ルーレットで鉄の目が出ちゃったので鉄の目✕まふゆを書いていこうかなと。雪が初見の追跡者に対して素が出ていたのはセカイの中だからとしてください。正直抜けてた……
お気に入りしてくださってる方々、更新亀でごめんね。ワタシちょっとスランプ気味なのよ……
鉄の目から「施設」へ宛てた最後の報告書
後見人、イゾルデへ
あなたは、この上ない後見人でした
俺が渴望したものを
「施設」のくびきから解き放たれる可能性を
示してくれたのですから
感謝します、マスター
これで、私の夜はまだ、終わりません
…………………………………………………………
緑衣の男『鉄の目』は、気付けば何もないセカイにいた。鉄の目はただ、夜の勢力と戦い続け、獲物を求め追い続けていただけだった。
(随分不思議な場所だ。夜の王と戦う砂漠とも違う、硬い床に様々な構造物…………)
鉄の目は獲物を探しながら、進み続けた。するとふと、鉄の目にとって見覚えのある青衣で兜を被った男が見えた。
「あれは…………」
鉄の目が見据える先には、追跡者と見慣れないもう一人がいた。鉄の目はかつての仲間との久しい再会を喜びながらも、警戒は解かずに歩みを進める。追跡者も鉄の目が気付いたタイミングで気付いており、ミクを下がらせ鉄の目の方をじっと見据えていた。
「まさかお前がいるとはな……久しいな追跡者」
「それはこっちの台詞だ……鉄の目」
そして言葉が交わせるほど近づいた追跡者と鉄の目はそう言葉を交わす。意外にも不穏な雰囲気はなく間柄は悪くなさそうで、ミクは先程の追跡者の雰囲気との差に内心驚いた。
「しかし俺が夜を終わらせることを拒んでいたと思ったらお前が夜の王になっていたとはな」
「お前、夜を終わらせなくしていたのか…………」
「理由は違えど同罪だな」
ミクはその言葉に耳を傾けつつ、近くの構造物からこっそり覗き見る。しかし鉄の目はそれに既に気づいており、ミクに鋭い視線を飛ばす。
「それで……そいつは何者だ?」
「…………私はミク。貴方は?」
ミクは追跡者に襲いかかっていない事から、害を及ぼす者ではない事を察し、姿を現しそう言う。
「あぁ、紹介しよう。鉄の目だ。暗殺組織『施設』の刺客で判断を躊躇わず、一瞬の隙を見逃さない視線から『鉄の目』と呼ばれ、恐れられていたらしい」
「そうだったんだ」
「よろしく頼む」
ミクは鉄の目の挨拶を聞き、お辞儀をする。鉄の目もそれに応じるようにお辞儀をし返した。鉄の目は
「鉄の目さん…………」
「なんだ」
「貴方にお願いがあるの」
「…………依頼か」
「うん」
鉄の目は明確に依頼であるかどうか問いただした。
「このセカイに流れ着く夜の勢力から、皆を守って」
「皆……とは」
「現実世界から、この精神世界ともいえる『セカイ』に来る者たちだ。作曲活動をしている少数グループらしい」
「そうか…………それで、依頼の対価は」
「それは…………ここでの定住権かな」
鉄の目は顎に手を当てて考えた。今は幾ら鉄の目と言えど宿は流石に欲しかった。戦うためには休む場所は必要だ。
「分かった。その依頼受けよう」
「そうだ……追跡者さんもそういう依頼ということにしておくね」
「分かった」
そして再び、追跡者と鉄の目、そしてミクは何もないセカイを巡回していた。
「にしてもここは一体どういう場所なのだ?……」
「俺にもわからん。想いが流れ着く場所、と言う説明を受けたが…………」
「あれは…………」
追跡者と鉄の目が雑談をしているとミクが何かを見つけた。駆け寄ると、夜渡り達にとって服装と造形に見覚えのある人形が倒れていた。
「召使人形?……」
「……まだ動きそうだな。夜の勢力の出所を探したい所だが、今はあとだ。こいつを持ち運ぶぞ」
「俺一人で大丈夫だ。鉄の目には敵襲の警戒を頼む」
「運ぶのは私も手伝うよ」
「感謝する」
そう言い、追跡者とミクは召使人形を運びいつも皆が来る場所の辺りまで運んで行った。
…………………………………………………………
「やっほーミク!遊びに…………」
「おや、貴方方は…………」
「なんか増えてる!誰!?」
やって来た少女達に、家作りのために穴を掘り進める追跡者は聞き耳を立てつつ作業を進め、丁度土袋(?)を穴から運び出していた召使人形が反応した。
