ゴム人間になってブルアカ世界に来ちゃった……   作:わっきょうらん

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皆様いつも誤字報告、お気に入り登録、しおり、感想ありがとうございます。

次回、もしくは次々回で本編突入です。よろしくお願いします。




ᓀ‸ᓂと開眼

 

 

今更ながらの言及ではあるがトリニティ総合学園は三大学園の内の一つ。当然生徒数も並どころか大人数も大人数であり、もはや学校と言うよりも大都市と呼ぶのが適当な規模感を持っている。

 

そんな学園である以上、当然設置されている設備や建物も規模が大きいものだ。校舎、食堂、グラウンド、訓練場……数えるのも大変になってくる。そんな数多くの中の設備の中で現在体育館倉庫が注目を浴びていた。

 

その体育館倉庫は豪邸のような広さを持っているが、注目を浴びている理由はそこでは無い。注目を浴びている理由、それはその場所が現在正義実現委員会の集団に包囲されていたからだ。

 

ことの発端は正義実現委員会にとある通報が来たことから始まる。その通報内容をざっくり要約すると『校舎裏で暴力行為を受けた』と言うものだった。……ただまぁ、これだけならば割といつも通りの日常。数人を現場に派遣すれば済むことだった。

 

しかし今回に置いては例外だった。事件を起こした犯人が予想よりも遥かに強かったのだ。派遣された数人はあっという間にKOされ、直ちに送られた増援の部隊も催涙ガスや地雷、ワイヤートラップ等でのゲリラ戦に翻弄され攻めあぐねていた。そのまま犯人は混乱する正義実現委員会を掻い潜りながら体育館倉庫へと移動し、立て籠もりを始めて現在に至る。っと言った感じだ。

 

 

「応援を呼ばれたから来たけど……ってすごい人数だな!!」

 

「あ ! ルフィ先輩、来てくれたんすね !!」

 

よお、おれルフィ。今事件現場に居るぞ。たてこもりはんを捕まえる為にここまで来たんだ !!

 

……にしても、中々見ねェレベルの包囲っぷりだな。映画とかでの軍隊や警察が登場するシーンくらいでしか見たことねェぞ。この規模感、じゅっちゅうはっく〝あいつ〟だな !!

 

「ルフィ先輩も察しが付いてると思いますが……今回の事件の犯人はトリニティの氷の魔女っす」

 

「やっぱりアズサかァ……」

 

《トリニティの氷の魔女白洲アズサ》彼女の二つ名は卓越したゲリラ戦能力と、既に何度も正義実現委員会と衝突しているという暴れっぷりから名付けられた。

 

彼女は事件を起こし、正義実現委員会に捕まる度にトリニティの建物の内部や抜け道、地形の把握をすることで成長を重ねており、彼女のゲリラ戦能力は小規模な部隊では対応不可能にまでなってしまっていた。

 

「包囲を開始してから1時間半が経過していますが……以前状況は動かず……それどころか、彼女に持っていかれた正義実現委員の数は15を超えたっす」

 

「あいつも強くなってるってことだな……よし分かった ! とりあえず、イチカは他のみんなと一緒に周辺の見張りを頼む。逃げ出されない為にな。体育館倉庫にはおれ1人で突入すっから !」

 

「だ、大丈夫なんすか…… ? いくらルフィ先輩が強いと言っても、数人は同行した方がいいんじゃ…………

…………私とか」

 

「あの中、絶対罠まみれだ。変に複数人で行っても誰が罠にかかって逆効果になっちまう」

 

「…………先輩って思ったよりはバカじゃないっすよね。それでもバカっすけど」

「急に失礼だなお前 !!!」

 

「……まあいいや、んじゃおれ中入るから、見張りは頼んだ !!」

 

「はいっす ! 2階から気配を感じるのでアズサさんはそこにいると思います」

 

体育館倉庫の入り口正面に立つ。見聞色の気配で探ってみた感じ、アズサは2階の左隅の部屋に潜んでるみてェだな。イチカの言う通りだ、イチカの見聞色も成長したなぁ〜。

 

さてと、どうしようか考えたけど、やっぱ正面突破しか思いつかねェや ! ハハハ。まあおれ1人だけなら罠にかかってもなんとかできるしこれが一番手っ取り早いか !!

