第二次スーパーロボット大戦Z Another   作:Dr.クロ

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3つのゼロが今、ぶつかり合う


第二十一話~ゼロVSゼロVSゼロ~

前回からしばらく経った中、ANはクロウからある事を頼まれてシミュレーションを行っていた。

 

頼まれた事は…次元獣と化したエスターを戻せるかと言うのだ。

 

ブラスタの開発者でもあるトライアに分析して貰ったが彼女からエスターは完全に次元獣だと言われたがクロウはなんとかならないかをANに頼んだのだ。

 

AN自身、付き合いは短いが共に戦った者として彼女をほっておけなかったので快く引き受けたのだ。

 

AN「(うーむ、これは…)」

 

シミュレーションを行う中でANは唸る。

 

今までの次元獣のデータを提供されて比較した後に様々な方法でシミュレーションしているが、なかなか元に戻す方法が見つからないのだ。

 

AN「(これは意外に難しいですねぇ…)」

 

他はどうすれば良いか…と考えてANはスフィアの力を浴びせたらどうなるかを思いつく。

 

一応色んなエネルギーで試してみたがスフィアのだけは未知なる原理なのでまだ手を付けていなかったのだ。

 

AN「(ですがスフィアのデータはまだ少ない…これではシュミレーションができないですね)」

 

クロウ「どうだ?出来そうか?」

 

再びううむと唸るANにクロウは問う。

 

AN「少しデータが足りないですかねぇ」

 

クロウ「足りない…か…色々と集めねえとな…」

 

最初の頃の様だなとクロウは呟く。

 

AN「直せるかどうかはその後ですね」

 

クロウ「感謝するぜANさん。エスターを救える可能性があるなら俺はそれを頑張ってやるぜ」

 

礼を述べてそう言うクロウにANはいえいえと返す。

 

AN「そう言えばクロウさんの方は大丈夫なんですか?」

 

クロウ「大丈夫って借金の事かい?そこんとこ大丈夫だ」

 

答えられた事に違いますよと半目で睨むANに冗談冗談とクロウは肩を竦める。

 

クロウ「スフィアの反作用については今は考えたくねえから保留してる。VXについてはチーフが急ピッチで解析してるよ。出所についてもそれを知り合いのボンクラをを締め上げて調べるんだとさ」

 

AN「そうなんですか」

 

呟くANにクロウはまっ、こっちは置いといてと前置きしてから真剣な顔をする。

 

クロウ「それを言うならシオニーもだろ?あいつもスフィアの持ち主になってるんだからよ」

 

AN「シオニーさんのはクロウさんのに比べたらまだマシの範囲かと、副作用も私が注意すれば良いだけですし…」

 

そう言うクロウにANはそう返すと通信が入る。

 

AN「ん?通信?」

 

誰からでしょうとANは出るとAエクシアが出る。

 

Aエクシア《大変だクリエイター!どうやらゼロの奴、ヒイロに呼び出されて1人で神根島に向かったッス!》

 

AN「ヒイロさんに呼び出されて!?」

 

クロウ「おいおい呼び出されたってどういう事だ?」

 

出て来た言葉にANとクロウは驚く。

 

フェニーチェR《分からん。だが、奴はゼロを敵と言っていた》

 

敵と言う言葉にANとクロウは顔を顰める。

 

AN「ゼロが敵…」

 

クロウ「穏やかじゃねえな…あのヒイロがいきなり敵だなんて言うのは思えねえな」

 

ですねと短いながらもヒイロがどういう感じかはを知るANは同意した後に向きなおる。

 

AN「それでゼロたちは今どこに?」

 

X魔王《それが数十分前の15:00に神根島に来る様に言われてますんで…きっと神根島におると思います》

 

シン《それで先に五飛とカレンが向かったらしいんだ》

 

デュオ《んで俺達も今向かう所になった訳だ》

 

聞くANにX魔王とシンとデュオが続いて答える。

 

AN「神根島ですね。分かりました」

 

クロウ「さて…マジでヒイロの奴…」

 

早速進路を神根島へと向けるのを聞きながらクロウはそう呟いた。

 

 

しばらくして神根島に着くと共にANとクロウは他のメンバーと共に出撃する。

 

先ほどまでゼロはカレンと共にヒイロの乗るウイングガンダムゼロと試すと言う事で仕掛けて来たアルトロンガンダムと戦っていた。

 

玉城《無事かよゼロ!》

 

AN『大丈夫ですか!?』

 

ゼロ『心配無用だ。私はそう簡単には死なん!』

 

