書いている時は考えていなかったけど、前回の弓月の
「遺言でも託されない限り、私達が死んだ人間にしてあげられることは何も無いし、償いも弔いも今を生きる人間が自分に折り合いをつけるためのものでしかない」
――ってセリフは、アニメ最終話(原作4巻ラスト)の延珠の
「痛かったかな。辛かったかな。妾たちがなにかしてあげられることって、出来なかったのかな」
――という問いかけに対する弓月の解答なのかなと思った。
死んだ人間にしてあげられることは無いという厳しい否定の解答と「だからアンタが気に病む必要はない」という彼女なりの不器用な優しさがこの言葉に含まれているんじゃないかと手前味噌ながら思った。
ガストレアによる空港占拠事件発生から4時間が経った。
アクアライン空港第1ターミナルの屋上で里見蓮太郎はどこか遠くを眺めていた。仮面越しで一望する東京エリア。太陽に照らされた静かな空港と東京湾、そして対岸に立ち並ぶビル群と聳え立つモノリス。5年前から何も変わっていない光景は“かつて幸せだった頃の自分”を思い出させる。しかし、蓮太郎は思い出を噛み潰すように心から封じて行く。
飛行機が全く飛ばないせいか轟々と吹く海風の音だけが耳を包んでいく。しかし、空を見上げると自衛隊の高高度偵察ドローンが飛んでおり、海には海上自衛隊の護衛艦、空港の対岸の陸地には陸上自衛隊の戦車が整然と並んでいる。
屋上から見える光景だけで蓮太郎には聖居の対応は見えていた。聖居は交渉するつもりなどなく、自衛隊の火力でガストレアを駆逐し、特殊部隊か民警を使って自分を拘束しに来るだろうと――。ガストレアを制御から離し、数万人の殺戮劇を開始するには十分な理由が揃っていた。
しかし、蓮太郎はそれでもガストレアを制御から切り離さない。それどころか自衛隊に囲まれて四面楚歌の状況を楽しむかのように一人ほくそ笑んでいた。
「テロリストと交渉するつもりは無いか……。それで良い。聖天子。そうでないと国家元首失格だからな」
太陽が傾き、夕日に照らされてターミナルと滑走路は赤く映りはじめる。もうすぐ日が沈む。自衛隊の攻撃は、そろそろ始まるだろうと蓮太郎は考えていた。タイムリミットにはまだ余裕があるが、昼と夜では確保できる視界に大きな差が出る。人質救出が不可能な状態でガストレアの駆逐をこなす自衛隊には迅速かつ対象のみを破壊する精密な攻撃が要求される。レーダーや暗視スコープが発達しているとはいえ、有視界戦闘で昼の“目”以上に信頼できるものはなく、自衛隊にとって、この差は致命的なものになる。
故に蓮太郎は、総攻撃が日没前か、翌朝の二択で考えていた。人質の体力と偵察ドローンの動きから考えて、日没前の可能性が強まっていく。
「もうすぐだ……。もうすぐ終わる」
蓮太郎はスーツのポケットから切れたブレスレットを取り出す。クロームシルバーのメッキが剥がれ、素材のアルミが剥き出しになっている。
「ごめん……延珠。俺は……お前みたいに世界を許せる強さを持っていなかった。ごめん……木更さん。俺は……俺から木更さんを奪った正義を信じる強さを持っていなかった。だけど、2人が託してくれたものを無駄にはしない。ここで終わりにはさせない」
蓮太郎はリングを内ポケットの中に入れる。それと同時に彼の目は険しくなり、凶悪なテロリストに相応しい面持ちに変貌する。
「東京エリアよ!テロリスト、里見蓮太郎はここにいる!俺の首を取るのは誰だ!?自衛隊か!?警察か!?それとも民警か!?誰でもいい!取りたければ取りに来い!! “里見蓮太郎”を終わらせろ!!」
――そして、祝福するんだ。新たな“正義の味方”の誕生を。
*
静寂とした聖天子執務室から出て、
作戦本部に備え付けられた固定内線で前田防衛大臣が何者かと連絡を取っている。「――そうか。分かった」と言い、防衛大臣は内線の受話器を置いた。そして、真剣な面持ちで聖天子に視線を向ける。
