機動戦士ガンダム~一年戦争なき世界線で~   作:ミノフスキーのしっぽ

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 迷う。

 ジオン共和国の騎士であるニムバス・シュターゼンやギニアス・サハリンが、如何にしてバイオセンサーとオーラ力を駆使し、地球上でガロウ・ランのモビルスーツ部隊に対抗するのか?

 人体に近い構造を持つMS事態をオーラコンバーターの代わりにして、オーラ力を増幅。

 そこからのハイパーオーラ斬り、オーラ衝き等を修得していないと、敵機の防御用オーラフィールドすら突破できない。
 それでは、一方的に蹂躙される結果となってしまう。

 やっぱり、宇宙世紀でオーラ力の使用方法を伝授する師匠となる人物が必要か。

 ピコーン!(閃いた的表現)

 そうだ! ニンジャを登場させよう!

 鬼滅の刃やジョジョの奇妙な冒険のように、太古から妖(アヤカシ)にオーラ力を用いて対抗して人類を守護してきた集団が存在していたことにしてしまおう!

 じつはニンジャでしたっていうジオン所属のキャラクターは誰にしよう………よし! ガデムさん、君に決めた!

 これでMSに分身のジツを使わせることも可能になるわー!

 ニンジャによるチャドーの呼吸は波紋の呼吸に繋がり、波紋の呼吸はスタンド(幽波紋)の誕生に繋がる!

 MSの機体そのものをオーラコンバーターとしてオーラ力を増幅。機体本来の余剰エネルギーもに合わせて、分身のスタンド(幽波紋)を生み出すのよー!

 分身にオーラ力を振り分ければ、MSのハイパー化(巨大化)防止にもなるわー!

 F91の装甲が剥離して、敵機(鉄仮面のラフレシア)のIAが分身と誤解するトンデモ分身だけじゃ哀しいものねー!  

 疑似質量のある分身と違って本物の分身よー!

 SEED映画版のディスティニーごっこが捗るわー!

 あ、今回の本編後にガデムさんとオーカザキ博士の出会いの外伝置いておきます。トン
 
 



イザナギ/イザナミ・オブジェクト~メビウスの輪を越えて~2

 ここ、月の裏側に位置する実験宙域では、順調にイザナギ/イザナミ・オブジェクトによる起動実験の第一段階、すなわち、完全民主主義システムの実施実験が続行されていた。

 

 「ブグ12機による空間の安定は正常。外部からの過度の影響はこれでシャットアウトできます」

 

 「観測班、どうだ?」

 

 「外部からの干渉、光波、電磁波、重力波、周辺宙域に存在する知的生命体の発する想念等々、遮断率99%以上です」

 

 「ん…よろしい」

 

 12のイザナギ/イザナミ・オブジェクト製の神宝はどうか?」

 

 「12種、共に安定しています」

 

 「そうか。では問題はフィールド内部だけだな」

 

 「そのようです」

 

 観測班からの報告を受け、フラナガン博士がホッと安堵の溜息を吐いた。

 

 すでに実験宙域に張り巡らされた特殊フィールド内には、複数艦船に同乗している多人数の被験者たちが入り込んでいる。

 

 被験者たちは、そのフィールド内でニュータイプ的なテレパスによる投票行動を実施し、イザナギ/イザナミ・オブジェクトに刻み込まれたそれらの情報が、時間と距離を越えて共振する別宙域のイザナギ/イザナミ・オブジェクトに送られるという仕組みだ。

 

 送信先は、フォン・ブラウンシティ沖にある月の表側側宙域と、サイド7沖の実験宙域である。

 

 その最中、フラナガン博士とオーカザキ博士たちが座上し、実験を見守る実験艦クロスストロベリーの格納庫から、大型の鳥型モビルアーマーが発進しようと起動していた。

 

 もちろん、巨人型へと変形し、機体の一部が分離、再合体する特殊機体だ。

 

 「ガデムから第一艦橋へ。ビルバイン、サブエンジンよりメイン・オーラ・ドライブシステムにエネルギーオンライン。アクティブバインダーよりオーラ放出。オーラウイング展開開始。安定し次第、出撃する」

 

 「了解しました。進路クリア、ガデム少佐、発進どうぞ」

 

 「ガデム、ビルバイン出る!」

 

 パプア級双胴型実験艦クロスストロベリー前方ハッチが開放され、まるで巨大な怪鳥のようにオーラウイングを拡げた、MAビルバイン(ビルド・バインダー)が発進していく。

 

 機体の巨大さも相まって、オーラウイングを拡げたその威圧感は半端なものではなかった。再びバサリッと羽搏く姿は神々しくもあり、神獣の如くだ。

 

 発進を見送る整備兵がホウッ…と感嘆の溜息を吐くほどだった。

 

