8000年と月の香り   作:文才の無い本の虫

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準備は良いか?作者は出来てる


ラストライブ、そして未来(過去)

 

 

 

「じゃあ、始めようか・・・・・・ごめんね、ヤッチョは此処から先には行けない事になってるんだ」

 

「・・・・・そういう運命だから?」

 

「『()()()』なら・・・・・大丈夫!!」

 

――()()()()()()()()が始まる。

 

「・・・狩人、お願いして良いかな?」

 

「ああ、任せておけ。稼ぎ時だ、序と言っては何だが、月人共に狩人の狩りを見せ付けてやろうではないか」

 

「むぅ・・・かっこつけすぎ」

 

「はは、そうだな。じゃあ・・・ヤチヨ、行ってきます」

 

「うんっ!いってらっしゃーい!!」

 

――そして、狩人が戦場に舞い降りる。

――とても残酷な保険として。

 

「・・・ごめんね、いろは、かぐや。ヤッチョは悪い女なのです」

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

「こんなもんか?宇宙人どもは。まだ俺と彩葉が残ってるぜ」

 

ヤチヨの作ってくれたゲートから見栄を切っている帝アキラの前に向かって飛び降りる。

『異質の聖剣』、『獣狩りの短銃』、いわゆる本気モードだ。

着地しながら薙ぎ払い、彼らに【狩人の一礼】。

 

「久しいな、帝アキラ――祭りの場所は此処かね?異なるとは言え同じ『月』に関わる者。力を貸そうではないか」

 

「おいおい!!9kv8xiyiさんよお!!援軍とは聞いてねえぞ!!」

 

「なんか服装と言動に見覚えがあるんですけど?!」

 

「この姿で会うのは初めてだな、貴公。安心し給え、私は有給消化中だ」

 

「やっぱりかー!いや助かるけど!!」

 

「おい、彩葉。リアルの知り合いか?」

 

「バ先の社長・・・」

 

「うっそだろ?!」

 

アナウンスが流れる。

 

『胸熱展開キター!!あのSETUNAのランキングトップ、狩人こと9kv8xiyiの飛び入り参加だー!!』

『ちょっぴり難易度高めだしね〜狩人が暇してたみたいだからヤッチョからの助っ人として飛び入り参加させちゃった☆』

『超強力、というかSETUNA最強が援軍とか贅沢にも程があるぞー!!あの超絶技巧を間近で見れるとか羨ましい!!』

 

「ヤチヨナイス!!」

 

「帝アキラ、私は道を拓く。さかよ・・・いろと共に駆け抜けろ」

 

「おう!」

 

「では――狩人の狩りを知るがいい」

 

二人の道を拓く為に月人の群れの中心に向かって駆ける。

 

「数は満点だが単体が鴉にも劣るぞ!!」

 

「うおっすげー・・・」

 

「流石9kv8xiyi・・・いや、集団戦だぞこれ。無双してんじゃねえか」

 

大型小型関係無く斃して行く。

おおー血の遺志がこんなにも沢山。

カレル文字を全て『月』にしてきた甲斐があったというものだ。

 

「大盤振る舞いだ!!」

 

瞬時に『異質の聖剣』を『月光の聖剣』に持ち替える。

溜まっていたゲージを消費して巨大化した月光(飛ぶ神秘属性の斬撃)で多数の月人を薙ぎ払う。

 

「機は熟した!!さあ、征け!!帝アキラ、いろ!!」

 

「助かる!!」

 

「ありがとうございます!!」

 

・・・まあ、だからといって勝てるわけでは無いのだがな。

取り敢えず俺は時間が来るまで月人から血の遺志を稼げるだけ稼ぐとしよう。

 

「さあ、相手をしてやろう。掛かってこい!!」

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

「はるばるようこそ」

 

案の定、というか決まりきっていたのだが。

 

「逃げちゃってごめん。でも、すっごい、すっごい楽しかったんだ」

 

「最高の卒業ライブでした!いっぱいお土産もらっちゃった。皆ありがとう!!」

 

「えへへ、名残惜しいけどこれでお終い。それから・・・」

 

「彩葉」

 

「大好き」

 

まあ、そうして『かぐや』は月へと帰って行った。

 

――それからの話をしよう。

 

酒寄彩葉は普通の日常に戻った。

大きな欠損を抱えたまま。

だが、彼女は立ち上がった。

ハッピーエンドを掴み取るために。

 

「社長!!」

 

「ああ、有給なら一ヶ月程あるから好きに使うと良い」

 

「ありがとうございます!!」

 

いや、人間にしてはかなりの強メンタルである。

この調子ならFUSHIによって地下に辿り着くのもそう遠くは無いだろう。

()()()()()が・・・案外早く来るな?

