魔法少女リリカルなのは ~~   作:ぬっく~

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第三十話 雷光

時の庭園内部。

 

崩壊しかけた通路を、なのはは飛んでいた。

 

「アクセルシューター!」

 

桃色の光弾が警備ロボットを撃ち抜く。

 

爆発。

 

だが。

 

次の瞬間には別の機体が現れる。

 

「まだ……!」

 

ユーノの結界が背後から飛来した砲撃を防ぐ。

 

「なのは、右!」

 

「うんっ!」

 

レイジングハートを振るう。

 

砲撃。

 

機械兵器が吹き飛ぶ。

 

それでも前へ進めない。

 

時の庭園そのものが、侵入者を拒絶していた。

 

崩れた天井。

 

閉鎖される隔壁。

 

無数の防衛兵器。

 

クロノ達も別ルートで進んでいるが、プレシアの元にはまだ辿り着けていない。

 

なのはは歯を食いしばる。

 

「プレシアさん……!」

 

その時だった。

 

通路の奥。

 

緑色の雷光が走る。

 

バチバチバチッ!!

 

空気を裂くような放電音。

 

次の瞬間。

 

前方にいたロボット群が切り裂かれた。

 

なのはが目を見開く。

 

「え……?」

 

煙の向こう。

 

そこに立っていたのは。

 

黒いバリアジャケット。

 

金色の髪。

 

赤い瞳。

 

フェイトだった。

 

「フェイトちゃん!」

 

フェイトは静かに顔を上げる。

 

その右手。

 

中指には、緑色の宝石を宿したリング。

 

雷のマーレリング。

 

リングの宝石からは、電気そのもののような緑色の炎が噴き上がっていた。

 

バチバチと雷光が弾け、周囲の空気を焦がしている。

 

そして。

 

左手には、見慣れない銀色の匣。

 

なのはが驚いた表情になる。

 

「そのリング……!」

 

フェイトは小さく頷く。

 

「さくらにもらった」

 

その瞬間。

 

フェイトの周囲へ雷が走る。

 

以前とは違う。

 

鋭く。

 

荒々しい雷。

 

だが不思議と、フェイトには馴染んでいた。

 

ユーノも驚いていた。

 

「もう使いこなしてるの……!?」

 

フェイトは小さく首を横に振る。

 

「まだ分からないことだらけ」

 

「でも――」

 

フェイトは真っ直ぐ前を見る。

 

「止めたいから」

 

その言葉に。

 

なのはは笑った。

 

「うん!」

 

その時。

 

通路奥の隔壁が開く。

 

大量の警備ロボットが現れた。

 

ユーノが顔を青ざめる。

 

「まだこんな数が……!」

 

だが。

 

フェイトは一歩前へ出る。

 

次の瞬間。

 

リングの宝石から、雷の死ぬ気の炎が激しく噴き上がった。

 

空気が震える。

 

まるで本物の雷がその場に発生したようだった。

 

フェイトは匣を握る。

 

そして――

 

リングの宝石から噴き上がる雷の炎を、匣へ流し込む。

 

バチバチバチッ!!

 

電撃が匣全体を駆け巡る。

 

「開匣」

 

次の瞬間。

 

銀色の匣が勢いよく開いた。

 

そこから飛び出したのは――

 

二匹の狐。

 

雷を纏った、小さな双子の狐。

 

『雷キツネ(ヴォルペ・デル・フルミネ)』

 

現れた瞬間。

 

二匹は左右へ分かれる。

 

まるで雷そのもの。

 

壁を蹴り。

 

天井を駆け。

 

ロボット群の中央へ飛び込む。

 

次の瞬間。

 

轟音。

 

激しい雷撃が通路を埋め尽くした。

 

バチィィィィッ!!

 

放電。

 

閃光。

 

複数の機体が一瞬で停止する。

 

さらに。

 

二匹の狐は連携するように高速移動し、敵機を次々と切り裂いていく。

 

電撃の軌跡だけが、通路へ残った。

 

なのはが目を輝かせる。

 

「すごい……!」

 

フェイト自身も驚いていた。

 

「これが……」

 

二匹の雷キツネは攻撃を終えると、フェイトの左右へ戻る。

 

まるで護衛するように。

 

静かに寄り添った。

 

フェイトは静かに拳を握る。

 

バチバチと雷の炎が弾ける。

 

その姿を見たなのはは、嬉しそうに笑った。

 

「行こう、フェイトちゃん!」

 

フェイトも頷く。

 

「うん!」

 

二人は同時に飛び出した。

 

桃色の光。

 

金色の雷。

 

二つの光が、時の庭園を駆け抜けていく。

 

その先には――

 

プレシア・テスタロッサが待っていた。

 

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