「俺の時間は止まったままだ!」
…いつぞや言ってたな、そういや
仲間たちが皆いなくなり、俺の時間はその時に止まってしまった
今思えば、その時間を止めてしまったのは俺にも原因がある
ああ…なんてこの世は、残酷か。いや、残酷なのは俺の弱さか
Aiが幻想郷に来てから1週間以上の時間が経過した
その間魔理沙の家にて居候生活をしていた。と言え、現在Aiの体であるソルティスは人間への奉仕を目的としているため、日常生活に必要な機能と知識が満載であったため、何の問題もなく生活していた。
食事・掃除・洗濯などなど、Ai一人で全てこなしていた。魔理沙的には色々と大助かりしていた。
魔理沙的にも色々とやることがあるため、日常生活もやや疎かな面もあったため、おかげで研究にも没頭できる時間が増えていた。
その間、魔理沙の家には幻想郷の住人が色々と訪れる日もあった。
アリスは定期的に来てくれるが、中でもちょくちょく来るのが
妖怪の山から河童にしてエンジニアの「河城にとり」
幻想郷の地下深くにある地霊殿と呼ばれる館の主…の妹、無意識の覚妖怪、「古明地こいし」
天界に住む天人、「比那名居天子」
と言った面々が顔を出してくる。どれもこれも最近のAiの噂が流れているため、一目会いに来る面々と言うところだ
ちなみにデュエルは全部断っているそうだ。意外かもしれないが、あまり面倒ごとにならないようにデュエルは控えている。その分幻想郷におけるカードパワーに関する知識を得ている様子。
「(融合・儀式・シンクロ・エクシーズ・そしてリンク召喚…どれも俺の世界にある召喚方法はあるが、ペンデュラム召喚っていうのは流石に聞いたことねえな。これも今後の事を考えて覚えておいて損はねえな)」
Aiは今夜の夕飯のレパートリーを考えながら、カード知識などを全てインプットしていた。衣装はエプロン姿だ。流石に調理するときは普段の格好ではやらない。
ちなみに、にとりにメンテナンスしてもらって以降、以前みたいなソルティスの機能も大分改善できている。やろうと思えば自分のフィールドに相手の意識をこちら側に誘導してデュエルするというインチキ性能も引き続き持ち合わせている。
「おーいAi。今日の夕飯どうするんだ?」
魔理沙が研究のために色々と薬とかいろんなもの混ぜながらつぶやいている
「そうだなー、今日はシンプルにカレーにするか。他にも食いたいものがあればじゃんじゃん言ってくれよ」
「お!まじかー。ならさ、キノコ系統で!」
「へいへい。入れておくから待ってろよ」
そんな中、玄関から声が聞こえる
「まーりーささーーーーん!!!インタビュー時間ですよー!!!」
「…げ、ついにかぎつけて来たか。あの文屋」
嫌そうな表情をする魔理沙。Aiは中々に元気のある声があると見た
「客なら対応するか?」
調理を一旦終えて元の格好にいつの間にか戻る。この点ソルティスの機能は便利だ
「…正直嫌だけど、仕方ないか」
ため息漏らしながら、研究を一度注視して玄関を開ける魔理沙。
そこに2人の少女の姿だ。一人は背中に黒い翼を生やし、カメラを手にした天狗の少女
もう一人は巫女の衣装をして緑髪の少女
「文はわかるが、なんでお前もいるんだ早苗?」
「いやー、お買い物ついでに文さんとたまたま出くわして。最近魔理沙さんの方でも面白い同居人がいるって聞いたので」
天狗の少女は「射命丸文」
巫女の少女は「東風谷早苗」
どれも妖怪の山で活動している住人たちだ。恐らくにとりの方で情報を掴んだ可能性がある
「…おっと、あなたが噂の同居人さんですね?」
文が中に入りながらAiの姿を見かける。
「その噂の同居人っていうのは分からんが、俺の事か」
手をポンっとしながら答えるAi。特に気にしてない様子だ
「ですですー。あとにとりさんから色々と根掘り葉掘りと聞きましたよー。外来人のロボット、しかもAIみたいですね!いやー、まさかこんな近未来な人に出会えるのは驚きですよー。あ、写真いいですか?」
「お、いいねいいね。写真歓迎だぜ!」
パシャパシャとポーズを取りながらまんざらでもない様子のAi。その様子を魔理沙は眺めながら、ふと全然しゃべらずにその風景をじっと見つめる早苗の姿が少しだけ違和感を感じた
「早苗、お前どうしたんだ?いつもなら勧誘の二文字をぶつけながらやるのにさ」
「…あ、いいえ。けど何かよくわからないんですよね。初対面と思えないほどの感じがするんです」
「へえー?Aiっていろんな意味で有名人って奴か」
Aiは撮影を終えてご満悦。文も色んな意味で写真取れたので大満足状態。
そんな中ペンを取り出して今度は取材に入ろうとしている
「あ、そういえばちゃんと自己紹介してなかったです縁。私は射命丸文、清く正しいジャーナリストです」
「俺はAiだ。なるほど、あっちじゃ新聞屋とかそういう職って奴か。ま、聞きたいことがあるなら色々と答えてやるよ」
「やたーー!!ではでは取材させてもらいますよー!」
すっかり意気投合した二人は取材対応に入る。魔理沙と早苗はほぼ置いてけぼりだ
「Aiって意外とこういうノリ良いんだな」
