キヴォトスに妖怪の賢者が混ざり合う   作:空飛ぶTNT拡散型

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 プロローグが!終わらない!これはダレるぞ!

 という訳で前回のあらすじ

戦闘、戦闘、戦闘!
先生の指揮が結構上手かった!
またもや戦闘!今度はワカモと!?そう思っていた時期もありました!
何故か戦車が現れワカモ逃亡!尚先生はワカモの姿を見ていない!
頑張ったら勝てた!
以上!



0章 4話 先生とシッテムの箱

 

 ユウカ∶「着いた!!」

 

 ハスミ∶「はい」

 

 長かった戦闘がようやく終わり、シャーレに着いた事にユウカ達は喜ぶ。

 

 リン∶「「シャーレ」の部室の奪還完了。私も、もうすぐ到着予定です。建物の地下であいましょう。」

 

 先生∶”うん、わかった。皆!此処までありがとう!”

 

 先生は”またね〜!”と別れの挨拶を済ませシャーレの中に入って行く。少し進んで玄関を抜けると右手側に地下に行く階段が現れた為、先生は迷いなく地下へと降りていった……。

 

 ワカモ∶「うーん……これが一体何なのか、まったくわかりませんね。これでは壊そうにも……」

 

 地下から聞いたことのある声がする。チラリ、と覗いてみれば……

 

 ワカモ「……あら?」

 

 先生∶”……こんにちは?”

 

 キツネ面を被った和服の少女がいた…。怪しい生徒と出くわしてしまった。そう思いながらも挨拶をしてみる。

 

 ワカモ∶「あら、あららら……」

 

 ワカモ∶「……」

 

 目の前の生徒は硬直して動かない。

 

 先生∶”?”

 

 先生は返事もせず硬直している生徒を見て首をかしげる。

 

 ワカモ∶「あっああ……///」

 

 ワカモ∶「し、し、……失礼いたしましたー!!」

 

 先生∶”……?”*1

 

 目の前の生徒は先生の横を駆け抜け地下から出て行く。先生は一体何だったんだろうと思いながらリンを待つことにした。

 十分位経っただろうか。“カツカツ“と足音が聞こえ、そちらを見ればリンがようやくやって来た。

 

 リン∶「お待たせしました」

 

 リン∶「ここに、連邦生徒会長の残したものが保管されています」

 

 リンはそのまま先生の近くまで歩き、そこにあった箱を開けた。出て来た物を見てリンは安堵する。

 

 リン∶「……幸い、傷一つなく無事ですね」

 

 リン∶「先生、受け取ってください」

 

 リンは先生に取り出した物を渡す。受け取った物は四角形20cm×30cm程の大きさのもので、見てくれは只のタブレット端末だった。

 

 先生∶”タブレット端末……?”

 

 リン∶「はい、これが、連邦生徒会長の残した物。シッテムの箱です」

 

 ……何処かで聞いたことのある名前。シッテムの箱、タブレット端末にしては妙なもので、名前に既視感を感じる。

 

 リン∶「普通のタブレットに見えますが、実は正体のわからないものです。製造会社も、OSも、システム構造も、動く仕組みすべてが不明」

 

 リン∶「連邦生徒会長は、この「シッテムの箱」は先生の物で、先生がこれでタワーの制御権を回復させられるはずだと言っていました」

 

 リン∶「私達では起動すらできなかった物ですが、先生ならこれを起動させられるでしょうか、それとも……」

 

 先生∶”………”

 

 リン∶「……では、私はここまでです。ここから先は先生にかかっています」

 

 リンは「邪魔にならないよう離れています」そう言い先生に全てを託した。リン達が解析出来なかった物だ、果たして私に出来るのだろうか。そう思い、先生はシッテムの箱を起動させたーー

 

…………………………………………………………………………………………………………

 

 紫視点だよ!?*2

 

 紫∶「へぇ?…これが、ね」

 

 紫は先生が受け取ったシッテムの箱を観察している。ずっと状況を打破出来る物とは何だろうか?と気になっていたのだ。

先生が疑問に思った通り、只のタブレット端末にしか見えない。

 

 紫∶「アーティファクトか、付喪神か、それも強力な物ね」

 

 しかし紫はシッテムの箱からキヴォトスの人間から感じる力と同じ物を感じ取っていた。

 先生はタブレット端末に文字を入力している。どうやらパスワードの解除を試みるらしい。紫は無駄なのでは?、そう思いながら眺める。

 〈我々は望む、七つの嘆きを。……我々は覚えている、ジェリコの古則を。〉

 そんな言葉遊びのような文言を入力してパスワードは開いた。……何で先生はパスワードを知っているのだろうか。そもそもこの言葉に意味はあるのだろうか?*3

 

 先生∶”……!?”