 宇宙(そら)へと飛び立ったビルバインは、そのまま雄々しく、且つ、美麗に両翼を羽搏かせ、月面実験宙域へと侵入していく。

 

 「実験宙域中央部に侵入する。カンダタ・オーラ・ストリング(糸)射出準備。時空間オーラ神経網を同宙域に張り巡らすぞ」

 

 「了解しました。実験に参加するみなさんのオーラ力を神経網にリンクさせて、被験者全員の身体的安定を図ってください」

 

 「了解した!」

 

 (オーカザキのお嬢ちゃんよ。約束通り、人殺しのためではなく多くの人々を助けるMAを造り出したな。どうやら、お嬢ちゃんをサンシタのニンジャ共から助け出した、儂の選択は間違っていなかったようだ)

 

 艦橋のオペレーターとのやり取りの合間にガデムはニヤリと笑みを浮かべる。

 

 (ミナノ・ユメ・オーカザキ…お嬢ちゃんはその氏名の通り、俺たち一般民衆の願いを叶えてくれた。儂も約束通り、その夢の一助になろう!)

 

 ビルバインのパイロットであるガデム少佐は、チャドーの呼吸によって己の体内のオーラ力をより高めた。それを乗機内蔵のオーラコンバーターによってさらに増幅させ、多量のオーラ・ストリングへと変換、機体外部へと放出する。

 

 人類の闘争による共食いのためではなく、進歩のために優れた技術をできるだけ正しく使いたいという、お嬢ちゃん…すなわち、オーカザキ博士…の理念へと殉じるために。

 

 さて、このカンダタ・オーラ・ストリングを放出する機能、じつはビルバイン本来のスペックでは実現不可能な代物だった。

 

 オーラ力を常人以上に強化できる稀有なスキルを有するパイロット、ガデム少佐がいてこそ実現できる特殊技術、時空間オーラ神経網カンダタ・オーラ・ストリングの大量放出であった。

 

 

 

 「見事だな………さすがは元レンポ政府所属のクサ(現地人に扮してその地域に紛れ込むニンジャ)だ」

 

 「しー! フラナガン博士、この世にニンジャは存在しません! 何かの間違いでは?」

 

 「おお…そうだったな、これは失敬失敬! ニンジャはいない!」

 

 「そうです!」

 

 

 クロスストロベリー艦橋から、カンダタ・オーラ・ストリング展開を確認したフラナガン博士が感嘆の声を上げた。あれがニンジャの生命力、回復力を極限まで高め、オーラ力とするチャドーの呼吸、その威力か。

 

 その呼吸法は、様々な妖だけでなく、伝説の吸血鬼すら滅ぼすあの波紋の呼吸に通じているのかと。

 

 (ゴウランガ…オオ…ゴウランガ。オーカザキ博士、君の人脈はどうなっとるんだ。あんなMAまで用意できて)

 

 オーカザキ博士、共同研究者である君には、色々と驚かされる。いつの間にあんな協力者を得ていたのか。そして、あれ程強力なMAをいつの間に設計し、組み上げていたのかと。

 

 だが、同僚の感嘆の声を聴いたオーカザキ博士は、自分のお口の前に人差し指を翳して、フラナガン博士、今は黙りましょうと指示した。ニンジャはいないのですよー。それが暗黙の了解なんですよーと。

 

 そんな子供染みた同僚の態度に、フラナガン博士は苦笑してしまう。

 

 

 「そういえばオーカザキ博士、あなたとミスターガデムとが、どうやって知り合ったか聞いていなかったな。どういった経緯で出会ったのだ?」

 

 !?

 

 「えっ! そっ、それは………あれ? そういえば言っていませんでしたね。初めてサイド3に都落ちして、ダイクン公との面会の後、サイド6にあるニュータイプ研究所を紹介されて、そこに向かうことになったのですが…ね」

 

 突然の同僚の質問に、ちょっと恥ずかしそうに俯くオーカザキ博士だった。じつはその時、オーカザキ博士はかなりのハプニングに襲われていた。

 

 そんな同僚の様子を見て、こりゃあ、それなりのことがあったな…と、フラナガン博士はまたも苦笑する。

 

 認めたくはない、若さゆえの過ちでもあったのかと。

 

 「何、言いたくなければ、無理に聞かんよ」

 

 そうは言ったが、聞き出す気満々のフラナガン博士。

 

 「いえいえ、別に言いたくない程ではありません。ただ、昔の自分は危機感が皆無で、他者からの悪意に対して大した防衛策も講じていなくて…無知でした。お恥ずかしい。それで、悪漢に連れ攫われてしまったことがあるのです」

 

 「ほう、そんな事が? それでミスターガデムに救出されたと?」

 

 「はい…あはは、その話は実験終了の後でしませんか?」

 

 「そうだな。物事には優先順位がある。その後に詳しく聞かせて貰いたいものですな」

 

 「ええ~………仕方ありませんね、では後程」

 

