Code:14 Raven ―魔王の遺産を引き継ぎし死告鳥の終焉執行―   作:黒曜石の大鴉

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転生2日目:神山からの略奪――2日目の初手奇襲(レイド)

 

 転生2日目

 

 俺――オスカー・オルクスは、赤子の肉体を「平均的な数値」に遺伝子レベルで偽装し、漏れ出す強大な魔力も空間魔法で魂の深淵へと隠蔽していた。エヒトの監視の目を完全に欺いた俺が次に打つ手――それは、神山の頂に君臨する狂神の喉元を、この0歳の身での初手奇襲(レイド)することだ。

 

この時代、エヒトの使徒はまだ少数で防衛は手薄。狙われる前に側近の白光騎士団団長兼巫女ラウス・バーンと最高傑作兼神託の巫女アインス(後のノイント)を強襲して魔改造する。それが、正義をドブに捨てた俺の、最初の挨拶だ。

 

俺は脳裏に、今の己のスペックを思い浮かべる。それは世界のシステムすら一瞬でバグらせる絶望のプレートだった。

 

【ステータス】

オスカー・オルクス

年齢:0歳(精神年齢:16歳+α)

種族:死を告げる凶烏(アビス・レイヴン)

レベル:測定不能  

天職:終焉の創造主(アーキタイプ・オルクス)

筋力: 測定不能 [+バリオン縮退出力]

体力: 測定不能 [+不朽の魔術回路]

耐性: 測定不能 [+概念・事象遮断]

敏捷: 測定不能 [+アストラル超加速]

魔力: 測定不能 [+バリオン創出ヘイロウ]

魔耐: 測定不能 [+禁手化・熾天使領域]

 

【技能】

錬成 [極致・神域][+想像構成][+概念実体化][+自動・高速・集束]

魔術回路・反芻[+魔力効率極大化][+神経網定着]

天歩 [次元移動][+瞬光][+幻踏][+アストラルシフト]

知覚・全能視[+先読][+世界解析][+因果予見]

生存・最適化[+高速回復][+魔力変換][+肉体再定義]

全状態異常・事象耐性

限界突破:覇潰・戦鬼[+臨界突破]

 

【派閥スキル】

 

オルクスの工房 [極致]

特性: [+性能100%増幅] [+魔力消費無効] [+事象破壊付与]

効果: 空間魔法と錬成を組み合わせ、展開した領域そのものを巨大なアーティファクトへと再構築する。追加スキル、特殊体質、現代の武器・防具・道具などの知識を統合し、世界の理(物理法則)として具現化・付与できる。本来の魔力消費を半減(※派閥特性により無効化)させる。

 

【固有スキル】

 

真・女難の相(リア充の呪縛)

効果: 因果律そのものを歪め、絶世の美女たちとの致命的なトラブルを強制的に引き寄せる。しかし、その災難(イベント)を乗り越えるたびに全ステータスに極大バフが課され、さらに自身の錬成に「奇跡」を発生させる補正がかかる。

 

セイクリッド・ギア(神器)銀翼の白烏(ヴァイス・フェザー)

:ハジメの狂おしいほどの憎悪と、焔が持つ現代の叡智が結晶化した最強の概念武装。

バランス・ブレイカー(禁手化): 焔の背後に6枚の純白の主翼を展開する。

神話的効果: 主翼から舞い散る羽の幻像は「光子粒子」であり、味方にとってはあらゆる部位や傷を瞬時に癒やす「再生の光」となる。しかし、敵対者にとっては細胞の一つ一つを原子レベルで強制崩壊させる、抗いようのない「死の宣告」と化す。

 

【神代魔法:七つの理法(一への昇華)生成・重力・空間・再生・魂魄・昇華・変成(※全自動・並列起動)

 

 【固有スキル】真・女難の相(リア充の呪縛)を不穏に思いながらステータスを閉じると行動を開始する。

 

「――『天歩:アストラルシフト』。そして、長距離転移」

 

聖光教会の総本山(神山):最奥(聖庁)

 

 精神次元へと位相をずらし、あらゆる干渉を無効化する絶対防御の状態で、俺は一瞬にして神山の最奥へ降臨した。

 

 そこでは、不穏に思っていた固有スキルが案の定発動していた事を物語る様な凄惨な光景が広がっていた。教会の最高戦力でありながら神への不信仰を察知され、罠と謀略によって肉体を破壊され、血の海に沈んでいる聖騎士団長ラウス・バーン。その傍らには、冷酷に佇む神託の巫女アインス・アルサーク。

