鉄屑ヴィラン 作:鉄子の部屋
出来るだけ幼稚感と大人感の中間ら辺を出せるように書いた。
僕の父の口癖は、“役に立つか立たないか”だった。
電化製品を作って売る会社の社長だった父は、僕が寝てから帰ってくる。そして、起きる前に行ってしまう。
孤独で寂しかったけど、父の言う役に立つ人になるために努力をした。
父の会社を継げるように勉強をした。
人を助けるヒーローになってもいいように個性の訓練もした。
人と楽しく笑えるように友達も作った。
父とはあまり話さなかったけど、勉強するたびに、努力をするたびに、人と笑い合うたびに、父の言う役に立てている人になれた気がした。
そんなある日、僕は車に轢かれた。
詳細はよく覚えてないけど暴走した車が高速でぶつかってきたらしい。
でも命は助かった。学校の先生は言っていた。命があればなんでも出来ると道徳の授業で言っていた。
だから指が、耳が千切れようとも、脚の神経が麻痺して歩きづらくても、皮膚がズタボロになっても、人は誰かの役に立てるって先生が言ってた、言ってたんだ。
でも怪我人ってだけで人は判断してくる。
役に立つために体を動かしても、最初の一言は僕の体のことについて、その次に体の心配をしてくる。
誰も最初にありがとうと言ってくれない。
その上、勝手なお節介であたかも良いことをした感じを出してくる。僕は別に助けなんか求めてないのに。
役に立つどころか役に立たず他人の世話になっている。その事実が僕を苦しませる。
だから引きこもった。誰にも迷惑をかけないように部屋に引きこもった。
でも誰かの役に立ちたいから勉強は続けたし、個性を使えば体を動かせるかもと思って訓練した。誰かの役に立つことを想像したら心が満たされる気がしたから。
『...役に立たない。いつになったら出てくるんだ』
父が、部屋の外から話しかけて来た。でもそれは僕が求めてた言葉じゃなくてその正反対な言葉で僕が、僕が一番聴きたくなかった言葉で。
その瞬間、自分の心が錆びた気がした。
心の部品全てが錆びついて止まった気がした。
夢も希望も錆びて風化した気がした。
そのあとはよく覚えてない。
外に飛び出して雨が降る中、古傷が痛むのを我慢しながら何処か遠くまで歩いてた気がするし、近場をぐるぐる歩き回ってた気もする。
そしてどこかの公園のベンチで寝てたらしく目を覚ました時には夜中だった。
生乾きの服の気持ち悪さを我慢しながら足を引き摺りながらなんとか家に帰ろうとした。
家の前にたどり着いた時に窓から見えた。
父が楽しそうに誰かと食事をしているところを。
もう耐えられなかった。僕がいなくなっていることに気づかない。もう役に立たない人だと思われていることに。捨てられたと感じたことに。
目から出る涙が心を錆びつかせていく。今度こそ気がするではなく確実に錆びついていく。
それでも、なんだか、死にたいと思えなかったから、僕はヴィランになった。
生きていくうえで必要なことは何でもした。
子供だとみくびられないように鉄屑を纏って背丈を出した。
舐めてかかって来た奴を鉄屑でスクラップにしてやった。
ヒーローになるために鍛えた個性を犯罪──盗むために使った。
何年この生活をしたか分からないがある日、チンピラが“美味い話”とやらを話していた。
聞くだけならタダだと思ってついて行った。
そこで今のボス、死柄木弔に出会った。
最初は少しカリスマがあるだけのヴィランかと思った。
でも想像以上だった。
彼の側で彼を知っていくたびに、錆びた心が溶けていく気がした。
熱く、ドロドロに溶けた心で感じた。
この人の役に立ちたいと。
そう思った日から僕のドロドロだった心は固まった。
ボスを守る盾に!ボスのための剣に!そしてボスが思う信念のための歯車に!
僕はヴィラン連合の
死柄木弔──ボスのためなら
だから
これは
いやー実は最初は、肉体も精神もズタボロのやつが書きたいなーって夜中に思ったことが始まりなんですよ。
ちょうど鉄屑が加工されて人の役に立つ動画を見て、これだぁぁぁ!てなって書き始めました。
今までも匿名で小説書いて来たんですけど途中でモチベーションが無くなって一、二話で終わっちゃうんです。
やっぱ性癖で書くのが一番やな!
性癖で書くと長続きする!だからみんなも自分の性癖を曝け出して小説を書こう!
次は君だ!