 ミナノ・ユメ・オーカザキ博士は、そうフラナガン博士に応じると、少し困ったように自身の眼鏡のフレーム位置を治す。それは、自分を冷静さを取り戻させるための行動だった。

 

 あの時は我ながら吃驚仰天したなぁ…どう語って良いモノやら…と恥じ入りもする。

 

 それはともかく、今現在は眼前の実験遂行が第一だ。その成否はどうあれ、実験の推移を見守る義務がある。

 ともかく、オーカザキ博士は己の意識を眼前の実験実施に向け直す。

 

 「はっ! それよりも、楽師様、梓弓の鳴弦を! 巫女様方、舞鈴をお願いします!」

 

 オーカザキ博士の意を受けて、出番待ちをしていた方々、サエ・キリン女史による胡弓演奏と、ウラヤスの先代巫女たちによるセッション(神楽舞)が、クロスストロベリー艦内の特設舞台で開始される。

 

 いずれも魔を祓う歌舞演劇であり、地球圏で耐えず発信されている雑多の想念が、実験に影響しないよう空間を清める儀式である。

 

 すでに地球圏は人口110億を超過しており、その絶えず垂れ流される雑多な想念は、すべてが好ましいものではない。時に邪悪な想念も世に放たれて絶えることなく、他者の悪意に耐性がない者たちは、簡単にそれらに影響を受けてしまう。

 

 そういった外部からの影響を、極力抑えるための措置。カンダタ・オーラ・ストリングの時空間神経網を通じて、魔を祓う歌舞演劇の響を実験場に行き渡らせ、清浄化して整える。

 

 アメツチノ ハザマニアリテ ウラヤスノ マガコトシズメ キズナタモタン

 

 他者と他者の精神を繋げるサイコミュニケート技術をオーラ力技術と共に、本実験の根幹にしているのだ。すべてに置いてやり過ぎということはない。

 

 ビルド・バインダーを駆るガデム少佐、歌舞演劇の楽師、巫女。彼等による立場を超えたジョイントセッション。アドリブ込みでやって貰いもする。

 

 「フラナガン博士! 被験者たちの精神波、バイタル安定していきます! 測定正常値です!」

 

 「よろしい! 第一次実験、投票システム開始させい!」

 

 そのように艦橋観測班からの報告を受け、実験の最終責任者であるフラナガン博士が決断を下す。

 

 「イザナギ/イザナミ・オブジェクトより集めた投票結果の算出確認。続いて空間共振波動発振されました。月表面沖宙域、ならびにサイド7沖宙域での総受信確認致します」

 

 「送受信が成功ならば、程なくフォン・ブラウンシティ沖宙域とサイド7沖宙域から返信があるはずです」

 

 「あちら側の研究員たちも初めての実験です。調整が終わるまで、少々、お待ちください」

 

 「了解した。結果を待とう」

 

 「私、子供みたいにドキドキしています」

 

 「さもあろう。それは私もさ。今は待とう」

 

 「はい」

 

 そのように、実験の記録係である同僚たちの声に両博士は固唾を飲んだ。実験の成功を祈って。

 

 

 はたして。

 

 

 !?

 

 

 「返信来ました! 第一弾実験は成功です!」

 

 

 その報告に、艦橋に集まり実験推移を見守っていたフラナガン機関の研究者たちがワァッと歓声を上げる。そのどよめきの最中、互いに向き合うフラナガン博士とオーカザキ博士は、ガッチリと握手を交わす。

 

 「おめでとう。我々の研究は当初の想定以上の成果を上げた。ニュータイプ能力の平和利用によってなされるリアルタイムでの超々距離通信。民主主義の根幹足る投票システムの構築」

 

 「はい! やりました!」

 

 「いずれ遠く離れ離れになる人類の対話方法の事前準備。我々、現在を生きる者が残せる、未来への遺産は完成した」

 

 「これも博士の導きがあったからこその成果です! ありがとうございました! そして、次の実験が成功すれば…いよいよです!」

 

 「ああ。我々は太陽系外へと飛躍する手段を手にすることとなる。その成功こそが、真に人類が革新を迎え、ニュータイプとなるべき人類たちによる、新たな世界を生み出す一助となろう」

 

 実験成功を受け、お互いへ感謝を捧げ、未來への展望を語り合う両博士である。その周囲では、他の研究員たちも同様に、互いにこれまでの働きを労い合っていた。

 

 これまでの努力は無駄じゃなかった!

 

 進むべき道の長さに心折れなかった俺たちはスゴイ! よく頑張った!