 

 

「うわっ、中が迷路みてェになってんな……」

 

マットやら脚立やら支柱やらが組み合わさってバリケードみたいだ。めちゃくちゃ入り組んでるぞ。それに暗い、電球が破壊されてんのかな。ぶっ壊してェけど備品とか建物とか壊し過ぎるとハスミに怒られるんだよなぁ……。しょうがねェ、てーねーに行くか。

 

「よっと……そりゃっと……」

 

障害物同士の隙間に体を通して抜けながら進んでいく。アズサの位置は分かってても障害物と罠は見聞色じゃ探知できねェから気をつけないとな。暗いとワイヤーとか見つけづれェし。

 

とりあえずここの隙間に足を通してっと……ん ? 足元になんかあるな ? これは……バナナの皮 !? ここの隙間を通りそうだから転ばせる為に置いておいたのか ? こんなアホなもんに引っかかるやついるわけねェだろ !! 舐めやがって !!

 

隙間に通した足の先に置いてあったバナナの皮が邪魔だったため、ルフィはそのバナナの皮を蹴っ飛ばす。すると彼が飛ばしたと同時にプチッと何かが千切れる音がした。

 

「……ん ?」

 

 

ドカァァンッ !!!

 

 

「どわ〜 !?!?」

 

先程千切れた物体の正体はワイヤー、バナナの皮にくくり付けてあったのだ。千切れたワイヤーがルフィの周辺にある爆薬を起爆させるスイッチとなって爆発した。

 

「クソッ……バナナどかしちゃいけなかったのか !! とりあえずこのまま奥へ……」

 

爆炎を手で振り払いながら前へ進むルフィ、しかし数歩歩いたタイミングで地面から音がしたと同時に再び爆発が起こる。今度は地雷が爆発したのだ。地面が爆ぜたことによりルフィは少し吹き飛ばされる。

 

「おわァ〜 !?!? 今度は地雷か……ってなんか銃弾飛んで来たぞ !?」

 

吹き飛んだ先にはセンサー感知式の小型タレットが仕掛けられており、ルフィに弾を連射する。

 

「効ッッかーん !!!」

 

彼のゴムの身体には一定以上の強さを持つ生徒の神秘が込められた弾丸でないとダメージは与えられない。故にタレットの射撃はダメージにはならず、彼は全て弾き返す。

 

だがしかし、弾き返された弾丸は四方八方へ飛び体育館倉庫中に張り巡らされていたトラップワイヤーを次々と切断していく。

 

「あ、やべ」

 

彼が気づいた時にはもう遅すぎた。次々と爆薬が作動し倉庫内はしっちゃかめっちゃになる。

 

「うわぁっあぶねっ !! のわっ !? ほわぁぁ !?」

 

そして爆発から逃れるのに夢中なルフィは気が付かなかった、走る自身の足元にバナナの皮が設置されていることに。

 

「な、なんとか爆破からは逃れ……ってバナナァァ !?!?」

 

勢いよくバナナの皮を踏み込んだルフィはそのまますってんころりんと720度バク宙で回転し、顔から地面へとダイブする。

 

「おぶふッ !!」

 

そんな彼を嘲笑うかのように追撃として上からめちゃ分厚い辞典、50キロのダンベル、クウイゴスの木片、タライが順々に落ちてきてルフィの頭に全てクリーンヒットする。

 

「あぶっ ! いぶっ !! うぶっ !!! おぶっ !!!!」

「……ゴムだから爆発以外全部効かねェけど……バカにされてるみたいでめちゃくちゃムカつくな…… !」

 

ハスミに怒られるから壊すの躊躇ってたけど、もう爆発でめちゃくちゃだしもういいか !!

 

「〝ギア3(サード)〟!!! ゴムゴムの〝巨人の銃(ギガントピストル)〟!!!」

 

2階に向かって放たれた巨大なルフィの拳が倉庫の一階天井を破壊する。そしてその上から目的の人物、白洲アズサが降ってくる。

 

「逃さねェぞ ! ゴムゴムの〝確保〟!!

 

「 !!! 」

 

アズサは身を捩って回避しようとするが、空中で出来る動きは限られており、そのままなす術なくルフィに捕まってしまう。

 

アズサを捕まえたルフィは彼女の首根っこを掴みながら持ち上げ、彼女がつけていたガスマスクを外す。

 

「アズサ !! お前なァ、これで何回目だ !! ちゃんと反省しろ !!」

 

「クッ……しまったな……階段を登ってくる想定だった。甘く見積もりすぎた……次は大規模攻撃にも耐えられる場所と罠を……」

「負けたことについての反省はせんでええわ !!!!」

 

 

「ふぅ〜終わった終わった」

 

「ルフィ先輩 ! 捕まえられたんすね ! 途中何回も爆発音が聞こえてきたので大丈夫かなと思ったっすよ……」

 

「前よりもずっと多く罠が仕掛けられてたからな……おかげでめちゃくちゃだ」

 

