歌譚《サーガ》   作:ベート

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 おはこんばんにちはー!! 作者です! テスト期間中ですが、投稿しますバカやろー!!!

 では、どうぞ!


戦闘訓練

 二日目。

 

 教室に入ると、昨日よりも空気が柔らかくなっていた。緊張が少し解けたのか雑談をしている。

 

 魔兎は自分の席に着き、緑谷の方をチラッと見た。

 

 ──指。

 

 昨日、ソフトボール投げで折れていた指。普通に動いている。

 

「(うん、ちゃんと治ってるね)」

 

 これは個性把握テスト後の会話なのだが。

 

『言代、緑谷を治すのは婆さん……リカバリーガールに見せながらにしてくれないか』

 

『別に構いませんけど……理由を聞いても?』

 

『治癒系統の個性、特に他人も治せる個性持ちは少ない。ヒーローになった時、その力を使う機会が多いだろうからリカバリーガールに鍛えてもらえ』

 

『そうですね。分かりました』

 

 て感じでリカバリーガールの下に行って緑谷の怪我を治した。とりあえず、回復魔法系の魔法名と詠唱文、詠唱時間、効果などを書いたリストを渡しておいた。種類多くて驚いてた。緑谷の顔もすごいことになってた。こえーよ。

 

 ◇

 

 さて、ここからは雄英の一日をご紹介しよう!

 

 

 午前中は必修科目の英語などの普通の授業。

 

「おらエヴィバディヘンズアップ盛り上がれー!!」

 

「(普通だ)」

 

「(普通だね)」

 

「(くそつまんね)」

 

「(関係詞の場所が違うから……4番!)」

 

「(これくらいなら在学中は医学書とか実技系に集中できるな)」

 

 初日のインパクトが強すぎて当たり前の授業が普通すぎるように感じる。ヒーローの卵だけれど義務教育は必須。普通の高校生と同じように勉強をするのだ。

 

 

 昼は大食堂で一流の料理を安価で頂ける。が、

 

「私はお弁当派なんだよねー」

 

「おいしそー!」

 

 目をキラキラさせている芦戸。かわちぃねぇ。

 

「はい、あーん」

 

「え! いいの!? あーん」

 

 お口に入れてあげる。もきゅもきゅしてる。かわちぃ。

 

 

 そして午後の授業、いよいよヒーロー基礎学。

 

「わーたーしーがー!!」

 

 教室の扉がすんごい勢いで開いた。

 

「普通にドアから来た!!」

 

 ドアから現れるはオールマイト。

 

 でかっ……。そして画風違い過ぎない? 目元も違い過ぎない?

 

「すげぇや、本当に先生やってるんだな……!」

 

「銀時代のコスチュームだ……!」

 

「画風違いすぎて鳥肌が……」

 

 なんでふつーに受け入れてんの? 私がおかしいの?

 

 魔兎がそんな事を考えている間も話は進んでいく。

 

「ヒーロー基礎学! ヒーローの素地を作るためのさまざまな訓練を行う科目だ! 早速だが──今日はコレ!」

 

 オールマイトがカードを掲げた。

 

 ──BATTLE。

 

「戦闘訓練!!」

 

 もう戦闘? 早くなぁい……? まあ、ボコボコにしますが?

 

 やる気満々なクラスの様子にオールマイトは満足げに頷くと、その手に持っていたリモコンを掲げた。

 

「そして、そいつに伴って……こちら!」

 

 教室の壁から、番号の振られているケースが出てきた。入学前に提出したコスチュームデザインをもとに制作されたもの。

 

「入学前に送ってもらった『個性届け』と『要望』に沿ってあつらえた戦闘服(コスチューム)!!!」

 

『おおお!!』

 

 これにはクラス全員が声を上げる。コスチュームはヒーローの象徴でもある。そりゃ盛り上がるか。

 

「着替えたら順次グラウンドβに集まるんだ!」

 

『はーい!!』

 

 そうしてみんなが自分のコスチュームを手に更衣室へ向かって行く。なんかプレゼント貰いたてのちびっこみたいで微笑ましい。私は一回試着した(・・・・・・)からみんなほど浮かれていない。魔兎は少し寂しさを覚えながら更衣室に行った。

 

 ◇

 

 更衣室。

 

「あ、あのさ……」

 

「言わないで。言いたいことはわかるけど、言わないで」

 

 どしたん、君ら。そんなに見られると恥ずかしいんだけど……。

 

「こ、言代さん……」

 

「んー?」

 

 麗日が話しかけてきた。顔の下あたりを見て。ほんとに何……?

 

「その……着痩せ、するんやね」

 

「え……そんなに太ってた……!?」

 

「ちゃうちゃう!! そういうんやなくて……」

 

「…………大きいね」

 

「あ、そっち? いや、なんかさ、鍛えてたら体重落ちちゃったからお肉いっぱい食べてたの。そしたら大きくなっちゃって……」

 

 なんでこっちにつくかなぁ。あ、あのどうしたんですか、ロックガールさん……? ちょ、怖い怖い!! そんな血走った目で見ないで揉まないで!? ひうっ!? んぅっ……ちょっと! もう……! ……あの、なんでそんな顔赤いんです? 

