ゴム人間になってブルアカ世界に来ちゃった…… 作:わっきょうらん
皆様いつも誤字報告、お気に入り登録、しおり、ご評価ご感想誠にありがとうございます。
パヴァーヌ編のOPは『ココロのちず』が似合う感じにできたらなぁと思っております。
話が逸れますが、この小説のルピーくん対シュロ特攻すぎません?
「すごい、肌もしっとりしてるし柔らかい……」
全裸に驚愕しているルフィを差し置いて、モモイとミドリは眠れる謎の少女について調べ続ける。
「……あれ ? なんか文字が書かれてる……AL-IS…… ? 〝アリス〟って読むのかな。これこの子の名前 ?」
「ちょっと待って、これローマ字読みではないんじゃない ?」
「え ? そうなの ?」
AL-IS……あぁ !
……謎に包まれた少女を分析するには、ルフィとモモイの知性ではあまりに足らなさすぎた。
《────状態の変化、および接触許可対象を感知。休眠状態を解除します》
先程までマネキンのように動かなかった少女は、起動音と共に目を開ける。
「め、目を覚ました…… ?」
驚くミドリをじっと見つめる謎の少女。その視線はミドリからモモイ、先生、ルフィと順々に移り変わっていき、最後にぐるっと周りを見て再び静止する。
「………状況把握…難航。会話を試みます……説明をお願いできますか ?」
「え、えぇ !? 説明 ? なんのこと !?」
「せ、説明が欲しいのはこっちの方 !! あなたは何者 !? ここは一体なんなの !?」
「……本機は自我、記憶、目的は消失状態であることを確認。データがありません」
「服もねェしな」
“そこ拘るんだ……”
「うーん……工場の地下、ほぼ全裸の女の子、記憶喪失と思われる状態……いいこと思いついちゃった !!」
「お姉ちゃん ? 今の言葉の羅列からは嫌なことしか思い当たらないんだけど……」
「細かいことは後 ! とにかく今はこの子を部室まで連れて帰ろう !!」
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「あああっ !!! 私のWeeリモコン口に入れちゃだめ !! ぺってして !!」
あの後このASL ? だったかな、そいつをモモイとミドリが所属する部活の部室まで連れてきたんだけどよ、こいつ赤ちゃんみてェだな。何にも分かってないっていうか……つまり変態じゃねェってことか。ミレニアムはひんが高いな。
………にしても、なんかロッカーから人の気配がするな。ロッカーが好きなのか ? まぁいっか、出たくなったら出てくるだろうしな。
「ごめんなァ、お前ハナコと同じタイプじゃなかったんだなァ……」
“ねぇ結局ハナコって誰なの !?”
先生がルフィにいくら聞いたところで〝変態〟としか返ってこなかったため、結局先生はハナコの正体については掴めぬままであった。
「それで……お姉ちゃんの思いついたいいことってなんなの ?」
「よくぞ聞いてくれた !! ……っとその前に、まずは名前からだね ! 〝アリス〟って呼ぼうかな」
「……本機の名称《アリス》。確認をお願いします」
「ちょ、ちょっと待って ! それお姉ちゃんが勝手に呼んだ名前でしょ !? AL-ISちゃんなんじゃないの ?」
「おれはなんとかライオン号と呼ぼうと思ってた」
「ライオンはどこから出てきたんですか !?」
「ASなんちゃらって名前もルフィさんの名前も長くて覚えづらいじゃん ! だからアリスで !! どう ? 気に入った ?」
「………肯定、本機の名称、アリス」
おお、笑顔になったぞ。ってことは感情はちゃんとあるのか。 十 おれには感情がない…… 十 みたいなちゅーにびょうではないんだな。
「見たか !! 私のネーミングセンス !!」
「うーん……本人が気に入っているならいいけど……」
「名前も決めたことだし、次のステップにいこうか !!」
「お姉ちゃん…一体何考えてるの ? 子猫拾ってきたとかそういうレベルじゃないんだからね !?」
「ミドリの方こそよく考えてみてよ、そもそも私たちが危険を冒してまでG.Bibleを探していた1番の理由は部活の存続。そしてそのためには実績を作るか、部員の人数を規定以上にする……このどちらかをクリアする必要がある……」
「ねぇひょっとしてこの子をミレニアム生徒に偽装して入部させる気 !?」
「ご名答 !! さあアリス !! 私たちの仲間になって !!!」
アリスを勧誘するモモイ。……だが、当のアリスはそんなの気にも留めずにモモイのゲーム機を食べていた。
「ああっ !! 私の〝WAN PIECE ゴーイングベースボール〟食べちゃダメ !! 」
「………やっぱりこの子をゲーム開発部に入れるのは厳しいんじゃ……」
「おれはいいと思うけどな〜、面白そうだし !!」
“面白いだけで通すのはキツイんじゃないかな……”
ルフィたちが話していた間にも、アリスはキョロキョロと周りを見渡しながら散らばっているゲーム機類を漁る。
そして、ある一つのゲームカセットにたどり着いた。
「正体不明のものを発見、確認を行います」
「ん…… ? あ…… !! そ、それはっ !!」
アリスが手にしたものを見たミドリは強い動揺を示す。なぜなら、アリスが手に持つ〝それ〟はゲーム開発部の数少ない成果であると同時に、世界政府がその存在をひた隠しにするかもしれないレベルの究極のゲームであり、世間からはゲーム開発部の汚点とされるものだったからだ。
そのゲームの名は────
『テイルズ・サガ・クロニクル』
とあるゲームのコンテストで他の追従を寄せ付けずにぶっちぎりでクソゲーランキング1位を獲得した究極のクソゲーである。
そのゲームのレビューには以下の通りである。
……とまあ、散々な言われようの一品をアリスは手にしていた。
「えっと……ちょっと恥ずかしいんだけど、実はそれ私たちが作ったゲームなの。クソゲーランキングでは1位になっちゃったけど……アリスちゃん、このゲームやってみない ?」
「言動の意図……不明。しかし……肯定、アリスはゲームをします」
「クソゲーランキング1位かァ、おれも気になる !!」
「それは怖いもの見たさとかそういうので言ってないですか ? ま、まぁいいや。せっかくアリスちゃんがやるって言ってくれたし、ちょっと待っててね ! 今セッティングするから !!」
ミドリはいそいそとゲーム機にカセットを差し込む、するとゲーム機につながっているモニターには強調されたフォントで〝テイルズ・サガ・クロニクル〟と映し出された画面が表示される。
「よしっ ! 準備完了 !!」
「アリス、ゲームを開始します」
宣言と共に、アリスはコントローラのボタンを押す。するとなにやら壮大なBGMと共に次々と文字が羅列されていく、どうやらモノローグが始まったようだ。
トミー、メアリー、痴漢、この世の大体を手に入れた男、コール・T・ヨッシャー。彼の死に際のタンスの角に足の小指を打って数秒後の尿路結石の痛風のギックリ腰際に放った一言は、人々を公園へと駆り立てた !!
