朝起きたら儒烏風亭らでんになっていた。なお、本物は今日も普通に配信している 作:好きな性癖発表ドラゴン
朝、目が覚めて最初に見たのは、机の上のメモだった。
昨日の夜、最後に書いた文字。
見ることは、奪うことじゃない。
自分で書いたはずなのに、少しだけ他人の言葉みたいに見えた。
けれど、不思議と嫌ではなかった。
俺は布団の中で、しばらくその文字を眺めていた。
見られることは怖い。
撮られることも、勝手に名前をつけられることも、知らない誰かに面白がられることも怖い。
それは変わらない。
でも。
俺は、ふと思った。
俺はたぶん、ずっと見ていた側だった。
スマホの登録チャンネル。
おすすめに並ぶ切り抜き。
自室に残っていたグッズ。
検索履歴。
通知設定。
そこには、俺が彼女たちを好きだったらしい痕跡がいくつも残っている。
はっきりした場面は思い出せない。
どの配信で笑ったのか。
どの言葉に救われたのか。
どんな夜に、画面を開いていたのか。
そういう記憶は、まだない。
思い出そうとしても、そこには穴がある。
けれど、画面に並ぶ名前を見た時、胸の奥が少しだけ緩む感覚はある。
怖いだけじゃない。
たぶん、好きだった。
記憶ではなく、身体の奥に残った温度みたいなものとして。
今の俺は、ずっと怖がっている。
この姿を。
この声を。
勝手に出る口調を。
彼女に近い言葉を。
でも、推しは怖いものじゃなかったはずだ。
少なくとも、俺の中に残っている痕跡は、そう言っている。
怖いのは、急に身体が変わったこと。
記憶がないこと。
世間に晒されるかもしれないこと。
本物の彼女たちに迷惑がかかること。
自分と、好きだったものの境目が急に分からなくなったこと。
彼女たちそのものが怖いわけじゃない。
そこを間違えたら、たぶん駄目だ。
俺はゆっくり起き上がった。
スマホは、まだ伏せたままにしてある。
見たい。
でも、今は見なくていい。
まず、自分の中を整理する。
俺はメモの下に、もう一行書いた。
怖いだけじゃない。
その文字は、昨日の夜より少しだけ、前を向いて見えた。
階下へ降りると、母親が朝食の準備をしていた。
「おはよう、悠真」
「おはよう」
名前を呼ばれて、胸の奥が少し落ち着く。
まだ、佐伯悠真という名前の全部を思い出せたわけではない。
それでも、この家でそう呼ばれることには、少しずつ慣れてきた。
食卓につくと、父親が新聞を畳んだ。
「顔色は昨日よりいいな」
「そう?」
「ああ。昨日はずっと考えすぎてる顔だった」
「今日も考えてる」
「だろうな」
父親は湯呑みを置いた。
「でも、昨日とは少し違う」
俺は箸を持ったまま、少し黙った。
「……怖いだけじゃないのかもしれないって思った」
母親がこちらを見る。
「何が?」
「この姿とか、声とか。らでんっぽさとか。今まで、怖いものとして扱いすぎてたかもしれない」
口に出すと、少しだけ胸が軽くなった。
けれど同時に、不安も出てくる。
「でも、受け入れすぎたら、本家になるみたいで怖い」
父親が即座に言った。
「ならない」
「言い切るね」
「お前はお前だ。姿が変わっても、混ざったものがあっても、それで全部上書きされるわけじゃない」
母親が味噌汁を置きながら、柔らかく続ける。
「好きなものが増えた、でいいんじゃない?」
「増えた?」
「うん。元から好きだったらしいものが、今は少し近くなりすぎて怖いんでしょ。でも、好きだったかもしれないものまで悪いことにしなくていいと思う」
俺は黙った。
好きだったかもしれないものまで、悪いことにしなくていい。
その言葉が、思ったより深く沈んだ。
「これが、らでんっぽさなのか、俺の好きなのか分からない」
