私の中では珍しい…
ある日のこと…ステーリー急便はいつも通り情報の収集や提供、荷物の配達などを行っていた。
ここで働く従業員のハニア・クレースウィルは世界を救うことを夢見る(自称)美少女の高校生だ。
九原「ハニア、今回の荷物は凄く大事なものだから気をつけて持って行ってね?」
ハニア「はーい!」
イリカ「ママチャリに乗って交通事故に合わないようにせいぜい頑張るんだな?w」
ハニア「アナタこそ、配達記録を更新したいからって自転車で突っ走らないでね?」
ハニアはいつも通り、荷物の配達を行っていた。しかしその道中、彼女はある話題を話していた人達の雑談を耳にする。
市民「ねぇ聞いた?最近、異象じゃないような怪物がいるんですって!」
市民「え?どういうこと?」
市民「噂によれば、アイツらは異骸に吸い寄せられてくるんだってよ!」
ハニア「(異骸に吸い寄せられる怪物?いったいどんなヤツだろう…)」
ハニアはそんな不思議なことを考えながら、残りの仕事を終わらせるのだった。
そしてハニアはそのままステーリー急便へ戻ろうとしたのだが…
ハニア「〜♪今日は給料日だから奮発しちゃった〜♪……ん?」
ハニアは奮発して買ったシュークリームが入ってる箱を片手に喜びながら向かっていたのだが、目の前に誰かが倒れているのを確認する。
ハニア「うわぁ!?人が倒れてるっ!?」
目の前の状況に困惑していたハニアはシュークリーム箱を片手に持ちながら様子を伺う。
ハニア「男の人だ…九原姉ちゃんに知らせないと!」
ハニアは急いでステーリー急便の頼れるお姉さんである九原を呼ぶ。連絡後、数分足らずで彼女は駆けつける。
九原「怪我はないけど、体調は芳しくないわね。ハニアはハルに急ぐように連絡してちょうだい。」
ハニア「分かったよ!」
九原「まったく……困ったちゃんを拾っちゃったみたいね?」
ステーリー急便に着いたあと、ハニアと九原は施設内にあったソファーに彼を寝かせ、毛布をかけた。
熱はないが、どうやら何者かに襲われた形跡があったそうだ。
九原「あとのことは私がやるから、ハニアは先にあがってちょうだい。」
ハニア「九原姉ちゃんは大丈夫なの?」
九原「私なら問題ないわ。ここで1日ぐらい過ごし経って大丈夫だもの。」
ハニア「分かった!んじゃ、先にあがるね!」
九原「お疲れ様。」
雄介side…
雄介「う、うぅ…」
あれからどれくらいの時間が経ったのだろうか…あのクソ女神に適当なアイテムを渡され、身体にはアークルを埋め込まれた…
記憶を失わなかったのが不幸中の幸いだったが、何とか生き延びることはできたと思っている。
俺の名前は五台雄介。前世では真面目に生きていたが、ある日のこと何者かに殺されてそのままご臨終。そして転生するのであったが…
雄介「ここは…」
女神に転生させられてしまったのだ。
しかもその女神は上記の行動の他に転生する行先も教えず、適当な理由で転生させられたのだ。
確か名前は…ロキナって言ってたよな?
ロキナ「私ね?もうこの仕事いやだからアナタで最後にしたいんだよねぇ?」
雄介「え?」
ロキナ「だから、転生特典は適当なのでいいよね?あぁ、それと送る場所も適当でいいや♪」
雄介「はぁ!?」
ロキナ「んじゃ、せいぜい頑張りなさいね?無知で力もない人間さん♪」
雄介「ふっざけんなぁああああああ!?」
ということが大まかな経緯だ。あのクソ女神、次に会った時はボコボコにしてやる…色々なことがあって目覚めが悪い俺は近くにあった洗面台で顔を洗うことにした。
雄介「腹が減った…」
あれから結構な時間が経った気がするから、お腹も空いている。ここの人達には申しわけないと思いながら、俺は近くにあった冷蔵庫を開けようとするが…
九原「目が覚めたかしら?」
雄介「!?」
何か聞こえた俺はすかさず冷蔵庫を閉めてたあとに後ろを振り向くと、少し明るい灰色の髪を女性が経っていた。しかもめちゃくちゃデカイ帽子を付けてる。あれはたぶん種類的にはキャペリンハットかな?