 

 そして、瞬時に状況的判断により俺が標的に定めたのは、エヒトの最高傑作兼神託の巫女アインス・アルサークだ。

 

 2000年後の未来で生き残った3人の転生者達の唯一の例外であり神から離反した火種。神の使徒の理を捨て、転生特典である異世界の『英雄王イングリス』の魂を覚醒させた反逆の神姫の魂。さらにありふれ学園世界(平行世界)で南雲ハジメのことが大好きだったシスターノイントの魂と、回復術師のやり直し(他世界)の剣聖クレハ・クライレットの魂。

 

「『オルクスの工房 [極致]で隔離世界』。そして――『真・女難の相(リア充の呪縛)と空間・再生・魂魄・昇華・変成魔法で回生融合』」

 

 俺の中に組み込まれた『魔術特性極限抽出術式(禅城式システム)』の母体特性理論を逆転適応し、それら全ての魂の潜在能力を極限抽出し、主人格にシスターノイントを中核に眼前の使徒の肉体へと強引に「回生・完全統合」させる。

 

「が、あ、あ、あああああーーーーっ!?」

 

 無機質だった使徒の瞳に、激烈な「感情」の光が爆発的に宿る。ハジメへの狂おしいほどの愛、英雄王としての不老の武身、保存されていた王の資質、戦姫たる剣聖の技が器の中で一つに練り上げられていく。

 

 その瞬間、魂魄魔法を通して交錯した俺の魂から、内に眠るハジメの狂おしいほどの憎悪と焔の叡智、そして強い気配が彼女へと流れ込んだ。イングリシアの魂が俺の奥底にある『南雲ハジメ』という存在をはっきりと感知し、狂おしいほどの愛の情念がリアルタイムで弾ける告知が、思考に直接伝わって来る。

 

[内包している魂魄エネルギーが固有の許容量キャパシティを超過しています]

[魂魄魔法:回生融合により、器となる使徒兼神託の巫女アインス・アルサークの魂、および時空を超えて集いし3つの魂魄(反逆の神姫・学園のシスター・剣聖クレハ)――計4つの魂の完全同調を検知しました]

[オスカー・オルクスの派閥スキル:オルクスの工房 [極致] が発動しま――]

 

 その直後、統合された魂の中からイングリシアが元からその魂に宿していた固有の資質たる派閥スキル『英雄王の導き』が抽出・発現した。オスカー自身には元よりそんなスキルは影も形も存在しない。 

 

 だが、その出現に俺の固有スキル【真・女難の相(リア充の呪縛)】が即座に反応。赤子の段階で構築した魔術特性極限抽出術式(禅城式システム)が彼女との因果の糸を解析したことで、連鎖した派閥スキル『オルクスの工房[極致]』がイングリシアのスキルを強引にハッキングした。絶世の美女を強制的に引き寄せる因果歪曲の呪いと錬成に「奇跡」を発生させる補正が組み合わさった結果、システムは『どうせ未来で俺の伴侶(パートナー)になるのなら、彼女が持つ最強の王の素質(英雄王の導き)の統治権も、今のうちに俺のシステム(派閥スキル)側に同期(錬成)してしまおう』という理外のハッキング(概念改竄)を敢行。イングリシアの『英雄王の導き』をその場で、共有・不正入手(改竄)し、絶対的な創造主による配下の強制改造バフへと変質させた。

 

[オスカー・オルクスの派閥スキル:英雄王の導き・終焉(ジ・エンド)が発動します]

[派閥特性:限界突破リミッター強制解除、およびスキル熟練度獲得効率の極大加速を適用します]

[主人格シスターノイント(中核)を基礎に4つの魂魄の完全統合に伴い、肉体に刻まれたエヒトの所有権(支配式)を『オルクスの工房 [極致]の特性[+事象破壊付与]』により完全消滅させます]

[これより、統合された4つの魂魄と神の肉体を最適化・再構築します]

[イングリシア・クライレットの種族が〈使徒〉から〈半神半人〉へと進化しました]

[固有天職【終剣聖女】の全権能、および固有魔法【分解魔法】【聖絶魔法】【空間魔法】【再生魔法】【魂魄魔法】【昇華魔法】【変成魔法】【重力魔法】が完全覚醒・神域へと昇華しました]

