魔法少女リリカルなのは ~~   作:ぬっく~

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第二十一話 リング

なのはたちがアースラを後にした頃。

 

艦内では、別の意味で騒ぎになっていた。

 

巨大モニター。

 

そこに映し出されるのは、三人の情報。

 

高町なのは。

 

フェイト・テスタロッサ。

 

そして――

 

高町さくら。

 

会議室には複数の局員が集まっていた。

 

「……信じられない」

 

「本当に非魔導師なのか?」

 

「魔力値が異常に低すぎる……」

 

モニターには数値が表示されている。

 

なのは。

 

フェイト。

 

どちらも高ランク魔導士相当。

 

特になのはは、まだ未熟ながら圧倒的な砲撃魔力を持っていた。

 

だが。

 

さくらだけがおかしい。

 

測定結果は、一般人に毛が生えた程度。

 

アースラ所属の魔導士達より遥かに低い。

 

それなのに。

 

「AAA+クラスのクロノ執務官を、一方的に圧倒……」

 

「あり得ません」

 

局員達がざわめく。

 

クロノ本人は無言だった。

 

悔しさはある。

 

だが、実際に体験したからこそ分かる。

 

あれは危険だ。

 

リンディも静かにモニターを見る。

 

そこには、藍色の炎。

 

霧フクロウ。

 

歪む空間。

 

そして。

 

“死ぬ気の炎”

 

「未知のエネルギー体系……」

 

「魔力とは完全に別物ね」

 

エイミィが解析画面を操作する。

 

「しかも、まだ隠してますよね絶対」

 

「あれ、本気じゃないですよ」

 

クロノが静かに口を開く。

 

「……ああ」

 

「まだ何かある」

 

リング。

 

匣兵器。

 

炎の属性。

 

有幻覚。

 

だが。

 

それでも、全容が見えない。

 

さくらという少女は、秘密が多すぎた。

 

 

一方。

 

海鳴市。

 

高町家。

 

「えぇぇぇぇっ!?」

 

なのはの驚いた声が部屋へ響いた。

 

さくらの部屋。

 

なのはとユーノは、机の前で固まっていた。

 

なのはが慌てた様子で言う。

 

「で、でも、お姉ちゃんのリング壊れちゃったよ!?」

 

今日の戦い。

 

雲のリングは、暴走ジュエルシードの波動に耐えきれず砕けた。

 

なのははずっと気にしていた。

 

だが。

 

さくらは平然としていた。

 

「別に」

 

「Cランクのリングだから」

 

そう言いながら。

 

机の引き出しを開ける。

 

そして。

 

新しい紫色のリングを取り出した。

 

なのはとユーノが固まる。

 

「……え?」

 

「予備」

 

さくらは当然のように言った。

 

なのはがぱちぱち瞬きする。

 

「よ、予備って……」

 

ユーノも恐る恐る尋ねた。

 

「あの……」

 

「もしかして、他にもあるの?」

 

さくらは少しだけ考える。

 

そして。

 

机の一番下の引き出しを開けた。

 

ゴト……

 

取り出されたのは、少し大きめの箱。

 

かなり重そうだった。

 

なのはとユーノが顔を見合わせる。

 

さくらは無言で箱を開けた。

 

カチッ――

 

その瞬間。

 

「…………」

 

なのはたちが固まった。

 

中には。

 

リング。

 

大量のリング。

 

赤。

 

紫。

 

藍。

 

そして。

 

黄色。

 

青。

 

緑。

 

六種類の宝石が付いたリングが、何段にも分けて整然と並んでいた。

 

数十個。

 

いや、それ以上。

 

ユーノの顔が引きつる。

 

「……多っ」

 

なのはも唖然としていた。

 

「こ、こんなにあるの!?!?」

 

さくらは静かに答える。

 

「消耗品だから」

 

「壊れる」

 

あまりにも当然のように言う。

 

なのはは完全に理解が追いつかなかった。

 

ユーノが恐る恐る箱を見る。

 

「これ全部……死ぬ気の炎用?」

 

「うん」

 

「……」

 

ユーノは黙った。

 

改めて思う。

 

この少女。

 

やっぱり色々おかしい。

 

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