新スタートレック(TNG)×マギクラフト・マイスター 作:転々々
恒星日誌、宇宙歴XXXX.X
いよいよ送還に向けた実証実験として、小天体規模の転移を行う。
先に先導機を転移、観測とマーカーの設置を行い、そのマーカーを目指して小天体を転移させ、観測後に帰還させる。
これがうまくいけば、あとは送還ポイントの特定だけだ。
「全艦、先導機転移に備え」
「ラ=フォージ了解。
ラ=フォージよりデータ、そちらの準備はできているか?」
「データよりラ=フォージ、既に準備・最終チェックは完了しています。いつでも実験を開始できます」
報告を受けた艦長が「それでは始めてくれ」と指示を出した。
程なく、エンタープライズから1光秒離れた場所で先導機が姿を消し、90秒後、同じ場所に姿を現した。次に先導機が設置したマーカーに向けて小天体が姿を消し、――ブリッジクルーが固唾を飲む中――やはり90秒後に同じ場所に姿を現した。
規模を除けば華々しさの無い実験だが、これは体系の異なる技術であり、帰還に向けた大きな足がかりである。
「小天体の召喚を確認。センサーログの解析にうつります」
シャトル01のデータと機関室のラ=フォージは、各々ログの解析に入る。礼子もシャトル01で魔力計測装置からの情報を解析し始めた。彼女は、自身の魔導頭脳とシャトルのコンピュータの両方で解析を行い、その結果を照合している。
恒星日誌、宇宙歴XXXX.X
送還に向けた実証実験が終わった。
懸念されていた潮汐力はほとんど計測されなかったが、
また、魔力的な変動は予想よりも大きいものだった。前回の転移時に、データ以外の全クルーが一時的に気を失った原因だろう。
魔力供給源としてのマギ・クリスタルの損耗は予想よりも2割ほど大きかったが、これは同期をより精密に行うことで改善すると思われる。必要なエネルギー自体は、エンタープライズの体積や質量が小天体よりも十分小さいことから、大きな問題にはならないと考えられるが、送還先が我々の宇宙でなかった場合に備え、緊急召喚を可能にする準備は必要だ。
目下の懸案は、やはり送還先の特定である。
現在、ロークンが探索しているが、それが『魔力的な方法』であり、我々の技術とは体系が異なるため、現時点で我々に手出しできないことのみを知らされた。
いずれ我々も魔法を学ぶことになるのだろうか。帰還するにせよ、留まるにせよ、それらを我々の技術に採り入れる可能性も考慮しなくてはならない。
「うーん、やはり
レッジ、その方向でレーコちゃんと検討してくれないか?」
「そうですね。2つだけなら直接いけると思ったんですが、やはりマスタークロック的なものに合わせた方が間違いなさそうです。
ドーサルネック後方で接続すれはよろしいですか?」
「そうだな。それしか無いと思う。その辺はデータと相談して進めておくよ」