 

 でも俺たちの探求はまだまだこれからだ! まだまだ終わらない! さあ新たな探索に出発しよう! と。

 

 「ええ………ちょっと怖いですが…ね。今さらながら、私たちが人類の先達になってしまって良いのかと、研究の合間に考えています」

 

 オーカザキ博士は達成感で胸いっぱいになりながらも、実験成功の安心感からなのか、その一方で胸に抱いていた心配事も吐露してしまう。真面目な性格で後々まで考え込んでしまう明晰さを合わせ持っているが故であった。

 

 「ふっ、何を今更。我々研究者は、ある程度は傲慢にならねば先には進めないものだ。君もそれは理解しているだろう?」

 

 「もちろんです。ですが、私は所詮、世の中の安定を願う一人の女流研究者に過ぎないので、どうしても後の世のことを考えて暗い気持ちになってしまうのです。我々の研究が誰かに悪用されて、その結果、人類の福音ではなく死の宣告となってしまうのではと」

 

 「そう心配するな。そのために多くの者が働いていてくれる。だから我々も、自分たちの研究にベストを尽くそう。もし悪しき者共が我々の研究に目を付けて悪用しようとしても、その前に人類全体のための形にして世に出してしまえば良いことだ」

 

 「そう…ですね! 頑張りましょう!」

 

 「うむ!」

 

 それなりに長い共同研究期間のため、ちょっとメンドクサイオーカザキ博士の操縦方法を熟知しているフラナガン博士である。

 

 心配事がある様子なら、それを取り払う言動を心掛け、実際にやってみせるのが一番。そう知っている老博士だった。

 

 頭脳はすこぶる優秀だが、善良でちょっとビビり。

 

 基本、素直に自分が望む方向に進むが、その歩み方にムラがある。そういった場合は、こちらが定期的に背中を押してやらなければならない。

 

 元々、宇宙線の永久で弱視だったという障碍持ちで、他者に助けられないと多くを望めない環境に育ったため、社会に対し、その恩を返さなければならないと思い込み、常に努力を惜しまない。

 

 そのため、他者に助けて貰えているという安心感があると、非常に優秀。素晴らしい研究結果を導き出す。

 

 そんな子供のような純粋さが研究の原動力で、常に周囲が愛情と誠実さを注ぎ込み、その燃料としなければ止まってしまう。

 

 止めるな。逃がすな。結果を出すまで働かせろ。

 

 それが、フラナガン博士によるオーカザキ博士に対する評価であり、付き合い方の指標となるものであった。さすがに人生経験が豊富なだけあって老獪な研究者であった。

 

 次回へと続く

 

 

 

 ちょっと予告編

 

 ???

 

 「え………何なの? このキラキラ………」

 

 キラキラと輝く宇宙(そら)、揺らめく空間。

 

 第二実験が開始されてしばらく後のこと。凄まじい空間振動波が同宙域を襲って後、異様な光景を多くの者たちが目撃、体験していた。

 

 「駄目だ! それは輝かせちゃいけない光だ! 怒りと憎しみの渦が光になって迫ってくる!」

 

 当初、困惑していただけの実験参加者たちの中、真っ先にそれに気付いた人物は、ブグ隊のマモル・バックラーだった。

 

 「これは!」

 

 「ヨウコウ! 剣を抜け! みんな戦闘準備!」

 

 「カズキ君!」

 

 「マヤ! 援護を!」

 

 「俺たちがみんなを守るんだ!」

 

 マモル同様、異変に気付いたミナシロウ以下のブグ隊の面々が戦闘準備に入った。

 

 

 中略 

 

 

 「まだできることはあります! 救難信号です! 最大出力で時空間結節点の向こう側に救難信号を送信してください! ここの現在の情報も忘れずに!」

 

 「君! それは!」

 

 「理解しています! ですが、我々に今できることはもうそれのみです! ブグ隊やビルバインだけではアレは止められません! たとえグラナダの防衛隊が間に合っても、その可能性は………」

 

 「了解した! ミミカ君、最大出力で救難信号を!」

 

 「りっ…了解です!」

 

 オーカザキ博士が沈痛な面持ちで、導き出した博打のような打開策を叫ぶ。そんな、賭けのような打開策を叫ぶ孫のような年齢の同僚を諌めようとしたフラナガン博士。だが、考えてみれば、それ以外に状況を好転させる案はない。

 

 ここで諦めて静観して何とする?と。 

 

 フラナガン博士もオーカザキ博士の賭けに乗った。向こう側にあるはずの違う世界線に、我々の苦境を救ってくれる存在がいることを願って。

 

 無論、逆にさらなる危機となる存在をこちら側へと呼び込むことになるかもしれない。

 

 賭けに失敗すれば己の身も危ないだろう。

 

 (やれやれ、子供の純粋さに引っ張られてしまう老人だな…私は)

 

 オーカザキ博士の純粋さに引っ張られて行動してしまった自分の有様を、フラナガン博士そう自嘲する。自分を笑ったのだ。

 

 だが、悪い気分ではなかった。

 

 自分もまだ無茶をやらかす若さが残っていたか。所詮、自分もただ歳を重ねただけの子供に過ぎなかったということかと。

 

 ならば。

 

 「頼むヒーロー! 子供の頃憧れた君たちがこの世に存在するのなら! どうか我々の苦境を救ってくれ! グラナダの人々を助け! 我々の失敗の犠牲にしないでくれ!」

 

 ヒーローの実在を信じていた子供の時のように、老博士は年甲斐もなく叫んだ。

 

 その時。

 

 奇跡は起きる。

 

 

 中略

 

 

 「行きなさいアクシズ! 忌まわしい記憶と共に!」

 

 (見つけた! 私たちが悪しきこの因果を断ち斬る剣となる!)