「どっちでも、今の悠真が好きだと思ったなら、大事にしていいんじゃない?」
「でも、本家になるわけじゃない」
「ならなくていいでしょ」
母親は当然みたいに言った。
「好きなものがある悠真でいいと思うよ」
父親は少しだけ眉を上げる。
「受け入れるのと、無警戒になるのは違う」
「うん」
「怖がりすぎるな。でも、油断もするな」
「難しい」
「難しいから、少しずつやるんだろ」
父親の言葉は、いつも現実的だった。
優しいだけではない。
でも、突き放すわけでもない。
俺は味噌汁を一口飲んだ。
温かかった。
それだけで、少しだけ今日を始められる気がした。
朝食後、担当Aからメッセージが来た。
『昨日ご相談いただいた文化的対象への反応について、低刺激の資料確認を提案します』
『本家配信・映像・音声は使用しません』
『文章のみの美術資料です』
『反応が強い場合は、すぐに中止してください』
俺は一度、父親と母親に見せた。
「受けたい」
自分でも驚くくらい、はっきり言えた。
父親が聞く。
「怖くないのか」
「怖い」
「なら、なぜ受ける」
「怖いだけじゃなかったかもしれないから」
父親はしばらく俺を見た。
それから、小さく頷いた。
「それなら、やってみろ」
母親も言った。
「近くにいるからね」
「うん」
俺は机に座り、資料を開いた。
画像はない。
音もない。
本家の声も、配信画面もない。
ただ、文章だけがあった。
『古い器には、使われた手の跡が残る。
それは作者だけでなく、使った人、受け取った人、しまい込んだ人の時間を含んでいる。
物を見るということは、そこに重なった誰かの時間を急がず受け取ることでもある。』
胸の奥で、何かが静かに動いた。
昨日なら、それだけで身構えていたと思う。
反応した。
引っ張られた。
危ない。
そう記録していたかもしれない。
でも、今日は少し違った。
怖いだけじゃなかった。
文章を読んだ瞬間、胸の奥で何かがほどけた。
器の話。
手の跡。
誰かが使って、しまって、また誰かに見つけられるもの。
それを想像するのが、少し楽しかった。
楽しいと思ってしまったことに、一瞬戸惑う。
でも、すぐに思い直した。
好きだったかもしれないものを、怖がるだけで終わらせたくない。
これは俺を奪うものじゃない。
少なくとも、今この瞬間は。
俺に、世界の見方をひとつ増やしてくれている。
ペンを取る。
言葉が浮かぶ。
急がず見ること。
勝手に決めつけないこと。
そこにあった時間を、受け取ろうとすること。
それは、今の俺たちにも必要なものかもしれない。
俺たちは、世間に急いで決めつけられている。
実体化組。
リアルホロメン。
目撃情報。
偽物。
本物。
危ないもの。
面白いもの。
珍しいもの。
でも、本当はその前に生活がある。
家がある。
名前がある。
帰る場所がある。
俺はメモに書いた。
見ることは、相手の時間を受け取ること。
書いてから、少しだけ笑った。
「……やっぱり説明っぽいな」
部屋の入口から、父親が言った。
「悪いことか?」
「長くなる」
「短くすればいい」
「それが難しい」
「知ってる」
母親が後ろから覗き込む。
「楽しそうだったよ」
「え」
「資料を読んでる時。少し、楽しそうだった」
俺は手元の紙を見る。
「……楽しかった」
口に出すと、胸の奥が温かくなった。
「怖かったけど、楽しかった」
母親が微笑む。
「じゃあ、それも記録しないとね」
「それも?」
「怖いだけじゃなかったこと」
その言葉で、何かが繋がった。
俺は避難所を開いた。
まだ朝の空気が残るチャット欄に、ゆっくり打つ。
『少し整理したいです』
『今まで、表層に引っ張られることを怖いものとして記録してきました』
