魔法少女リリカルなのは ~~   作:ぬっく~

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第3話「再会、そしてお引っ越しなの!」

時空管理局本局。

 

会議室ではエイミィがリンディへ報告を行っていた。

 

「なのはちゃんの容体は安定しています」

 

モニターには検査結果が映し出されている。

 

「肉体的損傷は重篤なものではありません」

 

リンディは安堵したように頷いた。

 

しかし。

 

エイミィの表情は曇ったままだった。

 

「ただし、リンカーコア出力が大幅に低下しています」

 

それは本局を騒がせている連続襲撃事件の被害者たちと同じ症状だった。

 

魔力の蒐集。

 

そして。

 

一級捜索指定ロストロギア。

 

闇の書。

 

リンディは静かに目を閉じた。

 

「始まったのね……」

 

かつての悪夢が。

 

再び動き始めていた。

 

――――――――――

 

本局医務室。

 

フェイトは見舞いに訪れていた。

 

病室へ入ろうとしたその時。

 

ベッドの上で目を覚ましたなのはと目が合う。

 

「……」

 

「……」

 

一瞬固まる二人。

 

そして。

 

「フェイトちゃん!」

 

「なのは!」

 

次の瞬間には笑顔になっていた。

 

ようやく会えた。

 

本当ならもっと楽しい再会になるはずだった。

 

それでも。

 

二人は再会を喜び合う。

 

「会いたかったよ」

 

「私も」

 

自然と笑顔がこぼれた。

 

――――――――――

 

診断結果は良好だった。

 

リンカーコアを蒐集された影響で魔法はしばらく使えない。

 

しかし日常生活には問題ないという。

 

一方。

 

メンテナンスルーム。

 

レイジングハートとバルディッシュは深刻な損傷を受けていた。

 

レイジングハートのフレーム。

 

バルディッシュの刃部。

 

どちらも交換部品が必要な状態だった。

 

「ごめんね……」

 

なのははレイジングハートへ語りかける。

 

「私がもっと強ければ」

 

フェイトもバルディッシュへ手を添えた。

 

「ありがとう」

 

「いっぱい頑張ってくれて」

 

言葉を返すことはない。

 

だが二人にとっては大切な相棒だった。

 

――――――――――

 

その後。

 

アルフが疑問を口にする。

 

「あいつらの魔法、なんなんだい?」

 

クロノとユーノが顔を見合わせた。

 

「ベルカ式だ」

 

クロノが説明を始める。

 

ミッドチルダ式と並び立った古代魔法体系。

 

遠距離攻撃よりも接近戦を重視する戦闘魔法。

 

騎士。

 

アームドデバイス。

 

そして。

 

カートリッジシステム。

 

「圧縮した魔力を炸裂させて瞬間的な爆発力を得る技術だ」

 

アルフは思わず顔をしかめた。

 

「あんなもん使ってたのかい」

 

フェイトは静かに聞いていた。

 

だが。

 

彼女が考えていたのは別のことだった。

 

シグナム。

 

ヴィータ。

 

ザフィーラ。

 

彼らが身につけていたマーレリング。

 

そして自分の雷のマーレリング。

 

どうして同じ物を持っているのか。

 

脳裏に浮かぶのは高町さくらの顔だった。

 

――――――――――

 

フェイトは保護観察官ギル・グレアムと面会した。

 

元艦隊指揮官。

 

元執務官長。

 

そしてクロノの恩師。

 

グレアムは穏やかな目でフェイトを見る。

 

「行動を制限するつもりはない」

 

フェイトは真剣に耳を傾ける。

 

「ただ一つだけだ」

 

グレアムは静かに告げた。

 

「自分を信じてくれる人を裏切るな」

 

短い言葉。

 

しかし重い。

 

フェイトは真っ直ぐ頷いた。

 

「はい」

 

――――――――――

 

その後。

 

クロノもグレアムの元を訪れていた。

 

闇の書。

 

再び動き出した悪夢。

 

そして担当がアースラになったこと。

 

全てを報告する。

 

グレアムは静かに聞いていた。

 

「無茶はするな」

 

クロノは苦笑する。

 

「あなたに言われると説得力があります」

 

グレアムも小さく笑った。

 

――――――――――

 

一方。

 

八神家。

 

「ザフィーラ~♪」

 

はやてが大型犬姿のザフィーラへ抱きついていた。

 

ヴィータはテレビを見ながらくつろいでいる。

 

平和な時間。

 

「明日は病院だ」

 

シグナムが言う。

 

「今日は早めに休め」

 

「はーい」

 

そこへシャマルが顔を出した。

 

「お風呂の準備できてるわよ」

 

「やった!」

 

