新スタートレック(TNG)×マギクラフト・マイスター   作:転々々

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「おはよう、データ」

 

「おはよう、ジョーディ」

 

「おはようございます、ラ=フォージ少佐」

 

「『少佐』は止してくれよ。君は軍人じゃないんだから、階級は要らないよ」

 

 挨拶を交わした後、機関部員から簡単な報告を受ける。艦には特に問題は無さそうだ。

 

 

 

「ジョーディ、実験した範囲では、基本的には私たちがいた宇宙で成り立つ法則は、ここでも成り立っている。魔法という不可解な現象、物理現象に対する干渉を除けばだが」

 

「そいつは一安心。

 まぁ、ジン・ニドー氏が科学を応用した魔道具を創れていたから、そこまで心配はしていなかったが」

 

「今日は、魔法そのものと魔道具についてですね。老君にいくつか送ってもらいました」

 

 3人は、簡単な魔導装置(マギデバイス)の解析を始める。まずは、魔導式(マギフォーミュラ)の意味を理解することからだ。

 礼子が、各々の意味を説明する。

 

「これは、ソフトウェアと電子回路の中間的性質を持っていますね。ただ。仮想化・抽象化・モジュール化が極めて高度です」

 

「その通りだ、データ。こいつは、一筋縄じゃぁいかないぞ。

 ……そうだ! レッジ、機関室に来てくれ」

 

 コミュニケータで呼びかけると、程なく一人の士官が走ってきた。よほど慌てていたのだろう、息を切らしている。

 

「レーコちゃん、こっちはレジナルド・バークレー。ソフトウェアや電子工学の分野ではエンタープライズでは並ぶ者無しだ。

 レッジ、こちらがレーコちゃんだ。俺たちは今、彼女から『魔法』を習ってるとこだ」

 

「わ、私は、レレレ、レジナルド・バークレーです! あああ、あなたに会えて、とと、とても、光栄です!」

 

「レーコ・ニドーと言います。よろしくお願いします」

 

 礼子が笑顔で手を差し出すと、バークレーはその手を取り、感激したのかぶんぶんと握手をする。

 本人は至って真面目なのだが、客観的には、汗がうっすらと滲み、血走った目で可憐な少女を見つめ、その手を興奮して握る挙動不審な青年という、どこかアブナさを感じさせられる絵だ。

 礼子は内心で、仁やラインハルトとは違う方向の『工作バカ』という評価をしていた。

 

 

 

 約半日後、礼子は舌を巻いていた。確かにバークレーは優秀で、魔道式(マギフォーミュラ)に対する理解は、仁に勝るとも劣らない。いや、知識転写(トランスインフォ)無しにここまでの理解が可能であることは、礼子が知る人たちとは隔絶した能力の証左である。

 現時点では工学魔法を使えないため、ミスリル銀への書き込みは出来ないが、その形状だけはレプリケータによる精密加工が補っており、礼子やミニスミス以外には読み取れないであろう仕上がりだ。

 

「レプリケータではマギクリスタルの加工が出来ませんから、ここまで精密な書き込みは必要ありません」

 

「では、地上で魔力子(マギトロン)魔原子(マギアトム)を前提としたレプリケータを創れないでしょうか?

 ロークンにエンタープライズからレプリケータの理論と設計を送れば、工学魔法より精密な書き込みを可能にする魔道工作機械(マギ・マシニングセンタ)魔導(マギ)レプリケータを造れるのではありませんか?」

 

 バークレーは、自己紹介とは打って変わり、エンジニア然とした口調で訊く。

 

「物理的には可能かも知れませんが……、私たちは、お父様が創った以上のものの製作を、制限されているので」

 

 礼子は済まなそうに応えた。

 

「そうですか……。ジンさんがおられたら……」

 

 老君はその優れた演算能力で、バークレーのつぶやきを反芻していた。

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