九原「ソファーの居心地はいかがだったかしら?」
雄介「まぁ、何とか…」
九原「お腹は空いてない?今コンビニでお弁当を買ってきたのだけれど…」
雄介「いえ、そんな…」
(お腹が鳴る音)
雄介「あっ…」
九原「どこから来たかは知らないけど、誰かに助けられることも時には大切よ?」
雄介「んじゃ、ありがたく頂きます。」
俺は優しい女性から弁当を貰い、そのまま食すことにした。全て食べ終えた俺は分別してゴミ箱に捨てたあとにこの場所にあるバーカウンターの椅子へと座った。
雄介「すいません。色々とお世話になって…」
九原「いいのよ。色々と困っていたみたいだから。」
雄介「いえいえ…」
九原「自己紹介が遅くなったわね?私は九原、ステーリー急便で配達員と店長代理を務めているわ。よろしくね?」
雄介「ステーリー急便?」
九原「異象絡みの配達や情報屋を本業とする運送会社よ?」
雄介「運送会社?情報屋なのにですか?それに、異象って?」
九原「超自然的な事象や存在の総称よ?まさか、アナタは知らないの?」
雄介「え、えぇ…まぁ。」
そもそも、ここが何の世界なのか分からない。アニメの世界なのかゲーム世界なのかさえも…前者(アニメ)だったら一瞬で分かるが、後者(ゲーム)についてはあまりゲームをやらないということもあって知識はあまりない。
アニメと特撮(とくに仮面ライダー)だったらなんとかなるけど…
九原「色々と聞きたいんだけど、アナタはどこから来たの?」
雄介「どこから…ですか。」
九原「えぇ、見た感じアノマリーやヘテロシティのことも知らないみたいだから…」
うーん…ここは転生者であることを公表すべきか?あぁでも、この人…見た感じ色々と掴みどころが無さそうな気もするんだけどなぁ…
雄介「信じてくれるかは分かりませんけど、これから俺が話すことは本当のことで…」
俺は自分が異界から転生してきた人間であることと、女神に適当な扱いをされて蘇ったことを九原さんに包み隠さずに伝えた。
九原「なるほどね…色々と辛い人生を送ってきたのね…でも、もう大丈夫よ?」
雄介「ところで俺はこれからどうしたらいいんですか?」
九原「今異象管理局の人に連絡を入れたの。すぐに局長のアルフェードが来るはずよ?」
雄介「管理局ですか?」
するとそこへ…
アルフェード「失礼するぞ?」
九原「お久しぶりね?アルフェードさん。ネリー。」
ネリー「お久しぶりです九原さん。何かいいネタは手に入りましたか?」
九原「いまのところは何も…だけど、彼はいい情報よ?」
九原さんはアルフェードとその秘書であるネリーさんに俺の事情を伝えた。
アルフェード「些か信じられないが、ここはヘテロシティだ。空から人だなんて、異象が存在する都市にない話ではないな?」
雄介「空から人?何かあったんですか?」
アルフェード「実は数日前にニューヘリオス市で異象活動が起きてな…そこで「奇点」と呼ばれる異象のコア近くで何故か敵を平気で倒していた人物がいてな…」
ネリー「白蔵さんの話によれば、記憶を失っているみたいなんです。」
アルフェード「そのうち、貴様も会うことになるだろう。その時は優しくしてやってくれ。」
雄介「はい。」
アルフェード「さて、訪問はこれぐらいにしておこう。君の住民票などはこちらで作る。出来上がるまでしばらく待ってくれ。それとお前のこれからなんだが…ネリー。」
ネリー「はい。アナタはしばらくはステーリー急便で暮らすことになるので、お願いします。」
雄介「ステーリーにですか?」
九原「すぐにアナタ専用の家を設けることはちょっと難しいの。だからここに空きスペースを用意するからそこで暮らしてちょうだい。」
雄介「すいません。こんな外から来たヤツなんかに優しくしてくれて…」
アルフェード「なに、困ったヤツを助けるのが我々の役目でもあるからな?」
雄介「はい。」
こうしてヘテロシティでの生活をステーリー急便で過ごすこととなった。
しかし、この時の俺はこの世界で様々な悪が蔓延っていることを知らなかった。
次回
・変身