 

 紫は考察していると先生が慌てる。何かあったのかと画面を見れば〈ERROR 現在の接続者情報と合致しません。〉と出て来ていた。文章は即座に置き換わっていく。

 

 〈修正を試みます……100% 修正を完了しました。〉

 

 〈照合中……確認完了。〉

 

 〈「シッテムの箱」へようこそ、先生。〉

 

 {生体認証及び認証書作成のため、メインオペレートシステムA.R.O.N.Aに変換します。}

 

 そんな文章が映し出された時慌てていた先生がピタッ、と止まる。

画面上には壊れた教室が映し出されており、机に突っ伏して寝ている少女がいた。壊れた教室の外は何処までも青い海と空の地平線が広がっており、その光景は世界の終末が訪れた後のようだった。

 

 ???∶〈くううぅぅ……Zzzz〉

 

 少女が寝ているかの様な音声が流れ、テキストが映し出される。

 

 ???∶〈むにゃ、カステラにはぁ……いちごミルクより……バナナミルクのほうが……〉

 

 ???∶〈えへっ……まだたくさんありますよぉ……〉

 

 紫「よく寝てるわね〜」

 

 それにしても随分と甘そうな夢である。寝言でカステラにミルク系統の飲み物を出す辺り子供のようだった。

 先生が無言で画面上に映し出されている少女の頬を突く。

 

 ???∶〈うへ……うへ?……ひへ!?〉

 

 ガタッと音が鳴りゆっくりと起き上がる。目をこすっていて眠たそうだ。

 

 ???〈ありゃ、ありゃりゃ……?〉

 

 ???〈えっ?あっあれ!?先生!?〉

 

 眠たそうな顔から一転驚いた様子で此方を見る。ようやく気が付いたらしい。

 

 ???∶〈う、うわああ!?そっそうですね!?もうこんな時間!?〉

 

 少女は自身に〈落ち着いて、落ち着いて〉と発して落ち着こうとしている。随分と人間らしい挙動だ。

 

 ???∶〈えっと……その……あっ、そうだ!まず自己紹介から!〉

 

 アロナ∶〈私はアロナ!〉

 

 アロナ∶〈この「シッテムの箱」に常駐しているシステム管理者であり、メインOS、そしてこれから先生をアシストする秘書です!〉

 

 アロナ∶〈やっと会う事が出来ました!けど…〉

 

 アロナ∶〈先生は何でヘイローを持っているんですか?〉

 

 アロナ∶〈事前に聞いていた情報では先生は外の世界から来たって…〉

 

 アロナは不思議そうな顔をしながら疑問を投げる。しかし先生は一言も発さず、その疑問に応えようとしない。

 

 アロナ∶〈えっ?先生にも分からないんですか?〉

 

 疑問に応えることも無くともテキストは勝手に流れていく。いや、これは。

 

 紫∶「先生と会話しているわね」

 

 此処まで露骨だと流石に気づく。どういう原理かは分からないが。

 

 アロナ∶〈まあ問題は無さそうだったので、多分大丈夫だと思います!〉

 

 アロナ∶〈はい!よろしくお願いします!〉

 

 アロナ∶〈まだ身体のバージョンが低いのですが…〉

 

 アロナ∶〈これから先、頑張って色々な面で先生のことをサポートしていきますね!〉

 

 アロナ∶〈あっそうだ!形式ではありますが、生体認証を行います♪〉

 

 アロナ∶〈さあ、この私の指に、先生の指を当ててください〉

 

 先生の身体が動き、アロナの指と指を合わせる。身体を動かせる辺り、思考だけがシッテムの箱とつながっているのかもしれない……それにしても。

 

 紫∶「何処かの映画みたいね?」

 

 アロナ∶〈はい?宇宙人の映画のワンシーンみたいですって?〉

 

 アロナがジトッ…とした目で此方を見てくる。紫は一瞬ドキッとしたが見ているのは先生の目だった。どうやら先生も同じ事を思ったらしい。

 正直、これからの計画的に先生と敵対する可能性があるのだ。今の段階でバレたくない。世界の概要が分からない今、どのような事が起きるか分からないのだ。

 

 アロナ∶〈画面に残った指紋を目視で確認するのですが……すぐ終わります!こう見えて目は良いので〉

 

 アロナ∶〈どれどれ…?〉

 

 アロナ∶〈うーん…?〉

 

 目を凝らし、指紋を見ている…にしては随分と時間がかかっていた。何なら余り見えていない様だった。

 

 アロナ∶〈…まあ、これで良いですかね?〉

 