「聖天子様。自衛隊の準備、完了しました。いつでも行けます」
立て続けに各省の大臣たちが対応の進捗を報告していく。
「空港周辺の主要道路の封鎖は完了いたしました」
「受け入れ先の医療機関の選定は完了しております。各機関の受け入れ態勢も整っています」
聖天子は深呼吸すると、作戦本部のスクリーンに映された映像を眺める。東京エリア最強の元プロモーターが率いるガストレア群に支配され、今も3万人近い人質が屋内に取り残されたアクアライン空港。内外の情報収集は想定以上に進み、攻撃計画の完成度も高くなったとはいえ、不利な状況で総力戦をせざるを得ない状況に変わりは無かった。入念な準備を行ったとはいえ、数万人の国民を戦場のど真ん中に叩き込む決断の重さがこんなにも重いものとは思ってもいなかった。しかし、今が決断の時だ。今、ここで彼女が口を開かなければ何も始まらず、何も動かず、これまでの準備が全て無駄になる。
聖天子は為政者として覚悟を決めた。
「始めてください。全ての責任は私が負います」
*
アクアライン空港を対岸に迎える東京エリア沿岸部では自衛隊の10式戦車が砲身を空港に向けて並び、後方には自走高射砲、自走りゅう弾砲、82式指揮通信車が構える。明るい暖色を基調としたタイルで歩道や柵が装飾されていた若者に人気な休憩スポットはダークグリーンの装甲車に埋め尽くされ、自衛隊員と市街地でガストレアを待つ民警たちが持つ銃器によって、殺伐とした雰囲気が漂っていた。
ガストレアが群がる空港を目の前にした状態で待機命令を出された隊員たちはいつ発令されるか分からない攻撃命令を今か今かと待ち侘びる。
陣地の後方に仮設された作戦本部で坂東師団長は通信機を耳に当て、機器の向こう側にいる人間の言葉に耳を傾ける。話が終わると師団長は「――――了解しました。直ちに開始いたします」と静かに答え、通信を切った。
「各隊に通達。聖居より作戦の許可が下りた。300秒後に空自による飛行ガストレアへのミサイル攻撃が開始される。飛行ガストレアの殲滅を確認後、攻撃ヘリ部隊と地上部隊を投入。空港に潜入した特殊作戦群と連携し、地上のガストレアを掃討する」
師団長より各隊の指揮官に伝えられ、そこから一斉に出撃命令が下される。まるで最初からそうプログラムされた機械のように隊員たちは待機状態を解き、出撃体制を整える。300秒=5分という僅かな準備時間に「早すぎる」や「急だ」という隊員はいなかった。全員が1分後でも出撃できるように待ち構えており、「ようやく来たか」「遅すぎる」と微かな私語が口から零れるほどだった。
300秒きっかりに準備を終えると空から幾重にも重なった轟音が響き始める。空港に眼を向ける隊員たちの頭上を無数の
無人偵察機による観測と作戦本部からの肉眼による観察で飛行ガストレアの殲滅を確認する。
「これよりハネダ作戦を開始する。ヘリ部隊を投入。続いて地上部隊を展開せよ」
ミサイルを撃ち尽くしてUターンする無人攻撃機に代わってAH-64D アパッチ・ロングボウ、AH-1 コブラで構成された攻撃ヘリ部隊が空港に突入する。前傾姿勢になり、メインローターを傾けることで浮力を犠牲にしながら全速力で空港に向かう。
「本作戦は市民の避難が完了していない状態での遂行となる。全機、機銃のみでガストレアを掃討せよ。繰り返す。全機、機銃のみでガストレアを掃討せよ。――建物に当てるなよ」
攻撃ヘリ部隊は連絡通路から離れた主要ターミナル、滑走路の上空に展開し、ホバリングした状態でガストレアに機銃を向ける。
「射線上に人影なし」
その言葉が攻撃開始の合図だった。滑走路と主要ターミナルに展開した攻撃ヘリ部隊は武装のロックを外し、M230機関砲から30mmバラニウム弾頭弾をガストレアに向けて放つ。雨のように降り注ぐ黒い弾丸は地上のガストレアを次々と粉砕していき、滑走路とターミナル周辺を紫色の血液と肉塊で埋め尽くしていく。
