結界内では激しい戦闘が続いていた。
ユーノのバインド。
アルフの魔法。
フェイトのプラズマランサー。
なのはのディバインバスター。
しかし、闇の書の意志はその全てを受け止める。
その右手には五つの指輪が輝いていた。
親指には晴のマーレリング。
人差し指には嵐のマーレリング。
中指には大空のマーレリング。
薬指には雨のマーレリング。
小指には雲のマーレリング。
本来なら、はやてと守護騎士たちが持つ力。
だが闇の書の意志は、その膨大な蒐集能力によって、死ぬ気の炎の力さえ再現していた。
「まさか……!」
フェイトが目を見開く。
「マーレリング……!」
なのはも息を呑んだ。
闇の書の意志が静かに右手を掲げる。
最初に輝いたのは雨のマーレリングだった。
青黒い炎が空へと広がる。
降り注ぐ雨の炎。
その炎に触れた魔法は急速に勢いを失っていく。
ユーノのバインドが弱まり。
アルフの魔法がかき消される。
「魔力が抑え込まれてる!?」
ユーノが驚愕する。
雨の炎。
鎮静の力。
あらゆる活動を弱める力だった。
続いて嵐のマーレリングが輝く。
黒い嵐の炎が無数の槍となって放たれた。
フェイトが回避する。
その背後で高層ビルが崩れた。
爆発ではない。
崩壊でもない。
分解だった。
建物そのものが砂のように崩れ落ちていく。
「分解の炎……!」
フェイトが叫ぶ。
嵐の炎。
あらゆるものを分解する破壊の力。
さらに晴のマーレリングが輝く。
闇の書の意志の魔力が急激に増大した。
ブラッディダガー。
デアボリックエミッション。
スターライトブレイカー。
膨大な魔法が瞬時に構築される。
「速すぎる!」
なのはが叫ぶ。
晴の炎。
活性。
増幅。
加速。
闇の書の魔力をさらに押し上げる力だった。
そして雲のマーレリング。
放たれた魔力弾が分裂する。
一つが二つに。
二つが四つに。
四つが八つに。
空を埋め尽くす魔力弾群。
「冗談じゃない……!」
アルフが顔を引きつらせる。
雲の炎。
増殖。
闇の書の膨大な魔力との相性は最悪だった。
そして。
最後に中指の大空のマーレリングが輝く。
橙色の炎。
静かで。
優しく。
そして恐ろしい炎。
闇の書の意志が手を伸ばした。
その炎が地面へ広がる。
ビルへ広がる。
瓦礫へ広がる。
そして――なのはへ。
「っ!?」
なのはの足元が灰色へ変わる。
石。
足首から下が石化し始めていた。
「なのは!」
フェイトが飛び込み、強引に引き離す。
石化は止まる。
だが地面には石像のような跡が残っていた。
「環境と同化させてる……!」
フェイトが驚愕する。
大空の炎。
調和。
その本質は対象を周囲と同化させる力。
闇の書の意志はそれを石化として発現させていた。
建物は岩と同化し。
道路は瓦礫と融合し。
魔法弾さえ周囲の空間へ溶けて消える。
触れれば最後。
対象は世界へ溶け込み。
石へと変わる。
闇の書の意志は涙を流しながら五本の指を握り締めた。
五つのマーレリングが同時に輝く。
晴。
嵐。
大空。
雨。
雲。
五つの炎と闇の書の魔力。
それらが融合していく。
空に巨大な魔法陣が出現した。
「我が力の全ては――」
闇の書の意志が呟く。
「主の願いのままに」
その瞬間。
五つの炎を纏った黒銀色のスターライトブレイカーが完成した。
なのはとフェイトは、その圧倒的な魔力を前に言葉を失う。
そして戦場は、さらなる絶望へと飲み込まれていくのだった。
アンケート
A'sの方の筆記が完了致しました。
次をどのルートにしようか決めかねています。
① StrikerS
② Detonation
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