 紫∶「それで良いのね…」

 

 思わず突っ込んでしまった。

 

 アロナ∶〈……はい!確認終わりました♪〉

 

 アロナ∶〈えっ?最近の指紋認証は自動なんですか!?〉

 

 アロナ∶〈そ、そんな能力無くてもアロナは役に立ちますから!?〉

 

 アロナ〈クスン…〉

 

 先生に色々言われてしまったのかアロナは涙を浮べていた。そんなアロナに対し、先生は慰めるように指で撫でている。

 

 そこから暫くしてアロナが落ち着き始めた頃。

 

 アロナ∶〈なるほど…先生の事情は大体分かりました〉

 

 どうやら先生は慰めながらも現状を説明していたみたいだった。

 

 アロナ∶〈サンクトゥムタワーの問題は私が解決出来そうです〉

 

 アロナ∶〈はい!分かりました。それでは、サンクトゥムタワーのアクセス権を修復します!〉

 

 アロナ∶〈少々お待ちください!〉

 

 アロナは目を瞑り作業に入ったのかその場で動かなくなる。

 “ウィィィィィン“そんな音がしたかと思えば、地下室の電気に灯りがつく。

 

 アロナ∶〈サンクトゥムタワーのadmin権限を取得完了……〉

 

 アロナ∶〈先生。サンクトゥムタワーの制御権を無事回収出来ました〉

 

 紫∶「……嘘でしょう?」

 

 アロナが作業に入って一分程、余りにも速かった。想像でしかないがキヴォトス全土を管理出来るほどの権限だ。それはそれは頑丈で、簡単には突破出来ないものだろう。

 幻想郷を管理者である紫はその危険性に警戒する。*4

 

 アロナ∶〈今のキヴォトスは先生の支配下にあるも同然です!〉

 

 アロナ∶〈先生が承認さえしてくだされば、サンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会に移管できます〉

 

 アロナ∶〈分かりました。これよりサンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会に移管します〉

 

 紫∶「ほんと、お人好しで良かったわね…」

 

 本当に何故こんな物を来たばかりの人に渡しているのだろうか。先生が権限を渡す保証も無いだろうに。

 ……先生一人に、来る前から準備と信用をしている辺り連邦生徒会長は何者だろうか。ここまできてしまったらそれは先読みよりも未来予知に近い。そう紫が考えていると電話を取り、何かを確認しているリンが先生に話しかけてくる。

 

…………………………………………………………………………………………………………

 

 先生視点だぁ~

 

 リン∶「先生、サンクトゥムタワーの制御権の確保が確認できました」

 

 リン∶「これからは連邦生徒会長がいた頃と同じ様に行政管理を進められますね」

 

 リン∶「お疲れ様でした、先生」

 

 リン∶「キヴォトスの混乱を防いでくれたことに、連邦生徒会を代表して深く感謝いたします」

 

 先生∶”本当に上手くいけて良かったよ!”

 

 リンはお手本の様なお辞儀を行い、感謝を先生に示す。先生は上手くいけたことにとても嬉しそうだ。

 しかしリンはまだ終わっていないと直ぐに今後の事を先生に伝える。

 

 リン∶「ここを攻撃した不良たちと停学中の生徒たちについては、これから追跡して討伐いたしますので、ご心配なく」

 

 リン∶「それでは「シッテムの箱」は渡しましたし、私の役目は終わったようですね」

 

 リンが「ふぅ…」と一息つき、シャーレから帰ろうとするが何かを思い出す様に動きを止め、先生に話しかける。

 

 リン∶「……あ、もう一つありました」

 

 リン∶「ついてきてください。連邦捜査部「シャーレ」をご紹介いたします」

 

 リンはシャーレの内部を説明するために地下室から移動する。先生はそういえばシャーレの詳しい説明を受けていなかったな、そう思いリンについていった。

 階段を登り、1階の廊下を抜ければ、仕事をするのに丁度良さそうな部屋に出た。

 

 リン∶「ここがシャーレの部室です」

 

 リン∶「ここで先生のお仕事を始めると良いでしょう」

 

 先生∶”私はこれから何をすればいい?”

