うおw 人生って辛いでしょ。龍生の始まりよね   作:匿匿名

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ゴングを鳴らせっ 竜生開始だっ

 とある高校。朝のHRも終わり。岡ちゃん先生の古典の授業が始まっている。

 

「怒らないで聞いてくださいね。若葉さんって顔はいいけど、完全にボッチじゃないですか」

 

 高校一の美人、若葉姫色さんをチラッと盗み見ながら、心の中で忌憚のない意見を呟く。

 そう、俺は机の下で猿をもじった有名漫画家の漫画を隠して読んでいる。

 俺こそ誇り高きタフの読者、悪名高きマネモブよ。

 

「ファ~眠い」

 

 昨日、遅くまでネトゲしてたからね! 

 少し、寝るか! 

 

「な、なんだあっ!」

 

 机に突っ伏そうとした瞬間だった。

 教室の空間に黒い亀裂が走り、圧倒的な熱量の爆発が押し寄せた。

 マネモブは絶命した。

 

 ◇

 

「しゃあっ……って、えっ?」

 

 目を覚ますと、そこは薄暗い洞窟だった。

 ううん、どういうことだ。

 

 俺の周りには割れた卵の殻が転がっており、ドラゴンの幼体っぽい生物が何匹も蠢いていた。

 自分の手足を見下ろす。鱗がある。

 

「つまり、俺はドラゴンに転生したということか?」

 

 何で人外に転生しとるんや! 

 俺は清く正しく生きてきただろうが! えーっ!! 

 

「ピギー!!」

 

 突然、ドラゴンの悲鳴が聞こえた。

 振り向けば、クソデカい蜘蛛が今の俺の兄弟たちを食っていた。

 

 短い間で、あんまり愛着はわかなかったが。

 ごめんな! 兄弟! お前の命は俺の中で生き続ける! 

 

 俺は兄弟を尊い犠牲にし、全力でデカ蜘蛛から逃げ切った。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『愛情LV1』を獲得しました》

「条件を満たしました。称号『歪んだ愛』を獲得しました」

《称号『歪んだ愛』の効果により、スキル『治癒魔法LV1』と『外道魔法LV1』を獲得しました》

 

 やまかしいわっ! 

 

 ◇

 

 それから、数時間。

 巣を離れた俺は、迷宮内を彷徨っていた。

 

 さっき、歩いていた時に見かけた変な虫をかじったら舌が焼けて死にそうになった。

 食べられる物か分からないと、この環境では死ぬと考えられる。

 

 なんか、そういうスキルないかな~

 異世界なんだからあるだろ。分析とか、鑑定とかさ。

 

<<現在、所持スキルポイントは10000です。スキル『鑑定LV1』をスキルポイント100を消費して習得可能です。

 習得しますか?>>

 

当たり前のこと抜かすな!

 

<<『鑑定LV1』を習得しました。残りスキルポイント9900ポイントです>>

 

 スキルポイントなるものは消費したみたいだが、必要経費だろ。

 さっそく、目の前の石に向かって発動するぞ! 

 

『石』

 

 は? 

 

<しゃあっ!>

 頭にスーっと、見ればわかるゴミみたいな情報が入ってきた! 

 

 ゴミみたいなスキルだな! 死んだ方がいいぞ! 

 まあ、LV1なら仕方ないけど。

 

 ダメな子ほど可愛いとも言う。

 逆にこのスキルに愛着が沸いて来た。

 強くなれ! 『鑑定』! お前はこの世界のスキルを背負って立つ男になるんだ! 

 

<<熟練度が一定に達しました。スキル『鑑定LV1』からスキル『鑑定LV2』になりました>>

 

『エルローゲーレッシュー』

 

 何かこいつを使えるようにする方法はあるのかと。

 試行錯誤していると。鑑定がLV2に上がり分析できる項目が増えた! 

 

 お前! やれる奴なのか! 

 俺はひたすら鑑定して熟練度を稼ぎLVをガンガン上げていった。

 LVが上がるたびに鑑定項目が増えていく。

 そして、自分自身を鑑定した。

 

『スモール・レッサー・ドラゴンLV1

 

 HP:100

 MP:100

 SP:100(黄)

  :100(赤)

 

 平均攻撃能力:70

 平均防御能力:70

 平均魔法能力:70

 平均抵抗能力:70

 平均速度能力:70

 スキル

「掲示板形成LV1」「鑑定LV6」「外道魔法LV1」「治癒魔法LV1」「龍鱗LV1」 「n%I=W」』

 

 掲示板形成やと! 

