魔法少女リリカルなのは ~~   作:ぬっく~

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第10話 交わる雷光

夜空。

 

爆音が響く。

 

桃色の砲撃。

 

紅蓮の鉄槌。

 

金色の雷光。

 

そして、炎を纏う剣閃。

 

戦場は激しさを増していた。

 

「おらぁぁぁっ!!」

 

ヴィータのグラーフアイゼンが振り抜かれる。

 

なのはは即座に防御。

 

だが――。

 

「っ!?」

 

重い。

 

一撃ごとに衝撃が増している。

 

理由は明白だった。

 

雲の炎。

 

ヴィータの周囲には、無数の鉄球が浮かんでいた。

 

先程までは数個だったはず。

 

だが今は違う。

 

紫色の炎を纏った鉄球が、分裂するように増殖していた。

 

ヴィータがニヤリと笑う。

 

「これが雲の力だ!」

 

グラーフアイゼンを振り抜く。

 

瞬間。

 

大量の鉄球が撃ち出された。

 

「なっ!?」

 

なのはが目を見開く。

 

数が多すぎる。

 

「ディバインシューター!」

 

桃色の魔力弾が迎撃する。

 

だが、撃ち落としても撃ち落としても鉄球は迫る。

 

ヴィータが叫ぶ。

 

「増えろ!!」

 

紫色の炎が弾ける。

 

鉄球がさらに増殖。

 

空が埋まる。

 

「くっ……!!」

 

なのはは防御障壁を展開。

 

轟音。

 

連続衝撃。

 

バリアが悲鳴を上げる。

 

だが、その瞬間。

 

「紫電――」

 

上空。

 

シグナムが剣を構えていた。

 

「一閃!!」

 

紅蓮の斬撃。

 

なのはへ直撃コース。

 

しかし。

 

「させない!!」

 

金色の雷光が割り込んだ。

 

フェイト。

 

バルディッシュで斬撃を受け止める。

 

激突。

 

火花。

 

シグナムがわずかに目を細めた。

 

「来るか、雷光」

 

フェイトは静かに睨み返す。

 

「あなたたちは止める」

 

その瞬間。

 

《Cartridge Load》

 

カシュンッ!!

 

薬莢装填。

 

フェイトの周囲へ、金色の雷が爆発する。

 

一気に加速。

 

「ハァッ!!」

 

高速斬撃。

 

シグナムも即応する。

 

剣と鎌。

 

火花が夜空へ散る。

 

だが。

 

フェイトは以前とは違った。

 

速い。

 

重い。

 

シグナムが剣を受け流しながら呟く。

 

「なるほど……」

 

「カートリッジだけではないな」

 

フェイトの目が鋭くなる。

 

ポケットの中。

 

黒い匣。

 

まだ使っていない。

 

だが、確かに感じる。

 

あれを使えば――。

 

さらに上へ行ける。

 

だが。

 

まだ早い。

 

フェイトは踏み留まった。

 

---

 

その頃。

 

なのはは大量の鉄球へ押し込まれていた。

 

「くぅっ……!」

 

防御しきれない。

 

雲の炎によって増殖する鉄球。

 

数が異常だった。

 

ヴィータが笑う。

 

「どうしたぁ!?」

 

「そんなもんかよ!」

 

なのはが歯を食いしばる。

 

負けたくない。

 

もう、壊したくない。

 

その時。

 

右手のリングが、僅かに熱を持った。

 

赤い宝石。

 

新しい嵐のリング。

 

その瞬間。

 

なのはの脳裏に、さくらの言葉が蘇る。

 

――『あなた、まだ嵐の特性を理解してない』

 

「……!」

 

なのはが目を見開く。

 

続けて思い返される。

 

静かな声。

 

いつもの、落ち着いた声。

 

――『嵐は“分解”』

 

――『全てを砕き、崩し、壊す力』

 

分解。

 

壊す力。

 

なのはの視線が、迫り来る鉄球へ向く。

 

ヴィータの雲は増殖。

 

なら、嵐は。

 

それを――壊す。

 

なのははレイジングハートを握り直した。

 

「レイジングハート……!」

 

《Yes, my master》

 

桃色の魔力弾へ、赤い炎が絡みつく。

 

今までみたいに、ただ強くするんじゃない。

 

壊す。

 

崩す。

 

分解する。

 

そのイメージを強く持つ。

 

「ディバインシューター!!」

 

放たれた魔力弾が、鉄球群へ突撃する。

 

次の瞬間。

 

――バキンッ!!

 

「えっ!?」

 

なのはが目を見開いた。

 

直撃した鉄球が、爆発ではなく、内側から崩れるように砕け散った。

 

ヴィータも驚愕する。

 

「なにっ!?」

 

さらに。

 

後続の鉄球へ連鎖。

 

次々と、分解されるように崩壊していく。

 

なのはは、その光景を見ながら確信する。

 

「これが……嵐……!」

 

ただ強いだけじゃない。

 

壊す力。

 

分解する炎。

 

なのはの瞳へ、強い光が宿った。

 

「レイジングハート!」

 

《Yes, my master》

 

「もう一回いくよ!!」

 

赤い炎が吹き荒れる。

 

桃色の魔力が、分解の力を纏っていく。

 

夜空を裂く光。

 

戦いは、さらに激しさを増していった。

 




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