シエルの父親・ヴィンセントに成り代わった物語   作:アルトリア・ブラック(Main)

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第13話

「すごい量だ…あの子の働き者精神は凄いよ」

 

目の前に積み重なる書類の山とファントムハイヴ社から来るプレゼントに感心する。

 

タナカが丁寧に説明をしていく

 

「ぬいぐるみは"今あっても"困るからなぁ、送り返すのもアレだし、シエルの部屋に置いといてくれ」

 

「かしこまりました」

タナカが礼をしてくる。

 

執務室に戻ると、フランシスがおり、フランシスと葬儀屋が会話をしていた。

 

(希少なシーン)

 

と感心しつつも、執務室の椅子に座る

 

葬儀屋の表情については説明しておかないよ、だってネタバレになるから

 

椅子に座るのを見計らい、フランシスが自身を見てくる。

 

原作と違ってシエルを通報したことに対しての憤りはありそうだった。

 

「お兄様、これからファントムハイヴ家はどうされるおつもりですか」

 

息子であるシエルの通報、通報してしまえば、もう当主として返り咲くのは不可能になってしまう。

 

「どうしようかな、今後のことを考えればいろいろあるだろうし、後継者は作った方が良いだろうね、でも、どうせならエドワードかリジーを当主に据えたらどうかな?」

 

「フラニーが良いならね?」と言うとフランシスはため息をつき

 

「…他家の人間が他の家を継ぐのはよろしくありません。私としても、実家の家名を継ぐのは、お兄様の子であるべきだと」

 

フランシスの言葉にヴィンセントは眉ひとつ動かさず

 

「養子入れなら、他家であろうと妹の息子なら許される行為だよ、ファントムハイヴ家は特殊だし、先代の例からしてみても十分だと思うけど?」

 

「それはそれです。そもそも…」

 

フランシスは少し考え込んだが

 

「…リジーはシエルの件があり、部屋にこもっている始末です。ミッドフォード家の家督はエドワードと決めておりますので、リジーでは不可です」

 

「そっか」

椅子の背もたれに寄っかかると

 

「シエルの仕事量を考えれば、シエルについて貰った方が今後としては十分だよね」

 

「…お兄様?」

 

シエルは通報されたと言おうとしたが、ヴィンセントの悪い笑みに

 

「…死んだ片割れとして再びファントムハイヴ家に招くつもりですか」

 

「察しが良くて助かるよ」

 

正確に言うならば、真シエルとして戻ってきて貰えばこれ幸いなのだ。

 

「しかし、シエルは犯人として通報されました。そのことに恨みを抱いている可能性だってあります。お兄様を襲撃した事件の犯人ならば尚更…」

 

ヴィンセントは笑い

 

「まぁ、後継者なんて要らないからね」

 

「…はい?」

 

ヴィンセントは机に頬杖をつくと

 

「今後、後継者なんて要らない時代が来るだろうし、今更、伯爵家は伯爵家の血筋の者なんて考えが古すぎるしね」

 

未来を知っている自分からしてみれば、ここで終わらせていた方がマシなのだ。

 

葬儀屋がこちらを見て来る。

 

『クローディアの血』が失われるのが惜しいというような表情をしていたが

 

「ファントムハイヴという家は滅びても血は受け継がれて行くものだよ、歴史から消えても脈々とね」

 

 

 

フランシスが帰った後、ヴィンセントは部屋にて、チェスの盤を見る。

 

「死神派遣協会に女王…危険分子は山ほどいるなぁ…」

 

深くため息をつく

 

ポラリスとベカは現在、出張に出ている。

 

散り散りになった使用人を呼び戻すために行動しているのもある。

 

黒執事の結末は暗い結末だ。

 

アニメ化の方は別物として考えるとしても、良いエンドとは言えない。

 

まぁ、悪魔・死神・(アニメの方にいた天使?)が登場している時点で勝てない

 

人外ばかりが出てくる漫画で生存できるのは、主人公が人外か、あるいはそれなりに強い力を持つ者しかいない。

 

(…だからこそ、頭脳戦が必要なんだよね…)

 

人間はあくまで頭脳を持って挑まなければならない。

 

悪魔や天使にすら持ち合わせていない心理戦が望まれる。

 

「…さてと、シエル、お前はどう出る?」

 

黒い駒を倒す

 

 

 

シエル達はラウの元で働きながらヴィンセントの息の根を止めるために奮闘していた。

 

手始めにフランスに行き、供給源を絶って行こうと思っていた。

 

それをズーとみているカラスがいた。

 

真っ赤な眼光が使用人を見ていた。

 

殺気を感じたフィニが振り向いたときに飛び立ち、空の彼方に消えてしまう。

 

「……」

 

「どうした?フィニ、とっとと帰るぞ」

 

「あ、はい!」

バルドに言われて走って行く

 

 

 

 

 

 

 

「シエル達は未だに英国支店長のところにいるのか…」

 

使用人からの報告の書類を見ながら言う

 

「はい、行動を見るに我々の供給源を絶つ狙いかと」

 

飛んできたカラスを腕に留めて話していた。

 

「…供給源を絶ってこっちの動きを防ぐつもりか」

 

「攻撃をしますか?」

 

「いいよ、放っておくんだ」

 

ヴィンセントは書類をテーブルに置くと、女王からの手紙をめくる

 

「女王の番犬に再昇格してから初の仕事だ」

 

そう言って使用人に見せる

 

「失礼致します」

その手紙を取って読む

 

ある程度、会話した後、部屋を退出する使用人

 

「ヴィンズ」

葬儀屋がやって来て体調のことを聞いて来る。

 

「大丈夫だよ」

そう言って運ばれて来た紅茶を飲む

 

「そういえば、ポラリスとベガ達は?」

 

そう聞くと

 

「彼らは君にもしものことがあった時の食事を取りに出張中だよ」

 

「そう」

 

ヴィンセントは薄暗くなった空を見上げる。

 

 

 

スフィアにいた時、他のお星様について葬儀屋に聞いたことがあった。

 

一人、シリウスの室内で彼らについて考えを巡らせていた。

 

原作で真シエルが言った『ポラリスとベガ達は?』というセリフ

 

執事を欲していた真シエルはその二人(ベガは二人だから実質三人)のうち、どちらからか執事として選ぼうとしていた。

 

ここで疑問だったのは『ポラリスとベガ達は?』という言葉、言葉をそのまんま取ればそのままだが

 

なぜ、そこにカノープスがいない?

 

カノープスを含めるならば『ポラリス達は?』というような聞き方になるはずだ。

 

そもそも、ベガはシリウス同様、身分の高い女性だ、執事としては向いてない。

 

どちらかといえばカノープスの方が向いている。

 

『ポラリスとカノープスは?』の方がしっくりくるのに、カノープスは含まれていない。

 

(まぁ、詳しく語る必要はないけどね)

 

後々、原作で明らかになるのだ。

 

「まぁ、今後の展開は今後の楽しみにとしか言えないねぇ」

 

笑いながらドアの前にいる人に話しかける

 

「原作の展開がどう出るか、楽しみに人生を過ごすんだよ、原作で蘇ったのは俺じゃないけど、じゃあね」

 

手を振るヴィンセントと、目の前の扉が閉まって行く

 

パタン

 

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