 

『掲示板形成:異なる世界の住民たちとの交流を掲示板を通して可能にする』

 スキル欄を広げると予想通りに効果だった! 

 

『【急募】ワイ、異世界のトカゲになる【しゃあっ!】』

 

 俺は早速スレッドを立てた! 

 

 

 

 ──ー

 

 

1:二次元好きの蜘蛛

 おお! ホンマに開いた! 

 

2:二次元好きの蜘蛛

 な、なんだあっ! 

 

3:二次元好きの蜘蛛

 急に頭の中に掲示板が開いたで! 

 

4:二次元好きの蜘蛛

 ワシはパソコンの画面が乗っ取られとる! 

 

5:二次元好きの蜘蛛

 な…なんや このクソスレは (ギュンギュン)

 

6:二次元好きの蜘蛛

 早う、出て来て説明せんかい! イッチ! 

 

7:イッチです! 

 スレタイ通りや! 異世界にドラゴンとして転生したんだよね。怖くない? 

 ちな、転生は二回目や! 

 

8:二次元好きの蜘蛛

 ほお、転生スレか。どれ、俺にも見せてみろ

 

9:二次元好きの蜘蛛

 犬は転生までの経緯も含めて詳細を教えろよ

 

10:イッチ! 

 そうやな! 簡単に説明すると。こんな感じや! 

 ・転生して高校の授業を受けていたら、突如、教室に亀裂が走って爆発に巻き込まれ死亡

 ・目覚めたら、異世界のエルロー大迷宮ってとこにドラゴンとして転生

 ・『掲示板形成』ってスキルを発見スレ建て

 って流れや! 

 

11:二次元の蜘蛛

 転生状況といい、エルロー大迷宮って

 

12:二次元好きの蜘蛛

 イッチ前前世に何をやらかしたんや! 

 

13:二次元好きの蜘蛛

 あ~あ、イッチ最悪な所に転生してもうたな

 

14:イッチ

 >>11

 >>12

 どういうことや? もったいぶらずに教えてくれよ

 

15:二次元好きの蜘蛛

 しゃあない。教えたる

 

16:二次元好きの蜘蛛

 イッチが転生した世界は蜘蛛ですが、なにか? の世界や

 

17:二次元好きの蜘蛛

 蜘蛛ですが、なにか? ~ 俺は漫画は基本的に猿先生の漫画しか読まないんすよ

 

18:二次元好きの蜘蛛

 あれ、知らんのか。一時期、テレビでアニメ化したり漫画したりしとったやろがい! 

 

19:二次元好きの蜘蛛

 しょうがねえなぁ。プライベートで小説呼んでるときに。

 蜘蛛ですが、なにか? はweb発祥のネット小説や。

 

20:二次元好きの蜘蛛

 主人公。「私」こと蜘蛛子が過酷な迷宮でサバイバル。

 果ては世界の命運をかけた戦いを繰り広げたりする! 

 

21:二次元好きの蜘蛛

 主人公こと蜘蛛子はお前のクラスメイトの若葉姫色の記憶を持ったお前らが教室で飼ってた蜘蛛や。

 

22:二次元好きの蜘蛛

 教室の爆発に巻き込まれた全員が転生しとるで。邪神Dの手によってな

 

23:イッチ

 なにっ! みんなも転生していたのか! 

 邪神D? 

 

24:二次元好きの蜘蛛

 邪神Dは本物の若葉姫色や

 

25:二次元好きの蜘蛛

 全宇宙から恐れられる最低最悪の邪神。メスブタを超えたメスブタ、それが邪神Dです

 

26:二次元好きの蜘蛛

 簡単に言えば、タフにおける鬼龍ポジのキャラや! 

 

27:イッチ

 ふーん。若葉さん……。あの人神だったんですね。

 元クラスメイトが愚弄されているというのに、激しく“同意”したいという衝動に駆られる! 

 

28:イッチ

 それで>>13さん

 最悪な世界ってのは? 