 

 先生は未だにシャーレの目的というのを知らなかった。その為何が出来るのか、何をやったらダメなのかが明確に分からないのだ。とりあえずリンに聞くことにした。

 

 リン∶「……シャーレは、権限だけはありますが目的のない組織です」

 

 リン∶「特に何かをやらなきゃいけない…という強制力は存在しません」

 

 リン∶「キヴォトスのどんな学園の自治区にも自由に出入りできます」

 

 リン∶「また所属に関係なく、先生が希望する生徒たちを部員として加入させることも可能です…」

 

 つまるところ、先生の自由にして良いよ。との事だった。自分勝手に動いていいと言われた先生は今後の事に心を躍らせていた。

 

 リン∶「……何故なのか、本人に聞いてみたくても、連邦生徒会長は相変わらず行方不明のまま」

 

 リン∶「私達は彼女を探すのに全力を尽くしているため、キヴォトスの問題に対応できるほど余力はありません」

 

 リン∶「今も連邦生徒会に寄せられるあらゆる苦情……」

 

 リン∶「支援物資の要請、環境改善、落第生の特別授業、部の支援要請などなど……」

 

 先ほどの先生シャーレの目的の話から一転して、いつの間にか連邦生徒会の苦労話に変わっていた。苦労しているんだなぁ。そう考えていると 

 

 リン∶「もしかしたら、時間が有り余っている「シャーレ」なら、この面倒な苦情の数々を解決できるかもしれませんね」

 

 先生∶”……えっ?……あっあれ?”

 

 どうやら此方にその仕事を投げるらしい。

 

 リン∶「その辺りに関する書類は、先生の机の上にたくさん置いておきました。気が向いたらお読みください」

 

 リン∶「全ては先生の自由ですので」

 

 ……逃げ道はすでに塞がれていた。何なら今からやれという圧さえ感じる。

 

 先生∶”はい…”

 

 リン∶「それではごゆっくり、必要な時には、またご連絡します」

 

 がっくりと肩を落とした先生を横目にリンは踵を返して帰って行った。リンがシャーレから出た後、先生はシッテムの箱に目を落とす。

 

 アロナ∶〈あはは……なんだか慌ただしい感じでしたが……ある程度落ち着いたみたいですね。お疲れ様です〉

 

 先生∶”うん、アロナもお疲れ様”

 

 アロナ∶〈はい!でも、本当に大変なのは、これからですよ?〉

 

 アロナ∶〈これから先生と一緒に、キヴォトスの生徒たちが直面している問題を解決していくのです……!〉

 

 アロナが目を輝かせながら言う。ここまで期待されているのだ。頑張って問題を解決しよう!そう考えながら机の上の書類を確認し始めた。

 

 アロナ∶〈それではキヴォトスを、シャーレをよろしくお願いします、先生〉

 

 先生∶”こちらこそ、よろしくね、アロナ”

 

 アロナ∶〈それではこれより、連邦捜査部「シャーレ」として最初の公式任務を始めましょう!〉

 

 そう、これからシャーレの先生として、先生のキヴォトス生活が始まったのだーー

 

…………………………………………………………………………………………………………

 

 そんな始まりの日、夜中。先生は仕事を何とか終わらせ、部室横に有る私室のベットに飛び込む。疲れているのか、直ぐ様先生の意識は闇へと落ちた。はずだった。

 ムクリ、とベットから身体を起こす。

 

 紫∶「あぁ、なるほど」

 

 紫が口を動かす。

 

 紫∶「まさか、動けるとはね?」

 

 身体を動かし鏡の前に立つ。いつの間にかその姿は先生では無くなっており、幻想郷の八雲紫そのままの姿となっていた。唯一違う所があるとしたら先生の寝間着姿で、ヘイローが付いていることだが。まあこれは、本当に有り難い。計画が予定より早く押し込めそうだ。

 紫は頭の中で整理を始める。元々、最終目的はこの世界からの脱出で、今の最優先目的は先生から自分を剥がす事だった。

 しかし自分が今自由に動けるというならそれは別だ。先生の事はこの世界の重要人物と考えている。先生の意識さえ無ければ行動でき、先生の事を監視できるのであるならば完全に離れるより今の状況の方が良いだろう。

 つまり、今からするべき目標は自身の力を取り戻すことだ。力さえ取り戻せばこの世界から脱出出来るだろう。

 

 紫∶「さて、集めるとしましょうーー」

 

 紫∶「恐怖を」

 

 紫は外に出て真夜中、キヴォトスの街を彷徨い練り歩く。獲物を探しながら。

 

*1
紫∶「随分と可愛らしいわね〜」

*2
正直紫視点だけ書きたい。だけどそうは問屋が卸さない!

*3
本当に何の意味があるのやら?

*4
管理者目線から余りにも危険すぎるアロナ。そしてそれをほぼ知らん奴に渡す不用心さに紫は戦慄した





 第4話、終了!

 TNT∶やったぁーー!!終わったぁプロローグ!

 TNT∶どうしても紫と先生の関係上プロローグが長くなっちゃった。

 TNT∶それにしても紫が不穏だ!今後どうなることやら!
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