シャマルがはやてを抱き上げる。

 

ヴィータも後ろから続いた。

 

「シグナムは?」

 

「私は明日の朝にする」

 

そう答えるシグナム。

 

全員が去った後。

 

ザフィーラが静かに口を開く。

 

「傷はどうだ」

 

フェイトとの戦闘で受けた傷。

 

シグナムは腕を見る。

 

「澄んだ太刀筋だった」

 

フェイトを思い出す。

 

「良い師に学んだのだろう」

 

武器性能の差がなければ危なかったかもしれない。

 

だが。

 

「それでも負けるわけにはいかん」

 

その声に迷いはなかった。

 

その時。

 

シャマルが戻って来た。

 

「まずは怪我の治療です」

 

シグナムが肩をすくめる。

 

「大した傷では――」

 

「あります」

 

即答だった。

 

ザフィーラも大人しく座る。

 

シャマルは右手を差し出した。

 

その指には晴のマーレリング。

 

黄色い炎が静かに灯る。

 

晴の炎。

 

活性化の力。

 

炎は治癒魔法へと溶け込むように混ざり合う。

 

柔らかな光がシグナムとザフィーラを包んだ。

 

傷口がみるみる塞がっていく。

 

「リングの力か」

 

「ええ」

 

シャマルは微笑んだ。

 

「晴の炎は回復魔法との相性が良いみたいですね」

 

ヴィータが感心したように言う。

 

「便利だな」

 

「便利で済ませないでください」

 

シャマルは苦笑した。

 

少しでも。

 

主はやてのために。

 

仲間たちを無事に帰らせるために。

 

その思いを込めながら治療を続けるのだった。

 

――――――――――

 

本局。

 

なのはとエイミィはフェイトの話をしていた。

 

リンディがフェイトを養子に迎えるかもしれないこと。

 

新しい家族。

 

新しい絆。

 

「いいなぁ」

 

なのはは笑顔になる。

 

フェイトが幸せになれるなら。

 

それが嬉しかった。

 

――――――――――

 

一方。

 

リンディたちは今後の作戦を話し合っていた。

 

アースラは整備中。

 

本局からでは海鳴まで時間がかかる。

 

そこでリンディは発表する。

 

「臨時作戦本部を海鳴市に設置します」

 

クロノが目を瞬かせる。

 

フェイトも驚く。

 

「場所は?」

 

リンディは微笑んだ。

 

「なのはさんのお家の近くよ」

 

――――――――――

 

翌日。

 

海鳴市。

 

なのはの家の近くのマンションへ荷物が運び込まれていた。

 

アースラ臨時駐屯所。

 

アルフは子犬フォームへ変身。

 

ユーノもフェレット姿になる。

 

そこへ。

 

アリサとすずかがやって来た。

 

「初めまして!」

 

「やっと会えたね!」

 

ビデオメール越しの友達。

 

少し不思議な初対面。

 

だがすぐに打ち解けた。

 

一同は翠屋へ向かう。

 

アルフはアリサに構われ。

 

ユーノはすずかに抱っこされる。

 

リンディは士郎と桃子へ挨拶。

 

そして。

 

フェイトは週明けから海鳴小学校へ通うことが決まった。

 

なのはたちのクラスメイトとして。

 

――――――――――

 

夜。

 

八神家。

 

ヴォルケンリッターが集まっていた。

 

現在の蒐集ページ数。

 

三四〇ページ。

 

完成まで六六六ページ。

 

既に半分を超えている。

 

「早く終わらせたいな……」

 

ヴィータが呟く。

 

「はやてと静かに暮らしたい」

 

その願いは全員同じだった。

 

シグナムも。

 

シャマルも。

 

ザフィーラも。

 

主の幸せだけを願っている。

 

やがて。

 

それぞれ武器を手に立ち上がる。

 

次の蒐集のために。

 

――――――――――

 

その頃。

 

本局メンテナンスルーム。

 

エイミィの後輩、マリーが頭を抱えていた。

 

「先輩、おかしいんです」

 

モニターを指差す。

 

レイジングハート。

 

バルディッシュ。

 

二基とも同じエラーコードを表示していた。

 

必要部品不足。

 

「部品番号は?」

 

エイミィが尋ねる。

 

マリーは画面を拡大した。

 

その瞬間。

 

エイミィの目が見開かれる。

 

表示された部品番号。

 

CVK-792。

 

それは。

 

ベルカ式カートリッジシステムの構成部品だった。

 

「え……?」

 

ミッドチルダ式デバイスであるはずの二基。

 

なのに。

 

なぜベルカ式の部品を要求しているのか。

 

誰もまだ。

 

その意味を知らなかった――

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