声をかけた2人にそう返して蜃気楼と紅蓮可翔式が合流する。

 

デュオ『ヒイロの奴…!やっぱりゼロとやってやがった!』

 

シン『しかも五飛もゼロと戦っていた』

 

五飛『それについてはもう終わった』

 

シオニー『終わったんですか?』

 

ああとシオニーのに答えながらアルトロンは蜃気楼の隣に移動する。

 

五飛『俺はゼロの真意を確認した。この男はどういう形であれ、己の行動に責任を取ると見た。だから、俺はこの男の最後を見届ける』

 

AN『な、なるほど…』

 

デュオ『よく分からないが、ひと段落したみたいだな』

 

そう答えた五飛のに誰もが納得した後にウイングゼロを見る。

 

ガロード『問題はヒイロの方か…!』

 

ハヤテ『しかもウイングゼロに乗っているからカトルさんの時よりヤバいかと』

 

AN『そうですよねぇ…』

 

ヒイロ『…ゼロ…ZEXIS…』

 

誰もが警戒する中、ウイングゼロも静かにZEXISを見ると…

 

???『撃て』

 

ズドドドドーン!!!

 

ウイングゼロとZEXIS両方へと砲撃が襲い掛かる。

 

カトル『くっ!?』

 

ヒイロ『!?』

 

AN『これはっ!?』

 

ゼロ『砲撃だと!?』

 

誰もが砲撃が飛んで来た方を見る。

 

そしてそこにいたのにゼロは叫ぶ。

 

ゼロ『あれは……アナザーゼロ!』

 

アナザーゼロ『久しぶりだなゼロよ。また会えた事を嬉しく思うぞ』

 

ヒイロ『アナザーゼロ…!もう1人のゼロ…!お前もまた…!』

 

するとウイングゼロが持っていらツインバスターライフルをアナザーゼロへと向ける。

 

アナザーゼロ『ほう、あれがウイングゼロか』

 

向けられたままの状態でも冷静になっているアナザーゼロは興味深そうに見る。

 

AN『随分と冷静ですね。銃口を向けられているのに』

 

アナザーゼロ『冷静なのは…こういう事だ!』

 

ドドドドドーン!!

 

ヒイロ『ぐあ!?』

 

その言葉と共にメンバーの後ろから多数の砲撃が飛んで来てウイングゼロへと命中して行く。

 

ハヤテ『ヒイロさん!?』

 

シオニー『後ろから砲撃!?』

 

ターンX「ふはははははは!一方に夢中になってるなど未熟未熟!」

 

誰もが驚いているとビームライフルを構えた複数のムラサメと共にターンXが現れる。

 

ロラン『ターンX!』

 

AN『なるほど、貴方は囮だったんですね』

 

アナザーゼロ『ゼロも自ら前に立つのだ。私もそれを真似てるだけだ』

 

ゼロ『猿真似とはな…(だが、これはこれで好都合か…)』

 

不意打ちを受けたウイングゼロは先ほどゼロと戦っていたダメージもあって地面に墜落する。

 

ヒイロ「っ…リリーナ…」

 

AN『ヒイロさーん、大丈夫ですかー?』

 

ハヤテ『やばいですよ。気を失いかけてます!早く助けないと!』

 

それに助けに行こうとするがターンXが阻まる

 

ターンX「おおっと、そうはさせん。後、あの機体のパイロットは女の名前を呼ばなかったかい?戦場でなぁ、恋人や女房の名前を呼ぶ時というのはなぁ、瀕死の兵隊が甘ったれて言う台詞なんだよォ!」

 

AN『へー…ってあれ?確か聞いた話によるとシモンさんも言ってましたっけ?』

 

シモン『ああ、言ったぞニアのを』

 

自身の自論を叫ぶターンXにANは感心してからそうつい聞いてシモンは頷く。

 

ターンX「貴様もか!この甘ちゃんめ!!!」

 

そう言ってグレンラガンと取っ組み合いしながら地面を滑るターンXを見てからハヤテは今だ!とすぐにヒイロの元へ向かおうとする。

 

サーシェス『おっと!そこまでだ!』

 

今度はアルケーガンダムが現れてゴッドマスターを阻まる。

 

刹那『アリー・アル・サーシェス!』

 

ロックオン『出やがったな戦争屋!』

 

AN『ああ、前出てきたのに戦わずに帰った人じゃないですか』

 

サーシェス『くかか、確かに前回は予定外のがあったからな!だから今回はこっちの用事を済ませておくぜ!』

 

そう言うとサーシェスは引き連れていた3機の黒いMSがウイングゼロを掴むとその場を去ってしまう。

 

