鉄屑ヴィラン   作:鉄子の部屋

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林間合宿

 

 

「オイ、いつまで待たせんだよォ!早く行こうぜェ!」

「にくぅ...にくぅ...」

「...」

 

 これから始まる惨劇を前に興奮がおさまらないといった様子のマスキュラーとムーンフィッシュ。そして、二人が暴れ始めないように近くで待機する鉄屑。

 

「このマスク可愛くないです...外したらダメ?」

「終わるまでの我慢よ、終わったら一緒に可愛いのつけましょ?」

 

 カアイイお団子ヘアーのトガヒミコと布で包んだ何かを持っているマグ姉ことマグネが会話をする。

 

 その他にステインのような服装のスピナーに身長が小さいガスマスクをつけたマスタード、最後にリーダーの荼毘。

 

「まだなのかァ?まだなのかァ!?もうワクワクが抑えれねぇよ...!」

「黙ってろ、決行は11人揃ってから。もうすぐ来る」

 

 その時、黒霧の個性が出現し中から全身ラバースーツの男とトレンチコートを羽織りシルクハットを被った仮面をつけた男の二人が現れた。

 

「悪い遅れた!全然間に合った!」

「いやぁ申し訳ない少し準備に手間取っちまった」

 

 トゥワイスとMr.コンプレスの二人が遅れてやって来た。なんの準備をしていたかは分からないが準備は万端のようだ。

 

「それじゃあ最終確認だ。スピナーとマグネはプロヒーローの相手をしてもらう。無理に倒そうと考えなくていい足止めだけでも十分だ」

「任せて〜!」

「ステインの主張を通すだけだ」

 

「次、俺とトゥワイスだが同じプロヒーローの足止めだ。俺の分身を作る楽な仕事だが注意しろ」

「おうよ!任せろ!いーや、無理だね!」

 

「マスタードは生徒に被害を出せ。それと回収地点をガスで覆って見えづらくしろ。これはお前にしか出来ない」

「分かってる」

 

「マスキュラー、ムーンフィッシュ、トガ、鉄屑は好きに動いて攪乱しろ。ただトガは生徒の血を集めろ。出来れば3人分だ。飲むなよ?」

「分かってますよ!」

 

 それと、と荼毘が続けて

 

「鉄屑は好きに動いていいが出来ればコンプレスの周りに居てくれ、お前の鉄屑でフォローしてやってくれ」

「...」

 

 鉄屑は頷き了承する。

 

「最後にコンプレス。目標を回収したらすぐに撤退しろ。危機的状況になったら鉄屑を呼べ」

「任せろ、エンターテイナーの力ってもんを見せてやるよ」

 

 最終確認を終え全員がこれから始まる凄惨な襲撃にやる気を出している。

 

「お前ら、指定の位置に向かえ。好きに殺していいが無理に殺さなくていい。目標を確認したらコンプレスに連絡しろ」

 

 最後にそう言った荼毘は雄英生徒たちがいる合宿先へと視線を向ける

 

「開闢行動隊、始めろ」

 

 ...少しネーミングが厨二病ぽいと鉄屑は少し思ったがすぐさま行動を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...」

 

 鉄屑の目の前には腕を縄で縛られているマスタードがいる。気絶しており俯き目を閉じている。

 

 鉄屑はそんなマスタードを見下ろす。

 

 広範囲に広がっていたガスが収束したため確認のために来たが案の定マスタードはやられていた。

 

「...」

 

 運ぼうかと考えたが突如として氷塊が遠くで出現する。鉄屑はすでにやられたマスタード(雑魚)よりもまだ仕事を全うしている仲間を救う方に舵を切った。

 

 鉄屑は右腕を氷塊の方角へと伸ばし“発射する”。

 

 そして飛んでいく鉄屑の右腕につけた個性を強める。すると鉄屑の体が浮き始める。いや、引っ張られている。

 

 飛んで行った右腕と鉄屑が合体しようと鉄屑の体を引き寄せる。

 

 高速移動中の鉄屑は空中で状況を把握すれば逃げているコンプレスとそれを追いかける雄英生徒たち。

 

 どうやらコンプレスは目標を回収したらしい。なら、鉄屑が行うのはコンプレスのフォロー。

 

 鉄屑をコンプレスの腕に飛ばし個性を調整すればいい感じに引っ張られながら邪魔を出来る。

 

「おおっと!愉快なゲストが来たぜ!頼むぜ鉄屑!」

「...」

 

 宙を引きずられながらいつもより多めに持って来た鉄屑を操作する。

 

 別に生徒を狙わなくていい。ただ追いつけなくさせればいい。

 

 錆びているが踏めば絶対に怪我をする鉄屑を地面へと突き刺す。

 

「みんな、気をつけて!踏んだりなんてしたら破傷風になっちゃうわ!」

「俺が道を作る!」

 

 ...氷で道を作られてしまった。案外頭の回転は早いらしい。ならば、空中に設置。注意しながらでなければ怪我をするだろう。追跡も遅れる。

 

「...?」

 

 動きは止まったが何をしている?...いや、ここまで離されれば何も出来ない。麗日お茶子の個性で飛んできたとしても鉄屑で撃ち落とせる。

 

 ...まさか本当に飛んでくるとは、雄英生徒は蛮勇の持ち主が多いようだ。

 

「おおおおおおおおお!!!」

「っ!障子くん!」

「まかっ...せろぉっ!!」

 

 ...判断を誤った。鉄板ではなく殺傷出来る鉄屑を向かわせるべきだった。緑谷出久と轟焦凍がコンプレスに接触する。

 

「...」

 

 コンプレスにつけていた鉄屑に引っ張られ落ちていく。

 

 もう間に合わない。

 

 コンプレスが落ちた少し近くに鉄屑は地面へと墜落した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、黒霧。このクソガキは誰だ?」

「...」

 

 ヴィラン連合アジトのBAR。襲撃が終わり黒霧の個性【ワープゲート】で撤退したはずだった。

 

 続々とワープゲートから仲間が帰還していく中、見たことない青年が混ざっていた。

 

「その方は...」

「誰だコイツ!知ってるぞ!」

「...この匂い」

「雄英生徒のリストには見かけなかったわね」

 

 トガヒミコと黒霧を除き各々が青年を警戒する。

 

 警戒する各々。その中でトガヒミコが大声で話しかける。

 

「その鉄臭い匂い!鉄屑くん!」

「...」

 

 腕を広げて鉄屑へとダイブするトガヒミコ。青年はタックルを受け止めきれず倒れるが反撃はしない。

 

「出久くんもボロボロでかっこよかったですけど、鉄屑くんもボロボロでかっこいいです!」

「あー...トガ、一旦離れろ」

 

 マグ姉が興奮するトガヒミコを引き離すと青年は立ち上がり死柄木を見る。

 

「...」

「...鉄屑お前、そんなガキだったんだな」

 

 青年もとい鉄屑。彼の年齢は16歳。奇しくも雄英生徒たちと同じ年齢だった。

 

 





荼毘「...」(...)
コンプレス「...」(どういう状況!?これ!?)
爆豪「...」(空気を読み黙る)
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