新スタートレック(TNG)×マギクラフト・マイスター   作:転々々

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「ピカードだ」

 

「こちらラ=フォージ。いつでも全力運転出来ますよ。今なら全力以上出せそうです」

 

「今、そちらにデータがゲストを連れて向かっている。彼女も造られた存在だが、カウンセラーによると『心』を持っているらしい。

 丁寧に対応して、できれば情報も欲しい。

 あるいは、ファーストコンタクトかも知れない。頼んだぞ」

 

「はい艦長」

 

 造られた存在で『心』がある、と言われてもな……。一瞬ラ=フォージは考えるが、『心』は観測も定義も出来ない。

『意識』や『自我』ならデータにもあって、友情も結べる。そのゲストも同じことだろう。そう考えることにした。

 

「よう、データ。お客さんって、その子かい?」

 

「ジョーディ、こちらはレーコ・ニドー。地上から生身でここまで飛んできたんだ」

 

「そいつはすごい!

 初めまして、レーコちゃん。俺はジョーディ・ラ=フォージ。ここの責任者だ」

 

「初めまして、レーコ・ニドーと言います。

 不躾ですが、変わった眼鏡をしてますね」

 

「あぁ、こいつはバイザーだ。

 俺は生まれつき目が見えなくてさ、これが目の代わりってわけさ。こいつから情報を脳に送ってるんだ。

 これのおかげで不自由せずに済んでいる」

 

「視覚を補う魔道具ですか」

 

「そういうこと。俺にとっては世界を見せてくれた、魔法のような道具だ」

 

「魔法のような? 魔道具ではないのですか?」

 

「魔道具?」

 

「魔道具です」

 

「魔法の道具?」

 

「はい。魔法が付与された道具です」

 

 ラ=フォージは、唖然として開いた口が塞がらない。

 礼子とデータの二人は真面目な顔だ。

 

「と言うことは、それは『科学』技術で造られたものなのですね。それほど高度なことが科学で可能だとは知りませんでした」

 

「レーコさん、あなたは魔法を使えるのですか? そして、科学と言いましたが、科学もご存じだと」

 

 心ここにあらずといった表情のラ=フォージを余所に、データは冷静に訊いた。

 

「はい。私たちは魔法を使えます。もちろん魔法以外の力も使いますが、大きな力は魔法でしか得られません。お父様は科学を応用することで、より理にかなった魔道具を創りました」

 

 そして数瞬躊躇(ためら)って――老君と交信を交わして――続けた。

 

「お父様は、魔法が無い世界からこちらに来ました。もしかしてあなた方も、魔法が無い世界から来たのでしょうか?」

 

「魔法のような力は見たことはあるが……、魔法は見たことが無い。俺も使えない」

 

 ようやく我に返ったラ=フォージが応えた。

 

「レーコちゃん、君も魔法を使えるのかい?」

 

「使えます。ここまで来たのも魔法を使ってですし、私自身も魔法で動いています。

 この船内は極端に魔素が薄いですが……光明(ライト)

 

 宙に浮かぶ光の球を、ラ=フォージとデータ、そして周囲の機関部員が唖然とした表情で見つめている。

 機関室にさっきまでの喧噪はなく、ただワープコアの低い唸りだけが鼓動のように響いていた。

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