特殊召喚を確認しました▼
『百腕の巨人・ヘカトンケイル』がフィールドに展開されました▼
その表示が戦場に走った直後、濁流の上で巨大召喚獣が咆哮した。
その声は、獣の鳴き声というより、旧砦跡そのものが軋む音に近かった。濁流が逆巻き、砕けた石畳が跳ね、空気が震える。召喚陣の中心から立ち上がった巨体は、青葉の艦首から見上げるほどの大きさで、肩から、背から、脇腹から、幾本もの腕を生やしていた。その腕はただ多いだけではない。一本一本が、盾のように厚く、槌のように重く、艦隊の進路を塞ぐ壁として十分な質量を持っていた。
青葉の艦橋に、観測員の声が飛び込む。
「敵大型召喚獣、
「個体識別、既知データと照合中!」
「
青葉の艦橋に、狂ったような警告音が鳴り響いた。濁流を割って立ち上がったその巨躯は、周囲の大気を物理的に歪ませ、ただそこに存在するだけで川の流れを逆流させるほどの歪な質量を持っていた。
青葉、古鷹、衣笠がここまで使ってきた
青葉の艦首で、恋葉は息を呑んだ。
その絶対的な絶望の静寂を、後方から迫る鋼鉄の咆哮が引き裂いた。
『――前衛三艦、面舵!
Yo!曽郎の声だった。
恐怖も焦燥も介さない、勝利を疑わない艦隊指揮官の声。
『比叡、霧島、榛名、金剛、突撃戦速を維持。これより全主砲、
その冷徹な下令と同時に、恋葉の視界の後方で、四隻分の巨大な火柱が爆ぜた。
金剛型高速戦艦四隻。
計三十二門の三十六センチ砲が、一斉に火を噴いたのだ。
重巡の二十センチ砲とは違う。
放たれる質量も、砲口から叩きつけられる衝撃波も、大気を震わせる圧も、何もかもが桁違いだった。遅れて青葉の艦橋を襲った凄まじい発砲衝撃が、濁流の川面を強制的に押し潰し、恋葉の白いマントを狂ったように引き裂かんばかりに暴れさせる。
超音速で放たれた三十二発の鉄塊は、前衛三艦の頭上を越え、ヘカトンケイルが物理的に張り巡らせた無数の腕の盾ごと、その巨躯を根こそぎ粉砕せんと降り注いだ。
着弾。
濁流の上に、雷鳴めいた轟音が連続して炸裂する。三十六センチ砲弾はヘカトンケイルが掲げた腕の群れへ叩き込まれ、一本、二本、三本と、巨大な腕を根元から吹き飛ばしていった。砕けた外殻が岩塊のように飛び散り、魔力で構成された肉が蒼白い火花を散らして裂け、濁流へ落ちた腕が水柱を巻き上げる。重巡の砲撃では削るだけだった巨体が、金剛型四隻の斉射によって、初めて明確に後退した。
「主砲弾着、
「ヘカトンケイル、上部腕部に壊滅的ダメージ! 損壊数3以上!」
「ダメージソース有効! 生体防壁にラインの
青葉の艦橋に報告が飛ぶ。観測員の声には、わずかな歓喜が混じっていた。無理もない。あれだけ巨大な召喚獣が、確かに砲撃で削られたのだ。ヘカトンケイルの無数の腕は砕け、巨体は濁流の中で揺らぎ、艦隊の前に立ちはだかっていた生きた防壁に、初めて明確な隙間が生まれた。
だが、次の瞬間、その歓喜は凍りついた。
ヘカトンケイルが、顔を上げた。
吹き飛ばされた腕の断面から、黒い魔力が泡立つように噴き出す。砕かれた外殻の奥で、肉とも術式ともつかないものが蠢き、失われた腕の輪郭を無理やり描き直していく。完全な再生ではない。砕けたまま、裂けたまま、歪な形のまま、それでも腕として動くものが、再び濁流の上へ持ち上がった。
「だめです、敵の触肢、瞬時に再生を始めてます!