「この子は……召使人形。夜渡り達の身の回りの事をしていた召使さんだよ」
「皆様、はじめまして。皆様方は作曲活動をしているとお聞きしました。私にできることがあれば、何なりとお申し付け下さい」
「凄い……めっちゃ礼儀正しいじゃんこの召使人形さん」
「……………」
雪はその人形をじっと見つめていた。以前マリオネットを見たときのように、強い拒絶感を感じてしまうのではないか……そう思っていたが、その人形の物腰柔らかな発言に余り操られているようにも思えなかった。
「?……どうされましたか?」
「ううん、なんでもない」
「……そこの人は?……………」
Kはすぐ近くのいかにも怪しそうな、鉄骨に寄りかかる男を見ていた。
「私は鉄の目だ。かつてこの『追跡者』と夜を渡った仲間…………といったところだ」
「へぇ〜、お兄ちゃんの仲間か〜」
「おい待て」
追跡者はAmiaの言う『お兄ちゃん』が誰を指すのか即座に理解したため穴から頭を出しツッコミを入れる。追跡者はお兄ちゃんと呼ばれるべき人間はレディただ一人であり、ほかの人からそう呼ばれるつもりはなかった。
「俺は兄になったつもりはないぞ」
追跡者は穴から跳躍して抜け出しつつそう言う。
「でもいいお兄ちゃんじゃん♪」
「ミクのお兄ちゃんみたい」
「そういえばお前は面倒見がいいほうだからな。別にいいだろう」
「…………」
しかしAmiaが茶化し雪の悪気のないであろう一言に鉄の目から余計な一言を受け……追跡者は天を仰ぎたくなった。
「お兄ちゃんは……ダメなの?…………」
更にKからの上目遣い*1でのお願い(?)を受け、兄貴分で面倒見のいい追跡者は了承せざるを得なくなっていた。それに、Kの上目遣いの破壊力は凄まじいのだから余計に断れなかった。
「………………分かった」
「よし!言質とったりー!」
「…………」
追跡者はまあ仕方ないと思いつつも、受け入れることにした。しかし面白がってバレないように『( ・∀・)=b グッジョブ』とやってる鉄の目はあとでしばくつもりだった。
(あとで覚悟しておけよ鉄の目………)ゴゴゴゴゴ………
(ヒュッ…………)
八つ当たりのようでもあるが、それは鉄の目にも伝わったらしく、鉄の目は命の危機を感じどう逃げるか知力Dのその頭をフル活用して思案し始めた。
「鉄の目サマは、暗殺組織『施設』の刺客で判断を躊躇わず、一瞬の隙を見逃さない視線から『鉄の目』と呼ばれ、恐れられていたお方です」
「めちゃくちゃ物騒じゃん!怖っ!」
「…………」
「…………」
雪は鉄の目を見る。鉄の目もまた、雪の事を観察する。鉄の目は半分くらいは妹分となった者達に兄上の暴行を止めて欲しい想いも混ざった眼差しを飛ばしていたが、当然伝わるはずも無く、寧ろ雪は鉄の目を光の無い眼差しで見ていた。
「お前…………」
そしてその目を、鉄の目は見逃さなかった。
「まさか……お前、自身の感情を理解できていないな?」
「「「「っ!!!!!!」」」」
鉄の目はまふゆの抱える問題を見抜いてしまった。鉄の目は目利きが優秀な人間であり、それ故にまふゆの抱える問題を目を見て見抜いてしまった。
それに鉄の目は、仕事柄、忙殺されてそうなった人間を見た事があるから、というのが一番大きいのだろうが。*2
追跡者はうっすら気付いては居たが言わないでおいたのに……と言わんばかりに兜の額辺りを抑え呆れた。
「どうして…………それを?……」
「…………そう言う人間を見たことがあるからだ」
「そうなのか?」
「あぁ。職業柄な」
雪が動揺混じりで訊くのに対し、追跡者はそのような話は初めて聞く為興味が湧き、えななんやAmiaが口を開く前に冷静にそう質問した。鉄の目としては本当に職業柄だった為嘘偽り無く説明した。
「その人は…………」
「?」
「どうなったんですか?……」
Kは恐る恐るそう質問した。もしかしたら雪の問題を解決する糸口が見つかるかもしれない。もしかしたら、残酷な末路だった可能性もある。だがそれでも、何かヒントになるかもしれない。そう思って質問した。
「それは…………すまない、分からないな。同僚と依頼の為一度協働した時にそう言う眼差しだったと言うだけだったからな。とある依頼で感情を失っていた、とだけ聴いていただけだったから、詳細は分からない」
