魔法少女リリカルなのは ~~   作:ぬっく~

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第12話 騎士たちの撤退

夜空を埋める閃光。

 

桃色。

 

金色。

 

紅蓮。

 

緑。

 

四つの魔力が激突し続ける。

 

「ディバインシューター!!」

 

なのはの魔力弾が放たれる。

 

赤い嵐の炎を纏った弾丸は、ヴィータの鉄球へ直撃。

 

次の瞬間。

 

鉄球が内側から崩壊するように砕け散った。

 

「くっ……!」

 

ヴィータが舌打ちする。

 

先程までとは違う。

 

なのはが、嵐の特性を理解し始めている。

 

ただの高火力砲撃ではない。

 

“分解”。

 

それが加わったことで、厄介さが一気に増していた。

 

なのはが前へ出る。

 

「いくよ、レイジングハート!」

 

《Cartridge Load》

 

カシュンッ!!

 

薬莢装填。

 

桃色の魔力が膨れ上がる。

 

ヴィータも即座に反応。

 

「グラーフアイゼン!!」

 

《Explosion》

 

紫色の炎が爆ぜる。

 

増殖した鉄球群が、一斉になのはへ殺到した。

 

だが。

 

「スターライト――」

 

なのはの周囲へ、赤い炎が渦巻く。

 

「ブレイカーッ!!」

 

極太の桃色砲撃。

 

嵐の炎を纏った魔力砲が、真正面から鉄球群へ突撃した。

 

そして――。

 

砕ける。

 

増殖した鉄球が、触れた瞬間から次々と崩壊していく。

 

「なにぃっ!?」

 

ヴィータが目を見開く。

 

そのまま砲撃が迫る。

 

「っ!!」

 

ヴィータは咄嗟にグラーフアイゼンを盾に防御。

 

轟音。

 

衝撃波が夜空を揺らした。

 

一方。

 

上空では、フェイトとシグナムが激突を繰り返していた。

 

「ハァッ!!」

 

フェイトの超高速斬撃。

 

その背後を、二匹の『黒狐』(ヴォルペ・ネーラ)が駆け抜ける。

 

黒雷が炸裂。

 

シグナムはレヴァンティンで受け流す。

 

だが――。

 

「っ!」

 

重い。

 

速い。

 

今のフェイトは、完全に別物だった。

 

黒雷を纏った高速機動。

 

さらに、『黒狐』(ヴォルペ・ネーラ)の援護。

 

シグナムが距離を取る。

 

右手の嵐のマーレリングが赤く輝いた。

 

「ならば――こちらも本気でいくぞ」

 

レヴァンティンへ、紅蓮の炎が集束する。

 

嵐の炎が混ざる。

 

圧縮。

 

分解。

 

破壊。

 

フェイトの目が鋭くなる。

 

「バルディッシュ!」

 

《Yes, sir》

 

フェイトの周囲へ、黒雷が収束。

 

二匹の『黒狐』(ヴォルペ・ネーラ)が左右へ展開した。

 

そして。

 

両者が同時に動く。

 

「紫電――」

 

「ジェット――」

 

「一閃!!」

 

「ザンバー!!」

 

紅蓮の斬撃。

 

黒雷の斬撃。

 

二つの極大魔力が、真正面から激突した。

 

轟音。

 

空間が震える。

 

衝撃波が街全体を揺らした。

 

そして――。

 

その直後。

 

シグナムの目が細まる。

 

「……潮時か」

 

ヴィータも舌打ちした。

 

「ちっ、もう時間かよ!」

 

蒐集量は十分ではない。

 

だが、長引き過ぎた。

 

さらに、このままでは消耗も大きい。

 

シグナムは静かにレヴァンティンを下ろす。

 

「本日はここまでだ」

 

「逃がさない!」

 

なのはが追おうとする。

 

だが、その瞬間。

 

ヴィータが大量の鉄球をばら撒いた。

 

「うおらぁっ!!」

 

空一面へ広がる鉄球群。

 

なのはとフェイトが咄嗟に防御へ移る。

 

その隙に。

 

シグナムとヴィータの足元へ魔法陣が展開した。

 

転移。

 

フェイトが前へ出る。

 

「待って!」

 

しかし。

 

シグナムは最後に一度だけ振り返る。

 

「次は、必ず蒐集する」

 

静かな宣言。

 

そして――。

 

紅い光と緑の光が、夜の闇へ消えた。

 

静寂。

 

残されたのは、破壊された街と、荒い息を吐くなのはたちだけだった。

 

なのはは、消えていった空を見上げる。

 

「……逃げられた」

 

悔しそうな声。

 

だが。

 

フェイトは静かに拳を握る。

 

「でも……」

 

「前より、戦えた」

 

なのはも小さく頷く。

 

確かに。

 

以前とは違う。

 

嵐の力。

 

『黒狐』(ヴォルペ・ネーラ)。

 

カートリッジシステム。

 

少しずつ。

 

確実に。

 

自分たちは、あの騎士たちへ近付いていた。

 

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