ゴム人間になってブルアカ世界に来ちゃった…… 作:ぐらんどらいん
今回で一年生編終了です。よろしくお願いします。
「ユメ……先輩…………」
どうしてですか ? どうして見つからないんですか ? どうして私にはあなたの場所が分からないんですか ?
思い当たる場所をいくら探しても、あなたを見つけられないんです。
……私のせいですよね?私があんなこと言ったから、愛想を尽かしてここを出て行ってしまったんですよね?
「ユメ先輩……ごめん……なさい…… !! ごべんなざい…… !! こんなお別れなんて嫌です……お願いです……姿を見せてください…… !! 」
何度もユメ先輩の名前を叫んだ。電話だって何度も掛けた。それでも、ユメ先輩の声が返ってくることは一度もなかった。
ルフィにも連絡した。けど、返信が返ってくることはなかった。……そうだ、あの人も私が追い出したんだ。
『二度とくるな』あんなことを言われて見限らない人がどこにいるんだろうか。それなのに助けを求めるなんて、どれほど厚かましくて滑稽なんだろう。
────そうだ。私のせいだ。私がアビドスに居なければ、あの2人はいつまでも仲良く笑い合っていたんだ。たとえどんなに苦しい状況でも、こんな状況にはならなかった。
……私が居るからこうなった。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
何もない砂漠に向かって膝を突きながら何度も何度も謝罪の言葉を口にする。意味のない行為なのは分かってる。でも、私の体は勝手に行動に移していた。
お願いです。もしこの世界に神様がいるのなら、奇跡が起こるというのなら、もう一度……もう一度ユメ先輩と会わせてください……。
突然、目の前が爆発して砂が巻き起こった。どうやら何かが飛んできたらしい。
「一体なにが…………」
巻き起こった砂を手で払って飛んできた存在を確認する。突如私のところへ飛んできた存在。
それは………………ユメ先輩だった。
「ユメ先輩 !! ユメ先輩 !!! …………よかった。生きてる…… !!」
気絶してる上に、至る所が怪我していてボロボロだけど、しっかりと息がある。どうして空から降ってきたのか……いや、今はそんな事どうでもいい。とにかく急いで保健室に運んで傷の手当てをしないといけない。
私はすぐにユメ先輩を肩に担いで、アビドス校舎の保健室へと運んだ。
「う、うぅん…………」
「ユメ先輩 !! 目を覚ましたんですね !! 良かった…… !! 本当に……良かったです……!!!」
「ホシノ……ちゃん ? ……そうだ、私……ルフィくんに…………そうだよっ !! ホシノちゃん !!! ルフィくん !! ルフィくんはどこなのっ…… !?!?」
「る、ルフィですか ? あの人ならトリニティに帰るって言って…………」
「違うの !! ルフィくんが助けてくれたの !! 怪物に襲われてた私を投げ飛ばして…… !!!」
「────え……?」
「ちょ、ちょっと待ってください……そ、それじゃああの人……1人で……ユメ先輩を守るために……戦って…………」
見限ってなんていなかった……? 私の知らないところで……ユメ先輩を守るために……?
「急いでッ…… !! 急いで助けにいかないとッ…… !! あんな怪物を1人でなんて…… !! 」
「ま、待ってくださいユメ先輩 !! だからってその怪我で動くのはダメです !! 私1人で行きます !!」
「大丈夫だよ、ホシノちゃんが手当てしてくれたおかげでもう動けるから…… !! だからッ !! 早くルフィくんのところへ行かないと…… !!!」
ボロボロの状態で当の本人で怪物がいると言っていた場所に行ってどうするんだ。……なんて指摘する余裕は私にはなかった。コンパスと水を持って、私たちは一心不乱に砂漠の奥へと走った。
「…………嘘だ」
「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ !!!!!」
「ルフィ……くん…………そんな…………」
本来なら何もないはずの砂漠の奥地。そこにあるはずのない……いや、あっていいはずがないものが見つかった。
ルフィがいつも身につけていたマントが、ボロ布のような有様で地面に転がっていた。
それだけじゃない、バキバキに割れたスマホだって落ちている。色で辛うじてルフィが使っていたものだと分かる。
ユメ先輩の言っていた怪物の姿はどこにもない。だが先程のマントとスマホ、それ以外にもいくつも戦った形跡が残っている。その数々の形跡が、いくら拒んでも現実を突きつけてくる。
────彼はその怪物に殺されたんだ。
「私の……私のせいだ…………私があの時あんな言葉を言わなければ…………あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!!」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい !!!!!」
