新スタートレック(TNG)×マギクラフト・マイスター   作:転々々

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 礼子と老君は、人間には不可能な速さで問答を繰り返していた。

 エンタープライズを送還するためには、仁を召喚したときと逆の作業が必要になる。召喚は、無作為にアドリアナと同じ魔力パターンを探して、この場所に連れてくるだけだった。

 しかし今度は、無数に存在する宇宙から、たった一つの宇宙、その狙った場所に送り出さなくてはならない。

 

「召喚魔法の概要は復元されていますが、送還魔法は行き先を厳密に定める必要があるという点で更に高度です。果たして、私たちが製作を許された範囲で再現できるものか……」

 

「それは彼らがどこまで理解できるかに寄るのではないですか? 私たちに出来るのは、理解を助けることまでで、送り返す方法は彼ら自身が手に入れなくてはならないでしょう」

 

「確かに、礼子さんの言う通りかも知れません」

 

 

 

「大変だ! 魔力子(マギトロン)入りのものを食べてしまった!」

 

 バークレーが息せき切って機関室に駆け込んできた。寝癖を整える暇も無かったのか、頭髪は威厳を失っている。

 

「落ち着けレッジ。転送すれば問題無い」

 

「そ、そうですね、でも、転送ですか……」

 

「また、転送恐怖症か? まぁ、5年ぐらいレプリケータ食だけで過ごせば、代謝で排出されるだろう」

 

「だ、大丈夫です。転送、転送ですね。転送か……」

 

「それより前に、鏡を見ろ。なかなか奇抜なヘアスタイルだぞ」

 

 バークレイはコンソールの暗い部分に自身を写すと、自室に駆け戻った。10分後、いつもの姿で現れる。

 

「た、大変失礼しました。お見苦しいところを」

 

「大丈夫だ。定時にはまだ3分半ある」

 

「判っていて食べたものと思っていました」

 

 データが独り言ともつかない言葉を発した3分後、礼子が機関室に現れた。

 

 

 

 そのころ、ピカード、ライカーと老君が、会議室で話し合いをしていた。情報提供と、今後の補給物資の提供に報いるために、どのような見返りを準備できるかについて。

 

「それでは、我々の技術は必要ないと?」

 

「あくまで、21世紀レベルの基礎的な科学知識で十分です。あるいは、それでも過剰かも知れません」

 

 老君は、基礎的な『答え合わせ』すら過剰だと考えていた。

 また、現時点では宇宙を航行する技術も魔法に依存している。

 太陽から離れると、その距離の二乗に反比例して獲得できる魔素が少なくなることから、魔法技術の延長上では恒星間航行は極めて困難だ。

 それを補うためには、魔法以外の方法、実際は対消滅等による質量エネルギーをコントロールする技術が不可欠であると予測し、恒星間航行にはこれらの技術を自身で獲得する必要があると結論づけていた。

 

「ですから、情報は、学術分野なら哲学や数学、文化では料理のレシピや音楽などの芸術分野の方が良いでしょう。それでも、文化汚染のリスクはありますが……」

 

 瞑目するピカードとは対称的に、ライカーはジャズやトロンボーンについて老君と意見交換をしていた。

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