魔法少女リリカルなのは ~~   作:ぬっく~

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最終話 エピローグ

ジュエルシード事件が終わってから数日。

 

海鳴の街には、ようやく静かな時間が戻ってきていた。

 

学校へ通い。

 

家へ帰り。

 

いつもの日常を過ごす。

 

あれほど激しい戦いがあったとは思えないほど、街は平和だった。

 

なのはは、窓から見える夕焼けを眺めながら、小さく息を吐く。

 

「終わったんだなぁ……」

 

その隣。

 

机に座ったさくらは、麦茶を飲みながら静かに本を読んでいた。

 

「実感ない?」

 

「ちょっとだけ」

 

なのはは苦笑する。

 

本当に色々あった。

 

ユーノとの出会い。

 

ジュエルシード。

 

フェイトとの戦い。

 

アースラ。

 

そして。

 

死ぬ気の炎。

 

あまりにも濃すぎる日々だった。

 

 

一方。

 

フェイトについては、完全に無罪という訳にはいかなかった。

 

ジュエルシード回収に伴う違法行為。

 

時空管理局への捜索妨害。

 

公務執行妨害。

 

本来なら、かなり重い処分になってもおかしくはない。

 

だが。

 

リンディ・ハラオウンが各所へ働きかけたことで、フェイトへの処分は大幅に軽減された。

 

そして。

 

フェイトは、リンディの預かりとなった。

 

今後は、プレシアの故郷や関係地を巡りながら、少しずつ自分自身を見つめ直していくらしい。

 

出発の日。

 

海鳴港。

 

アースラへ繋がる転送ゲートの前で、なのは達は集まっていた。

 

「それじゃあ……行ってくる」

 

フェイトが少しだけ照れたように笑う。

 

以前の彼女からは想像も出来ないほど、柔らかな表情だった。

 

なのはは、少し寂しそうに笑う。

 

「うん……」

 

「また会えるよね?」

 

フェイトは、しっかり頷いた。

 

「絶対」

 

その言葉に、なのはも笑顔になる。

 

アルフは腕を組みながら、どこか嬉しそうだった。

 

ユーノも静かに笑っている。

 

そして。

 

さくらはというと。

 

いつも通り無表情だった。

 

だが。

 

フェイトの右手を見て、小さく口を開く。

 

「無くすなよ」

 

フェイトは、自分の中指を見る。

 

そこには。

 

緑色の宝石を宿した、雷のマーレリング。

 

フェイトは少し驚いた後、小さく笑った。

 

「うん」

 

そして。

 

フェイトは逆に、さくらの手を見る。

 

中指には、羽の装飾が施された藍色のリング。

 

霧のマーレリング。

 

なのはは、その二人を交互に見て――

 

頬を膨らませた。

 

「ずるい」

 

「なんで二人だけマーレリングなの!?」

 

フェイトが困ったように苦笑する。

 

さくらは平然としていた。

 

「別に」

 

「別にじゃないよ!」

 

なのはが抗議する。

 

すると。

 

さくらは少し考えた後、ポケットへ手を入れた。

 

取り出したのは。

 

赤い宝石が付いたリング。

 

嵐のマーレリング。

 

なのはの目が輝く。

 

「えっ!? いいの!?」

 

「試すだけ」

 

さくらはリングを渡す。

 

なのはは嬉しそうに受け取り、中指へ嵌めた。

 

そして。

 

ぐっと集中する。

 

「~~~~っ!!」

 

沈黙。

 

何も起きない。

 

なのはがもう一度力む。

 

だが。

 

反応無し。

 

炎どころか、リングは微動だにしなかった。

 

なのはが固まる。

 

「……あれ?」

 

ユーノが苦笑した。

 

「マーレリングは特別なんでしょ?」

 

さくらも静かに頷く。

 

「持ち主を選ぶから」

 

「適性があっても使えない」

 

なのははリングを見つめる。

 

「えぇぇぇ……」

 

その反応に。

 

フェイトが思わず吹き出した。

 

アルフも笑う。

 

ユーノも肩を震わせていた。

 

なのはは顔を真っ赤にする。

 

「笑わなくてもいいじゃん!」

 

賑やかな声。

 

暖かな空気。

 

もう戦いは無い。

 

けれど。

 

繋がった絆は、これからも続いていく。

 

転送ゲートが輝く。

 

フェイトとアルフは、ゆっくりとその光の中へ歩き出した。

 

最後に。

 

フェイトが振り返る。

 

「なのは」

 

「さくら」

 

「またね」

 

なのはは、大きく手を振った。

 

「うん!!」

 

さくらも、小さく手を上げる。

 

そして。

 

光が弾ける。

 

フェイト達の姿は消えた。

 

静かになった港。

 

なのはは、空を見上げる。

 

夕焼けの空は、どこまでも綺麗だった。

 




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