感覚のないTSクローンはデスゲームの才能があったみたいです。   作:ねこスマ

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希望

 

 シャワーの水に打たれながら、僕は鏡に写る自身の顔を見つめた。

 他人に感じる白い視線が交差する。

 

(いつ負けてもおかしくない)

 

 僕はミクロンというランカーに本来敗北していた、あのポーカーの結果が偶然で生まれたと考えるほど能天気ではない。

 

(その相手からゲームの招待)

 

 わざわざ引き分けにしてまで僕をゲームに招待した理由、僕に勝利していたら如何様にも出来た筈なのに。

 

(挑むからには本気で殺ってやる、例え一位だろうと)

 

 招待を無視することも可能だ、だがミクロンは観客としても何か知っている。 

 A級に挑んでいたらいずれ対戦する相手だ、それに勝利報酬は…。

 

 僕はスマホの招待メッセージを受理した。

 

 

・・・

 

 

 白白白

 

 明かりが付くと部屋の輪郭や距離感が分からないほど白に染まった部屋に4人囲って配置されていた。

 

 右側には床に着くほど伸びきった薄紅の髪の人、服装は黒を基調にしたパンク系。

 左側は僕と同じ髪型で水色の髪、修道服を着崩している人、コスプレか?

 

 正面には、白髪、蒼瞳、この部屋に溶け込むような白い振袖。

 

 全員椅子に拘束されており、手、足、が少しも動かないようにベルトで固定されている。そして頭上には工場で鉄板を切断するような、巨大な丸い刃が設置してあった。

 

「ウレシウレシウレシッ♡neo、ホープも深く刻み合いましょッ♡」

「うわ出た、エンジョイさんだ……」

「あはっ♡みんな気持ちよくなろうねぇー!!」

「ホープ?聞いたことないけど、よろしく」

「あ、どうもよろしくです」

 

 ということは左がneoさんということか。

 

「ミクロンさん、色々と聞きたいことがあって来ました」

「えぇ、わたくしが知っていることなら全てお答えます」

「アァン‼︎焦らしプレイねっ♡せっかくのお誘いですものっ待つわッ!マツワァッ!!」

「私たちは数合わせって感じね、把握」

 

 エンジョイさん、neoさんは僕達の会話を静観してくれるようだ。

 

「僕のことを知っていましたよね、いったいどこで?」

「アナタが最初に参加したゲームで、特異体質だと自身で宣言されていましたので、そこから目を付けていました」

 

 初めてのゲームで僕がイキったせい……

 

「プレイヤーなのに、観客側にいた理由は?」

「わたくしは【要望追加】で全ゲームの閲覧権を取得しています、また【退会】もしているのでデスゲームはプレイヤーとして資金稼ぎで参加している形です」

 

 ということは、この人はそもそもデスゲームに参加しなくてもいい立場にあるのか。

 

「イベントのポーカーは何か仕組んでいましたよね」

「はい、ゲストのみ手札変更は相手にも使用可能です。使用回数は連れの男性から譲って頂き5ターン目に2度使用しました」

「引き分けにした理由はいいとして……不公平では?」

「観客とプレイヤーが公平である必要はありません、相手の手札を変更するというのは、資金の少ないゲストの救済処置ですので」

 

 まとめると僕の体質に興味を持って、イベントというタイミングで接近したということ、これが最後の質問だ。

 

「僕をわざわざゲームに招待した理由を教えてください」

「わたくしもアナタと同じ体質、似た者同士で対等なゲームがしたかったのです」

「なるほど、わかりました」?

「質問は以上ですか?」

「はい」

 

 確かにそれは珍しい、僕も同じ体質の人と会うのは初めてだ。

 それ故にお互い反応が薄くつまらないゲームになるとは思わないのか?