 

 時空嵐の主犯の残滓を前にして、ナイチンゲールを駆る仮面のシャア子がコックピットで叫ぶ。

 

 世界線を越えて、この世界線の月の裏側宙域に現れたアクシズという小惑星は、いまや数百億にも及ぶオーラサイコマテリアルが納められた墓地であり、封印装置であった。

 

 空間に満ち満ちた悪しき想念を記録するオーラサイコマテリアルは、それ自体が悪しき想念を吸収し、封じ込める封印の器となりえるのだ。

 

 その力を持ってして、仮面の少女はグラナダシティへと向かう巨大RX‐78‐02から、その原動力たる力を吸収し尽くそうとしていた。

 

 「邪魔! どきなさい!」

 

 プロミネンスライフルで迫り来るRX‐78‐02ガンダムの分身を次々に叩き落すナイチンゲール。パイロットの精神波とオーラ力により、囀り、羽搏くサヨナキドリは、圧倒的戦闘能力を発揮する。

 

 サヨナキドリ=ナイチンゲールは、アクシズへと干渉しようとする諸々を次々に排除していった。

 

 

 中略

 

 

 「何をするつもりなのアムロ………アムロですって!」

 

 そう叫んだシャア子は自分の言動に驚愕、愕然とした。アムロ・レイ…誰よそれ???…知っているような…知らないような…と。

 

 それはともかく。

 

 (フィン・ファンネル!)

 

 揺らめく時空間結節点より新たに現れた片翼のMSνガンダムが、悪意の進撃を防ぐ防壁となる。グラナダに突き進む巨大な悪意の塊の前に、フィン・ファンネルが光の障壁を築いて、その進行を食い止めた。

 

 (やはり量子テレポート能力までは復元されていないな…これならば!)

 

 「シャア! 力を借せ! 貴様のマテリアルと俺のマテリアルを共振、力を増幅させて奴を封印するぞ! 合体だ!」

 

 「がっ、合体!?」

 

 (な…なななななな…なな…何を言っているのよ! 乙女に向って合体とか! このヘンタイ! 助平!)

 

 (何って? シャア…お前…アレ? 女…の子???)

 

 「当り前でしょう! 誰が男よ!」

 

 頬を真っ赤に染めたシャア子が、サヨナキドリのコックピットで叫ぶ。プンスカ。

 

 

 中略

 

 

 「そんな! アクシズが地球に進路を変えたの? どうして!?」

 

 「まさか!………地球の重力にアクシズに眠る魂が引かれているのか!?」

 

 「あああっ! まさか!」

 

 「はっ! まさか!」

 

 「「目的地は魂の修練の地バイストンウェルなの(か)!!!」」 

 

 予想外の事態に直面し大いに焦る二人のパイロット。思い付いたアクシズのコース変更の理由に驚愕し、ハーモニクスして叫ぶ。

 

 そんなことアリなの? と。

 

 

 中略

 

 

 今、アクシズが地球に落下すれば地球寒冷化程度の被害では済まないだろう。小惑星の内に秘めたオーラサイコマテリアルが暴走すれば、地球自体が別に時空間に飛ばされ、永遠に消失する。そんなの事態となっても可笑しくはない。

 

 「どうする心算?」

 

 「クソ! νガンダムは伊達じゃない! あんな石ころ一つ、νガンダムで離脱コースに押し返してやる!」

 

 落下阻止限界点が迫る中、アムロが蛮勇ともいうべき手段を取った。νガンダムでアクシズを押し留めるというのだ。

 常識的に考えれば不可能なことだ。しかし、その不可能をやって見せなければならない時がある。

 

 それが今のこの時。

 

 「無謀ね。OKOK、付き合ってあげるわ!」

 

 「すまん!」

 

 2機のMSは互いの機械の手と手を取り合い、着々と地球落下コースを進むアクシズを追い越していく。この時、シャア子とアムロの知らぬ間に新たな奇跡が生じていた。

 

 双方の機体がこの世界線に持ち込んでいたオーラサイコマテリアルが勝手に合体し始め、天空に巨大なメビウスの輪を形作り始めていた。

 

 いや。

 

 シャア子とアムロのコントロール下より離れた双方のオーラサイコマテリアルは、あるべき本来の姿を取ろうとしていただけだ。

 