 

29:二次元好きの蜘蛛

 ああ、そのことか。

 イッチ、お前が転生した世界は過去人類が大罪を犯したことで

 システムがひかれ、魂が世界に抑留されてて転生を続ける世界や

 

30:二次元好きの蜘蛛

 転生の度、記憶は消され。擦り切れるまで過去の罪を清算し続けるんや

 まあでも、イッチ達、転生者は大丈夫でやんす。寛大なる邪神Dは死んだら正規の輪廻に戻してくれますから

 

31:二次元好きの蜘蛛

 まあ、ポティマスという惑星の屑が居る限りそれも不確かなんやけどな。ヌッ!

 転生者たちを極楽魂ミキサー部屋へ監禁しろ

 イッチ達はエネルギーになるんだ 悔しか 

 

32:イッチ

 ウ……ウソやろ こ……こんなことが

 こ……こんなことが

 こ……こんなことが許されていいのか

 

 ワシら一切、関係ないやんけ! 

 邪神Dのアホー! しばくぞー! 

 

33:二次元好きの蜘蛛

 いいんだ。はた迷惑なDにはそれが許される

 

34:二次元好きの蜘蛛

 強くなければとっくに消されるような性格をしている。

 それが邪神Dです

 

35:二次元好きの蜘蛛

 人面獣心のクソ野郎と言ってるんですよ。D先生

 

36:二次元好きの蜘蛛

 ククク……ひどい言われようだな。

 まあ事実だからしょうがないけど

 

37:イッチ

 ワシはどうやったら生き残れるのか、教えてもうおうかァ? 

 魂をすり減らされて死ぬなんてごめんだよね。パパ

 

38:二次元好きの蜘蛛

 神になれ イッチ!! 

 神になればシステムから解放される。

 お前が生き残るにはそれしかない! 

 

39:二次元好きの蜘蛛

 まあ、イッチは魔物やしな。

 このまま、スキルを育てない方法では生き残れんか

 

40:二次元好きの蜘蛛

 そや、ただでさえ過酷な迷宮内。

 スキルを育てるなっていうのは余りにも酷や。

 なら、もう一縷の望みかけて強くなるしかないんじゃあっ! 

 

41:イッチ

 神になる? 

 一体どうやって? 

 

42:二次元好きの蜘蛛

 それはワシらが教えたる! 

 

43:二次元好きの蜘蛛

 とりあえず、レベルを上げて進化しまくるんや! イッチ! 

 

44:二次元好きの蜘蛛

 幸い、わしらは有用なスキルやらを知ってる。

 ワシらのアドバイスを聞いてれば、すぐに最終進化まで導くで! 

 

45:二次元好きの蜘蛛

 場所やステータスを寄越せ、イッチ! 

 それで育成方針を組んだる! 

 

46:二次元好きの蜘蛛

 エルロー大迷宮って行っても階層によって生態系が違うしな

  

47:イッチ

 オッケーっス。

(画像)

 これが俺のステータス。

 >>44、45

 場所はエルロー大迷宮の下層っス。

 

48:二次元好きの蜘蛛

 …………

 

49:二次元好きの蜘蛛

 大外れを超えた。大外れ

 

50:二次元好きの蜘蛛

 あちゃー、種族は大当たりだけど、階層ガチャ失敗っスね

 

51:二次元好きの蜘蛛

 待てよ

 物語はこれから面白くなるんだぜ

 

52:二次元好きの蜘蛛

 イッチはドラゴン。

 初期蜘蛛子の貧弱なステータスとは比べ物にならないんだぜ。

 特にこの基礎ステータスにスキルポイント。魅力的だ

 

53:二次元好きの蜘蛛

 おお、確かに! 

 このステータスならやっていけるかもしれないのん

 

54:二次元好きの蜘蛛

 それに外道魔法と鑑定を取っている! 

 お目が高いと考えられる

 

55:二次元好きの蜘蛛

 イッチ、今から俺たちが指示を出す。指示通りに行動するんだ。

 先ずはステータス増強系のスキルを全部とれ。

 

56:イッチ

 分かったっス! 

 

57:二次元好きの蜘蛛

 七大罪スキル、七美徳スキルという強力なスキルがあるはずだ! 