 

「イベントなんか参加しない方が良くない?効率悪いし」

「無垢な赤子を蹂躙する楽しさはあるわーッ♡」

「それも正直飽きたよね、全然血の量が足りない」

「痛みに敏感な子と一緒に泣き叫ぶのも、たまにはいいのにッ♡」

「雑魚に新調使ったら勿体ないってw」

 

「それでさ」「気になることが一つッ」

 

「「体質って何のこと?」「隠しごとしてますッ?」」

 

 左右二人の視線が僕を射抜くが、わざわざ言う必要性はない。

 

「対価なしに答えを求めるって野暮じゃないですか?」

「あっそう、じゃあどうでもいいや」

「エェ‼︎エェ‼︎腹を開けば、自ずと分かり合えるッ♡」

 

 ミクロンが全員を見渡すと、鈴を転がしたような凛とした声で告げた。

 

「ではゲーム説明を行います。4人には1ターンに一度選択権が与えられます」

 

 目の前に分かりやすいように透明な液晶が現れ、図で補足してくれた。

 

「選択できるのは「アタック」「ブロック」「ステイ」の3種、アタックを選択した場合、三名の中から一人を選び攻撃を仕掛けられます。攻撃された人物がブロックしていなかった場合、頭上の刃が下りて人体を切断します、その場合一撃死です」

 

 一撃必殺!?回数に余裕はないのか……

 

「「アタック」は成功失敗に関わらず、全員が一回アタックを使用するまで回数は復活しません。また「ブロック」成功時、使用回数1回は減りませんが、誰にもアタックされていなかった場合はブロック失敗となり、全員がアタックを終えるまでブロックは使用不可。「ステイ」はアタックもブロックもしない無防備な状態です、回数制限はなく何回でも使用できます。」

 

「アタック権を保持したままステイを連続するのはブロック側が不利なので、4ターン連続でステイが続くと、アタックとブロック回数が全員復活します。そして最後の一人になれば勝利です。質問はありますか?」

「直ぐに死んじゃうのは勿体ないのッ!!気持ち良いように少し刃の位置をズラさない?」

「無理です」

「アタックが同時に発生したらどうなるの?」

「ブロック以外は全て死亡となり、相殺はありません」

「OK〜」

「アナタは何かありませんか?」

「…大丈夫です」

「ファァ、早く始めよー」

 

 まさかこんなに殺意の高いゲームを仕掛けてくるとは思わなかった。他の二人も納得した様子で、neoさんに至っては欠伸すらしている。

 

「では、ゲーム開始です」 

 

パチンッ

 

 部屋が突如真っ暗になり、液晶画面だけが暗闇で輝いた。液晶は他の人の顔を照らすまでは明るくなく、他人の画面を見ても何も映っていないように見える。

 

「アタック」「ブロック」「ステイ」

 

 それぞれ5秒間視線の止まった位置で選択したことになると表示してある、視線の先がマウスカーソルの様に移動してくれた。

 

(アタックか……)

 

 アタックの失敗は報復の可能性が出てくる。またブロックは命綱だ、ブロック失敗した次のターンは必ずアタック成功となり狙われるだろう。

 

(様子見のステイ、逃げのブロック……)

 

 感覚ゲーが過ぎる、

 人となり、会話、運、その少ない要素を拾って判断しなくてはならない。

 

(僕が他の三人だったら?)

 

 ミクロンは僕に直接招待した手間を考えると、初手で僕にアタックを仕掛ける可能性は低い。

 

 エンジョイさんは分からない、いきなり誰かにアタックしそうな気がする。それこそ初手僕にアタックする可能性も全然ありえる。

 

 neoさんも不明、ただアタックを不用心に使用するタイプには見えない。これは雰囲気で判断しているため、フィーリングでしかないが。

 

(エンジョイさんがどう動くか……)

 

 僕は「ステイ」を凝視し選択すると、部屋の照明が明るくなった。

 

『ミクロン、ブロック成功。死にたくない@エンジョイ勢、アタック失敗』

 

 画面に現れた文字、さっそくエンジョイさんがアタックをかましていて笑いそうになった。

 

『2分間インターバル開始』

 

「開幕ブロックってミクちゃんやるねー」

「アァン♡受け取ってよぉぉぉぉぉ!!」

「…よく分かりましたね」

「わたくしが一番警戒されているので、どなたかは狙ってくるかと」

 

 これでエンジョイさんはブロックしか出来ない丸腰になった。

 

(これはチャンスか?)