「ホシノちゃん……違うの……私がまた簡単に騙されるから……私のせいで…………」
私たちは……ただ膝をついて泣き崩れることしかできなかった。
「ルフィ……ハスミ……着いたぞ………… ! トリニティ……だ…………」
ツルギは気絶したルフィと、ビナーとの戦闘の疲労とアビドス砂漠の暑さにやられたハスミを、アビドスの砂漠からトリニティまでたった1人で抱えて運んでいた。
だが、そもそも彼女自身ビナーとの戦闘でダメージを負っていることに加えて、人2人を抱えながらアビドスの砂漠を歩いた負荷は相当なものだったのだろう、トリニティに到着した瞬間、彼女は一瞬で全身の力が抜けるようたように倒れてしまった。
「この人って……あのっ大丈夫……なわけないっすよね……とりあえず救護騎士団の人を呼ばないと……」
『────私は……いつかきっと間違った選択をします』
『そして、それによって生み出される数々の
『…………でも、きっとあなたなら……歪んだ先の終着点から……暗い未来に閉じ込められた皆さんを、解放してくれると信じています』
『────ルフィさん』
『……自由と夢について、お話したことがありましたよね。あの時のあなたの目は、とても真っ直ぐでした』
『ですから、どうか成し遂げてください。あなたの……夢の果てを────』
「… !!! ………夢か ?」
なんか、変な夢だったな…てか、ここどこだ ? 砂漠じゃねぇな。ベッドの上にいるし、感じ的に病院か ? ツルギとハスミが運んでくれたのかな。
「よかったです、目が覚めたのですね」
隣から声が聞こえたので顔を向けてみると、ハスミが半身を起こした状態でベッドにいた。
「ん ? おぉハスミか、お前もベッドにいるんだな」
「ツルギもですよ。3人仲良く救護騎士団の診療室行きです…全く………」
「目が覚めたようで何よりです。お久しぶりですね、ドアを破壊された時以来でしょうか」
「ドアを破壊 ??? あなた私たちが知らない間に何をやっているんですか………」
「いやァ…まああん時は………すみませんでした」
「全くです !! ドアを破壊しながら人を運ぶなんて信じられませんでしたよ !! …まあ、過ぎたことを言っても仕方がありませんね。ここまで3人を運んで来てくれた方に、ちゃんと感謝してください」
「え ? 運んでくれたのツルギとハスミじゃねぇのか ?」
「私はトリニティに着いたところで力尽きた…もう少しだった」
「私は砂漠の時点で力尽きました…」
「こちらの方です」
「えっと、中等部3年生の仲正イチカっす。よろしくお願いしますっす?」
「ん ?? お前確かどっかで………あー !! あん時の !!!」
「あはは…その節はどうも…」
「知り合いですか ? ルフィ」
「だいぶ前におれコイツと喧嘩したんだよ。あの時は暴力的な奴だと思ってたけど、おれたち助けてくれたってことはお前いい奴だったんだなぁ〜 ハハハ !!」
「いやぁ…あの時は荒れてる時期だったので…。とにかく、皆さん無事で大丈夫そうで安心しましたっす。それじゃあ、私はこれくらいで…」
「おう ! ありがとうなー !!」
「ありがとうございました」
「ありがとう、助かった」
「ふぅ、お礼を言うのはあいつだけじゃねぇな。青い髪のやつ !! 手当してくれてありがとう !!」
「私は一年生、青森ミネです。青い髪のやつではありません。手当てに関してはお気になさらず、仕事をしたまでですから」
「仕事だったとしても、すっげぇ助かった !! ありがとう !! そしてツルギ !! ハスミ !! 助けてくれて、本当に…ほんっっとうにありがとう !!!」
「当たり前でしょう…」
「仲間ですから」
「仲間だからな」
「しししっ !! ああ !! そうだな !!!」
「ツルギ !! ハスミ !! おれは…もっと強くなるぞ… !! 守りてェもんを、絶対に守れるように !!!」
「ルフィ、あなただけじゃない。私たちで強くなるんだ」
「いよし !! そうと決まったら早速特訓だ !! 行くぞツルギ !!」
「救護 !!!」
「ブゲェッ !?!?」
ベッドから飛び上がり外へと出ようとするルフィにミネの拳が突き刺さる。とても『救護騎士団』なんて名前の組織に所属している者とは思えない行為だ。
「まだ怪我が治っていないんですから、安静にしておいて下さい」
「……………………」ちーん…
「安静と言うか…気絶している…」
「本当、締まらない人ですね…」
閲覧ありがとうございました。次回から2年生編です。よろしくお願いします。
一年生編完結記念、そしてとてもありがたいことにもうすぐお気に入り登録者が100人超えそうということで、記念のイラストを描かさせていただきました。
ギア2状態の正実ルフィ君です。もしよろしければご覧ください。
【挿絵表示】
ギア2かっこいいですよね。本当はカラーもつけたかったのですが。色使いとかに全く慣れていないので髪だけ黒色で塗らせていただきました。