ようやく攻撃が始まったと気づいたのか、ガストレア達は一斉に動き出した。交渉決裂の報復のため、人質を押し込めた建物に向かっていく。攻撃ヘリは建物に近づくガストレアを優先的に攻撃していくが、建物に近ければ近いほど被害を出さない精密な射撃が要求され、結果的に難易度は高まってしまう。加えて、一部のガストレアは建物の影に逃げ込み、空から攻撃できない死角へと入り込んでいく。
「アタッカー1からSへ。第2ターミナルの西側に4体入り込んだ」
『Sからアタッカー1へ。了解した。残りのガストレアはこちらで処理する』
通信を終えた途端、1秒も経たずに
*
攻撃ヘリと地上部隊による第一波、特殊作戦群による第二波の成功はドローンの空撮で国家安全保障会議にも届いていた。成すべきことを成し、後は現場の働きが上手く行くことを願うしかなかった大臣たちも自衛隊による迅速な掃討作戦には感嘆をあげる。
「滑走路とターミナル周辺のガストレアの殲滅を確認。連絡通路より突入した地上部隊も各施設を制圧。現在のところ、被害は報告されておりません」
作戦本部から報告を受けた防衛大臣の言葉に国家安全保障会議の閣僚たちは一息吐く。
「とりあえず第一波は成功か」
「まだ安心できんぞ。ガストレアは1匹でも脅威だ。その上、被害が出れば、それは指数関数的に膨れ上がる」
「言われなくても分かっている。だが、ターミナルと滑走路は奪還したも同然だろう」
会議室からは楽観視する声が次々と挙がって来る。それを良しとしてはいけない、第二次世界大戦も第一次・第三次関東会戦もそれで壊滅的な被害を受けたではないか、誰もが頭で思っていたが、ドローンによる空撮で映し出されるワンサイドゲームを見ていれば、自衛隊の勝利を確信してもおかしくはない状況だった。
*
――もう終わってしまったか。
アクアライン空港の第二ターミナル、空港警備隊のオペレーションルームの端にあるソファーに腰をかけ、芹沢遊馬は空港の監視カメラ越しに東京エリア自衛隊の活躍を見ていた。
ガストレア騒動に(意図的に)巻き込まれ、SPの機転によって彼は空港内で一番安全な第二ターミナル・空港警備隊オペレーションルーム連れられていた。その機転は護衛対象を守るためのものだったが、テロの共犯者である遊馬にとって無意味なように思えた。しかし、“護衛対象”としてではなく“テロの共犯者”として、空港全体の様子が見られるオペレーションルームに連れられたのは僥倖だった。
芹沢遊馬、そして彼の背後にいる“グリューネワルト嬢”の目的は、東京エリア市民にガストレアの恐怖を思い出させることだ。世論を防衛費の増大、自衛隊の強化に傾けさせ、次世代装備のコンペティションに博多黒膂石重工の次世代バラニウム兵器を参入させる。簡単に終わってしまったら、市民は「今の自衛隊でも十分」だと思ってしまう。それだけは避けなければならなかった。
――もう少し自衛隊を苦戦させると思ったが、甘く見ていたようだ。彼らが優秀で頼もしいことは同じ日本人として嬉しいが……今回はそれじゃあ困る。
「すまないが、秘書にメールを送っても構わないかね?」
「どうぞ」
――里見には悪いが、こちらでもう少しスパイスを足させてもらおう。
*
連絡通路から離れたターミナル、滑走路のガストレア掃討に向かっていたヘリ部隊は生きたガストレアの姿が消えたところで一息吐く。市民の避難を行わないまま、建物に当てず、ガストレアを1匹も通さず機銃のみで掃討するという前代未聞の作戦をやり遂げた。機銃の残弾も残り僅か、ロケット弾やグレネードの使用が許可されていない現状、この機体で出来るのは飛び回って生きているガストレアを探すぐらいだった。
「第一フェイズ完了、第二フェイズへ移行する」