 

「ミクロンさん、neoさん、先にエンジョイさんを始末しませんか?アタック権をエンジョイさんに集中して使えば処理できる」

「じゃあ、言い出した君からキモ女にアタックを使って。それまで私達はステイするから」

 

 やはり…このゲームの協力は成り立たない、先手を打ったら自分がアタックされるだけだ。

 

「では、わたくしが死にたくないを仕留めるので、その次は二人とも同時にわたくしにアタックして下さい」

「勝つ確率が上がるなら何でもOK」

「ミクロンさんいいんですか?」

「はい」

「いいわぁ♡全部ブロックで受け止めてあげるッ!」

 

 これで僕が裏切ってミクロンにアタックを仕掛けても、neoさんがアタック権を僕に一方的に使えて不利になるだけ。それにエンジョイさんにアタックするタイミングはミクロンが決めるため、僕がneoさんに不意打ちでアタックしてもエンジョイさんとのアタックタイミングが被らない限り、ミクロンに裏切り行為として攻撃対象にされ不利になる。

 

(アタック権を失ったものから命を失う)

 

 つまりアタック権を失ったミクロンに二人で同時にアタックして、全員の使用回数を復活させて仕切り直しにする話になっているが、neoさんと結託してミクロンを殺せばいい。

 

(最初にアタックした人がどうやっても不利なゲームだ)

 

 ステイで2ターン回った後、エンジョイさんのブロックが不発になり、次ターンミクロンのアタックで死亡が確定した。

 

『2分間インターバル開始』

 

「ンフッ♡たまには焦らさないで逝けるのも……普通にイクのもアリ……♡」

「あの人、こんなにあっさり死んじゃっていいんですか?」

「キモ女は痛覚中毒者だからね、見るからに喜んでるし」

「死にたくない、お疲れ様でした」

 

キィィィィィィィィィィ‼︎

 

「アァァァァァァ良いッ‼︎奥まで届けて頂戴ッッ‼︎」

 

 椅子から頭を固定するベルトが伸び、エンジョイさんは恍惚とした顔で口からよだれを垂らしていた。

 

(この人全然大したことなかったな……)

 

ブンッ‼︎

 

「アッ♡」

 

 細く鋭い音が部屋に鳴り響くと、切断機がゆっくりとエンジョイさんの頭上から椅子ごと切断していった。

 

 ギィィィィィィィィィィ‼︎

 ブルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……

 

 硬い椅子の切断音に紛れて、生々しい滴かな音が混ざっている。

 正面を見ると右側から床に血が流れているが、わざわざ死体を見る気は起きなかった。

 

「あははっ!綺麗に両断されたね、性格はキモいけど血はすっごく綺麗」

「neoさん、ミクロンさんを先に始末しましょう」

「お、やる気?」

「やるなら今だと思いませんか」

「別にいいけど、ミクちゃんもいい?」

「えぇ、いつでもアタックをどうぞ」

「裏切っといてなんですが、不公平は無しですよ」

「はい、わたくしもプレイヤーとして同じ立場なのでご安心を」

 

 よし、neoさんと協力してミクロンを殺れるのは大きい。

 アタック権を先に使ってneoさんに不利になっても早めにミクロンを処理する。

 

(得体の知れない強者とタイマンするよりはマシだ)

 

「喉が渇いたのでお水を頂いてもいいですか?全員の許可が必要なので」

「全然いいよ」

 