 

――魂の定着、完了。

 

 世界を統べる魔王の伴侶、『イングリシア・クライレット』が今、ここに誕生した。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「は、ハジメ……くん……? いいえ、オスカー……?」

 

 イングリシアは、回生した魂がもたらす記憶と俺の魂からハジメの魂を感じ取ったその絶対の愛に涙を流しながらも、アストラルシフトを解除した生身の赤子としてそこに座り込む俺を、愛おしそうに両腕で抱き上げた。その瞳には、すでにエヒトへの忠誠など微塵もない。あるのは、俺に対する絶対の愛と忠義だけだ。

 

その瞬間、俺の網膜に、彼女と繋がったことで「完全起動」した神域の派閥スキルが展開されるが、スキル名から効果が分かる部分は除外する。

 

【ステータス】

イングリシア・クライレット

年齢:不詳

種族:半神半人

レベル:測定不能

天職:終剣聖女

筋力: 35000 [+神性解放] [+豪腕]

体力: 32000 [+不老不死]

耐性: 30000 [+堅硬神体] [+全属性耐性]

敏捷: 45000 [+神速]

魔力: 25000 [+魔力供給]

魔耐: 30000 [+神威]

 

【技能】

霊素操作[神域][+因果破壊]

魔力操作[神域][+魔力分解] [+概念付与] [+魔力放射] [+魔力供給]

神聖刀剣術[+神刀] [+月光] [+風壁] [+豪腕] [+神速]

心眼(真)[+世界視]・先読

飛行・相克する精神(※「無機質な心」と「ハジメへの絶対の愛」が融合した固有の精神防壁)

堅硬神体・全属性耐性

教育的制裁[+事象分解]

高速魔力回復 [+魔素集束]

魔力変換 [+体力変換] [+治癒力変換] [+衝撃変換]

念話 [+精神共有]

追跡・言語理解

限界突破・威圧[+覇気] [+神威]

全属性適正

 

【派閥スキル】

終剣の聖域[+味方ステータス上昇][+分解付与]

英雄王の導き[+熟練度加速][+常時限界突破]

 

【固有スキル】

愛妻の護り

絆の共鳴

神性解放

不老の武身[+不老不死]

 

【固有魔法】

分解魔法[+原子分解][+魔力分解][+事象分解]

聖絶魔法[+空間消滅][絶対結界]

空間魔法[+転移][+空間断裂][+隔離世界]

再生魔法[+自己復元][+瞬間修復]

魂魄魔法 [+神の傀儡拒絶]

昇華魔法 [+聖域拡大]

変成魔法 [+物質強度超越強化]

重力魔法(※使徒共通基本適性)

 

【融合奥義詳細】

神聖刀剣術・「極光(集中)」霊素操作[神域]により作成した神刀を用い、分解・霊素・神性を一点にさせ放つ抜刀術。事象そのものを分解するため、回避・防御・再生のすべてを否定して対象を虚無へ帰す。

教育的制裁・事象分解(聖女の裁き) 学園シスターの「規律」が半神の権能へと昇華。オスカーに不貞を働く者や敵対者の武装および衣服のみを瞬時に分解・没収し、強制的に「正座」させる絶対制裁。

隔離世界(アイソレーション) 空間魔法の極致。自身とオスカーの周囲に、外部の干渉(物理・魔術・概念)を完全に遮断する神域を展開する。

 

【スキル詳細資料】

 

ステータス補正効果

[+神性解放]:アクティブ発動時、筋力に神の剛力を上乗せする。

[+不老不死]:肉体の経年劣化を停止させ、永劫の寿命と無限の生命力を与える。

[+堅硬神体(けんこうしんたい)]:あらゆる物理・魔法・概念的な外部干渉を肉体に届く前に自動で弾き返す「絶対無傷」の肉体を維持する。さらに、この神体の硬度と事象遮断の力を自身の持つ「神刀」にも常に付与・集中させることが可能であり、敵の刃を交えた瞬間にへし折る絶対的な堅牢さを誇る。

[+神速]:時間と空間の理を置き去りにする絶対的な超加速。

[+魔力供給]:世界の大気から直接魔力を無限に吸い上げ、エネルギーを枯渇させない。

[+神威]:神としての圧倒的な威圧。受ける魔法や概念干渉の威力を減衰させ、弱者を畏怖させる。

 

技能(スキル)