『でも、それに助けられたこともあると思います』
『怖いだけじゃなかったことを、書ける範囲で共有しませんか』
少し間が空いた。
最初に反応したのは、やっぱりニコさんだった。
『ホロメン成分の良いとこ棚卸し?』
ぺこさん。
『言い方』
ニコさん。
『じゃあ、怖いだけじゃないログ』
俺は画面を見て、少しだけ笑った。
『それでいきましょう』
ニコさん。
『採用された』
ぺこさん。
『名前が軽い』
ハジさん。
『でも分かりやすい』
スウさん。
『怖いだけじゃないログ、いいと思います』
その名前は軽い。
でも、今はそれくらいがちょうどよかった。
怖さだけで固めてしまったものを、少しだけ柔らかくするためには。
最初に書いたのは、ぺこさんだった。
『耳は邪魔』
『これは変わらない』
『寝づらいし隠れないし勝手に動く』
『でも、家族の足音が分かる』
『母親が部屋に来る前に分かる』
『怖い時、誰かが近づいてくるのが先に分かるのは、少し安心する』
『あと、耳が下がると母親が察してくれる』
『便利ではある』
『認めたくないけど』
ニコさん。
『認めた』
ぺこさん。
『認めてない』
『便利ではあると言っただけ』
ハジさん。
『それを認めたって言うんじゃないか』
ぺこさん。
『うるさいぺこ』
『あ』
『今のなし』
ニコさん。
『怖いだけじゃないログ、初回から成果出てる』
ぺこさん。
『成果じゃない』
でも、文面はどこか柔らかかった。
耳は邪魔。
それは変わらない。
でも、耳が家族の足音を拾う。
耳が下がることで、母親が察してくれる。
困りごとだったものが、少しだけ繋がりにもなっている。
次はニコさんだった。
『笑いで逃げるのは危ない』
『これはマジ』
『深刻な場面で事故る』
『家族相手にも事故る』
『でも、笑えた時は本当に助かった』
『昨日、ラさん父に止められてるラさん見て笑えた』
『あれで少し呼吸できた』
『笑いが全部悪いわけじゃない』
『使い方を間違えると事故るだけ』
俺は少し複雑な顔になった。
『俺と父さんが役に立ったならよかったです』
ニコさん。
『役に立った』
『ラさん父、便利』
俺が返すより先に、ハジさんが打った。
『便利扱いするなって言われるぞ』
ニコさん。
『もう聞こえた気がした』
俺は笑ってしまった。
実際、父親が隣にいたら言っていたと思う。
笑いで逃げる。
それは危うい。
でも、笑いで呼吸できる瞬間もある。
それはニコさんにとって、ただのキャラっぽさではなく、今を生きるための道具なのかもしれない。
ハジさんのログは短かった。
『身体が先に動くのは危ない』
『これは本当に危ない』
『でも、危ない音にすぐ気づける』
『昨日もペットボトル倒れかけた時、身体は先に反応してた』
『止まれれば、役に立つかもしれない』
『止まれれば』
ニコさん。
『最後大事』
ハジさん。
『本当に大事』
ぺこさん。
『止まれたのはえらい』
ハジさん。
『子ども扱いするな』
俺は少し迷ってから打つ。
『止まる方法があるなら、反応そのものは悪いものではないのかもしれません』
ハジさん。
『そう思いたい』
その短い文が、少しだけ重かった。
身体が先に動く。
それは怖い。
でも、危険に気づく力でもある。
制御できれば、助けになる。
そう考えられるだけで、少し違う。
スウさんは、少し時間を置いてから送ってきた。
『見つけてほしい気持ちは怖いです』
『今も怖いです』
『SNSに書きたくなる時があります』
『でも、名前を呼ばれた時に安心できるのは、悪いことではないと思いました』
『昨日、ラさんが名前を呼んでくれた時、部屋に入れました』
『ニコさんの言葉も受け取りやすかったです』
『誰かに見つけてもらうことが、全部怖いわけではないのかもしれません』
