ゴム人間になってブルアカ世界に来ちゃった…… 作:ぐらんどらいん
いつも閲覧していただきありがとうございます。
曇らせは好きです。ですが最後はとびきりのハッピーエンドがいい。それが投稿主の思想です。
本編、どうぞよろしくお願いします。
その日の私は、とにかくイライラしていた。減らないアビドスの借金、復興に対して無気力な市民、あらゆる手段で私たちを騙そうとしてくる汚い大人たち。何をやっても上手くいかない施策の数々。そしてなによりこんな状況で一丁前に理想だけは高く掲げて、何もできずに足踏みをしている自分に対して怒りが募っていた。
「みてみてルフィくん !! このポスターはねー、昔アビドス行われてた砂祭りのポスターなのです !!」
「砂祭り ?? よくわっかんねぇけど、祭りなら面白そうだな !!」
「でしょでしょ〜 !? 私はこのお祭りを復活させたいんだ !!」
「いいねぇ〜、きっと楽しいぞ !!」
そんな私の状態とは正反対に、ユメ先輩と……ルフィと名乗った男は底抜けた明るい声で話していた。この男は柴崎ラーメンで初めて出会った以降も、定期的にそこで鉢合わせることがあり、そしていつの間にか少なくない頻度でアビドスの校舎にまで来るようになっていた。
最初は警戒していた。キヴォトスでは他に類を見ない男子生徒という存在、そしてトリニティ所属の部外者。わざわざ遠くから来たんだ、何か企んでいるに違いない。
しかし、しばらくの間彼と関わっていて分かった。彼は何か悪いことをするような奴じゃない。……というより、何か悪いことを考えれる程の頭がないと言った方が正しいかもしれない。本当にただ純粋に私たちの所へ遊びに来ているのだ。
実際、彼は私たちがアビドスに留まっている理由を聞かなかった。私たちを騙そうとしてくる連中はいつも留まる理由を聞いてきて、そこに付け入って来るのに。……まあ、彼のことだから『砂漠が好きなんだろうな〜』なんて呑気なことを考えているのかもしれない。
ただ、私たちも彼に留まっている理由を話すことはなかった。私は単純に警戒する必要は無くなったけど、だからといって頼れる存在ないと感じていたから、話す気にはなれなかった。ユメ先輩の方は……お人好しなあの人のことだ『巻き込みたくない』とか、そういった理由だろう。
本来だったら、遊びに来た彼とユメ先輩のバカな言動をため息混じりに眺めて、たまに混ざる。そんな日常が繰り返されていたはずだった。
「そんなことできるわけないじゃないですか、お二人とももう少し現実を見てください」
「そうかてぇこと言うなよホシノ〜。面白そうじゃねェか」
「ッッッ !!! いい加減にして下さいッ !!」
「「え…………」」
──でも、今日の私は、行き場を失っていたドス黒い感情を、八つ当たりするかのように2人にぶつけてしまった。
「勝手に友達ヅラしてズケズケと入り込んで !!!!」
「毎回毎回ヘラヘラ笑いながらバカバカしい夢物語ばかり話してっ !!!」
「私がいつあなたに来て欲しいなんて言いましたか !?!? あなたなんて友達でもなんでもありません !!!!!」
「さっさと出て行って下さい !!! 二度と来るなっ !!!!」
「ほ、ホシノちゃん……」
「ユメ先輩だってそうです !! いつもいつも考えなしの行動ばっかりして !!!」
「その癖簡単に騙されてっ !! 毎回付き合わされるこっちの身にもなって下さい !!!」
「…………ごめん、調子に乗りすぎた……。おれ、トリニティに帰るよ。……バイバイ…………」
ああ、違うんです。本当に謝なきゃ行けないのは私の方なんです。それなのに、私は背を向けて廊下を歩いて去っていくあなたを早く出ていけと伝えるように睨み続けた。
「ホシノちゃん……ごめんね…………で、でもさ !! きっといつか奇跡が起きて実現することだって…………」
「奇跡だとか……そんな曖昧なものを当てにしないで下さいっ !!!」
身勝手に怒鳴り続けた後、私はユメ先輩の持っていたポスターを奪ってビリビリに破った。そして、先輩1人を残して教室から出て行った。