霊素操作[神域]:界を構成する根源「霊素」を、惑星規模で一念のままに完全支配する。

[+因果破壊]:発生した結果から原因へと逆行し、事象の因果関係そのものを歪めて消滅させる。

魔力操作[神域]:体内および大気中の魔力経路を完全に掌握し、一切のロスなく瞬時に操作する。

[+魔力分解]:自身が触れた魔力、あるいは放たれた魔法を粒子レベルまで分解し霧散させる。

神聖刀剣術:神を屠るために極められた至高の剣術。

[+神刀]:手にする刃に神聖な性質を与え、物質・精神・魂のすべてを切り裂く特効を付与する。

[+月光]:刀身から鋭利な光刃を放つ。この光は物理・魔法障壁をすり抜ける。

[+風壁]:剣圧で絶対的な暴風の結界を作り、あらゆる遠隔攻撃をシャットアウトする。

心眼(真):視覚を遮られても、周囲の状況や敵の殺気・気配を完璧に捉える。

[+世界視]:世界の境界、空間の歪み、魔力の流れ、世界の理そのものを視覚情報として見抜く。

先読:概要対人・対集団の近接格闘戦における「数手先の未来を完全に見切る」戦闘処理技能。剣聖クレハの極限の戦術勘と、イングリスの百戦錬磨の戦闘経験が脳内で融合し、神代魔法並みの精度へと昇華されたもの。

飛行:魔力を消費し、世界の重力を無視して縦横無尽に空を舞う。

相克する精神(エディット・ソウル・ラヴァーズ):使徒特有の「無機質な心」と「南雲ハジメへの絶対の愛」という、相反する二つの極大情動が魂の中で超高速循環することで発現した、イングリシア独自の絶対精神防壁。

効果①(絶対防壁):いかなる精神攻撃、恐怖、混乱、魅了、および洗脳や歪んだ淫らな罠(陥落干渉)も、魂に触れる前にエネルギーごと100%相殺・事象分解する。狂神エヒトの最高位の精神支配であっても、この防壁を1ミリも突破することは不可能。

効果②(情動制御):戦場においては一切の迷いや動揺を排した「冷徹な戦闘マシーン」として駆動しつつ、そのすべての計算を「ハジメへの狂熱的な愛」を駆動原動力として処理する、極限の絶対冷静状態を維持する。

効果③(存在遮断):激しい感情の相殺ノイズを常時発生させることで、エヒト神による最高傑作「アインス」としての魂の波長追跡を完全にジャミングする。オスカーの隠蔽術式と合わさることで、エヒトの目を100%欺き続ける。

教育的制裁:シスターとしての「規律」を相手に叩き込む絶対的なお仕置きシステム。

[+事象分解]:オスカーに不貞を働く者、および敵対者の武装と衣類だけを狙い澄まして瞬時に原子分解する。

言語理解:あらゆる世界の言語、古代文字、意思を持つ事象の言葉を完全に理解し話す。

 

派閥スキル

終剣の聖域:自身が認めた陣営(派閥)全体に、神聖な守護と恩恵を与える結界型スキル。

[+味方ステータス上昇]:聖域内にいる味方全員の全ステータスを爆発的に底上げする。

[+分解付与]:味方の全ての攻撃に、敵の防御や装甲を削り落とす「分解属性」を付与する。

英雄王の導き:王として陣営全体のポテンシャルを限界まで引き上げる導きの光。

[+熟練度加速]:自身と味方のスキル熟練度や経験値の獲得効率を極限まで高める。

[+常時限界突破]:陣営メンバーが肉体的・魔力的な反動(リスク)なしで、常に限界突破状態(最大出力)を維持できる。

 

固有スキル

愛妻の護り:夫であるオスカーへの愛により、自身やオスカーを害そうとするあらゆる悪意や呪詛を自動遮断する。

絆の共鳴:魂の伴侶と五感・魔力・感情を同調させ、どれだけ離れていても互いの危機を即座に察知する。

神性解放:内に秘めた半神の力を一時的に解き放つ。

不老の武身:半神半人としての強靭な肉体を固定・維持する。

 