「ハハハ……お疲れ様っす……それはそうと、持ち方が猫を持つ時のそれすぎないっすか…… !?」

 

捕まえた時から変わらず、ルフィはアズサの首根っこを掴んで持ち上げていた。アズサも特にそれに対して抵抗する素振りは見せない。おそらく抵抗するのは得策ではないと判断したのだろう。

(ᓀ‸ᓂ)←のような顔をしながら持ち上げられている。

 

「いやァまぁ……この運び方楽だからよ。とりあえず、とっとと牢屋まで運ぶぞ」

 

「はいっす、皆さーん撤収っすよー」

 

 

 

「あ、あのっ ! ちょっと待って頂けないでしょうか !」

 

アズサを確保し、牢屋へと収容する為に現場から撤収する正義実現委員会を1人の生徒が呼び止めた。見たところトリニティの一般生徒のようだが、かなり気弱そうな様子だ。

 

「ん ? どうかしたのか ?」

 

威圧感を与えぬよう、ルフィは少し屈んでその生徒と目線を合わせる。

 

「あ、あぅぅ……え、えっと、その人……いい人なんです ! いじめられてた私を助けてくれましたから……」

 

「いじめ……」

 

「み、皆さんは通報があったからこの方を追われているんですよね ? ……たぶん、通報した人は、いじめているところを止められたことへの逆恨みで通報したんだと思います……この方は、私以外の人のことも助けてくれていますから……」

「だ、だからその……あまり重い罰にはしないで貰えませんか !?」

 

「………………」

 

ルフィはアズサをゆっくりと地面へと降ろし。身体の正面をしっかりとアズサへ向ける。

 

「ごめんアズサ !! おれが間違ってた !!」

 

そして頭を下げて、手、膝、頭を地面へとつけて謝罪した。

 

「ルフィ先輩っ !?」

 

「えぁ !?」

「うそっ…… !」

 

敵だったはずの存在に対しての謝罪、さらにその謝罪をしているのは正義実現委員会の最上級生の1人。その事実が他のメンバーを混乱させる。

 

 

「お前らは頭下げなくていい、おれがもっとちゃんと考えるべきだった。本来おれがやるべき事だったのに、アズサにやらせちまってた。ごめん」

 

「……ルフィ、頭を上げてくれ。私は集団でやってたかって意味もない暴力を振るう連中が気に食わなかったからやっただけだ。あなたは正義実現委員会とひての責務を果たしただけ。お互いにその瞬間やるべき事をしたまでだ。どこにも謝る理由なんてない」

 

「そっか、ありがとう」

 

ルフィはゆっくりと立ち上がり、そして再びアズサの首根っこを掴んで持ち上げる。

 

「でも檻には入って貰うぞ。体育館倉庫に罠仕掛けて立て籠ったのは普通に悪りぃ事だから」

 

「ばにたすばにたす……」

 

 

 


 

 

 

「んじゃあとは任せていいか ?」

 

「はい ! お任せください」

 

校則違反を起こした者を収容する係にアズサを引き渡す。そして同行してもらったトリニティの生徒の方へ目線を合わせる。

 

「お前もありがとうな、教えてくれて」

 

「い、いえ、このくらいのことしかできないので……」

 

「なーに言ってんだ、お前は強ェやつだ ! 本当、ありがとうな !!」

 

「こちらこそ、ありがとう……ございます……」

 

その後、ルフィは同行してもらったトリニティ生徒をことをイチカと一緒に見送り、今回の事件は幕を閉じた。白洲アズサは牢屋に収容されるものの、情状酌量の余地ありとして、その期間は通常より大幅に短縮されることとなった。

 

 

 


 

 

 

アズサの件も終わって、時間もいい感じの時間になったし腹も減ってたから今イチカと食堂いるんだけどよ、なーんかイチカの顔がすぐれねェ、体調悪りぃのかな ?

