新スタートレック(TNG)×マギクラフト・マイスター 作:転々々
「礼子さん、あなたのお父様は、どのような方でしたか?」
唐突に、データが訊いた。
「優しくて、知的好奇心が強くて、創り始めると他のことが目に入らなくなったり、少しお節介で……」
「エンタープライズのクルーと、少し似ていますね」
「そうかも知れません。
もしかしたら、故郷が同じだからでしょうか」
「我々の宇宙には多くの種族がいます。皆、とても個性的です。
もしかしたら、惑星連邦の理念やそれに基づいた行動が、あなたのお父様と似ているのかも知れません。
あなたのお父様なら、きっと、良い艦隊士官になれたでしょう」
礼子はそれに答えず、研究所に目を遣った。
「
残念ながら、言動は私が
「それでは、老子さんが知る仁さんを教えていただければ、ホロデッキでシミュレーションが可能ですね」
礼子と老君の膨大な記憶を基にした仁のホログラムは、かつて創ってしまった『モリアーティ教授』をも超える人格的奥行きを持っているだろう。
その姿は、始めて礼子と顔を会わせたときの姿だった。
「礼子、久しぶり」
「お父様」
その言葉に、礼子は一歩、二歩進み、そしてその胸に顔を埋めた。彼女に泣く機能があったなら、涙を流したに違いない。
しばらくそうしていると、シミュレーションされた仁は直立して待っているデータに気づいた。
「礼子、彼は?」
「データさんです」
「初めまして、仁・二堂です」
「データです。お目にかかれてうれしく思います」
二人はしばらく情報交換を行った。
第三次大戦の惨禍とそれによる文化の損逸、その後の混乱を経て人類が宇宙に乗り出したことについて、仁は何も発しなかった。異なる世界でも争いを見てきたからだろうか。
「でも人類が星々を旅して、別の星でも暮らしていることを、喜ばしいと思います。俺、じゃない、私がこの部屋から出られないのが残念だ」
「申し訳ありません。これが、今のところの、我々の限界です。よろしければインターフェースを繋ぎますが」
「それもいいが……、礼子、俺のダブルはあるかい? あれに人格シミュレーションを入れられないか」
「申し訳ありません、
再現には新たな魔導頭脳が必要です。おそらく、この船のリソースも無視できない割合で占有しているかと」
礼子に代わって老子が答えた。
「そうか、それじゃぁ仕方ないな。俺のシミュレーションのためだけに、新たな魔導頭脳を造るわけにもいかないだろう」
「それについて、いくつか提案があります」
仁の少し残念そうな表情にデータが声をかけた。