その時の私は、流石に言いすぎた、後で謝ろう。だなんて、呑気なことを考えて、そのまま家に帰ってしまった。
──ユメ先輩が行方不明になるとも知らずに。
「ユメ先輩ッ…… !! どこに……どこにいるんですか !! 聞こえたら返事して下さい !! お願いします…… !!」
ユメ先輩を怒鳴って帰った次の日、いつもよりずっと早い時間に家から出て、生徒会室へ向かった。早く謝って、仲直りしようと。ユメ先輩と仲直りした後はルフィにも謝ってまたいつもの光景に戻ろうと、そう思っていた。
けど、生徒会室にユメ先輩の姿はなかった。最初は、私が早く来すぎたのかな 。なんて思っていたが、いつも通りの時間になってもユメ先輩は来なかった。それどころか、そこから1時間、2時間、3時間以上経っても来る気配は一切なく、モモトークでも返信がない。
流石におかしいと感じて、ユメ先輩を探しに外へ出た。
何時間も、何時間も、ユメ先輩がいそうな場所を探して回った。柴関ラーメンの周辺、ほとんどが空き家になったエリア、そしてアビドス砂漠。自分の思い当たる場所全てを探した。それでも、ユメ先輩が見つかることはなかった。
ユメ先輩、今どこにいるんですか ? どうして私にはあなたの居場所が分からないんですか ?
まだ、まだごめんなさいも言えてないのに。
「嫌……ですよ……ユメせんぱい……お願い…………お願いですから……返事を……返事をして下さいッ !!!!!!」
ホシノちゃんが怒って出て行ってしまってから10分くらい経った頃、カイザーの職員の人がアビドス高校を訪ねて来た。その人曰く『アビドス砂漠のずっと端の方に、砂嵐を発生させる機械があるらしい』と。そのことを聞いた私は一目散に教室を飛び出して、その機械を止める為にアビドス砂漠へと向かった。
これまでホシノちゃんに迷惑をかけてきた分、ここで役に立とう。そんな思いでいっぱいだった。
でも、私はまた失敗した。夢中になるあまり、コンパスを教室に忘れて来てしまった。その結果、自分が今向いてる方角もわからない状態になってしまっていた。
そんな状態で一日経ってしまったのではないかという時間まで砂漠をふらついていると、突如として砂嵐が襲いかかってきた。それだけじゃない、視界が砂で覆われる中で唯一、巨大な影が迫って私に来ているのが見えた。その影はどんどんと鮮明になっていって、やがて巨大な装甲を纏ったヘビとクジラを合体させたような怪物が見えてきた。それと同時に直感した。(ああ、これがカイザーの職員の人が言っていた機械なんだ)と、そして(遭遇してはいけないものだったんだ)と。
必死になって逃げた。逃げて逃げて逃げて、自分が出せる限界の速度で走り続けた。
でも、気づいたら私は地面に倒れていた。巨大な機械の怪物から放たれるミサイルを何発も喰らったせいだろう。もう足に一切力が入らなかった。
結局、私はまた騙されたんだ。
……何にも、ホシノちゃんの役に立たなかったな…………。
巨大な機械がミサイルを装填していくのが見える。あれが放たれた時が私の最期だ。
「ごめんね……ホシノちゃん…………結局私、なにもできなかったね…………ごめんね……。…………ホシノちゃんと一緒にいた日々、本当に楽しかったよ。……ルフィくんも、いつも笑顔でお話し聞いてくれてありがとう。君とお話ししてる時間は、とっても楽しかったよ。……お祭り、実現できなくてごめんね…………」
────………さようなら。
「〝
ルフィ君がいるこの世界ではユメ先輩失踪の原因はネフティスの契約書ではなくカイザーです。ルフィ君がアビドスに介入した事でホシノとユメの喧嘩(?)の日付が原作よりズレた感じですよろしくお願いします。
短くなって申し訳ありません。なる早で次回を出します。
今回も閲覧していただきありがとうございました!!!!
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