ヘリ部隊は1機が弾薬の補給に戻り、残りの2機で索敵を継続する。そのローテーションを繰り返す第二フェイズへと移行する。攻撃ヘリ部隊のアタッカー2は補給のローテーションが来るまで空港の上空を旋回し、地上で生きているガストレアを探すが、眼下の光景にはガストレアの死骸しか映らない。空港の各地でまばらに鳴り響いていた地上部隊の銃声も止んできている。
――作戦完了も時間の問題だ。
誰もがそう思った時だった。まるで排水溝から湧き出るドブネズミのようにワラワラと新たなガストレアが地下駐車場の入口から姿を現す。作戦前の偵察で存在が確認されていなかった新たな個体、完全なる伏兵だ。小型ながら数は地上を闊歩していたガストレアよりも数が多い。数が多いということは、それだけ弾薬を消費してしまう。自衛隊が苦手とする物量戦だ。
「地下駐車場よりガストレア出現!数は50……いや、80!」
「こちら連絡通路守備隊!海中より両生類型のガストレア上陸!推定100!!」
――駄目だ。空港に投入した戦力だけではカバーしきれない。
「作戦本部!こちらアタッカー2、ロケット弾の使用許可を要請する!」
作戦本部からの答えが来る前にアタッカー2はロケット弾の安全装置を外し、発射ボタンに手をかける。犠牲者ゼロなどと悠長なことを言っている事態ではない。躊躇えば人質どころか特殊作戦群と地上部隊すら喪うことになる。作戦本部からは「許可する」と苦虫を噛み潰したような答えが返ってくると思っていた。
『許可できない。あと10秒待て。――彼女が来る』
作戦本部から来た回答はアタッカー2の予想を裏切るものであったが、その後に続く「10秒」と「彼女」という言葉が、彼の指を発射ボタンから離させた。
*
東京エリア湾上空を飛行し、アクアライン空港に真っ直ぐと向かうC-2輸送機の中で、“彼女”は戦場へ立つ準備をしていた。輸送機の中に空挺団はいない。いるのは2名のパイロットと“彼女”1人、そして数十機の黒い直方体の機械だけだ。
「シェーンフィールド、起動」
“彼女”――ティナ・スプラウトが機械の前でそう呟くと、それに応えるように機械は起動する。機械はフレームの隙間から赤いレーザー光を発すると、それをティナに照射する。
≪バイオメトリクススキャン開始≫
マンションで聖天子を迎えた時と同様に着古したTシャツにダメージジーンズという日常的な格好をしていた。しかし、その上には軍用ハーネスを装着しており、グレネードとバレットM82A1の予備弾倉、サブウェポンとしてベレッタM92がホルダーに指しこまれている。6年前、超長距離狙撃を主体とし、ドレス姿で戦っていた彼女からは考えられない戦闘スタイルだ。
≪ユーザーアカウント認証 ティナ・スプラウト≫
≪私は空間制圧型戦闘支援システム シェーンフィールド バージョン6.1≫
≪これより、戦闘準備に入ります≫
≪制御可能なドローンの検索……完了。マザー3機、ドローン40機を確認。Brain Machine Interfaceネットワーク構築完了。装備を確認されますか?≫
――確認済みです。
≪了解しました。マザー、ドローン全機を起動。情報同機を確認≫
輸送機に搭載されていた全ての黒い機械が一斉に起動し、フレームから漏れる赤い光で機内が包まれる。同時にドローンそれぞれに搭載されたモーターから発せられる熱で機内の温度は一気に上昇する。
――指令パターンD2を参照。攻撃の第一目標はガストレア、人命救助、人的被害の防止を最優先。通信チャンネルは東京エリア自衛隊と合わせてください。
≪東京エリア自衛隊とのデータリンク完了。敵味方識別パターン、インストール≫
≪戦闘準備、完了しました≫
輸送機の後部ハッチが開き、熱と共に機内の空気が一気に外に押し出される。眼下に映るのは高度800mから一望するアクアライン空港、生きたガストレアと死んだガストレア、残り少ない弾薬で応戦する自衛隊の姿だ。