「…………そう、ですか……ありがとうございます」
Kは何処か残念そうだったが、そう言った。鉄の目から見た時の視点で何か分かるかもしれないと思ったが、それは叶わなかった。
「見抜けるなんて凄い……!」
「目利きには自信がある」
「でも、言う必要あった?」
そうえななんとAmiaを相手に話す鉄の目を、追跡者は眺めていた。隙をうかがうため、というのもあるのだが、若干『あんまり余計なことするな』という圧を飛ばす意味合いでも見ていた。
当然鉄の目は気づくため、バレないようにえななんやAmiaが盾になるような位置に立ち飛びかかれないようにしていた。
「雪サマはそのような問題をお抱えになっていらっしゃったのですか……」
「うん……」
「でしたら、私にできる事があれば何でもお申し付け下さい」
「ありがとう」
召使人形の円卓で培われたパーフェクトなコミュニケーション能力を遺憾なく発揮する。えななんもAmiaもまさか見抜くとは思っても見なかった為に、少し疑念もあったようだが召使人形がその辺は上手いことコミュ力で何とかしてくれていた。
(流石は召使人形だな)
(生活面や精神面でのサポートは召使人形に任せたほうが良さそうだ)
そう二人で思いながらも、追跡者はいつの間にか鉄の目の隣に立ち肩をがっちり掴んでいた。最早逃がすつもりなどないのだろう。鉄の目と追跡者の力の差は歴然であり、当然逃げられるはずもなく鉄の目は遠い目で皆が帰り私刑が始まるのを待つ事しかできなかった。
…………………………………………………………
またある日の事だった。またこの日も、追跡者と召使人形は家造りの為せっせと工事を進めていた。
「鉄の目サマ!そちらはどれ程進んでいるでしょうか!」
「……問題ない」
そう言う鉄の目は家の為の装飾を作っていた。技量Aの鉄の目は細かい作業が追跡者よりも得意であり、『殺風景な家になるよりは……』と言う召使人形の計らいに協力していた。
「また……作業してる…………」
雪だけがセカイへ入ってくると、そう呟いてからふと鉄の目を見る。以前あった時よりフードの中の顔の一部が殴られたあとのように膨らんでいるように見えた。
「……顔…………」
「あぁ、これか…………ちょっとお前達のお兄ちゃんから八つ当たりされてな」
「煽っていたから応えてやっただけだ」
追跡者は作業しながら、少し呆れた様子でそう答える。そもそも鉄の目が煽らなければ私刑などしていなかった。それに加え、鉄の目の余計な一言を咎める意味合いでもしばいたようだった。
「あれは俺が悪かった……煽ったのも雪のことも」
「おやおや、雪サマがいらっしゃっていたのですね」
「人形さん……」
「どうされましたか?」
雪はそんな鉄の目と追跡者を華麗にスルーし召使人形に一直線で向かった。追跡者はあの時隠していたことであろう事を見抜いたのを何か聞きたかったから来たと思っていたが、予想が外れ追跡者は兜の中で拍子の抜けた顔をした。
実際はそんなことは雪の中ではどうでも良くなっていた。雪は召使人形がもう使える必要がないのに何故夜渡り達の元で仕えているのか気になっていたのだ。
「召使人形さんは……どうして夜渡りの人たちに仕えてるの?」
「……どうしてなのでしょう…………私には分かりません。ですが、皆サマのお役に立てると言うのは嬉しいです。そう作られているのかもしれませんが、少なくとも今の私は夜渡りやナイトコードの皆サマのお役に立ちたいです」
召使人形の返答は驚くほどシンプルだった。そこには打算や卑屈など全くない純粋な役に立ちたいという心だけだった。
(役に……立ちたいんだ…………)
雪がそう思っている横で追跡者と鉄の目は基礎の作り終え、ワチャワチャしていた。どうやら鉄の目が追跡者の襲撃の楔を見たいと言う話だった。
「そんなに見たいのか?」
「あぁ」
雪はその会話に何処か違和感を覚えながらも、雪も追跡者の襲撃の楔を観察することにした。あの時はKの身が危うかったこともありゆっくりと見ることができなかったが、今ならゆっくり観察することができるだろう。
シュキン!
追跡者が左腕の機構に手をかけると弓のような構造が展開され────
ファン!
そして機構の先が開き赤熱した楔が見えるようになり────
ドゴーーーーーーーーン!!!!!!