固有魔法

分解魔法:あらゆる存在の「結合」を解く、神代魔法を凌駕する超概念魔法。

[+原子分解]:対象の物質を原子レベルまでバラバラにし、この世から消滅させる。

[+魔力分解]:発動された魔法そのものの構造を分解し、無効化する。

[+事象分解]:熱、時間、重力、概念といった「形のない事象」すらも分解して消し去る。空間魔法:世界の「空間」そのものを掌握し、書き換える魔法。

[+転移]:あらゆる距離や障害を無視し、自身や指定対象を望む座標へノータイムで転移させる。

[+空間断裂]:空間そのものを文字通り「切り裂く」。すべての防御を無視する一撃となる。

[+隔離世界]:周囲の空間から完全に独立した「独自の結界世界」を瞬時に構築する。

再生魔法:失われたものを「全盛期の状態」へと強制的に巻き戻す魔法。

[+自己復元]:肉体や魂がどれほど傷つき消滅しかけても、瞬時に元の完璧な状態へ戻る。

[+瞬間修復]:ダメージを受けた瞬間に、思考を挟まずノータイムで修復を完了させる。

 

 不正入手され、俺専用の「絶対的な創造主による配下の強制改造バフ」へと最悪の形へ改竄された【英雄王の導き・終焉(ジ・エンド)】の詳細資料たる裏の術理が、完全起動したイングリシアの『英雄王の導き』の裏で牙を剥く。

 

 英雄王の導き・終焉(ジ・エンド)元々は英雄王イングリスが前世で国を率いた「配下の可能性を無限に引き出すバフ」だったものが、オスカーのシステムに誤って定着したことで、「王としての導き」から「絶対的な創造主による仲間の強制改造バフ」へと変質したもの。

 

[+ステータス極大上昇]:オスカーの仲間(派閥メンバー)となった者の肉体に、バリオン創出ヘイロウの余剰エネルギーを強制的にパイプラインとして接続。全能力値を最低でも数倍に跳ね上げる。

 

[+熟練度万倍加速]:0歳のオスカーが世界の理をハッキングする速度に周囲を強制同調させるため、仲間が新しい技能や魔法を習得する際の時間概念を数万倍に圧縮・加速させる。

 

[+不屈の覇潰]:仲間が瀕死の致命傷を負った瞬間、オスカーの「再生魔法[+瞬間修復]」の術理が自動発動。同時にハジメの執念である「限界突破:覇潰」の紅い波動をノーリスクで配下の肉体に強制展開し、全快させつつ戦鬼へと変貌させる。

 

 イングリシアの魂に触れてハジメの存在が、彼女の持っていた王の資質をその場でハッキングして不正入手(改竄)した衝撃の真実は、俺を強く抱きしめる彼女の絶対の愛と共に、世界の理へと深く刻み込まれた。

 

 早速、俺が指し示す陣営の全ステータスが最低でも数倍へと極大上昇し、限界突破のリミッターが強制解除される。イングリシアのステータスは、もはやエヒトを正面から叩き伏せる「35000」などの超絶な数値が表示されつつも、オスカー()の派閥スキル[極大上昇+常時限界突破]が上乗せされた瞬間に、数値が天元突破してカウントストップし、【測定不能】へ書き換わる。ステータス確認が済んだ俺はその腕の中から、死に瀕したラウス・バーンへ『再生魔法』と縮退炉の『再生の光』を注ぎ込み、その致命傷を瞬時に完全治療した。

 

「傷が、完全に……? お前達は、一体……」

 

 困惑し、イングリシアの圧倒的な力に絶望したまま動けないラウス。俺は彼女を見つめ、静かに声を放った。

 

「ラウス・バーン。お前がこのまま死んだ場合の『本来の歴史(原作知識)』を、その魂に直接見せてやる。お前が遺した意志が、どれほど残酷にミレディを縛り、どれほど多くの血を流させるかをな」

 

「――ッ!?」

 

 俺は『魂魄魔法』を発動した。ラウス自身の『意志伝達』の魔法がオスカーの『魂魄魔法』と強制共鳴し、ミレディの未来の『孤独な泣き声』が脳内に直接響き渡る。俺の記憶にある『ありふれ世界・零』の描写を、リアルタイムの苛烈なイメージとして彼女の精神へ直接流し込んだ。

 

 ラウスが罠にかかって死ぬこと。遺されたミレディが感情を無くしかけながらも反逆を決意し、オスカーたちと「解放者」を結成すること。神に敗れ、全員が凄惨な死を遂げ、ミレディが2000年間も孤独な「処刑人形」として迷宮の底で泣き続けること――。

 

