新スタートレック(TNG)×マギクラフト・マイスター 作:転々々
恒星日誌、宇宙歴XXXX.X
辺境の基地で補給を終えたエンタープライズは、未知の星域へ向かっている。この領域の
我々が作った星図によって、いずれはここも辺境でなくなるに違いない。
補給を兼ねた2週間余りの休暇は、クルーにとっても有意義な時間になったと思う。艦もクルーも万全の状態だ。
「前方に時空の歪みを検出」
「全艦停止。シールド最大。いつでもワープ出来るよう準備。
ビューアオン。スクリーンに」
ウォーフの報告に艦長が指示を出す。
「こちらラ=フォージ。エンジンは絶好調ですよ! いつでも最大ワープ可能です」
機関部からは例の陽気な応答がある。
「最大望遠です。センサー、全レンジにて探査中」
データがコンソールを操作しながら告げた。
「後方にも時空の歪みを検出、方位172、マーク5。
急速に接近しています」
「方位270、マーク0、ワープ3。発進」
ウォーフの報告に、ピカードは即座に指示を出す。
だが、メイン・ビューアに映る星々が後方へ流れることはなかった。それどころか、真空の宇宙であるはずなのに、星々が陽炎のように不自然に瞬き始める。
「ワープフィールド崩壊! 出力が上がりません。原因不明です」
通信パネルからラ=フォージの緊迫した声が響く。
「シールド、急速に低下! シールド強度60%、45%……」
照明が非常警報を示すものに変わる。
「シールド消失! 時空の歪みに飲み込まれます!」
ウォーフからの無情な報告。
慣性制御を超えた力に船体が揺れる。
「船体強度低下。全パワーを構造維持に回します!」
機関部からの連絡の2秒後、艦は時空の裂け目に飲み込まれた。
「艦長、大丈夫ですか?」
データの呼びかけにピカードは目を覚ます。どうやら気を失っていたようだ。「う、うーん」隣では副長のライカーが自力で目を覚ましている。
「艦長、大丈夫ですか?」
「ん? あぁ。大丈夫だ。ありがとう、データ」
戦術コンソールの前では、ウォーフが船体を確認している。
「減圧警報や船体の損傷は認められません」
ウォーフの簡単な報告。
ピカードは辺りを見回す。クルーは無事。特に警報も無く、船体にも損傷は無いようだ。
「ブリッジは健在だ。
全艦は現状を維持。医療班は別命あるまで待機。
各セクションは損害を確認。死傷者、侵入者、あるいは重大な損傷が無い限り、報告は後でいい。正確な報告を頼む」
副長のライカーが全デッキに通達すると、医療室からは「了解」の返答があった。
「艦長、艦を一回りしてきます。データ、ウォーフ、手伝ってくれ。
ウェス、操舵席を頼む。でも、勝手に動かすんじゃぁないぞ」
そう言ってウェスリーににやりと笑みを向けると、ライカーはターボリフトへ向かう。データとウォーフもそれに続いた。データの席をウェスリーが引き継ぐ。
「コンピュータ、ここはどこだ」
「不明です。
既存の星図には無い領域です。連邦標準時信号にもアクセスできません」
未知の領域か。ピカードは瞑目する。
また、Qの悪ふざけか? 一瞬そう考えたが、もしそうならそろそろ姿を現しているはずだ。
今回は違う。根拠は無いが、なぜかそう予感させられた。
各デッキからは異常や負傷者が無いという報告が集まる。機関部からも崩壊したワープフィールドやシールドが回復している連絡が入ってきた。