夜空。
爆音が響く。
桃色の砲撃。
紅蓮の鉄槌。
金色の雷光。
そして、炎を纏う剣閃。
戦場は激しさを増していた。
「おらぁぁぁっ!!」
ヴィータのグラーフアイゼンが振り抜かれる。
なのはは即座に防御。
だが――。
「っ!?」
重い。
一撃ごとに衝撃が増している。
理由は明白だった。
雲の炎。
ヴィータの周囲には、無数の鉄球が浮かんでいた。
先程までは数個だったはず。
だが今は違う。
紫色の炎を纏った鉄球が、分裂するように増殖していた。
ヴィータがニヤリと笑う。
「これが雲の力だ!」
グラーフアイゼンを振り抜く。
瞬間。
大量の鉄球が撃ち出された。
「なっ!?」
なのはが目を見開く。
数が多すぎる。
「ディバインシューター!」
桃色の魔力弾が迎撃する。
だが、撃ち落としても撃ち落としても鉄球は迫る。
ヴィータが叫ぶ。
「増えろ!!」
紫色の炎が弾ける。
鉄球がさらに増殖。
空が埋まる。
「くっ……!!」
なのはは防御障壁を展開。
轟音。
連続衝撃。
バリアが悲鳴を上げる。
だが、その瞬間。
「紫電――」
上空。
シグナムが剣を構えていた。
「一閃!!」
紅蓮の斬撃。
なのはへ直撃コース。
しかし。
「させない!!」
金色の雷光が割り込んだ。
フェイト。
バルディッシュで斬撃を受け止める。
激突。
火花。
シグナムがわずかに目を細めた。
「来るか、雷光」
フェイトは静かに睨み返す。
「あなたたちは止める」
その瞬間。
《Cartridge Load》
カシュンッ!!
薬莢装填。
フェイトの周囲へ、金色の雷が爆発する。
一気に加速。
「ハァッ!!」
高速斬撃。
シグナムも即応する。
剣と鎌。
火花が夜空へ散る。
だが。
フェイトは以前とは違った。
速い。
重い。
シグナムが剣を受け流しながら呟く。
「なるほど……」
「カートリッジだけではないな」
フェイトの目が鋭くなる。
ポケットの中。
黒い匣。
まだ使っていない。
だが、確かに感じる。
あれを使えば――。
さらに上へ行ける。
だが。
まだ早い。
フェイトは踏み留まった。
---
その頃。
なのはは大量の鉄球へ押し込まれていた。
「くぅっ……!」
防御しきれない。
雲の炎によって増殖する鉄球。
数が異常だった。
ヴィータが笑う。
「どうしたぁ!?」
「そんなもんかよ!」
なのはが歯を食いしばる。
負けたくない。
もう、壊したくない。
その時。
右手のリングが、僅かに熱を持った。
赤い宝石。
新しい嵐のリング。
その瞬間。
なのはの脳裏に、さくらの言葉が蘇る。
――『あなた、まだ嵐の特性を理解してない』
「……!」
なのはが目を見開く。
続けて思い返される。
静かな声。
いつもの、落ち着いた声。
――『嵐は“分解”』
――『全てを砕き、崩し、壊す力』
分解。
壊す力。
なのはの視線が、迫り来る鉄球へ向く。
ヴィータの雲は増殖。
なら、嵐は。
それを――壊す。
なのははレイジングハートを握り直した。
「レイジングハート……!」
《Yes, my master》
桃色の魔力弾へ、赤い炎が絡みつく。
今までみたいに、ただ強くするんじゃない。
壊す。
崩す。
分解する。
そのイメージを強く持つ。
「ディバインシューター!!」
放たれた魔力弾が、鉄球群へ突撃する。
次の瞬間。
――バキンッ!!
「えっ!?」
なのはが目を見開いた。
直撃した鉄球が、爆発ではなく、内側から崩れるように砕け散った。
ヴィータも驚愕する。
「なにっ!?」
さらに。
後続の鉄球へ連鎖。
次々と、分解されるように崩壊していく。
なのはは、その光景を見ながら確信する。
「これが……嵐……!」
ただ強いだけじゃない。
壊す力。
分解する炎。
なのはの瞳へ、強い光が宿った。
「レイジングハート!」
《Yes, my master》
「もう一回いくよ!!」
赤い炎が吹き荒れる。
桃色の魔力が、分解の力を纏っていく。
夜空を裂く光。
戦いは、さらに激しさを増していった。
アンケート
A'sの方の筆記が完了致しました。
次をどのルートにしようか決めかねています。
① StrikerS
② Detonation
気軽にご投票ください。〆切は5/24までとします。