 

「どうしたんだよイチカ、腹でも痛ェのか ??」

 

「え ? いや、どこか痛むとかはないっすけど……」

 

「なんだ違ェのか、難しそうな顔してたから腹痛ェのかと思ったぞ」

 

「あはは……もしかして、顔に出ちゃってました ? 別に個人的な考え事なんで、気にしないでくださいっす」

(ていうか、お腹が痛いときは難しそうな顔じゃなくて苦しそうな顔じゃないんすか…… ? )

 

「ふーんそっか、それならいいんだけどよ」

 

特に深く追求する気も湧かなかったから、そのまま学食の列に並ぶ。うーん今日は何にしようかなぁ……前はオムライスにしたから今日はカレーにするか。

 

『ご注文何になさいますか ?』

 

「カレー ! 特盛で !!」

 

『かしこまりました』

 

ルフィの注文を聞いた受付用のロボットは続いてイチカの希望するメニューを伺う。

 

『ご注文何になさいますか ?』

 

「………………」

 

『あれ ? す、すみませんご注文何になさいますか ?』

 

「………………」

 

「イチカ ? おーいイチカー ? イチカー !!」

 

「ハッ…… ! えっあぁすみません ! えっと……日替わりランチで !」

 

『かしこまりました。空いているお席でお待ちください』

 

「イチカお前大丈夫か ? 眠みィのか ?」

 

「いや、大丈夫っす……すみません」

 

注文を済ませた2人は近くにあった空いている席に座ったが、座った後もイチカの様子は変なままだった。どことなく上の空な状態であり、ルフィが3回程度声をかけてようやく反応するまでレスポンスが鈍くなっていた。そしてそれは注文した料理が届けられてからも続いた。

 

 

「イチカ ? おーいイチカー !? お前さっきから箸でなんか掴もうとしてるけどそこにあるの空気だけだぞ !? 息吸えば摂れるものだぞ !? 頭おかしくなっち

まったのか !?!?」

 

「えっあ ! ご、ごめんなさいっす。またつい考え事を……。あと、ルフィ先輩だけには頭おかしいって言われたくないっす」

「えっ ?」

 

イチカは正気を取り戻し食事に手をつけ始めたが、それでもどうにもおぼつかない様子であった。そして半分くらい食べた辺りのタイミングで突如吹っ切れたように箸を置いた。

 

「あーもうっ ! 1人で考えるのやめっす !!」

 

「ん ?」

 

「ルフィ先輩も巻き込まさせてもらうっす ! 今悩んでいるのは先輩のせいですから !!」

 

「え、おれ ??」

 

なんも思い当たる節がねェんだけど、ハスミを怒らせる節ならいくらでも思いつくのに。

 

「おれなんかしたっけか ?」

 

「……アズサさんに謝罪したじゃないっすか。なんの迷いもなく」

 

「うんしたな。悪りぃことしちまったからな」

 

「あの時一緒に頭を下がれなかった自分が嫌になってるんすよ、それでどうすればよかったのかずっと考えてるんです」

 

「そ、それがおれのせいなのか ? それは理不尽なんじゃ」

 

「えぇ理不尽っすよ !! 悪いっすか !? 悪いっすよねごめんなさいでした !!!」

 

「ご、ごめんな…… ?」

 

普段の様子とは珍しく荒れるイチカに思わずルフィは圧倒される。

敵わぬ……ポロッ……。

 

「フゥー……吐き出したら少しスッキリしたっすけど、それでもまだモヤモヤが残るっすね……こういう時に趣味でもあればリフレッシュできたりするのかな」

 

「趣味 ?」

 

「そうっす、色々手をつけてるんですが、どうもすぐに飽きちゃって……漫画、手芸、映画……他にも色々ありますが今のところ全滅っす。……そういえばルフィ先輩って趣味あるんですか ?」

 

「食う寝る遊ぶ冒険戦う」

 

「めちゃくちゃ予想通りの趣味っすね……失礼っすけど、参考にできるのは無さそうっす」

 

「うーん趣味ねェ……あ ! 一個お前に合いそうなやつあったぞ !!」

 

「本当っすか ? 一体どんな……」

 

「にっしっしっ、それはついてのお楽しみだ !! 食ったらそこ連れてくからな !!」

 

(連れてく……場所関係なのかな……? )

 

料理を完食した後、イチカはルフィに連れられてトリニティの郊外まで遥々出かけることになった。

 

そうして短くはない距離を移動してたどり着いたのは、大きなゲームセンター。クレーンゲームやらメダルゲームが大量に設置されておりもはや迷路のようだ。

 

「ここは……ゲーセンっすか、いやぁ〜申し訳ないんすけど、ゲーセンも既に試してみたんすよねぇ……結局出費とか移動が面倒とかが理由でやめちゃって……」

 

「あぁイチカにやらせてェのはゲーセンってよりも一つのゲームなんだ」

 

「一つの…… ?」

 

イチカは引き続きルフィに連れられてごちゃついたエリアを通っていく、そしてやがて見えてきたのは隅っこにある一つのパンチングマシーンだった。

 

「ここのパンチングマシーンすげェ丈夫でよ、たまにツルギとこれ使って勝負すんだ ! せっかくだし一回やっちまうか !!」

 

ルフィは財布から100円玉を取り出してパンチングマシーンのコイン投入口に入れる。するとパンチングマシーンから陽気なBGMが鳴り響きランキングが画面に表示される。

 

「前に1位取ったからな、当然今のランキングも……って3位 !? なんでだ !?!?」

 

慌ててランキングの最上位を確認するルフィ、そこには

 

2位 MIKAMO VICTORY

 

1位 KENZAKI SWORD

 

という名前が刻まれていた。

 

1位はツルギか……あいついつの間に1人でここに来てやがったんだ。そして2位は……これ絶対ネルだろ !! あいつここを発見しやがったのか !!

