと書き殴ってみました。
バジリスクのアニメ・コミックのみの履修者で宿怨ループとか知らない人いたらスイマセン。元ネタは無論原作小説でもありません。スマスロのネタです。
3話完結予定で、いまこの瞬間続き書いてます。本日中には2話、日付変わった頃には最終話書き上がると思うので、お目汚しかも知れませんがよろしくお願いします。