 危機的状況下にありながら、決して諦めず、自分より多くの他者を優先する。

 

 そんなオーカザキ博士はじめ、世界の平和を願う数多くの人々の願い、想念を受け止めて。

 

 

 




 ガデム外伝~オーラニンジャはかく語りき~

 それは、まだサイド3が正式に独立し、ジオン共和国として認められる少し前のことだった。

 「フェーヒヒヒッ! 前後前後! レンポ政府を裏切ってサイド3へと亡命したロリだ! 略取誘拐! 調教して奴隷にしても! 誰も文句はあるまい! フェーヒヒヒッ!!」

 宇宙コロニーにも人工的な昼夜はある。その時間帯、サイド3の首都ズムシティ議事堂とその周辺は夕暮れ時だった。そこからドッキングベイへと続くメインストリートがあり、四方八方には各区画へと続く脇道。また、そこかしこには小道が縦横無尽に走っていた。

 そこより外れたより細い小道。その周囲に立つ建築物の壁面を、幼女とも取れる小さな肢体を小脇に抱えた影があった。

 サンシタのニンジャが壁面を疾駆しているのだ。縦横無尽に側壁を、屋上へと飛び回って、目的地へと向かっていく。

 そんな首尾よく獲物を捕縛できたことに喜びを抑え切れず、下品な奇声を発する男こそ、サンシタのニンジャ、フレイム・ボムだった。

 このサンシタニンジャが急ぐ先、向かおうとしている場所は、コロニー外壁へと続く非常用の脱出口だった。逃げ込む先、その付近には、密かにステルスクルーザーが停泊してある。

 そこに攫った娘…ミナノ・ユメ・オーカザキ博士…を連れ込もうと言うのである。その後、薬物を駆使して正気を奪い、純潔を奪って、自分用の性奴隷として調教しようと考え、フレイム・ボムは少女略取誘拐を敢行した。

 計画は成功。

 得意の火遁ジツでの火付けで気を逸らし、その隙にボディーガードたちに不意打ち当て身を喰らわせて昏倒させた。

 続けて、本来の確保目標である弱視の女流博士を昏倒させ拉致するなど造作もない。 


 正直、オーカザキ博士がレンポ政府を裏切ったというフレイム・ボムの言葉は、真実ではなく誤解でしかない。だが、ロリコン気味でその性欲を抑えきれなかったサンシタニンジャにしてみれば、真実は二の次だ。

 (フェーヒヒヒッ! 俺はやるぜ!)

 アナハイムエレクトロニクスの裏の仕事を請け負う立場のフレイム・ボムは、自分好みの娘として注目していたオーカザキ博士の亡命を聞いて、我を失った。普段の慎重さを忘れて下半身で物事を考えたのだ。

 理性にサヨナラッ!

 アナハイムエレクトロニクスの仕事は二の次だ。

 重要なのは己の欲望。

 第一級の優先事項。

 あのロリは自分のものにする…と。

 「フェーヒヒ…ヒェッ!?」

 フレイム・ボムの視界の外れに空間の揺らぎにも似た異変が生じた。すぐさま駆け登っていたビルディングの外壁を蹴り、回避行動を取る。

 次の瞬間、オーラ力が宿り強化されたクナイが、フレイム・ボムがそのまま通過するはずだった空間を切裂いていった。

 アンブッシュ!

 ニンジャのイクサにおいて、名乗り上げのアイサツ以前のアンブッシュの不意打ちは一回のみ許可されている。

 「何者! 名乗れおろう!」

 小脇に白衣姿の娘を抱かえたフレイム・ボムは見事に着地し、誰何の声を上げた。暗い空間を短い誰何が奔る。その叫びに応えるように、フレイム・ボム前方の闇が揺れ、何者かが姿を現した。
 

 「ドーモ、オーラバトラーです。ヘンタイ=サン。寝言は寝て(死んで)言え」


 暗闇から現れ出でたる男は、垢黒い忍ジャケットとメンボ姿の屈強な姿をしていた。その両の手には、複数本のクナイがリロード済みだ。

 幼い娘を小脇に抱えるサンシタなどに、正式に頭を下げるアイサツなど不要…そう言いたげに合掌してオジギすることはなく、只々、油断せずに鋭い眼光でフレイム・ボムを射た。

 「アィエッ!!」

 フレイム・ボムが驚愕の叫び声を上げた。アイサツはニンジャたちにとって互いに重要なセレモニーだ。

 目の前のニンジャが、それすら蔑ろにするということは、共に死と隣り合わせに生きる者同士、最低限のリスペクトをする…というニンジャの掟に反するという事なのだから。

 お前を正当なニンジャと見做さない。ニンジャと認めることに値しないクズめ…そう真正面から言い放たれたも同然だった。

 (おっ…おのれぇぇぇ!)