「根元を吹き飛ばしたはずの部位がまだ動いてる! 完全に沈黙していません!」
「ヘカトンケイル、36センチ砲の衝撃を押し切ってきます! なおも前進、本隊との距離、急速に
その報告と同時に、ヘカトンケイルの別の腕が濁流へ叩きつけられた。水面が爆ぜ、巨大な波が前衛三艦へ襲いかかる。青葉は面舵を切って波をかわそうとしたが、濁流そのものがヘカトンケイルの腕に掻き乱され、船体の下から押し上げるように暴れた。艦首が跳ね、砲塔の照準が一瞬ずれる。
その一瞬を、巨人は逃さなかった。
崩れた石壁を掴んでいた腕が、瓦礫の塊を青葉へ向けて投げつける。砲弾ではない。魔法でもない。ただ、旧砦跡の遺構そのものを握り潰し、質量として叩きつける乱暴な一撃だった。
「前方、12時方向より超巨大デブリ接近! 弾道、青葉に完全に
「転舵、猶予なし! 取舵も間に合いません、被弾を回避不可!」
「総員、対ショック
青葉の艦橋に怒号が飛ぶ。
直後、瓦礫の塊が青葉の右舷前方へ激突した。
衝撃が船体を貫いた。装甲が悲鳴を上げ、甲板が歪み、艦首側の構造物がまとめて吹き飛ぶ。濁流に叩きつけられた船体が大きく傾き、艦内の魔導灯が一瞬で明滅した。破片が甲板を跳ね、砲塔基部から黒煙が噴き上がる。
「右舷前部に直撃弾! 船体、大きく右傾十五度!」
「一番砲塔、機能
「艦首バウ・スラスタ大破! 浸水急激、トリム
「前部給電ライン、ショート! 予備の魔導回路へ
青葉の艦橋が揺れる。誰かが手すりに叩きつけられ、別の者が倒れた計器を押さえ込む。艦長は衝撃に膝をつきかけながらも、すぐに姿勢を戻した。
「機関科、状況を報告せよ!」
「
「二番主砲塔、稼働状態はどうだ!」
「
「
艦長の声は低かった。
だが、その直後、さらに別の腕が水中から持ち上がった。濁流の底を這うように伸びていた巨腕が、青葉の左舷側へ回り込み、まるで船体そのものを掴み潰そうとするように迫る。
「左舷、
「
「
青葉の副砲が火を噴く。砲弾が巨腕の外皮を抉り、魔力の肉を裂く。だが、止まらない。腕は傷ついたまま青葉へ迫り、その巨大な指が左舷装甲を掴んだ。
軋む。
艦体が、嫌な音を立てた。
「左舷フレーム、耐圧限界突破! 外板、
「
「
恋葉は艦首で、初めて大きく目を見開いた。
彼女は、青葉が軋む音を聞いていた。艦が痛みを訴えるような、金属の悲鳴を聞いていた。
「青葉……」
その小さな呟きは、轟音にかき消された。
次の瞬間、古鷹の砲撃が巨腕へ叩き込まれた。続けて衣笠の主砲弾が同じ箇所を撃ち抜き、青葉を掴んでいた腕の指が吹き飛ぶ。青葉はかろうじて解放されたが、すでに損傷は深い。船体は大きく傾き、艦首側の装甲は裂け、主砲塔の一部は沈黙していた。
「青葉、
「一番砲塔、
「舵、中央固定で追従せず!
「艦長、
艦橋に重い沈黙が落ちる。
艦長は、前方のヘカトンケイルを見た。砕かれた腕を引きずりながらも、巨人はまだ濁流の中に立っている。金剛型の斉射で傷を負った。重巡三隻の砲撃で削られた。それでも、まだ艦隊の前にいる。
青葉だけでは、押し切れない。
艦長は奥歯を噛み締めた。
「本艦、作戦進路を反転。
その言葉に、艦橋の空気が一瞬だけ止まった。
「艦長っ……!」
「ロストすればすべてが終わる。古鷹、衣笠に通報。本艦の
「
命令が下った瞬間、青葉は濁流の上でゆっくりと針路を変えた。傾いた艦体が軋み、裂けた装甲の隙間から濁った水が噴き上がる。まだ砲は撃てる。まだ機関は死んでいない。だが、前衛としてヘカトンケイルの正面に立ち続けることは、もうできなかった。
古鷹と衣笠が青葉を庇うように前へ出る。
二隻は砲塔を回し、ヘカトンケイルの腕へ砲撃を叩き込みながら、青葉が離脱するための時間を稼いだ。砲声が濁流の上に響き、砕けた腕の破片が水面へ落ちる。それでも巨人は止まらない。百腕の一部を失っても、残った腕が前へ出る。傷つきながら、なお艦隊の進路を塞ぎ続ける。
金剛の艦橋に、報告が届いた。
『青葉より緊急入電! ――本艦、前部大破・ミッションキル!