レイジ『ヒイロ!』

 

AN『いえ、ヒイロさんはその前に出た様です…ただ、目的はウイングゼロだったようですね』

 

刹那『アリー・アル・サーシェス!何のためにあのガンダムを回収する!?』

 

サーシェス『そいつは俺の雇い主の意向だ。お前に話せるネタじゃねえな。だがこっからは俺の好きにやるぜ!前回出来なかった楽しい戦争をよ!!』

 

そう答えた後にアルケーガンダムはダブルオーに斬りかかり、ダブルオーはそれを防ぎながら剣と剣がぶつかりあう。

 

アナザーゼロ『こちらも攻撃を開始せよ!』

 

シオニー『あわわ、来ますよ!』

 

その言葉と共に砲撃が再開され、それが斑鳩に集中する。

 

玉城《こっち狙いかよ!》

 

扇《なんとか飛んで来るのを相殺するんだ!》

 

AN『ARISIA!斑鳩を援護しなさい!』

 

ゼロ『一部は斑鳩の防衛を!後の者は攻撃してる敵機体を撃破するんだ!』

 

ハヤテ『分かりました!』

 

香鈴『了解した』

 

すぐさま指示を出すゼロに誰もが了承して撃破に動く。

 

防衛に蜃気楼とキングゲイナー、ケルディムガンダムなどが回る。

 

騎士「デヤッ!」

 

AN『ハアッ!』

 

斑鳩へと攻撃を仕掛けるムサラメやバイアランを倒していく。

 

ハヤテ『そこですっ!』

 

レイジ『おりゃあ!!』

 

ドンドン落とされていくのをアナザーゼロは動じずに見ている。

 

AN『味方が落とされているのに動じませんね』

 

アナザーゼロ『フッ、これぐらいで動じるか。まだまだ味方はいるのだからな』

 

その言葉と共に新たなゲルズゲーやバイアランに先ほどサーシェスが連れていた黒い機体が複数現れる。

 

サーシェス『成程、そのビルゴを見るからにやっぱり先行してた奴らに大打撃を与えたのはお前等だったか』

 

アナザーゼロ『ああそうだ。少し邪魔だったからな』

 

AN『活躍場面かなり奪ってますよね貴方達って』

 

デュオ「(若干メタイと思ったがツッコミしないでおこう…)」

 

黒い機体、ビルゴを見て言うサーシェスのに答えたアナザーゼロのにそう言ったANのをデュオはスルーした。

 

カトル『あの黒い機体はヒイロとトロワが乗っていた奴のハイブリットだと思います』

 

AN『ああ、確かに似てますね』

 

ビルゴを見てそう推察するカトルにANも同意した後にビルゴを攻撃して破壊する。

 

シオニー『ええい!』

 

ハヤテ『疾風の如く!』

 

ズドドドドドドドドドドドドン!!

 

次々と倒して行く中でブラスタがアナザーゼロの乗る蜃気楼へと攻撃を仕掛ける。

 

クロウ『この!』

 

アナザーゼロ『フン』

 

放たれた銃弾を避けて行くアナザーゼロにクロウはホントに予測が早いな…と顔を顰める。

 

AN『そこです!』

 

アナザーゼロ『無駄だ』

 

ANも加わるがアナザーゼロの蜃気楼の動きの速さに苦戦を強いられる。

 

AN『……なんかおかしくないですか?ゼロ』

 

ゼロ『(やはりあの反応の良さは機体の性能だけでは説明できない…まるで未来を先取りして動いているような動き…まさか…)ええ、こちらも同じ考えです。あれは機体の性能だけでは説明できない』

 

その中でそう聞くANにゼロもある予想を立てながら同意する。

 

AN「もしかして…」

 

ゼロ「(これが当たっているなら奴は…)」

 

AN&ゼロ「(ギアスの使い手…)」

 

どちらもが同じ事を予想した。

 

AN「(おそらく未来を予知するとかそんな感じのギアスですね)」

 

もしそうならば厄介以外の言葉はない。

 

なんたってゼロシステムよりはるかに察知できるのだ。

 

AN「(厄介ですね…)」

 

どう対処すればよいだろうかとANは必死に考える。

 

ハヤテ『っ!』

 

アナザーゼロ『はぁっ!』

 

接近したゴッドマスターが放った蹴りを避けて攻撃するアナザーゼロの蜃気楼のにハヤテは咄嗟に身をねじってかわした後にパンチを繰り出す。

 

アナザーゼロ『そこっ!』

 

AN『やらせません!』

 

ガキィン!