 正直、眼前の相手…オーラ・バトラーとやらの態度は、フレイム・ボムのとって非常にキツいモノだった。

 これには、自分がクズだという自覚があるフレイム・ボムにしてみても、あまりに衝撃的なことで、大きくプライドを傷付けられていた。
 自分はクズだと自覚している者でも、やはり面と向かってクズがと態度で示されたなら、それは大きなショックとなろう。

 思わず驚愕の叫びを漏らすのも当然だ。

 「ふっ、ふん! オーラバトラーとやら! お前もこの小娘狙いか? 俺がこの小娘を俺のモノにしたことがそんなに悔しかったのか? フェーヒヒヒッ! もしこの小娘と前後したかったのなら、俺が使った後に貸してやってもいいぜ! もちろん、俺の手下になるってお前が誓うならだがなぁ! フェーヒヒヒッ!!」

 額に青筋を浮かべ、ムキになって煽り返しもする。アイサツのない相手に対しては、こちらもアイサツ不要。これにてイクサへの戦響とする。

 火遁! 灼熱吐息!

 独特な嘲笑を終えると同時に、フレイム・ボムは必殺のジツを発動。まるで伝説の竜の吐息の如く、自らのオーラ力と口腔周辺部に貯蔵していた液体燃料をミキシングして噴射する。

 噴射された後、着火された液体燃料とオーラ力が灼熱の渦を造り出し、オーラバトラーを飲みこまんとする!

 「技が荒いわ!」

 カラテだ! 鍛え抜いたカラテなくば、どれほど強力なジツを使えても宝の持ち腐れだ!

 それはプロレスではない。互いの命を奪い合う死合なのだ。オーラバトラーには、棒立ちになってフレイム・ボムの攻撃を受け止めてやる義理はなかった。

 後退することなく自ら灼熱の吐息、大渦の内部へと飛び込むように突き進み、両腕に持つクナイを激しく振るう。さながら、重ねて九字を切るように格子状に斬撃を放ち続ける。

 流星、幾千。

 オーラ力を乗せた斬撃の暴風によって灼熱を吹き飛ばし、そのまま灼熱の大渦の残滓を突き抜け、素早くフレイム・ボムの真横に位置取る。

 !?

 (動けぬ!)

 「ヌアアアァー!」

 ジツを斯様に破られたフレイム・ボムといえば、ジツ後の硬直により、すぐさま迎撃行動に移ることも、恥も外聞も打ち捨て遁走することも叶わなかった。

 「遅い!」

 その隙を逃さず、オーラバトラーは次々にクナイをフレイム・ボムの各部位に突き立てた。左の二の腕、左わき腹、左太腿、左足の甲へと。

 吹き出る、或いは滲み出る血潮。

 何たることか!

 一瞬でハリネズミめいたファッションへと移行したフレイム・ボム。激痛に顔を歪め、身体を弛緩させ、抱き抱えていた白衣姿の娘を取り落としそうになる。

 「貴様には過ぎたる宝!」

 すかさず、オーラバトラーはフレイム・ボムの腕に捕らわれていた白衣の少女を強引に奪い取ると、後方へと飛んで距離を稼いだ。

 「ばっ! 馬鹿なぁ!」

 一瞬の攻防でフレイム・ボムは各部に重傷を負った。ニンジャと言えど手負いでは娘一人抱き締めておくことも容易ではない。大した抵抗もできぬままに、獲物の娘を奪い取られてしまう。

 完敗だ。思わず絶望の叫びを上げるのも無理からぬこと。

 「まっ、待て! オーラバトラー=サン! 私の負けだ! 命だけは!」

 「ハイクを詠め!」

 「アッ! アヴァー!! サヨナラ!!!」

 命乞いを始めたフレイム・ボムに対し、オーカザキ博士を抱き抱えたオーラバトラーは無慈悲であった。すでにフレイム・ボムの左足はクナイによって地面へと縫い付けられていた。

 遁走も叶わぬサンシタは、怒りのオーラが籠った残りのクナイに次々と貫かれ新感覚のオブジェと化し、すぐさま爆発飛散した。

 オーラバトラーはその光景を冷徹な瞳で眺めた後、言い放った。

 「ナムサン」

 と。

 


 

 
 「ん‥……」


 (力強いオーラの輝き………あなたは…どなた?)