一瞬だけ、空気が止まった。
Yo!曽郎は前方のヘカトンケイルを睨んだまま、低く言う。
「……了解した。古鷹、衣笠、青葉を即座に
塩宮が静かに息を呑む。
「主力を、さらに前へ?」
「出さなきゃ抜けねぇ」
Yo!曽郎の声に迷いはなかった。
「重巡三隻で削れねぇなら、戦艦で叩く。戦艦で叩いても足りねぇなら、沈む覚悟で道を作る。それだけだ」
濁流の前方で、ヘカトンケイルが再び咆哮した。
砕かれた腕を引きずり、なお進路を塞ぐ百腕の巨人。その巨体へ向けて、比叡と霧島が前に出る。
青葉は大破し、後退する。
だが、艦首に立つ恋葉だけは、振り返らなかった。
彼女は損傷した甲板に立ち、裂けた装甲、沈黙した砲塔、断線した魔導回路、そして前へ出ていく古鷹と衣笠を見ていた。
沈んでいない。
まだ、青葉は沈んでいない。
ならば、終わっていない。
恋葉の目が、ゆっくりと変わった。
「……直すんじゃ、間に合わない」
誰に向けた言葉でもなかった。
青葉が後退していく一方で、濁流の中央では比叡と霧島が前へ出ていた。二隻の高速戦艦は、青葉、古鷹、衣笠が開いた突破口を引き継ぐように、ヘカトンケイルの正面へ艦首を向ける。濁流は百腕の巨人によって掻き乱され、波は一定ではなく、艦底を叩く水圧は暴力そのものだった。それでも比叡と霧島は速度を落とさない。三十六センチ砲が唸り、砲塔が回り、ヘカトンケイルの巨腕群へ向けて砲口が揃う。
「比叡、
「霧島、次射に続け!
Yo!曽郎の命令が金剛の艦橋から飛ぶ。
比叡の主砲が咆哮した。放たれた砲弾は、ヘカトンケイルの右側腕群へ叩き込まれ、盾のように重ねられていた腕をまとめて吹き飛ばす。続けて霧島の斉射が左側の関節部へ食い込み、巨腕の一本を根元からへし折った。魔力で構成された肉が裂け、黒い火花が濁流へ散る。戦艦砲によって、ヘカトンケイルの巨体は確かに揺らいでいた。
だが、ヘカトンケイルは止まらない。
比叡が前に出る。霧島がその横へ並ぶ。
二隻はヘカトンケイルの腕を引き付けるように、あえて正面へ踏み込んだ。金剛を本陣へ届かせるためには、百腕の巨人の注意を逸らし、わずかでも進路を開ける必要がある。比叡と霧島はその役を引き受けた。
『金剛、
比叡から通信が入る。
『
モニターに映る敵アタックラインの異常な集中に、金剛の観測員が叫ぶより早く、Yo!曽郎がマイクをひったくった。
「馬鹿を言うな、比叡!敵の火線密度が桁違いだ、単艦で耐えられる
だが、比叡は退かなかった。
ヘカトンケイルの無数の腕が比叡へ殺到する。比叡は主砲を撃ち続けた。至近距離で砲弾が巨腕を砕き、外殻を剥がし、魔力の肉を吹き飛ばしていく。それでも腕は多すぎた。水中から伸びた腕が艦底を掴み、横合いから伸びた別の腕が側面装甲へ食い込む。さらに上から振り下ろされた瓦礫の塊が、比叡の甲板へ叩きつけられた。
『比叡、直撃多数!上部構造物および通信マスト損壊!ダメコン感知不能ッ!』
ノイズの混じる悲痛な交信に、Yo!曽郎が怒号を返す。
「比叡、ただちに回頭、戦列から退避しろ!船体が持たん!」
だが、比叡から無線を通じて返ってきた声は、驚くほど静かだった。
『……申し訳ありません。その命令は受諾できません、Yo!曽郎司令。——本艦が、連合艦隊の