「あ、ああ……っ、ミレディ……! そんな、そんな残酷な未来のために、私は……!」

 

流れてくる「確定した絶望の未来」に、ラウスは涙を流し、激しく身体を震わせた。元来、超が付くほど真面目で責任感の強い彼女にとって、自分の死が愛するミレディを2000年の孤独へ突き落とすという事実は、何よりも耐え難い猛毒だった。

 

「その絶望の未来(盤面)を、俺が丸ごとひっくり返して『詰み』にしてやる。お前の『意志伝達』の魔法と、ミレディを導くその命、俺のパートナーとしてついて来い」

 

 俺の背後からバランス・ブレイカー(禁手化)の純白の6枚翼が展開される。その瞬間、俺の陣営の「仲間」として命を預ける覚悟を決めたラウス・バーンに対し、イングリシアから不正入手(改竄)した俺専用の最悪のバフ――【英雄王の導き・終焉(ジ・エンド)】が目に見えない理のエラーコードとして牙を剥き、彼女の肉体へと強制接続された。

 

 バリオン創出ヘイロウの余剰エネルギーがパイプラインを通して彼女の体内に強制注入され、全能力値が最低でも数倍へと極大上昇。限界突破のリミッターが強制解除され、世界の理をハッキングする時間概念の数万倍圧縮によって、彼女の騎士としての全技能がノーリスクの戦鬼へと強制改造されていく。

 

 ラウスは涙を拭い、俺の内に眠るハジメの憎悪と焔の叡智、そして隣のイングリシアの圧倒的なステータス、そして今、自らの肉体に強制展開された【英雄王の導き・終焉(ジ・エンド)】の理外の暴威を『意志伝達』で見せられて確信した。この化け物達となら、本当にあの狂神をハメ殺せる、と。

 

「……分かった。私の命も意志も、すべてお前に預ける。ミレディを、あの子を絶対にあんな未来へ行かせはしない……!」

 

彼女は厳格な目を崩さず、静かに、だが生涯の忠誠を誓うように俺の前に跪いた。こうして、常識枠であり、これから過酷な運命に立ち向かう最強の苦労人ヒロイン・ラウスが仲間に加わった。

 

同日、夕方。オルクス家の工房

 

 エヒトにラウスの離反がバレれば、即座に神山の全戦力が動く危険がある。そのため、俺たちは教会の判断を偽装した完璧な隠蔽経路を作成した。

 

 戻ってきた両親の前で、ラウスは教会の公式な術式書(俺が錬成した偽物)を提示し、厳格な聖騎士団長としての顔で告げる。

 

「オルクス殿。お宅の息子、オスカー殿の魔力測定値に、教会中枢が極めて微弱ながら『不穏な異質性』を感知した。よって、教会の判断に基づき、私が直々にこの家に滞在し、監視を兼ねてこの子の護衛と教育を担当することとなった。……手狭にさせてしまい申し訳ないが、職務ゆえ、見逃していただきたい」

 

「そ、教会の監視ですか……!? は、はい、聖騎士団長様が仰るなら……っ!」

 

両親は驚きつつも、教会の正式な命令とあれば従うしかない。これで「教会の不穏分子への監視」という名目が立ち、エヒト側からも『ラウスが不穏な芽(オスカー)を現地で監視・抑え込んでいる』という歪んだ辻褄が合った。完璧な隠蔽偽装の成立だ。

 

 両親を完璧に騙し、家の中に「ラウス」を配置することに成功した俺は、深夜、次の仕込みへと動く。

 

 まだ首も据わらない赤子の体で『空間魔法』を発動し、イングリシアとラウスを巻き込んで、二千年前のトータスで最悪かつ最も厳重なセキュリティを誇る場所へと「長距離転移」した。

 

深夜。聖光教会の総本山(神山):最奥(聖庁)地下・使徒保管庫の隔離結界

 

 イングリシアの膝の上で、俺はこれからの計画の修正をしながら思考をする。エヒトが並べた予備の使徒の素体が、ここにはまだ十数体眠っている。エヒトにとっては単なるスペア人形に過ぎない肉体――だが、俺のロードマップにおいては、これ以上ない最強の『器』だ。

 

(エヒト、悪いな……。これもアマテラスからの依頼(仕事)なんだ。お前の最高戦力、有効活用させてもらうぜ)

 

