ようやく動いた!わーい!
という訳で前回のあらすじ
シャーレ到着!皆と別れてシャーレ地下室へ!
何かワカモがいた!何か飛んでった!
シッテムの箱起動成功!親方!中に女の子が!アロナっていうらしい!
アロナがサンクトゥムタワーの権限を取得!余りの速さに紫、危機を感じる!
先生、権限奪還後リンから仕事を投げられる!
ここから始まる先生生活!かと思いきや!
何か紫復活!しかも動ける!やった!わ〜い!
以上!
ゲヘナの隅、D.U地区を超えた辺り。紫はそこら辺にあったゲヘナの地図を確認しながら練り歩く。
紫∶「やっぱり力が弱体化してる…」
ただ歩いていた訳ではなく、自身がどこまで力を出せるのか、それを試していた。だが、残念な事にスキマ以外はさっぱり、何ならスキマも頭一個分しか広げれなかった。だからこそ紫は歩いていた。
紫∶「本当何とかしたいわ…」
紫∶「歩くのも大変だし」
ふぅ…と一息つきそこにあったベンチに座り込む。2時間程歩き回りここらへん一帯の道は全て通った。しかし人が一人もおらず、体力も落ちていため、疲れて座ってしまったのだ。
ここで一旦一息ついて、別の場所に行こうか考えていた時、遠くからこちらに向かう足音が聞こえた。
紫∶「!ふふっ……ようやくね♪」
ようやく獲物を見つけ喜びに震える。そのまま立ち上がり闇へと紛れていった……
…………………………………………………………………………………………………………
ハナミ*1(モブちゃん)視点!?
ハナミ∶「う〜……やっぱり夜中に一人は嫌だなぁ…」
そうつぶやきながらライトで周りを照らすハナミ。彼女はゲヘナの風紀委員会に所属しており、今日は一週間に一度の真夜中の巡回日だった。
本当だったら2人一組での巡回なのだが、運悪く相方が風邪で休んでしまい、一人だった。勿論、周りに助けを頼んだのだが残念な事に真夜中の巡回を受けてくれる物好きはいなかったのだ。……まぁ元々余り友達がいなかったのもあるが。
ハナミ∶「……ん?」
そうして巡回していると誰かが歩いてきた。こんな夜中に歩いている奴はそう多く無く、停学中生徒だったりなど手配されてる奴が多い。
ハナミは警戒を前から来る人一点に集中する。
紫∶「こんばんは」
前から現れたのは金髪の西洋チックな女性だった。まるで漫画の貴族の夫人の様であり、そんな彼女の顔には優しい笑みを浮かべ、丁寧な動作で挨拶をしてきている。……ヘイローがある辺り生徒なのだろうか。
流石にこんなにも印象的な人だ、もし手配されていたら必ず憶えているだろう。一先ず警戒しなくても良さそうだ、そう考え安堵する。
ハナミ∶「こんばんは〜」
挨拶を交わし、彼女の横を通り抜けた時、後ろから両肩を掴まれる。
ハナミ∶「ぴゃわぁ!」
余りにも唐突だった為、変な声を出しながら身体をビクつかせるハナミ。しかし直ぐに飛ぶように離れ、肩を掴んできた相手に自身のMP5*2を向ける。
ハナミ∶「きゅ、急になんですか…!」
行動の意味が分からないため顔に困惑を浮かべて疑問を投げる。しかし返されたのは関係の無い奇妙なことだった。
紫∶「私の脚って何処かしら?」
ハナミ∶「……へ?」
脚。……意味が分からない。困惑した頭が更に困惑する。まさか、と言葉の通りに彼女の脚に目を向けてみればそこには。
ハナミ∶「……っひ!?」
脚が、無かったのだ。彼女の身体は物理に反して、空中に浮くようにしてそこに存在している。意味の分からなさと恐怖でMP5を持つ手が強張る。
紫∶「ねぇ、私の脚は何処かしら?…知っているでしょう?」
ハナミ∶「しっ知らないっそんなの!」
彼女はゆっくりと近付いてくる。
ハナミ∶「知らないってば!……ひゃあ!」
銃を向けながら後ろに後退していると不意に何かに躓き転倒してしまう。
紫∶「知らないのなら、貴方の脚でも良いわ」
ハナミ∶「…!やっやだ!やだぁ!」
彼女の一言を理解し恐怖で顔が歪む。ハナミは遂に涙を浮かべ始めた。それでもゆっくりと彼女は近付いてくる。
ハナミ∶「こっ来ないで…!」
ハナミ∶「来ないでよぉ…!」
ハナミ∶「……うっうぅ」
ハナミの頭の中は恐怖と困惑でパンク気味であり、ほとんど何も考えられない状況となっていた。しかし転んでしまった今逃げる事は叶わない。
それを理解したハナミは頭の中で「逃走」が「防衛」に切り替わった。
ハナミ∶「わぁぁぁぁぁ!?」
目を瞑りながら銃を放つ。銃の景気の良い音は“カシュッ“、と弾切れの音で止まった。……何も、起こらない。
ハナミ∶「………?」