俺は、その文をゆっくり読んだ。
見つけてほしい。
見られたくない。
その矛盾は、スウさんをずっと苦しめていた。
でも、昨日の対面で、名前を呼ばれることは怖いだけではなかった。
見つけられることが、全部乱暴なものではないと知った。
それは、かなり大きい。
ニコさんが送る。
『スウさんは昨日ちゃんと来た』
『しかも帰った』
『満点』
スウさん。
『ありがとうございます』
『また少し受け取りやすかったです』
ニコさん。
『俺、スウさんには言葉の通り道あるんだよな』
『不思議』
ぺこさん。
『関係値バグ、良い方向にも出るんだね』
その一文に、俺は少し止まった。
良い方向にも出る。
そうだ。
関係値バグ。
表層の漏れ。
口調の変化。
身体反応。
全部、怖いものとして見てきた。
でも、良い方向にも出る。
人を止める。
笑わせる。
安心させる。
家族の足音を拾う。
危険に気づく。
それなら、全部拒絶する必要はない。
俺も、自分のログを書いた。
『俺は、説明が長くなります』
『それで自分でも嫌になることがあります』
『でも、言葉にすると落ち着ける』
『誰かの状況を整理できる』
『今日、美術資料を読んだ時、怖いだけではなく、少し楽しいと思いました』
『好きだったかもしれないものを、全部怖いものにしたくないと思いました』
『はっきりした記憶はありません』
『でも、痕跡と感覚は残っています』
『それを悪いものとして扱いすぎたくないです』
送信したあと、少しだけ緊張した。
自分のことを書くのは、やっぱり少し怖い。
すぐに、ぺこさんが返す。
『それでいいんじゃない?』
『好きだったかもしれないものまで怖いことにされたら嫌だし』
ニコさん。
『ラさんの説明、長いけど助かってる』
『長いけど』
『二回言いましたね』
『大事なので』
ハジさん。
『整理してくれるのは助かる』
『短ければもっと助かる』
『努力します』
スウさん。
『ラさんの言葉で落ち着くことがあります』
『怖いだけじゃないと思います』
胸の奥が、少し温かくなった。
怖いだけじゃない。
その言葉が、チャットの中で少しずつ形になっていく。
昼過ぎ、SNSの話題はまだ続いていた。
実体化組。
目撃マップ。
公式注意喚起。
本家に聞くな。
推しを探すな。
まともな声も増えている。
でも、悪ノリも消えない。
探すなと言う声が広がるほど、探す対象がいるのだと騒ぐ人もいる。
善意も悪意も、注目を生む。
そのややこしさに、また胃が重くなる。
けれど今日は、少しだけ違った。
ただ縮こまるだけではなく、別のことを考えられた。
『見つからない努力は必要です』
『でも、見つかったら終わりだと思い続けるのは、精神的に限界があります』
『見つかった時に、自分を守る方法を考えたいです』
俺がそう送ると、ニコさんがすぐに反応した。
『ラさん、前向き危機管理』
ぺこさん。
『逃げるためじゃなくて、生活するためのやつか』
『はい』
『隠れるためだけではなく、動けるようになるための準備です』
打ってから、その一文をしばらく見つめた。
隠れるためだけではなく、動けるようになるための準備。
それは、今までの俺たちに足りなかった視点かもしれない。
担当Aから返信が来る。
『その視点は重要です』
『今後、完全な隠蔽だけでなく、万が一目撃された場合の安全行動を整理します』
『走って逃げない、直接取り返そうとしない、安全な場所へ移動する、同伴者または担当Aへ連絡する、といった項目を検討します』
ハジさん。
『走って逃げない、大事』
ぺこさん。
『撮られたら取り返したくなるけど危ないよね』
ニコさん。
『相手のスマホ奪ったらこっちが終わる』
スウさん。