次の瞬間、比叡の主砲が最後の斉射を放った。砲弾はヘカトンケイルの胸部へ突き刺さり、巨体をわずかに後退させる。ほんの一瞬、腕の密度が薄くなる。金剛が通るための、細い空白が生まれる。
その直後、巨腕が比叡を握り潰した。
艦体が折れ、魔導回路が爆ぜ、濁流の上に巨大な火柱が立ち上がる。
『比叡、艦体
報告が金剛の艦橋に突き刺さった。
誰も言葉を発しなかった。
だが、霧島は止まらない。
比叡が作った一瞬の隙間へ、霧島がさらに踏み込む。艦首をヘカトンケイルの左側へ向け、主砲を撃ち続ける。霧島の砲弾が巨腕を砕き、砕けた腕の残骸を濁流へ落とし、金剛へ続く進路をさらに広げていく。
ヘカトンケイルの腕が、霧島を囲んだ。
左右から伸びた腕が艦体を押さえ込み、正面から巨大な拳が振り下ろされる。霧島は最後まで砲撃を止めなかった。主砲が咆哮し、至近距離の巨腕を吹き飛ばし、ヘカトンケイルの側面へ大穴を開ける。
『霧島、主砲連続斉射を継続ッ!――比叡の遺した空白を本艦が固定する。金剛、突撃を止めないでくださいッ!!』
煙を突き抜け、ヘカトンケイルの正面へとさらに肉薄していく霧島の雄姿に、Yo!曽郎が叫ぶ。
「霧島ァッ!!」
『……本艦の耐久値、間もなく限界点。——行ってください、司令。連合艦隊に絶対の勝利を』
直後、霧島の通信が完全に途絶した。
ヘカトンケイルの巨腕群が霧島を呑み込み、濁流の奥で再び凶悪な閃光が爆ぜる。
比叡と霧島。
二隻の高速戦艦が命と引き換えに穿った、連盟本陣の喉元へと続く、たった
そこへ、金剛が艦首を向ける。
比叡と霧島が命を削って穿った、たった一本の突撃針路。濁流はなお荒れ狂い、ヘカトンケイルの腕は砕かれながらも再び形を取り戻そうとしている。通れる幅は狭い。少しでも針路を誤れば、残された腕に絡め取られ、比叡と霧島の二の舞になる。それでも、そこを抜けなければ連盟本陣には届かない。
金剛の艦橋で、Yo!曽郎は前方を睨んだ。
「金剛、単艦突入。針路ステディ、
「機関科、
「操舵手、
「
警告が飛ぶ。だが、Yo!曽郎は退かない。
「構わん。押し通る」
その声は低く、短かった。比叡と霧島が開いた道を、ここで止まる理由などなかった。二隻が沈んだ。青葉は大破した。古鷹と衣笠も中破し、もはや前線を押し広げる余力は残り少ない。それでも、進路はある。ならば、行くしかない。
金剛が濁流を裂いた。
艦首が水を押し潰し、両舷へ巨大な白波を跳ね上げる。三十六センチ砲が唸り、残された腕へ向けて斉射を叩き込む。比叡と霧島の砲撃で薄くなった腕の密度を、金剛の主砲がさらに抉り広げていく。砕けた外殻が降り注ぎ、黒い魔力の火花が空気を焦がし、濁流の上には艦砲と巨人の衝突が生み出す轟音だけが満ちていた。
だが、ヘカトンケイルは金剛を見逃さない。
百腕の巨人は、失った腕を引きずりながらも、残された腕を金剛の進路へ伸ばす。水面を掴む腕。瓦礫を投げる腕。濁流そのものをかき混ぜ、艦の針路を狂わせようとする腕。砲撃で吹き飛ばされても、その奥から別の腕が出る。比叡と霧島が開けた空白は、少しずつ狭められていく。
その時、榛名が金剛の側方へ出た。
『榛名、
「榛名、何をする気だ」
Yo!曽郎の声が鋭くなる。