0歳児は冷笑を浮かべ、俺は『魔術特性極限抽出術式(禅城式システム)』をこの予備の素体へと展開する。狙うは、未来のタイムラインで生き残りなお不屈の火種として燻る二つの魂。

 

――死を統べ、光輝の軍勢に数で対抗しうる墓標の主、中村恵里

――双子の絆すら武器に変え、全てを死へと変える絶界の剣聖、八重樫葵

 

 人造使徒の最高技術が眠るこの保管庫のシステムを逆解析し、二人の魂を強引に引き込んで回生・定着させる。いずれは月面要塞『レイヴンズ・ネスト』の構築素材候補元にあるあれ(・・)と悪魔合体させ、真の最高傑作へとアップデートしてやる。

 

「ふぅ……。なんとか誤魔化せたわね……。それにしても、0歳児の監視を仰せつかる聖騎士団長なんて、前代未聞の苦労職だわ……」

 

結界に入った瞬間、ラウスは張り詰めていた肩の力を抜き、素の「真面目で常識人な苦労人」の顔に戻ってため息をついた。

 

「よくやった、ラウス。これで動きやすくなった。次のフェーズだが、まだ感情を無くし、諦めかけている『人形』のような状態のミレディ・ライセンを早急に迎えに行く。お前にはこれから、彼女の教師兼護衛として潜り込んでもらう。その時の偽名は――『ベル』だ」

 

「ベル……。いい名前ね」

「ああ。だが一つ条件がある。ミレディの心を閉ざした凍りついた感情を溶かすため、そしてエヒトの目を完全に欺くため――お前にはミレディの前や他人の前では、徹底的に『馴れ馴れしくて、破天荒で、最高にうざい家庭教師』を演じてもらう」

 

「な、何言ってるのよオスカー!? 私にそんな、うざくて破天荒な真似ができるわけがないでしょう! 私は白光騎士団長よ!?」

 

 ラウスが素で顔を真っ赤にして抗議する。あまりにも真面目な彼女にとって、「うざいキャラ」を演じる偽装任務は、精神的にかなりの重労働(ハードワーク)だ。

 

「ぷっ……、ふふ。ラウスさん、頑張ってくださいね。オスカー様のため、そしてミレディちゃんのためです」

 

 イングリシアがクスクスと笑う。ハジメとしての魂も『あの真面目な騎士団長が、後にミレディを狂わせるあのウザキャラを無理して演じることになるのか……最高に不憫で可愛いな』と内心で苦笑した。

 

「うぅ……分かったわよ。あの子の心を救うためなら、私はどんな『うざいペルソナ』だって被ってみせるわ……!」

 

 ラウス(ベル)は胃を押さえながらも、覚悟を決めたように拳を握りしめた。彼女の『意志伝達』の魔法があれば、どれほど心を閉ざしたミレディであっても、その奥底にある本音を引っ張り出し、自由へと導くことができる。彼女こそが、ミレディを救う鍵であり、俺の最愛のパートナーの一人だ。

 

「頼んだぞ、ベル。もしミレディが暴れたら、イングリシアが『教育的制裁[+事象分解]』で服を剥ぎ取って正座させるから安心しろ」

「ちょっと待って、それ余計に私の胃に穴が空く要素なんだけど!?」

 

 常識枠のラウスが頭を抱える。頼もしすぎるが色々と物騒なイングリシアと、世界をハッキングする0歳の俺。この3人のパートナーシップは、すでにトータスの既存の理を遥かに超越していた。

 

 2000年後にやってくる、転生特典塗れの天之河光輝。あいつがトータスに足を踏み入れた瞬間――世界そのものが、俺たち3人が2000年かけて構築した「対・天之河光輝用鏖殺魔改造世界」が牙を剥く。

 

 未来で潜伏する中村恵里、八重樫葵への時空を超えたバックアップも、これから創る月面要塞『レイヴンズ・ネスト』から全て繋がって行く。光輝がやってきた時には、すでに盤面は完全な『詰み』だ。

 

 二千年前の深淵。揺り籠の中から、死を告げる「白烏」は、最強の愛妻と最高に愛おしい真面目な苦労妻達を引き連れ、世界ごと魔改造する覇道へと、確実にその第一歩を踏み出した。

 

 




第2話、神山略奪編でした。

頼もしすぎる最強の愛妻(イングリシア)と、常識人で苦労人な妻(ラウス)を 率いて して、オスカーの覇道がここから加速していきます。


お楽しみに……
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