 ミクロンがここで水を要求したが流石にゲーム内容とは一切関係はない、それに目の前で堂々と裏切ったばかりだ、このくらいの要求はいいだろう。

 

「いいですよ」

 

 椅子からミクロンの口元にストローが運ばれる、一体いくらでそんな無駄な機能を付けたのやら…。

 

(裏切りの裏切りなど考えたくないが、信用0の一時的な協力関係)

 

 neoさんがミクロンと1 on 1をやりたいと思っている場合、不意打ちで僕にアタックが飛んでくる可能性がある。それを考慮してブロックするか否か、当然ブロックに失敗したら、確実に始末できる僕をneoさんは狙ってくる。

 

(一旦ステイ、裏切り予想のブロックはアタックとやっている事が変わらない)

 

 暗闇から明かりが付くと、新たな表示が画面に映し出された。

 

『ミクロン、ブロック成功。neo、アタック失敗』

『2分間インターバル開始』

 

「ちぇ、やっぱり無理だね」

「neoさん、アタックって……」

「失敗したから、あとはよろしく」

「ミクロンさん、どうしてさっきのアタックが分かったんですか?」

「対価なしに答えを求めるのは野暮なのでは?」

「そうですね、殺して聞きましょう」

「そうしてください」

 

「ステイ」

「ステイ」

「ステイ」

「ブロック」ミクロン

 

 3ターン連続ステイ、エンジョイさんみたいにブロックの不発を狙うが失敗した。

 

「君、ミクちゃんの攻略は何も考えないことだよ」

「考えない?」

「いつも的確に相手の思考を読んでくるの、面白いでしょ?」

「読心術みたいな感じですか?」

「そう、そして思考放棄の選択も予測してくるから、本当は物量で押して殺したいんだけど。今回はゲームが悪かったね」

「neo、さっそくネタバレですか?」

「ホープちゃんに助言しただけー」

 

パチンッ

 

(ここで全員回数リセット、いきなり僕がミクロンをアタックして殺すッ!)

 

 部屋が暗くなった瞬間、僕は闘志を鎮めた。本当にミクロンが思考が読めるならブロックしてくるはずだ。

 

パチンッ

 

『ミクロン、アタック成功。neo、ブロック失敗』

『2分間インターバル開始』

 

「ね?無理ゲーでしょw」

「ねっ……て…」

「neoお疲れ様でした」

「はーい、ミクちゃんお疲れ」

 

 neoさんは何でもないように軽く笑ってミクロンの方を見ている。

 

(死ぬのが怖くないのか?いや、今更僕も死ぬのが怖いなんて事は考えないようにしているが)

 

「私さぁ、縦に真っ二つとか初めて」

「凄まじい衝撃を一瞬感じたあと、視界がすぐに暗転しますよ」

「そうなんだぁ、君!胃袋の中見られるのちょっと恥ずかしいからあんまり見ないでね!」

「え?あ、はい」

「それじゃ、ミクちゃんに勝てるのを期待してるよー」

 

ブンッ‼︎

 

ギィィィィィィィィィィ‼︎

グルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ

 

ブチッ‼︎ビッチャ…ビッチャ…ビッチャ…

 

パチンッ

 

 部屋が暗くなり僕がアタックを仕掛ける番になった。状況は本来良いはずだが読心術などというファンタジー要素をいきなり提示されても困る。

 

(無心なんて出来るのか?このままでは敗北してしまう、例えば生年月日をいじって何回目にアタックを仕掛けるとか複雑な……)

 

『ミクロン、ステイ、ホープ、ステイ』

『2分間インターバル開始』

 

 左右から流れる血が真ん中に水溜りのように留まっており、敵は正面ただ一人となった。

 

「思考を読むって本当ですか?」

「いえ、雰囲気で人となりが分かるくらいです」

「人となり?」

「筋骨隆々な方が編み物をするイメージはないでしょう、またマダムが道端の小銭を拾うイメージはない。ホームレスだったら?編み物をするかもしれないし、小銭も拾うかもしれない」