轟音と共に楔が打ち出された。その強い爆発と共に炎が絨毯のように敷かれ、少し離れていた雪でもその熱は感じられた。
「やはり襲撃の楔はいつ見てもいい!その展開機構にロマンと実用性を両立させ且つ威力も申し分なくそれから──」
「…………待って」
雪はなんだか凄まじい違和感を抱えていた。明らかにおかしい。鉄の目はこんなに興奮するような人間なのか????……………そんな疑念が起こった。
「…………貴方ってそんなキャラだったの?」
「……すまない、困惑させてしまったな。気にしないでくれ」
忘れてくれと言わない辺りそういうキャラであることを否定するつもりがないようだった。雪は珍しく豆鉄砲を食らったのかようにその様子に純粋な驚きが隠せなかった。
「鉄の目って男子高校生なの????」
「その男子高校生が何なのかは分からないが言いたいことは分かる。鉄の目はそういう……所謂『おもしれー男』だ」
「………………」
雪はその困惑という感情が理解できなかったが、少なくとも鉄の目を見る目は変わった。それもキャラの認識を改めるという意味合いで。そして雪の中で鉄の目がどのような存在なのかよく分からなくなってしまった。
…………………………………………………………
珍しく雪は昼間にセカイへと来ていた。閑散としたセカイに木の柱が立ち、家の土台が完成したようだった。その様子に何かしら感じるものが雪にはあったが、当の本人はよく分かっていなかった。
「…………追跡者と召使さんは?」
「今は材料を探しに……な。」
そう言う鉄の目は弓の調子を確かめている様子だった。
「鉄の目は…………どうして私の隠していた事を言ったの?」
「それは……昔の俺を少しだけ想起して、見ていて気分のいいものではなかったからだろうな」
鉄の目は弓の具合を見ながら、つらつらと自らの過去を語り始めた。
「俺はかつて『施設』の申し子として、任務に明け暮れる日々だった。そして役目を終えた施設の者たちは除名される定めだった。施設の申し子たちは本来死ぬことができない不死身の存在だ。それは……俺も同じだ」
「えっ?…………」
幾らファンタジーな世界から来た者たちとしても、雪は不死身と言われても到底信じられなかった。けれど本当に死なない事を証明してみせようと言われても嫌で、その疑念は胸のうちにとどめておいた。
「そして俺は夜を存続させることで永遠に戦い続けられる可能性を知り、それを実行した。確かに俺は従うだけで望むことなど特になかった。だが……俺が戦いが好きだといつからか気付いた。だからお前が何が好きなのか……探っていればいずれ見つかる筈だ」
鉄の目のその言葉にはどこか重さがあった。それはその過去ゆえに出せる言葉だったのだろう。それを聞いた雪は何かを見出したような気がした。私もいつか、あんなふうにはしゃげるんじゃないか…………その可能性に、少しだけそれに縋りたくなった。そう思っていたか、本人には認識できていないだろうが。
「存外ここで夜の勢力を狩り続けるのも悪くない。それに俺には依頼がある」
「依頼?」
「あぁ。ここでの定住権との引き換えに夜の勢力からお前達を守ってほしいと…………ミクにそう依頼された」
「そうだったんだ」
雪は珍しく、鉄の目に興味を持った。あるいは彼が自身の先を歩いている人のようにも思えたのだろう。雪の目は相変わらず虚ろな目だったが、それでもほんの僅かに何かが宿ったかのように、鉄の目を見た。
「折角だから……弓の引き方のコツを聞きたい」
「そうか……いいだろう。まさか教える立場になる時が来るとはな……」
鉄の目はまふゆに自身の弓を引かせ、その姿勢を観察して指摘する。鉄の目の視点は戦闘をすることが念頭に置かれている為に、その引き方や弓の扱い方が弓道と異なるが、鉄の目なりに疲れにくい引き方を教えていた。
そしてその様子を、追跡者とミクは遠くから眺めていた。
「戦闘のことになると鉄の目は饒舌だからな」
「そうなんだ」
「しかしあれ程いい顔をしている鉄の目も珍しいな」
「そうなの?」
「あぁ。もともと青く輝く目がいつも以上にキラッキラしてるぞ」
「…………」
ミクは戦う事そのものが想いだなんていいものだとは思えなかったが、それでも彼の想いは尊重したかった。少なくとも今は、夜の勢力から守って貰っている身の上なのだから。
そして何より、まふゆの想いを見つける一助となっているのだから。
鉄の目の弟子、雪の目爆誕!!!!(大嘘)
ブルフェス奏をこないだゲッツしたのね。
や っ た ぜ
ホントはオリ主×ニーゴとかかけたらいいんですけどねぇ……わたくしゲーマー過ぎてかけませんわおほほほほ。
いつか奏がリズム天国をやる短編小説とか書けたらなぁと思ってます。
次の投稿も早くできるように頑張ります……