 どれか取れそうなものはあるか? 取れるなら何でもいい! 

 

58:二次元好きの蜘蛛

 待てよ。外道無効を取らせないと、イッチが精神汚染されるんだぜ。

 その為のポイントは確保しておくべきなんだぜ

 

59:二次元好きの蜘蛛

 ふうん。そういうことか。

 イッチ、低ポイントで取れるスキルを探せ! 

 

60:二次元好きの蜘蛛

 クソチートの傲慢は何に変えても取るべきだと思うっス。

 忌憚の無い意見ってやつっス

 

61:二次元好きの蜘蛛

 いや、ちょっと待てよ

 イッチが魔王陣営に加わる可能性もあるんだぜ

 

62:二次元好きの蜘蛛

 蜘蛛子が神になって白織にならないと。

 万が一、イッチが神になれなかった時の保険が聞かなくなるんだぜ

 

63:二次元好きの蜘蛛

 なら、蜘蛛子や魔王陣営が習得するスキルはできるだけ捕らせない方針でいくべきってことか、ゲン! 

 

64:イッチ

 取れそうなスキルがあったっス

 

65:二次元好きの蜘蛛

 おお、帰ってきたかイッチ。で、なんやったんや! 

 

66:イッチ

 強欲っス。これは100ポイントで取れそうっス。

 

67:二次元好きの蜘蛛

 ヨシ。イッチ

 それを取れ! そしたら、魔物を狩りに行くぞ! 

 

68:二次元好きの蜘蛛

 狙いはお前の同族。レッサー・スモール・ドラゴンや! 

 

69:二次元好きの蜘蛛

 ほお、カニバリズムか

 

70:二次元好きの蜘蛛

 ああ、カニバリズムのカーニバルだぜ

 

71:イッチ

 か…堪忍してください。

 俺はそういう趣味はないんです。

 

72:二次元好きの蜘蛛

 怒らないで聞いてくださいね。

 あなたがいるのは自然界ですよ。躊躇うなんてバカみたいじゃないですか

 

73:二次元好きの蜘蛛

 お前は、元人間のはずだ。イッチ! 

 

74:二次元好きの蜘蛛

 人間を殺すわけじゃない。

 罪悪感もさほどわかないだろう

 

75:イッチ

 わ……わかりました

 同族を喰います

 

76:二次元好きの蜘蛛

 よう言った。イッチ。それでこそ男や! 

 

77:二次元好きの蜘蛛

 ……

 

78:二次元好きの蜘蛛

 ……

 

79:二次元好きの蜘蛛

 ……

 

80:二次元好きの蜘蛛

 行ったか? 

 

81:二次元好きの蜘蛛

 行ったやろ。いやー、楽しみやのう。イッチが「禁忌LV1」を獲得するのが

 

82:二次元好きの蜘蛛

 ククク……いずれは「禁忌LV10」にして、脳に幻魔を植え付けてやりますよ

 

83:二次元好きの蜘蛛

 禁忌LV10は神化への絶対条件。イッチは脳に消せない幻魔を叩きつけられるのは確定事項なんだ

 

84:二次元好きの蜘蛛

 悔しいだろうが仕方ないんだ

 

85:二次元好きの蜘蛛

 掲示板民

 システム

 そして、俺がイッチを支える。

 ある意味“最強”だ

 

 

 

 ◇

 

「ガッ、ガッ」

 

 冷たい咀嚼音が迷宮に響く。

 

 俺はあの巣に戻り、産まれたての同族を殺し喰らっていた。

 

 クククク……血はビタミン、ミネラル、タンパク質、そして塩分が含まれている完全食だァ

 

《条件を満たしました。称号『血縁喰ライ』を獲得しました》

《称号『血縁喰ライ』の効果により、スキル『禁忌LV1』『外道魔法LV1』を獲得しました》

《『外道魔法LV1』が『外道魔法LV1』に統合されました。熟練度が一定に達しました。スキル『外道魔法LV1』が『外道魔法LV2』になりました》

 

 禁忌か。

 まさにこれから、他の生命を奪い殺し尽くす俺にふさわしい。

 

 傲岸不遜な龍とはこの俺のことよ。

 俺はドラゴンの亡骸を余すことなく腹の内に入れた。

 

 

 

 

 

 

 

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