鉄屑ヴィラン   作:鉄子の部屋

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 短め


新たな仲間

 

 

「写真で見てたが、生で見ると気色悪りぃな」

 

 開口一番に悪口。親に礼儀を教えてもらえなかった子供のように思ったことを口に出す火傷男。

 

「手の人!ステ様の仲間だよねぇ!ねぇ!私も入れてよ、ヴィラン連合!」

 

 テンションが高い女子高生。学校にいれば今を賑わすヒーロー殺しに乗っかったミーハーに見えるだろう。

 

「黒霧、こいつら飛ばせ。俺の大嫌いなもんがセットで来やがった...!」

 

 そしてヴィラン連合のボス。初対面の二人に対して嫌悪感を隠そうとしない。

 

「せっかくご足労いただいたのですから話だけでも伺いましょう。死柄木弔」

 

 ヴィラン連合唯一の良心。彼がこのヴィラン連合の生命線と言っても過言ではない。

 

「...」

 

 最後に鉄屑。特に無し。有名でもないし、それどころか警察からはチンピラと同じ扱いを受けている。

 

 他に一人、この二人を紹介した者がいるが今はいいだろう。これで主役は揃った。

 

 大物ブローカーが二人の紹介を始める。

 

「こちらの可愛い女子高生は、名前も顔もメディアが守っているが、連続失血死事件の容疑者として追われている」

「トガです!トガヒミコ!生きやすい世の中になってほしいものです!ステ様になりたいです!ステ様を殺したい!!だからヴィラン連合に入れてよ!」

 

 そして、と続けて

 

「こっちの彼は、目立った罪は犯してないがヒーロー殺しの思想に強く固執してる」

「不安だな。この組織、本当に大義はあんのか?」

 

 トガヒミコに偽名の荼毘。どちらも明らかに破綻者、ヒーロー殺しの意志など言っているが本当にそうなのかは分からない。

 

「どいつもこいつもステイン...ステインと...!」

「止すのです死柄木弔!」

「...」

 

 一触即発の中、鉄屑が動く。死柄木がイラつき殺したいと思うのならその役目を補助するのが鉄屑の役目。

 

「...」

「いいぞ鉄屑...そのまま止めとけ」

 

 個性を操作しトガヒミコと荼毘の心臓、喉元、眉間の前に鉄屑を浮かせる。それを見た死柄木が己の両手で崩壊させようと近づく。

 

「落ち着いて下さい死柄木弔。貴方が望むままを好むであれば組織を拡大は必須。利用しなければ全て、彼が残した思想も全て」

「うるさい...!」

 

 そういうと死柄木は二人の間を通り出口から出ていく。それに合わせて鉄屑も個性で鉄屑を元に戻す。

 

「気色悪りぃ」

「殺されるかと思った...」

 

 鉄屑は新たにやって来た二人を観察する。この二人がこのヴィラン連合に仇なすなら...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...」

 

 鉄屑は困惑していた。このトガヒミコという女子高生、どうやら“血”が大好きらしく鉄分の匂い...要は、鉄屑を身に纏っている鉄屑に興味津々なのだ。

 

 周りを常にうろちょろされ鉄屑を剥がされグラグラと揺らされる。その度に鉄屑が音を出す為、荼毘と黒霧はうるさそうにこちらを眺めている。

 

 鉄屑は死柄木がすぐに帰って来ることを望みながらトガヒミコへと目を向ける。

 

 今は鉄屑の本体を探しているのか別の部屋へ探しに行ってしまった。だが別に遠隔で操作しているわけでもないのですぐに戻って来る。

 

「鉄屑くんは一体どこにいるんですか!顔を合わせて話すのは友達になる一歩なのです!だから話しましょう!鉄屑くん!」

「おい、鉄屑。うるせえからそのイカれ女を黙らせろ」

 

 堪忍袋の緒が切れたのか荼毘がトガヒミコを黙らせるように言われる。それでもなおトガヒミコは止まらず話し続ける。

 

 そこで鉄屑はとある案を思いついた。血が好きならば血を渡せば落ち着くのでは?と。

 

「...」

「どうしましたか?...注射器が欲しいのですか?」

「注射器なら私が持ってるのです!はい、どうぞ!」

 

 なぜ注射器を持っているかは分からないが、鉄屑は注射器を受け取ると注射器を体の中に入れた。

 

 そして一、二分後に体内から出て来たのは真っ赤な血液で満たされた注射器であった。

 

「わぁ...!血ィなのです!鉄屑くんの血ィなのです!」

「本当に人間が入ってんだな...」

 

 貰った血を嬉しそうに持つトガヒミコは黒霧にコップを出してもらうよう頼み血を注ぐ。最後にストローを刺せば、鉄屑血液ジュースの完成だ。

 

「それじゃあいただくのです!」

「よく飲めるな...」

 

 そして嬉しそうにちゅーちゅー血を飲むトガヒミコを見て若干引き気味の荼毘。

 

 飲みなれているのか特に止まることなく、満面の笑顔のまま血を飲み干した。

 

「ぷはぁ!おいしいのです!鉄屑くん!もっと血ィくれませんか!」

「トガヒミコ、血の抜き過ぎはあまりよくありません。鉄屑の体を労ってあげて下さい」

 

 黒霧がトガヒミコを諌める。さすがヴィラン連合唯一の良心だ。

 

「分かったのです」

「分かっていただきありがとうございます」

 

 不満そうな顔をしているが一応大人しくなった。これからもうるさくするなら血を与えれば良い。鉄屑はそう考えた。

 

「血ィ飲んだら眠たくなったのです、一眠りするのです」

「では貴女の部屋に案内しましょう」

 

 そう言って黒霧はトガヒミコを部屋へと案内しに行った。

 

 そしてお互い喋らない荼毘と鉄屑。また、気まずい空気が流れる。

 

 死柄木は未だ帰ってこない。

 

 





 キャラの喋らせ方が分かんない...このキャラの喋り方おかしいって思ったなら容赦なく感想で言って下さい。
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