 自分を支える男性の体温とその余剰エネルギー(オーラ)を感じて、そんな感想と疑問を持つオーカザキ博士だった。
 オーカザキ博士は弱視であった。かなり度数のキツイ眼鏡がなければ至近すら見通せない程の。それ故に、相手をまじまじと見詰めることはない。しかし、その代わりに特殊なスキルを有していた。

 ミナノ・ユメ・オーカザキは、他者のオーラを視覚的に感知できるのである。

 正確には、視覚以外の感覚器官で把握したオーラ力の情報を、脳内で視覚情報…体内を巡るオーラの輝き…として変換し、把握することができるのだ。

 つまり、人の体内を巡るオーラの輝きで、他人を何者か特定できるスキルの持主なのである。

 そのため、一見してしまえば、その人物の為人もある程度把握できる。

 その身体の中に秘めた情熱を密かに燃やす者のオーラは美しく感じ取れるし、逆に見た目の外見が華やかでも、内に秘めた情念が歪んでいる者は昏くおぞましく見えるといった感じだ。

 そのため、オーラバトラーを認識したオーカザキ博士は、自分を抱える彼を恐ろしいとは思わなかった。

 「君を攫った悪漢は退治した。危険はもうない。歩けるか?」

 「あ…はい、たぶん大丈夫です。ただ………」

 「ただ?」

 「私、ほぼ目が見えません。杖もありませんので、音響で周辺状況を把握するエコーロケーションも困難かと」

 「つまり?」

 「手を引いてくださいますか?」

 「了解した」

 素っ気ない、これから必要なことのみの質問。そんなオーラバトラーに委縮することなく応じ、オーカザキ博士は自力で立ち上がった。差し出された手を取って。

 「身元を示す品はあるか?」

 「残念ながらメガネや杖以外の持ち物も………ああ、左手の手首の付け根に、ADデータが入ったカプセルが…あら?」

 「皮一枚切られて抜き取られているな。吾奴、腐ってもカラテはタイだったか。どうする?」

 「一度、政庁に戻らないといけないでしょうね。一緒にいた方々も私の身を心配していると思います」

 「それがいいだろう。君はジオン共和国の国賓扱いだった。ダイクン公も心配していることだろう」

 「それで…助けてくださったのですか?」

 「そうだ。君を攫われたまま放置すれば共和国の国威に傷がつくし、地球連邦政府との関係も悪化しよう。その阻止のためだ」

 「それは…お手数をお掛けしました。私がサイコミュニケートのなさるフラナガン博士と共同で研究がしたいといったばかりに」

 「それで本当か? 君が連邦を裏切ったという話は?」

 「裏切る………? 私はユミミ・ナカンダカリー議員が代表を務める先進科学監視委員会と折衝して、許可を受けてこちら側に着ました。そもそも、ジオン共和国は連邦の地方行政局でしかありません。別に連邦政府に逆らって共和国に来た訳ではありません」

 「そうか」
 
 「はい」

 オーカザキ博士の言い分は正しい。この時分、共和国は自称独立国であってまだ正式に独立は承認されていない。ジオン共和国は地球連邦と一体であり地方行政局という話は正しい。

 そもそも、共和国首長であるダイクン公も元連邦議員であり、今は、確固たる理念や政治手法も思いつかないくせに、勢いで目に余る行動に出た、反政府、独立主義者たちを、地球圏の僻地サイド3に閉じ込めて管理運営する仕事をしているに過ぎない。

 各サイドでテロでもされたらたまったものじゃない。サイド3に引きこもっていろと。

 もし、彼ら反政府、独立主義者たちに、確固たる意志と政治的手腕を持つリーダーがいたなら、独立運動はそんなリーダーを主軸に展開され、今とは別の結果となっていただろう。

 所詮、そんな地球連邦政府に反抗してみたいという、子供染みた雰囲気だけに流され、反政府運動をしていた連中の集合体である。

 まあ、アレである。

 旧世紀のニホンのパヨックが、雰囲気だけで革命ごっこをして失敗した事例と、なんら変わらぬ愚かしさである。

 そんな中身のない有様だから、簡単にジオン・ズム・ダイクンによるコントリズム、ニュータイプ論に絡め取られてしまい、ダイクンの裏にいる連邦政府の望むがままにサイド3に集まられた。

 そんな輩の国家モドキなのである。オーカザキ博士のような15歳にも満たない小娘に侮られるのも当然のことだ。

 ダイクン公も貧乏くじである。

 そう聞いたオーラバトラーことガデムも、元々連邦のクサとしてジオン共和国軍に席を置いた身体である。オーカザキ博士の言い分はもっともと、一切反論はしなかった。

 「ではそこまで連れていく。私はそこまでだ」

 「ありがとぅございます。あの、もし私にできるできることがあれば仰ってください。せめて助けていただいたお礼をさせてくださいませんか?」

 「ほう…では聞く。君の研究は何を目的にしている?」

 「目的ですか? それはもちろん、こんな私を信じて生かしてくれた、この世界のみなさんを幸せにするお手伝いをするためです」

 (このお重ちゃんは嘘は言っていない)

 オーラバトラーことガデムは、握る掌の脈動からオーカザキ博士が嘘は言っていないと判断できた。しかし、そのことがガデムを戸惑わさせる。

 このお嬢ちゃん、純粋過ぎないか…これでは、今後も私が守護せなば危うい…と。

 おしまい

 
 

 
 
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