 

まあいいさ、両方とも塗り替えてやるからな !!

 

チャレンジボタンを押してグローブをはめる。しばらくすると〝GO !!! 〟という掛け声とともにサンドバッグが立ち上がる。

 

「ウオリャアァッ !!!!」

 

雄叫びと共に放たれたルフィの拳が爆音を響かせながらサンドバッグを殴り倒す。*1そして機械の画面から記録が表示される。

 

 

《SCORE  500000000 !!!!》

《VICTORY !!!!! 》

 

 

「っしゃあ !! また一位だぁ !!」

 

(桁が意味わかんないっす…… !! )

 

《Second challenge !!!!》

 

機械の掛け声と共に再びサンドバッグが起き上がる。

 

「このゲーム、100円で2回出来るんだよ。だからこの2回目はお前がやってくれ !!」

 

「は、はいっす。でも、なんでパンチングマシーンが合いそうって思ったんすか ?」

 

「だってお前おれが1年の頃喧嘩止めようとしたら襲いかかってきたじゃねェか。それに喧嘩相手必要以上にボコボコにしてたし」

 

「うっ……そこ触れますか…… ? あの時の自分には戻りたくないんすけど……」

 

「別に戻ってもいいんじゃねェか ?」

 

「え…… ?」

 

「そりゃずっと凶暴なのはダメかもだけどよ、無理に落ち着く必要もねェんじゃねェか ? ツルギだって暴れ回りたい時もあれば落ち着いていたい時だってあるし、ハスミだって甘いもん食いたい時としょっぱいもん食いたい時があるだろうし、それにおれだって何か食いたい時寝たい時遊びたい時とか時によってコロコロ変わるぞ !!」

 

「うーん、ハスミ先輩とルフィ先輩のはだいぶ違うような……」

 

「え ? そうか ? と、とにかく !! 人って意外とコロコロ変わるもんだからよ、今くらい荒れてもいいんじゃねェか ?」

 

「まあ……そこまで言うなら……」

 

イチカはルフィに渡されたグローブをはめ、既に立ち上がっているサンドバッグを思いっきり殴りつける。

 

「だあああぁぁぁぁぁぁっ !!!」

 

サンドバッグが殴り倒され、スコアが表示される。

 

 

《SCORE 30000000 !!! 》

《RANKING 12 th !!! 》

 

 

「ハハハ……ダメっすねぇ」

 

「いやお前12位は十分すげェだろ。んで

どうだった ?」

 

「確かにすっきりしたっすけど……ここトリニティから結構距離遠いんすよねぇ……それに100円といえども高頻度でやってたら結構出費が……すみません文句ばっかりで」

 

「ん ? 別に高頻度でやんなくてもいいんだぞ ? ふと思い立った時にやればいいんだよ」

 

「んえ ? でもこれって趣味として紹介してくれたんじゃ……」

 

「趣味は義務じゃねェんだから、好きなタイミングで好きな回数やればいいんだ !! 」

 

「……………………ふーん」

 

「いよしっ !! ランキング1位も取り返したし !! トリニティに戻るか !! あ、それとも他のゲームもやってくか ?」

 

「いえ、トリニティに戻りましょうっす !」

 

「んじゃ、トリニティに戻るぞォ〜 !!」

 

 

 

 

 

 

(ノンデリな部分もある癖にこういう時は口が回るんですから……ほーんと、バカな先輩……)

 

 

 

 

 

 

*1
ルフィもツルギも武装色の覇気は使っていない。理由は純粋な腕力で勝負したいから。





今回も閲覧いただきありがとうございました。

いや、違うんですよ、ほんとはアズサのとこだけ書いて終わりのはずだったんですよ。なんか体が勝って動いてイチカのとこまで書いてたんですよ。これも全部悪いのはドンキホーテ・ドフラミンゴ41歳ですね。

ちなみにルフィとハスミは互いに扱いが雑いです。お互い(こいつよりはバカじゃないな)なんて思ってます。でも仲はいいです。

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