楽しくて……これもヒロアカとダンまちのせいだ……!!!(by 醜い人間)
それでは、どうぞ!
『個性把握……テストォ!?』
「入学式は!? ガイダンスは!?」
「ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間ないよ」
一理あるなぁ。
「雄英は『自由』な校風が売り文句。そしてそれは『先生側』もまた然り。ソフトボール投げ、立ち幅跳び、50メートル走、持久走、握力、反復横跳び、上体起こし、長座体前屈、中学の頃からやってるだろ? 『個性禁止』の体力テスト」
そこで一区切りつけ、先生はまた話し始める。
「国は未だ画一的な記録を取って平均を作り続けている。合理的じゃない。まぁ文部科学省の怠慢だよ」
そして周りを見渡し、魔兎を見てボールを手渡す。
「今年の首席はお前だな、言代」
「はい」
……? なんかすごい敵意を感じる。って怖。
振り返るとヒーローがしちゃいけない顔をしている不良くんと紅白イケメンくん。
「中学の時ソフトボール投げ何mだった?」
「57mです」
「じゃあ個性を使ってやってみろ。円からでなきゃ何してもいい。早よ」
個性か。何が良いかな…………よし。
「えーと、十歩ほど後ろに下がっていてください」
「じゅ、十歩?」
「……こんくらいかー?」
「いいよー。ありがとね! 【
風が吹く。髪が舞い、優しく包み込まれる。
さて、では──
「──【
◇
──空気が変わった。
誰もがそう感じただろう。緑谷もその一人。
「【捨てられし
響く詠唱。僕たちの間を縫って渡る雄々しき歌。
「【
足元に広がるは光り輝く
「【轟く
あの個性はなんだ。
「【一族よ、集え。この
あの存在感はなんだ。
「【我が名は
彼女は、なんなんだ。
「【もし許されるならば──】」
「【今ここに、女神の
その名を落とした。
「【ティル・ナ・ノーグ】」
「(やばっ!)」
麗日は砂から身を守るために咄嗟に顔を覆った。が、
「(……来ない?)」
暖かな風が麗日たちを包み込み、砂や埃から彼女たちを守っていた。彼女たちの大半はこの現象の原因はわからなかったが、相澤は見抜いていた。
「(確かてんぺすと? だったか。それを使って俺たちへの被害を最小限にしている)」
2つのことを同時にするのは意外にも難しい。それが『個性』ともなれば尚更。これができている時点で彼女の技術の高さがわかるだろう。
──こいつは思っていたよりも異常だな。
頭上に躍り出て、空を渡った
◇
おー。なかなかいいんじゃないの? ほら、もっと頑張れ頑張れー! あ、範囲外になっちゃった……。
「まず自分の最大限を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」
そう言いながら、『1563.2m』と表示された手元の端末をこちらに向ける。
その結果にクラスメイト達が俄かに湧き立った。
「1キロ超えた!?」
「さすがヒーロー科、『個性』思いっきり使えるんだ!」
「何これスゲー面白そう!」
口々に声をあげる生徒の言葉に、相澤の「空気が変わった」のを察知したのは、残念ながら魔兎のみ。
「『面白そう』……か。ヒーローになるための3年間、そんな腹積もりでいるのかい? ……よし、トータル成績の最下位の者は『見込み無し』と判断し、除籍処分としよう」
「え、ぇぇええええええっ!?」
「そんな、入学初日ですよ!? いや初日じゃなくても、理不尽すぎる!」
誰かが皆の心を代弁するかのような抗議の声が上がる。が、相澤はこれを一蹴。
「理不尽、ねえ。……自然災害、大事故、身勝手な
その言葉に対する反応は様々だ。不敵に笑う者、決意を固める者、慄く者。そんな中、『個性把握テスト』が開始された。
◇
50m走
「【
「はっや!!」
記録:3秒72
握力
「【ヒルディス・ヴィーニ】……フッ!!」
「すごっ!?」
「おいこっちにもゴリラがいたぞー!!」
記録:769キロ
立ち幅跳び
「【
「…………言代、あとどれくらい飛んでいられる?」
「丸一日余裕です」
「……測定不能」
記録:測定不能
反復横跳び
こちらも【ヒルディス・ヴィーニ】。
「フッ……フッ……!」
「すっげーシュールだな……」
記録:147回
ソフトボール投げ
「言代はあと一回な。それと、別の方法でやってくれ」
「別ですか? んー」
別……別かぁ。無難に……あ。いいこと思いついた。
「【
炎を身に纏う。その姿は紅き
「【
呼び出した魔法を腕を中心に体に纏わせる。あとは簡単。
「はぁぁああああ!!」
ブオオオンッ!!!
「おお!!」
「こりゃまた飛んだなぁ」
すかさずここで──
「【解き放つ一条の光、聖木の
──
「え! また!?」
「今度はなんだー?」
「【狙撃せよ、妖精の射手。穿て、必中の矢】」
魔法で強化した目でボールをなんとか見つける。最高高度はまだ。
まだ…………もう少し……今!!!
「【アルクス・レイ】!!」
ビュンッッ! …………ドンッ!!!