「何の何のなんだよ」
「ほ、ほら……死に際ってどれくらい死に際なのか分かりづらいじゃん ?」
「これ書いたのお前なのか ?」
「そ、そうだよ ?」
モモイのやつ……オーバーキルしすぎだろ、もうヨッシャーうごけねェよ。しかも全部ちゅーねんの人がなりそうな生々しい症状じゃねェか。
「オレの裁縫か ? 欲しけりゃくれてやる!探せ〜。この世の全てをあそこに置いてきた〜」世はまさに、大快速時代 !!
チュートリアルを開始します。まずはBボタンを押して会話を進めてください
「Bボタン………」
アリスはコントローラをじっと見つめ、発見したゆっくりと指をBボタンに近づけて押し込む。
「56人殺したのさ、テメェのように生意気な奴をな」
「「“ !?!?!? ”」」
突如表示されたゲームオーバーの文字に、アリス、ルフィ、先生は呆気に取られる。言葉には発していないが、〝なんでチュートリアルに従ったらゲームオーバーになるんだよ〟と思っているのが顔から容易に判断できる。
「あはははっ ! ひっかかったね。実はこの場面は山賊に追われている真っ最中で、BボタンじゃなくてAボタンで回避をしなきゃいけないんだよ !!」
「「“ ??? ”」」
〝お前は何を言っているんだ ?〟という表情と共に、思考がフリーズするルフィたち、チュートリアルで引っ掛けなど、ちょっと何言ってるか分からない案件なので当然だろう。
「………改めて見ても酷いね」
共同で作ったはずのミドリですら、この始末である。
「も、もう一度始めます……」
「再開……テキストでは不可解な感情が発生しています」
エンカウント発生 ! 山賊ピグマが現れた !!
「緊張、高揚、興味……」
「Aボタンを押して ! 今度は嘘じゃないから !」
「Aボタン……ガムガムの鉄砲……アリス、攻撃します」
「飛ぶ斬撃を、見たことあるか ?」
「
ピグマが自身の手に持つ刃を振るったと思えば、斬撃がプレイヤーに向かって飛んでいき、ヒットした瞬間画面が暗転する。
「「“ !?!?!? ”」」
「────オレは56皇殺し、ピグマだ」
「飛ぶ斬撃ってかっこいいよね !!」
「………そういうのを出すのはもっと後半の方じゃねェのか ?」
「何言ってるのさ ! 序盤のうちに天井クラスのキャラを出すのが今のトレンドだよ !!」
「し、思考停止…電算処理が追いつきません !」
「あ、アリスちゃん大丈夫 ?」
「………リブート、再開します」
再びコントローラを握るアリス、とりあえず試行錯誤を重ねて山賊ピグマとの戦闘を切り抜けた後、探索によって最初の村で宿を見つけ、睡眠をとることで体力等を回復させた。
────冒険初日、2日目
“…………ん ???”
文に圧倒的な矛盾を感じる先生であったが、彼はもうこの際触れないことにした。
ついにあなたは海の世界へ旅立ちます。どちらで向かいますか?
Aボタン:樽
Bボタン:小舟
「樽と小舟を検索……答え、明白。小舟を選択します」
「漂流しちまった〜、しぬ〜」
あなたはしんだ !
「「“ !?!?!? ”」」
「え、エラー発生 ! エラー発生 !!」
……その後もプレイするアリスには様々な災難が襲った。勝ち目の少なすぎる戦闘の数々、一度でも選択肢をミスると仲間になってくれないキャラたち、あまりにも運ゲーすぎるルートの開放条件……。
そして特に酷かったのはラスボス〝ドウカイ〟との戦闘だ。まず戦闘前に採掘場にいる老人に100回話しかけて信頼度を上げ、とある技を教えてもらわないとドウカイには0.00001ダメージしか通らないとかいうシステムに加え、必殺技でもなんでもないただの通常攻撃、〝ラーメン八卦〟を数回喰らうだけでゲームオーバーになるという鬼畜っぷり。
挙げ句の果てに主人公がドウカイ戦にて数%の確率で起こる覚醒イベントがないとそもそもドウカイを倒せないというあまりにも理不尽すぎるゲームシステム………それらを約3時間一身に受けた
アリスは──────
「………ころ、して……コロシテください………」
──────頭がショートしてしまっていた。
「これごうもんじゃねェのか ?」
今回も閲覧いただきありがとうございました。パヴァーヌ一章はこんな感じでギャグ全開でやっていきます。シリアスは二章からですね。