『短く「撮影は控えてください」と言える練習が必要かもしれません』
俺は頷きながら打った。
『必要ですね』
『説明しすぎない練習も必要です』
ニコさん。
『ラさんの最難関』
『否定できません』
少し笑いが起きる。
その笑いは、今朝よりも軽かった。
外は怖い。
世間は勝手だ。
でも、俺たちは少しずつ、外に向けて準備を始めている。
怖いから閉じこもるだけではなく。
怖いまま、動ける方法を探している。
夕方、担当Aからさらに連絡が来た。
『すぐに一般施設へ行くことはできません』
『ただし、管理された短時間の外出訓練を検討します』
『目的は、世間の目にさらされることではなく、本人が必要な生活行動を取り戻すことです』
『場所・時間・同伴者・退出手段を限定した形から開始します』
外出訓練。
その文字を見た瞬間、胸が少し跳ねた。
怖い。
でも、嫌ではなかった。
いつか、美術館に行きたい。
その前に、コンビニでも、図書館でも、人気の少ない道でもいい。
この姿で、外を歩けるようになりたい。
その気持ちが、初めてはっきり形になった。
俺は避難所に書く。
『いつか、美術館に行きたいです』
『でも、その前に短い外出から練習したいと思います』
ぺこさん。
『俺も、耳隠して普通に買い物できるようになりたい』
『スーパーはしばらく無理だけど』
ニコさん。
『俺は外で笑えない時も呼吸できるようになりたい』
ハジさん。
『俺は走らず歩きたい』
スウさん。
『私は、見つけてほしい気持ちが出ても、自分で立っていられるようになりたいです』
その並びを見て、胸がじんとした。
みんな、少しずつ前を向いている。
大きなことじゃない。
世界を救うとか、原因を突き止めるとか、全部を解決するとか。
そういう話じゃない。
買い物をする。
歩く。
笑えない日も息をする。
名前を呼ばれなくても立つ。
美術館に行く。
普通のことだ。
でも、今の俺たちには、その普通が遠い。
だからこそ、そこへ向かうことに意味がある。
夜。
俺は机の上のメモを見返した。
見ることは、奪うことじゃない。
怖いだけじゃない。
動けるようになるための準備。
文字が少しずつ増えている。
増えた文字は、不安を増やすものではなく、足場みたいに見えた。
父親が部屋の入口から声をかける。
「今日は少し顔が違うな」
「どう違う?」
「前より、閉じてない」
俺は少し笑った。
「分かりづらい」
「分かればいい」
母親も後ろから顔を出す。
「美術館、いつか行けるといいね」
「うん」
「その時は、見たものの話を聞かせて」
「長くなるよ」
父親が言う。
「短くしろ」
「努力します」
三人で少し笑った。
その笑いが、今日の最後に残った。
避難所を開くと、まだ少し会話が続いていた。
ぺこさんが耳の寝具対策を愚痴っている。
ニコさんがそれを茶化しすぎて謝っている。
ハジさんが「走らない外出」の練習メモを作っている。
スウさんが、名前を呼ばれなくても落ち着く方法を考えている。
俺は返信欄に指を置いた。
『今日はありがとうございました』
『怖いだけじゃない、と少し思えました』
少しして、ぺこさん。
『まあ、耳は邪魔だけどね』
ニコさん。
『でも怖いだけじゃない』
ハジさん。
『止まれれば使える』
スウさん。
『名前を呼ばれる安心も、悪いことではないです』
俺は画面を見つめた。
好きだったものに近い何かは、俺たちを奪うだけのものじゃない。
怖い時に、少しだけ足場になってくれることもある。
なら、全部拒絶しなくていい。
全部任せなくてもいい。
少しずつ、扱えるようになればいい。
俺はメモの端に、もう一度書いた。
怖いだけじゃない。
その文字は、昨日より少しだけ、前を向いて見えた。