新スタートレック(TNG)×マギクラフト・マイスター 作:転々々
恒星日誌、宇宙歴XXXX.X
現在、エンタープライズは送還宙域において最終調整を行っている。これが完了し次第、先導機を送還し、連邦標準時信号から時間と座標を特定、召喚直前のエンタープライズを発見したらマーカーを設置する。
昨日までの送別会は、クルーにとっても良い思い出となっただろう。私もジン・ニドー氏の逸話を聞くにつけ、実際に彼に会えないことを非常に残念に思う。
また、21世紀初頭の地球社会に関する情報は興味深いものだった。公開するにおいて情報源をどうごまかしたものか悩ましい。
先導機はもうすぐ出発する。我々の宇宙における目的の時空へたどり着けるだろうか?
ロークンとバークレーによると、連邦の技術による探知を回避しつつ50年は活動できるだけの能力があるという。
この世界の技術は、導かれる結果は我々のそれに似ているが、時間のスケールが一桁違う。持ち帰れば我々の技術に大きな変化をもたらすだろう。
しかし、我々はその誘惑を容れてはならない。
送還に向け、巨大な
「ラ=フォージよりブリッジ、準備はすべて整いました。いつでも始められます」
「よろしい。では、始めてくれ」
艦長の指示を受け、先導機が格納庫より発進する。
自動操縦でエンタープライズ後方5キロまで離れ、星の揺らぎとともに忽然と姿を消した。
先導機は目的の宙域において『
先導機の魔導頭脳は、連邦標準時信号からその瞬間が近いことを知っている。
果たして、エンタープライズは現れた。
先導機はマーカー用のマギ・クリスタルを射出すると、召喚魔法を起動し、その宇宙から消えた。
マギ・クリスタルは星間物質やデブリに紛れて、エンタープライズの後方やや右側に消えていく。
エンタープライズのブリッジには、いつものメンバーに加え、ガイナンも同席していた。
「先導機の帰還を確認。ログを受信しています」
データが人間には不可能な速さでコンソールを操作し、ログを確認する。
「エンタープライズ及びマーカーを確認しました。召喚直前です。
先導機はランデブーまでに8年と67日を要しています」
「機関室よりブリッジ、マーカー捕捉を確認。いつでも送還シークェンス開始可能です」
「機関室はそのまま待機。ホーライトーに繋いでくれ」
スクリーンに、老子と礼子が映る。
「名残惜しいですが、帰還がかないそうです。エンタープライズを代表して、お二人には感謝を」
「こちらこそ、貴重な知識と経験をありがとうございます」
「皆さんも、データさんもずっとお元気で」
そう言うと、二人は一歩下がった。現れたのは小柄な、まだ少年らしさを残した青年だ。
「初めまして。仁・二堂です。データには一度、会っていますね。
本当は生きているうちに、お目にかかりたかった。
私たちのことは記録に残せないと思いますが……、憶えていてください。私たちも、あなた方のことは決して忘れません。
良き航海を!」
「「良き航海を!」」
老子と礼子が続いた。
「私たちも、この経験を生涯忘れることは無いでしょう。皆さんも、良き航海を!」
ピカードが応ずると、ビューアは宇宙に戻った。