 

そのパンチも避けてゴッドマスターの腕を切り落とそうとしたアナザーゼロの蜃気楼をノワールブラスタがフォローに入ったお蔭で腕切断は避けられる。

 

ハヤテ『ありがとうございますANさん!』

 

AN『いえ、注意してくださいね(しかし本当にどうすれば…)」

 

相手の未来読みに対抗できる速さを出せれば良いが普通では無理だ。

 

AN「(……あれ?でも未来予知のギアスは元々この世界にありましたね)」

 

その後にANはすぐさま思い出す。

 

ギアスについて調べた際に保持者についても後で調べたのだ。

 

AN「(ええと確か…… )」

 

思い出そうとしてそんなノワールブラスタへと幻影は攻撃を仕掛けようとしてマジンガーZが援護に回って攻撃をさせない様にする。

 

甲児『ぼうっとしてたらやられるぞ!』

 

AN『あ、はい!』

 

いけないいけないと思い出すのは終わった後にしてANは気合を引き締める。

 

アナザーゼロ『貴様らの動きなど簡単に予測できる!』

 

ゼロ『くっ!』

 

ズドズドズドォン!!

 

ゼロもどうすればと考えていると飛んで来たミサイルがアナザーゼロの蜃気楼に命中する。

 

アナザーゼロ『っ!』

 

ハヤテ『今のは!』

 

玉城《ゼロ、援護するぜ!》

 

ゼロ『助かったぞ玉城』

 

ミサイルは斑鳩が放った奴でそれにゼロは礼を述べる。

 

アナザーゼロ『……っ!』

 

ギリィ

 

その光景にアナザーゼロは仮面の中で歯を食い縛る。

 

アナザーゼロ『……!』

 

するとアナザーゼロは相手していた面々を無視して斑鳩へと相転移砲を放つ。

 

すぐさまゼロの蜃気楼が割って入って攻撃を防ぐ。

 

ゼロ『私の仲間には手は出させん!』

 

アナザーゼロ『…………』

 

そう言って構える蜃気楼を見た後にアナザーゼロは背を向ける。

 

アナザーゼロ『ターンX、退却するぞ』

 

ターンX「む?承知した」

 

AN『え?』

 

突然の撤退宣言にZEXISが戸惑う中でターンXや敵部隊は撤退して行く。

 

アナザーゼロ『気が削がれた。ここまでにしていてやる』

 

ゼロ『気が削がれた…?』

 

AN『どういう意味ですか?』

 

最後に去ろうとしたアナザーゼロはその言葉に振り返る。

 

アナザーゼロ『文字通りの意味だ。だが覚えておけゼロ。貴様の正体とある事を知った時、仲間たちはどう出るかをな』

 

ゼロ『なにっ!?』

 

AN『!?』

 

その言葉を最後にアナザーゼロは戦闘区域から去る。

 

ゼロ『奴は一体…』

 

AN「(今の言い方からして…ゼロ、ルルーシュさんの正体を知っていると言う事でしょうか?)」

 

去って行ったアナザーゼロの残した言葉にANはふとそう考える。

 

ハヤテ『どうかしたんですか?』

 

AN『い、いえ。大丈夫です』

 

ハヤテに声を掛けられてANは慌てて返事をする。

 

サーシェス『やっぱり戦争はこうじゃねえとな!あっちも終わったからこちらも帰らさせて貰うぜ!』

 

刹那『待て!アリー・アル・サーシェス!』

 

一方で戦っていたアルケーもその場から離脱して行く。

 

AN『あちらも引いたようですね』

 

デュオ『ひとまずは全滅させたな…』

 

藤堂『しかし、アロウズはOZと事実上の統合を果たした事で戦力を増しているな…』

 

AN『面倒ですねー』

 

そうぼやくANの言葉に誰もが同意する中でカトルがハッとなる。

 

カトル『ヒイロ…!ヒイロは!?』

 

アイラ《ヒイロさんはこちらで回収しました!》

 

慌てて周りを見渡すカトルにアイラがそう言い、それは良かった…とカトルは安堵する。

 

AN『さて私達も艦に戻りますか』

 

デュオ『だな(しかし…ヒイロがゼロを狙ったのはゼロシステムでヒイロの中にあるゼロの何かが増幅されたからの可能性がある…あのアナザーゼロの言った事と関係あるのか?)』

 

そう考えながらそれぞれ帰還する。

 

ひとまずは五飛のでゴタゴタがあったがゼロ本人の言葉もあって解決はした。

 

詳しい話はヒイロが目覚めてから聞く事になるのであった。


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