「人の見た目で細かなことまで判断できると?」

「はい、ここにいる方々は自分が悲惨な過去を持つ主人公だと思っていらっしゃいますが、等しくただの負け犬です。そして負け犬の行動がもっとも分かりやすい」

 

『ミクロン、ステイ、ホープ、ステイ』

『2分間インターバル開始』

『ミクロン、ステイ、ホープ、ステイ』

『2分間インターバル開始』

『ミクロン、ブロック成功、ホープ、アタック失敗』

『2分間インターバル開始』

 

「本当に…僕の選択が分かるような機械的な不正はしていないんですよね?」

「はい、愛しの半身に嘘はつきませんよ」

「また言葉遊びですか」

「覚醒状態で切断した貴方の右能が欲しいのです」

「は?」

「わたくしの左脳、貴方の右脳と接合すれば永遠の孤独から解放される」

「…………」

 

 コイツは何を言っているんだ、脳みそを二人で接合する?

 そんなこと出来るわけが……

 

__クーロン技術があるのに、本当にないと言い切れるのか?

 

「過剰な発痛物質が脳のタンパク質をダメにしてしまうんです。ですので麻酔を使用せず、意識を保ったまま脳梁の切断に耐えうる人物が必要でした」

 

 いくら痛みを感じない僕でも脳の切断に耐えれる訳がない、いったい何処を切断すると言った?

 

「僕みたいな負け犬と合わさっても意味なんてない」

「意味を持ってこの世に生まれてきた人間なんていません。アナタは私、私はアナタになるだけです」

「狂って…いる?」

「えぇお互いに」

 

『ミクロン、ステイ、ホープ、ステイ』

『2分間インターバル開始』

『ミクロン、ステイ、ホープ、ステイ』

『2分間インターバル開始』

『ミクロン、ステイ、ホープ、ステイ』

『2分間インターバル開始』

………

……

 

「どうしてずっとアタックして来ないんですか」

「既にお気づきなのでは?」

「………」

「お水、時間勝負でしたらわたくしが有利ですね」

「………」

 

……

 

 

『ミクロン、アタック成功、ホープ、アタック成功』

 

ギィィィィィィィィィィ‼︎

ギィィィィィィィィィィ‼︎

 

 頭上から降りてくる刃に全く動じないミクロンと僕。

 

(僕はもう人間じゃなかったのか)

 

 最期はみっともなく泣き叫ぶのかと思いきや、すんなりと死んでいく此処の住人達。最後は呆気ないものだと、他人事のように考えていた。

 

 

・・・

 

 

 ロングコートを着た女性が、厳重に監視されている地下の部屋へ赴いた。

 

(のぞみ)の様子はどうだ?」

「起きている間は安定しています、子供のように人形遊びやおやつを喜んで食べたりしていますが…」

「夜泣きか?」

「はい、顔や髪を掻き毟って支離滅裂な言動を繰り返しています、ですので寝る直前に全身拘束を施しています」

「なるほど、分かった」

 

 女は何十にもロックされた扉を解除していき、部屋に入った。

 部屋の内装はピンクに統一され、大きなクマのぬいぐるみや人形がいくつか配置してある、幼少期にありがちな女の子の部屋。

 

「あ!詩乃絵(しのえ)お姉ちゃんッ!」

「希、元気にしてたか?」

「うん!見てこのヒラヒラのお洋服っ!可愛いでしょーっ!!」

「そうだな」

 

 ぴょんっと女に抱きついてきた年頃(・・)の少女の髪は、左半分が白で右半分は濃い紫の色。瞳も蒼と白のオッドアイで、どうにもチグハグな容姿が異様な雰囲気を感じさせていた。

 

「髪が長いな…どれ、私が切ってやろう」

「ほんとっ!!やったぁーー!」

 

 女は腰まで伸びた少女の二色の髪を、肩まで切り落とした。

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