宇宙戦艦ヤマト2199 アルドノアの輝き   作:アルドノアって魔法みたいなもんじゃね?

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第1話

2180年の第四次ヴァース戦争まで、強大な工業力とアルドノアドライブの力を背景に発展してきたヴァース帝国。その本拠地であった火星ヴァースのアルカディア港に、3人の地球連合軍新米士官の姿があった。

 

「それにしてもヴァースが敗戦してからまだ20年も経ってないのに、この有様とは…」

「さっきペガサスで見てきたけど、ヴァース時代の建物やインフラは軒並み使えないわ。エアロックが生きてればもう少し快適に過ごせるかとと思ったけど、そうもいかないみたいね」

「全く、ここに落とされてから3週間か…め号作戦は成功したのかな」

「冥王星では兄さんが戦ってるっていうのに…こっちはこんなところで…」

 

第7航宙団空間戦術科の古代進3等宙尉、第101宙挺団航宙運用科の島大介3等宙尉、そして火星方面空間機甲隊のフリージア・エンヴァース准宙尉の3人だった。

ヴァースの技術を使い、全天周モニター化された最新鋭カタフラクトのKG-24ペガサスは、単独での大気圏突入能力やブースター装備による単独での大気圏離脱能力などを有する高性能機で、熱核融合エンジンを搭載しており、アルドノアは搭載されていない。

 

(ここに来るのはいつ以来かしら…)

 

その時、島が司令部より通信を受ける。

 

「はい、了解」

 

島が古代に宇宙服のヘルメットを投げる。

 

「出番だぞ」

 

フリージアは自らの宇宙服のヘルメットをつけながら微妙な顔をするが、そのまま乗機のペガサスへ向かう。

 

「護衛フォーメーションはB、古代三尉の後ろにつけるわ」

「オーケー、頼む」

 

スキー板状の降着装置を取り付けられた100式空間偵察機の後ろを飛行するペガサス。しかし、人型機動兵器である以上、空間航宙機にはスピードは劣る。だが、汎用性や機動性に加えて重機代わりにもなるカタフラクトは今でも主要戦力であり、こういった単独護衛もカタフラクトの方が良いことも多い。

 

火星の薄い大気圏に超高速で突入してくる船艇が見える。

 

「アレか」

 

しかし、損傷しているのか、降下中に爆発してしまう。

 

「おい、古代!?」

「脱出艇だ」

 

地上に着陸する100式空間偵察機。

幸いにも砂嵐は無く、古代と島はすぐに脱出艇を発見する。

少し遅れて、脱出艇の近くに着陸したペガサスは96式77mm荷電粒子機関銃を構えながら周囲を警戒する。

 

(ふぅん…ヴァースや地球とも違う…ガミラスに近い…)

 

「どうだ?」

 

脱出艇の中にいたのは、若い女性であった。古代はマルチ端末を彼女に向けて彼女の生体反応を確認したが、首を横に振った。

 

「女…だよな?」

「ああ…キレイな人だ」

「古代三尉、島三尉、亡くなっている方でもセクハラでしてよ」

 

彼女が胸元で抱えていたラグビーボールのような機器を島が手に取る。

 

「…これか」

 

3人が回収を命じられた物品であった。

本来なら彼女も丁重に迎える必要があったのだろうが。

 

 

遠き星から来た使者である彼女を、この砂嵐舞う火星の大地に放置する訳にもいかない。

ペガサスの指で簡単に穴を掘ると、フリージアは脱出艇から抱き上げる。

小さい火星の重力のお陰で、古代や島よりも非力なフリージアでも彼女を抱き上げることができた。

 

「彼女も最期くらいイケメンの方が良かったかしら?でも、古代三尉や島三尉が彼女の好みかは分からないもの」

 

いたずらっ子のような笑みを浮かべながら異星の使者へ語りかけるフリージアは、どこか神話のような美しさを孕んでいた。

 

男2人は、せっせと脱出艇の残骸から彼女の墓石になるようなモニュメントを手作りしていて、彼女たちの方は見ていなかった。

ペガサスで掘った即席の穴に彼女を寝かせ、薄い大気の火星でフリージアは宇宙服のヘルメットを外す暴挙に出て、彼女へ自身の唇を落とした。

 

「死者に起動因子は渡せないけれど、私の誠意よ…」

 

古代と島に気づかれる前に、すぐにヘルメットを被り直す。

 

そして3週間後、彼らは彼女の墓を背に火星を後にした。

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