よしよし。あとは範囲外になりそうになったら唱えるだけ。
……そろそろかな? …………そこ!
「【
うおおお!! カッ飛んだー!!! そうだ! もっと行くんだー!
記録:1032m
◇
余は満足である。
ソフトボール投げが終わった魔兎はある程度満足のいく結果になったので、上機嫌でクラスメイトの測定を待っていた。この時、魔兎の耳がぴょこぴょこ動いていたのを見た何人かが癒されていたことを記しておく。
ちなみに麗日が無限という結果を叩き出していた時、1人の生徒が魔兎の測定不能と麗日の無限はどう違うのかを聞いた。相澤曰く、
「麗日のは限界迎える前に大気圏に突入してそのままだから無限。で、言代のは限界はあるが機械が音を上げる方が早くて測定できないから測定不能。結果はどっちも同じようなものだから気にしなくて良いよ」
らしい。確かにほとんど一緒だなぁ。
そんなやりとりを終え、クラスメイトの何人かと話ながら時間を潰していた時。
「SMASH!!」
うおっ!? 何? びっくりしたー。緑髪の子めっちゃ飛ばしてる。……って、骨がバキバキじゃん!! 変色しちゃってるよ!
「どーいうことだこら! ワケを言えデクテメェ!!」
「うわああ!?」
ちょーと不良くん! 怪我人に何しようとしているんだー!!
先回りして不良くんの首根っこを掴む。
「ぐぇっ!?」
「スト〜プ」
「テメェ、何しやがる! 離せや!!」
「とりあえず落ち着こう。その悪人ヅラ、チェンジしよう?」
「誰が悪人ヅラだぁああ!!!」
暴れるな暴れるな! 元気有り余りすぎるでしょ……!
「よく止めた言代。俺の個性を何度も使わせるな。俺はドライアイなんだ」
「え、もったいな……」
「……ほんとね」
不良くんは先生に任せてこの子の治療を──
「待て、言代。治療はするな。緑谷はそのまま続行だ」
「……どうしてですか? 怪我してますけど……」
「これは個性を含めた身体能力を測るテストだ。怪我が事故ではなくそいつの個性の結果ならそれ込みで測る。それに、治ることを前提として動くのは意味がない」
「あ〜、そういうことですか。……応急処置はいいですか? 固定とか」
「それくらいだったら全然いいよ」
じゃあここじゃ邪魔なんで移動しましょー。はーい、こっちこっち。およ? なぜ顔が赤い?
「んー。とりあえず固定と止血するね。テスト終わり次第、私のとこおいで。治すから」
「あ、ありがとう。何から何まで、あぐっ……」
おぉ……、痛そう。あれどこにあったっけ? …………おっ!
魔兎はある物を取り出した。
「はい、唾液作って。で、これ溶かして飲み込んで」
「こ、これって……?」
「痛み止め。5分くらいで効くと思うから。完全にはなくならないけど多少はマシになるはず」
「え!? こ、こんないいもの……!」
「いいのいいの! 貰えるもんは貰っておくべき!」
「ほ、本当にありがとう、ございます……っ!」
「な、ない、泣いてる!? 大丈夫っ!?」
長座体前屈
「【シルヴァー・ヴァイン】。ふぅ……」
「ケロ。私と同じことをしているのね。お揃いだわ」
「体柔らか……てか、壁にぶつかってるし……」
記録:測定不能
上体起こし
またもや【ヒルディス・ヴィーニ】を使用。
「フッ! フッ!」
「頑張れ〜!」
記録:61回
持久走
「【
まず保険として【エアリエル】と【アガリス・アルヴェシンス】を発動。次に……
「【金の車輪、銀の首輪】【憎悪の愛、骸の幻想、宿命はここに】【消えろ
一気にギアが加速。先頭にいた『委員長』メガネくんに
「なっ」
「お先」
その後はトップを独走したまま終了。
記録:1分17秒
◇
「んじゃパパッと結果発表」
トータル成績が最下位の者が除籍。その事実に生徒がドキドキしながら先生の動向を見守る。しかし、いい意味で皆の予想を裏切る一言が先生から放たれた。
「ちなみに除籍はウソな」
『!?』
「君らの最大限を引き出す合理的虚偽」
『はぁぁああああああ!?』
皆が一斉に驚く。それもそうだ。結果次第で自分の人生が左右されるかもしれないんだから。晒し首の子に至っては顔が別人になるレベルで驚いている。よかったね。
「あんなの噓に決まってるじゃない…ちょっと考えれば分かりますわ……」
「(いや、あれはマジだった)」
先生の除籍という言葉に嘘はなかった……と思う。勘だけど…………。けど今は合理的虚偽と言っている。つまり全員の動き方を見て、まだ見込みがあると判断されたのだろう。
こうして入学早々から始まった過酷な行事が終了した。
いかがでしたか?
今回【ティル・ナ・ノーグ】をボールの投擲に使わせてもらいました。投槍魔法なのにいいのか? ──応用じゃー!! 気合い根性じゃー!!
では、ばいちゃ!