新スタートレック(TNG)×マギクラフト・マイスター   作:転々々

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恒星日誌、宇宙歴XXXX.X

 

 ラ=フォージ少佐とバークレー中尉が惑星に降下しての開発を求めてきた。艦内では魔素が薄く、これ以上の実験が難しいことや、ホロデッキを用いた仮想実験が不可能であるためだ。

 艦内の魔素が薄いのは、太陽から供給される魔素の大半が宇宙線からエンタープライズを守るためのシールドに遮られているためだ。艦内の薄い魔素の中では、レーコ嬢も本来の力を出せないらしい。それでも、我々から見れば驚異的な力ではあるが。

 何か異常があった場合は、即座に転送収容することで魔力子(マギトロン)を中性子に置換することが可能であることから、ホーライトーへの降下を許可した。

 しかし、日誌で『魔力』あるいは『魔素』といった言葉を使うことになるとは、考えたこともなかった。数日前の私がこの日誌を読んだら、どう考えるだろうか。

 

 ……最終パラグラフ削除。

 

 

 

「よしレッジ、シャトル02で降下するぞ。今回は転送降下じゃないから安心だな」

 

「失礼な! 転送恐怖症は克服しました」

 

「サンドイッチのバスケットは必要ないそうです。食事は地上で用意するとのことです」

 

「そいつは良い。それじゃぁ、出発とするか」

 

 二人の軽口に礼子も参加する。

 

 

 

 上空の結界を通過すると、凪いだ海にしか見えなかったところに島が現れる。バークレーは指示通り、タツミ湾を臨む草地にシャトルを着陸させた。

 礼子は先に降りると、ブリッジでのピカードを真似たのか「蓬莱島へようこそ!」と言う。無論、カーテシーだ。

 既に地上車――車輪は無く宙に浮いているが――が迎えに来ていた。

 

 研究所に着くと既に準備が整っていた。大量のマギ・クリスタルとミスリルインゴットが積まれており、その側には女性型ゴーレムとミニスミスが20体待機している。

 

「まずは、魔力変換炉(エーテルコンバータ)魔力炉(エーテルドライバー)の原理と説明から始めましょう」

 

 駆け出しの魔法技術者(マギエンジニア)としては考えられないレベルから始まる。エンタープライズに残ったデータ、コンピュータ、シャトルのレプリケータを挟み、実際の作業をミニスミスに任せているとは言え、一般的な魔法技術者(マギエンジニア)とは隔絶した進歩を遂げてゆく。

 

 お昼を過ぎた――実際には、時差のせいで昼下がりだったが――ところで、昼食とする。

 サンドイッチは無論、おにぎり、スープはすべて美味しく、ペルシカジュースにも舌鼓を打つ二人だった。

 

 午後からも研究を続け、老君とも相談を交えつつ、マギ・シーケンスの最適化も行う。

 

「お二人は素晴らしい技術者です。我々が限界だと思っていたところを易々と越えてしまいました。21世紀と24世紀の時間差は、人類をここまで進歩させていたのですね。

 ここに御主人様(マイロード)がおられないのが、とても残念です」

 

「時間差もあるが、俺たちは相談しながら進められたのが大きいんだよ。

 魔法技術を基準に考えるのと、科学技術を基準に考えるのでは、どうしても考え方のクセに違いが出るだろう? 絶対的な一は一点でしかないが、三点を結べば面になる。面の中には無数の点があるんだぜ」

 

「仰るとおりです」

 

 老君とラ=フォージ、バークレーの会話や交流も深まる一日を終え、二人はシャトルで帰路についた。

 

「なぁレッジ。俺たちが魔道具にした最適化、あれは文化汚染にならないか?」

 

「分かりませんが、あくまで彼らの技術の正常進化では? あのお二人が胸にしまってくれますから、大きな問題ではないでしょう。

 実際、外では魔力貯蔵庫(マナタンク)が主流で、あの島自体がオーバーテクノロジーなんだそうです」

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