つぶっていた目を開けて前を見る。何かが、横たわっている。
ハナミ∶「え、あ、あぁ」
その横たわっている何かをライトで照らしてみれば、それは
ハナミ∶「……うっく…」
血の池を作り出した彼女であった。ヘイローは無く、その生命はハナミから見て消えていた。吐き出しそうになったのを我慢して呑み込む。
理解、したくない。そうであってほしくない。恐怖で一杯だった頭の中でまた別の恐怖で塗り替わる。
ハナミ∶「ッッッ!」
そして状況を呑み込め無いまま、その場から逃げ出してしまった。
我を失い、走り出してから数分、行き止まりに突き当たる。そこでようやくハナミは脚を止め体育座りをして壁に寄り掛かる。
ハナミ∶「はぁ…はぁ…はぁ…」
アレは人だったのだろうか。少なくとも浮いていたし人には見えなかった。……でも、アレは完全に
ハナミ「うぅ……ひっく、ぐす…」
罪悪感に苛まれる。涙で顔かぐちゃぐちゃになりながら頭を抱える。どうすればいいのか、必死に考える。
……そんなハナミの両肩に、手が置かれる。
ハナミ∶「……ッ」
肩をビクつかせながらゆっくりと顔をあげる。そこには、何と
紫∶「ねぇ…脚、頂戴?」
ハナミ∶「ひぃ!?」
血塗れになりながら変わらずの笑みを浮かべる彼女がいた。
ハナミ∶「はっ…はぁっ…はっ………ア…」
本当に、意味が、分からない。頭がぐちゃぐちゃになり、恐怖で歪む。最早呼吸すらも出来ず、ハナミの意識はグルリ、と闇に反転したーー
…………………………………………………………………………………………………………
楽しそうな紫視点!*3
紫∶「ふふっ…つい興が乗っちゃったわ」
気絶したハナミを横目に紫は楽しげに笑う。まさかここまで上手く行くとは紫も思っていなかったのだ。
紫∶「貴方のお陰で力は少し戻ったわ、ありがとね?」
ハナミの頬を撫でながら、身体を持ち上げる。
紫∶「あら?……あ~…」
紫は身体の下にある水溜りを見て察する。どうやら本当にやりすぎてしまったらしい。
紫∶「ふふっ…フフフフ!」
紫∶「アハッハハハハハハ!」
その事実についつい嗤ってしまう。*4先ほどの優しい笑みとは一転、狂気的だ。こんな真夜中、もし誰かが見ていたらその場から逃げ出す程だろう。
そんな笑いもピタッ、と止まり*5、持ち上げていたハナミをスキマに放り込む。*6スキマも何とか小さな人であれば通れるほど大きく出来るようになった。とりあえず、出会った場所に置いとけば誰が来るだろう。
……さて、とりあえず。まだ時間は十二時半頃、とりあえず四時位まで獲物を探すとしよう、ここを中心として。ただ、その前に。
紫∶「服を調達するとしましょうか」*7
紫は夜を練り歩く。恐怖で周りを塗りつぶしながらーー
…………………………………………………………………………………………………………
紫∶「ただいま〜」
紫は歩いてシャーレの中に戻る。今日だけで8人、余り人は居なかったが、力もちょっと戻った。残念な事に身体を通せるほどスキマが大きくならなかったが。
本当ならばもっと長く外にいて人を探したかった。勿論それには理由がある。先生の意識が無くなって自分が表に出るなら先生の意識が戻れば先生が表に出る可能性が高いのだ。
紫∶「夜出歩いている人居ないのかしら?」
だが収穫があまり無かった訳では無い。自身の力を取り戻す過程で判明した事がある。
一つはヘイローの顕現と消失だ。どうやらヘイローは私の自身の力の一部であり操れるようだ。簡単な話ONとOFFが可能だった。
もう一つは生徒達から得た恐怖は普通の人よりも大体1.5倍ほど多かったのだ。
……というより恐怖に混じって別の力も得ていたのだ。この力がキヴォトス固有の力と言うこと以外、分かっていないがとにかく今は有難いものだった。
紫∶「本当、変な状況ねぇ…」
そう呟きながらスルスルと先生の寝間着姿に着替える。
かなり永く生きて来た紫でも自身がここまで追い詰められる様な状況はあまり無かった。それ故に何が起こるか分からず慎重に動くしか無いのだ。
紫∶「むっ胸がキツイわ…」
寝間着が弛んでしまわないかが心配だ。早く身体を変化出来るほど、力を戻さなければ。
紫はそう考えながらベットにいそいそと入り込み就眠したーー
第5話終了!
TNT∶やった!書きたいもの第一陣書けた!いえ〜い!
TNT∶オリジナル生徒出したらめっちゃ愛着湧いちゃった。……何か可哀想なことになってるけどね!
TNT∶何ならもっと酷いことしたかった。多分また出すかもこの子
TNT∶こっから対策委員だ!どうなるのかな?書くのが楽しみだ!