『ヘカトンケイルの腕を引き付けます。金剛は、そのまま本陣へ』
「馬鹿言え。お前まで沈む気か」
『沈むためではありません。勝利を!!連合に!!』
榛名の声は凛としていた。
その直後、榛名の主砲が火を噴いた。狙うのはヘカトンケイルの本体ではない。金剛へ伸びようとしていた腕の関節部、再構成されかけている断面、そして注意を逸らすために最も目立つ位置。砲弾が腕を抉り、黒い魔力を散らし、ヘカトンケイルのいくつかの腕が榛名へ向きを変える。
榛名は針路を大きく振った。
濁流の上で、艦体が傾く。ヘカトンケイルの腕が榛名を追う。巨大な指が水面を裂き、瓦礫の塊が榛名の艦尾をかすめ、別の腕が艦首を掴もうと伸びてくる。榛名はそれを紙一重でかわしながら、なお砲撃を続けた。
『榛名、敵腕部を誘引中!』
「無茶な機動をするな、榛名!」
『無茶でなければ、あの巨人は振り向きません』
榛名の言葉通り、ヘカトンケイルの腕のいくつかは確かに榛名へ向いた。金剛へ向かっていた圧がわずかに薄くなる。金剛の前方、比叡と霧島が遺した突撃針路が、一瞬だけ開いた。
Yo!曽郎はその瞬間を逃さなかった。
「
「
「操舵手、首尾線を突撃針路へ
金剛がさらに加速する。
濁流の上を、旗艦が走る。
その先にあるのは、ヘカトンケイルの奥に構えられた連盟本陣。篝火が立て直した防衛線。召喚士たちが維持する術式陣。そこへ届けば、戦場の流れは変わる。届かなければ、比叡と霧島の轟沈も、青葉たちが開いた突破口も、すべてが潰える。
金剛の艦橋に、観測員の悲鳴じみた報告が飛び込んだ。
「ヘカトンケイル、
「榛名へのヘイトを一部リセット! 敵残存最大腕部、金剛へロックオン!」
「
Yo!曽郎が前方を見た。
濁流の向こうで、ヘカトンケイルの巨腕が持ち上がっていた。
比叡と霧島が削り、榛名が引き付け、それでもなお残った最大級の腕。黒い魔力を滴らせ、砕けた外殻を引きずり、巨大な拳を形作るそれが、金剛の進路上へゆっくりと振り下ろされようとしている。
「操舵による
「転舵猶予なし! 本艦の旋回半径を完全に超えています!」
「弾幕による
「主砲、
塩宮が息を呑む。
艦橋の窓一面に、巨腕の影が広がった。
Yo!曽郎は歯を食いしばる。
「……ここまで来て、止まれるかよ」
ヘカトンケイルの巨腕が、旗艦金剛へ振り下ろされた。
その瞬間、濁流の後方で、蒼い光が生まれた。
大破し、戦線を離脱したはずの青葉。
その艦影が、砲煙の向こうで静かに浮かび上がる。
青葉ではない。
だが、青葉だった。
戦略級統合兵装艦。
『青葉・
艦首に立つ恋葉が、静かに前を見据える。
その言葉と同時に、蒼狼の砲口が開いた。次の瞬間、超高出力の魔法砲が放たれる。
蒼白い砲光が濁流を裂いた。
水煙を貫き、砲煙を焼き払い、金剛へ振り下ろされるヘカトンケイルの巨腕へ一直線に突き進む。
Yo!曽郎が目を見開いた。塩宮が息を呑んだ。
榛名の艦橋で、誰かが声を失った。
そして――。
蒼狼の砲撃が、ヘカトンケイルの巨腕に命中した。
「ワレ、アオバ」
戦略級統合兵装艦
『青葉・
アルペジオの伊 401 アルスノヴァ モードみたいなイメージ
アルペジオはいいぞぉ
榛名の勝利を!!連合に!!は勝利を提督にが元ネタです。みんなも艦これをやろう