ティナは機内に取り付けられた無線機を手に取り、パイロットに連絡を取る。
「全機投入します。ストッパーを外してください」
『了解。ご武運を』
ストッパーが外されると機内に置かれていたドローンが次々と床を滑り、東京エリアの空へと投下されていく。全てのドローンが排出されたことを確認するとティナは、パラシュートも付けずにハッチから飛び降りた。
「安全装置解除!!全ドローン攻撃用意!」
降下していくドローンのフレームが割れ、赤い光が更に露出すると共に前方フレームからはマシンガンやロケットランチャー等の武装が、後部のフレームからはヘリコプターと同様のローターが現れた。
「
投下される40機のドローン、ティナの近くを飛行する3機のマザードローンから銃弾が放たれる。落下速度に乗せられた弾丸は彼女の二つ名“
≪着地ポイント クリア≫
ティナに随伴して飛行するマザードローンが着地ポイントのガストレアを殲滅する。
パラシュートを開かず、片手を付いて着地したティナはコンクリートの屋上にクレーターを作り上げる。通常の人間なら、着地の衝撃で手足は複雑骨折、それどころか打ち所が悪ければ内臓が衝撃に耐えられず潰れてしまっているだろう。しかし、呪われた子供である彼女は、華奢な見た目とは裏腹に体内のガストレアウィルスによって常人を遥かに超える強固な物質で肉体が構築されている。頭から地面に落ちるようなことでもしなければ、“たかが”高度1000メートルから飛び降りたところで何てことはない。
ティナは愛用のバレットM82A1を構え、周囲を見渡す。着地したのは第二ターミナルの屋上。予想通りのポイントに着地していた。そこから周囲を見渡し、同時にドローンから提供されるデータで状況を把握する。
「マザーを経由して全機へ通達。自衛隊と共同でガストレアを殲滅した後、
――攻撃目標を里見蓮太郎に移行してください」
≪了解しました≫
おまけ(けっこう長いです)
自衛隊の装備について
今回は自衛隊が本格的に攻撃を始めた回でしたが、現実の自衛隊には無い装備も登場しています。その理由について説明します。
1.在日米軍の忘れ物
ガストレア大戦時、当時のアメリカ政府は世界各地に駐留する米軍を撤退させ、本国の守りを固める方針を取った。無論、世界各国からは「世界の警察が職務放棄」「米軍がガストレアからケツまくって逃げた」と反発の声が上がり、アメリカ国内でも「米軍は米国だけ守ればいい」という撤退派、「各国と共同でガストレアに立ち向かうべきだ」という残留派で世論が分裂した。(ここまで反発の声が挙がったのは当時の大統領の言動が“あれ”だったせいもあるのだが……)
米軍内部でも撤退派と残留派で分裂。とりわけ在日米軍ではその対立が顕著であり、ガストレアとドンパチする前に撤退派と残留派に分かれて米軍同士でドンパチするんじゃないかと囁かれるほどだった。
何やかんや話が拗れて色々あったが、在日米軍は撤退を決定。軍を引き揚げたが、「行方不明」「紛失」という名目で残留派の人員と装備を日本に残していき、それらは自衛隊に組み込まれた。
2.旧式装備の再稼働
ガストレアという無限に湧いて来る敵に対して装備があまりにも少なかった自衛隊は退役予定だったり、退役済みで解体待ちだったりした装備を無理やり稼働状態に持ち込んで使用した(酷い時は中東のテロ組織の如くトヨタのピックアップトラックに武器を乗せて使用したことも……)。ガストレア大戦が終結し、モノリスによって落ち着いた現在でも慢性的な予算不足と高騰する人件費は大戦前から変わっておらず、再稼働させた旧式の装備が現在でも使われている。
自衛隊内部では民警や呪われた子供に関する法整備と社会福祉に優先して予算を割く現政権への不満が高まっており、過去には何度かクーデターや聖天子暗殺が計画されたが、自衛隊内部で処理されて未遂に終わっている。