魔理沙はそう呟きながらもう気にしないようにしていた。夕飯の方はAiがある程度完成させていたので気にせずにしていた。
そして早苗は
「(…なんなんでしょうか、頭の中にあるこのモヤ…彼を見た時にその違和感を感じてしまうのは…何故?)」
Den City ホットドック屋
そこは遊作が協力者として強く信頼できる人物、「草薙翔一」と共に外で会話をしていた。
草薙としては遊作とは3ヵ月ぶりの再会で喜んでいたが、遊作の表情から見て、やはりAiとの再会がかなっていないことを知り深く尋ねないようにしていた。
「…俺も様々な場所でハッキングを続けていた。だが、アイツの行方は今も分からないところだ」
「そうか…草薙さんでも掴めないのか」
一筋の希望をもって草薙のもとに戻ってきていたが、残念ながらダメだった。そう簡単に甘くいかないことを遊作は本当はわかっていたのだが、3ヵ月も宛が無い状況で探っていたのでそろそろ精神的にもダメージが響いていた。
「こうなると、リンクブレインズ内におけるAiが関わった場所を探るしかないが…それでも限界はある」
草薙も時間があるときにでもAiが今まで訪れた場所も調べていたが、5年と言う月日をチマチマ探るにしても限界はあった。
最近ではこっそりとSOLの「財前晃」にも協力してもらっていたが、上記通りの結果だった
「Ai…」
手を強く握りながら、遊作はそれでも耐えていた。Aiと再会できるその日を信じて
だが草薙はこのまま続けていてはいずれ精神に限界を迎えてしまう恐れも感じていた。このメンタルケアも今後の事を踏まえて何とかしなければならないと思った
一応手が無いわけではないが…
「(リボルバーの所に、バイラ…滝響子がいたはずだ。彼女は元は病院の女医だ、精神面のケアも恐らくできていたはず。一度連絡を取り入れておくか)」
そう考えていると、遊作は自身が暗い気持ちになっているのに気づき、話題を少し変えることにした。
「そういえば草薙さん、仁君はあれから?」
「仁…ああ、今じゃすっかり手伝いの方も上達している。会話の方も順調だ。おかげで料理の腕前もいつか追い抜かれそうになりそうで困っているけどな」
無理な話題変更だったが、それでも暗い話題から少しでも明るい話題に変更できたことはよかったことだ
草薙翔一の弟、「草薙仁」はロスト事件における被害者の中でも精神的に強いダメージを受けていた。その後も一度トラブルを受けて敵の手に利用されていたが、解放されてからはロスト事件に関する記憶がすべて消去されており、お陰で後遺症を受けずに過ごせることができたのだ。
「気がかりだったが、その点さえ何とかなれば…本当に良かったよ」
「ああ。本当にお前たちのおかげだ。礼を言うよ…ところで遊作、戻って来たばかりで少しあれなんだが」
「アレ?」
草薙はそういうと、一つのデータフロッピを取り出す
「Aiの痕跡を探している最中だが、風のイグニス…ウィンディの情報を手に入れたんだ。そこで、一つおかしな情報を手にしたんだ」
「おかしな情報?」
「ああ。お前も知っている通りだが、ウィンディのオリジンは殺されたと聞いている。だが…その時の事故とその人物に関するデータがまるでなかったんだ」
世にも奇妙な出来事だ。まるで「神隠し」にあったかのような
「もしかしたら、どこかで生きているのか…と思ってしまったよ。そこでこのデータだ。俺もその点のデータを調べていたが、あまりにも情報のプロテクトが強すぎてな、データ解析が思う以上につかめなくて困っていたんだ。遊作、悪いがここにまた留まるならばこのテータ解析の手を貸してもらいたい」
もしかしたら、Aiの手がかりを掴める情報にもなるかもしれない…そう草薙は足しながら遊作は頷いた
この情報の解析が、遊作がAiの手がかりを掴めるのか否か…
そしてウィンディのオリジンは実は死んでいない…この情報によって導かれる答えは果たして
次回予告
紅魔館 Aiはそこからの招待状を受けて訪れる
館の主、レミリア・スカーレットがAiの運命を見てみたいとのこと。その運命を巡って、新たな戦いの火種になろうとしていた
Aiとレミリア 二人の行く末はカードの力によって決まろうとしている
次回 遊戯王AI TO THE Project
紅魔館のAi手
「Into the VRAINS」!!
簡易設定
Ai
ソルティスの機能はあらゆる意味で万能。生活に必要な分類が全面的に揃っているので困ることは全然ない
なおデュエルは控えている
霧雨魔理沙
すっかりAi無しじゃ生活できないぐらいに快適生活を送っている。
おかげでキノコ料理ほぼ毎日食べて楽している
河城にとり
河童にしてエンジニア。Aiのソルティスとしての機能をほぼ回復させた功労者
射命丸文
新聞記者の烏天狗。なんかわからないが、Aiと意気投合
東風谷早苗
守谷神社の巫女。Aiの事をまるで初対面じゃないような感じを得ている。何かモヤがある
藤木遊作
メンタル面が実はAi以上にかなりやばい。もし何かあれば精神崩壊待ったなしになりかねない
草薙翔一
凄腕ハッカー。遊作のメンタルがかなり危険なところにあるのを感じ、協力者のリボルバーに相談しようと考えている