 

 ◇

 

 ハプニングがあったがみんな無事? にグラウンドβに集まった。

 

 私の戦闘服(コスチューム)はまんま覚醒後のレフィーヤの戦闘服である。変更点といえば髪につける水色の羽のようなものがないのと、短剣がヘスティア・ナイフのような漆黒のナイフになっていること、長杖(ロッド)の先の白い部分が収納されていることだろうか。サポート会社には物理法則に喧嘩を売っている輩がいるようだ。おかげで動きやすい。代わりに腰あたりに収納ポーチを追加した。中にはメモ帳やペン、簡易的な医療器具、通信機、超圧縮水筒──ぱっと見500mlの水筒だが実際に入る量は驚異の2.5L──などが入っている。

 

「魔兎ちゃんのコスチューム、綺麗でかっこいいね!」

 

「ほんとそれ! 剣士みたい!」

 

「……でも、スカート短くないかしら?」

 

「これでも長くしたんだよ。もうちょい短くしたかったけど却下されちゃった……」

 

「うん、正しい判断」

 

「ね」

 

「てか、これよりも短く……!?」

 

「や、八百万さんはオッケーだったじゃん!」

 

『あれもアウトっ!!』

 

「な、なぜですか!?」

 

 と、ここで。

 

「始めようか!! 有精卵共!! 戦闘訓練のお時間だ!!」

 

 全員揃ったらしく、オールマイトからの説明が始まった。

 

「先生! ここは入試演習場ですがまた市街地演習を行うのでしょうか?」

 

「いいや! もう二歩先に踏み込む! 屋内での対人戦闘訓練(・・・・・・)さ!!」

 

 戦闘訓練、その言葉に生徒がざわめきだす。

 

「敵退治は主に屋外で見られるが統計で言えば屋内のほうが凶悪敵出現率は高いんだ。監禁・軟禁・裏商売……このヒーロー飽和社会……ゲフン……真に賢しい敵は屋内やみにひそむ!! 君らにはこれから『敵組』と『ヒーロー組』に分かれて2対2の屋内戦を行ってもらう!!」

 

「基礎訓練もなしに?」

 

「その基礎を知るための実践さ! ただし今度はぶっ壊せばオッケーなロボじゃないのがミソだ!」

 

 そして早く内容を知りたいのか生徒たちが口々に質問をする。

 

「勝敗のシステムはどうなります?」

 

「ブッ飛ばしていいんスか」

 

「また相澤先生みたいな除籍とかあるんですか……?」

 

「分かれるとはどのような分かれ方をすればよろしいですか」

 

「このマントヤバくない?」

 

「んんん~~聖徳太子ィィ!!!」

 

 一気に聞きすぎ! オールマイト困っちゃうよ! 聖徳太子って言い出しちゃったよ!

 

「良いかい!? 状況設定は『敵』がアジトに核兵器を隠していて『ヒーロー』はそれを処理しようとしている! 『ヒーロー』は『敵』を捕まえるか時間内に核兵器を回収すること。『敵』は制限時間まで核兵器を守るか『ヒーロー』を捕まえること」

 

「「「(カンペ見てる……)」」」

 

「「「(設定アメリカンだな!!)」」」

 

「コンビ及び対戦相手は『くじ』だ!」

 

「適当なのですか!?」

 

「飯田くん、プロは他事務所のヒーローと急造チームアップする事が多いから……そういう事なんじゃないかな」

 

「なるほど先を見据えた計らい……失礼しました!」

 

「いいよ! 早くやろ!」

 

 飯田の質問は緑谷の即席説明によって解決され、いよいよくじ引きの時となったが。

 

「そういえば私たちのクラスは21人ですが、そこはどうなるんですか?」

 

「…………それなんだけどね」

 

 なんかモジモジしてる。乙女か。かわちぃ。

 

「言代少女は一人で相手してもらおうと思ってね」

 

「ワッツ!?」

 

 変な言葉が出てきたじゃないですかやだー!!! そして怖いのよ、御二方!! 紅白イケメンくんと不良くん!!!

 

「いやね、ほんとは差なんてつけちゃダメだとは思うんだけど…………君強くて」

 

「ねぇやだやだ怖い怖い怖いのよガン極まってんじゃんどういう環境に身を置いたらそうなるのいや言わなくていいです知ってますでもこっちに敵意を向けないで苛立ちぶつけないで反射的に殴っちゃうから対戦相手どーします?」

 

「急に冷静になるね君!? あと最後物騒だったよね!? 対戦相手は挙手制にしようと思うけどどうかな!?」

 

「わっかりましたー!」

 

『ハイスピードだな!!』

 

「というかなぜ21人? 20人までじゃないんですか?」

 

「言代少女は特殊でね。なんせ入試で筆記は近代史以外満点、実技は200点近く取ったから特別枠として入ってもらったんだよ」

 

『はぁぁああああ!!??』

 

「ご、合格にしか目がいってなかった……」

 

「確かに合格通知のやつにとんでもない数が載ってた気がする……」

 

「それだけの成績取ったら別枠として入ってもらうのも納得……?」

 

 そんな驚愕と納得をしていた生徒たちが魔兎に目を向ける。注目されている魔兎はというと。

 

「(なんか私ぼっちになったんだが。え、可哀想。私可哀想。しょぼ〜ん…………)」

 

「耳垂れとる……」

 

「可愛い……」

 

「全然強そうに見えね〜」

 

 ひどい言われようである。

 

「…………」

 

 そんな中、葉隠は静かに魔兎を見つめていた。




 いかがでしたか? 前回より少なめ、でも1、2話より多めの文章量になりましたー! これからも頑張っていくぜ!

 では、またいつか! ばいちゃ!
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