まあ、準備は終わっているから問題は無いのだが。

 

「えっと・・・此処は?」

 

そうこうしている内に酒寄彩葉は此処にたどり着いた。

 

「ようこそ、と言っておこうか。此処は『狩人の夢』。私の領域だ。本来なら唯の人の身で訪れる事は出来ないのだが・・・ヤチヨに感謝し給えよ」

 

「そうだ!ヤチヨ!」

 

「呼んだ?」

 

「なんだいなんだい?」

 

「えっ・・・ヤチヨが二人?!あ、分身か」

 

「正解!花丸あげちゃう!」

 

「ヤッチョの方が分身だよー」

 

テーブルセットを用意して、庭に設置する。

 

「さあ、掛け給え」

 

「あ、はい」

 

思いの外、彼女は素直に座った。

此処が可怪しな場所であると何となく理解しているのだろう。

 

「ヤチヨは、かぐやなの?」

「「・・・」」

「変なことを言ってるのはわかってる。でも・・・」

 

そして、本命の問いが来た。

ヤチヨ達は何時もの明るい表情は鳴りを潜め、真剣な、遠くを懐かしむような表情をしていた。

 

「今は昔」

 

「月に帰って社畜してたかぐや姫の所に歌が届きました」

 

「それはかぐや姫の為に作られたかぐや姫だけの歌」

 

「かぐや姫は大喜びしたの。それでもう一回地球に行こ〜ってなって」

 

「お仕事爆速ですっかり片付けて引き継ぎも完了」

 

「ただ、地球の時間では大遅刻!!」

 

「でも安心。月の超テクノロジーは時間も越えられます」

 

「時を超えて地球に向かうかぐや姫」

 

「でも、もう少しの所ででっか〜い石にあたっちゃったの」

 

「それってまさか・・・」

 

「そこで問題が発生しました」

 

「時間を遡ってしまった、訳ではなく」

 

「世界線を跨いじゃったんだよね」

 

「そうしてかぐや姫は別の世界線の約8000年前の地球に降り立ったのです」

 

「・・・・・・」

 

「そう、かぐや姫は、出会った異邦人の狩人によってもう自分の知る人達には会えないことを知りました」

 

「でも一つ、腑に落ちたことがあったのです」

 

「それは『ヤチヨ』の存在」

 

「8000年、電子の歌姫、ツクヨミの製作者。おやおや〜?条件を満たしちゃう人物がいるではありませんか!」

 

「そう、かぐや姫は『ヤチヨ』だったのです」

 

「時は経ち、人が見えないものを形にし、多くの人とつながる力を手に入れたころ」

 

「『ヤチヨ』はツクヨミを作りました。そして、『ヤチヨ』はツクヨミの歌姫として自分の知ってる様で知らない、彩葉と出会ったのです」

 

その話を聞いて、酒寄彩葉は立ち尽くしていた。

そして、一息ついたあと、言葉を絞り出した。

 

「・・・・・・私と居たかぐやは」

 

「このままではその輪廻に囚われたまま、8000年を過ごすだろう」

 

「そんな」

 

絶望。

ヤーナムでよく見たものだ。

手に取るように分かる。

だからこそ、これは酒寄彩葉への救いではなく、ヤチヨへの恩返しである。

 

「では、貴公にとって決して拒めない提案をひとつしよう」

 

「・・・提案?」

 

「かぐやを助ける方法が此処に一つ存在する」

 

「!!私は何をすれば良いの?!」

 

「守月グループを継げ、酒寄彩葉」

 

「・・・はい?」

 

「そして『かぐや』を幸せにしろ」

 

「・・・・・・それだけ?」

 

「ああ。かぐやを助ける準備はもう既に終わっている。後は貴公の覚悟のみだ」

 

「はっ・・・覚悟なんてとっくのとうに出来てる!!かぐやは私がハッピーエンドに連れて行く!!」

 

「グッド」

 

良い啖呵だ。

 

「・・・エセ英語」

 

「エセ英語だねぇ」

 

はい、ちょっと静かにしてて下さいねヤチヨさん達??

 

「では、行くぞ酒寄彩葉」

 

「へ?」

 

「月に、だ」

 

――鍵は揃った。

――さあ、始めよう。

 

 

 




狩人:もし、万が一、彩葉達が勝ちそうになったら狂人ロールで彩葉達を後ろから撃つ役目があった。かぐやを救うことはヤチヨの育て親への恩返しであり、分かりやすく言うとご挨拶とか結納金的なものである。人間には興味は無いが漫画やアニメは好きなのでちょっとテンション上がってたりする。
ヤチヨ:自分の育て親のそっくりさんが自分の女子高生時代のそっくりさんと大恋愛しているのを間近で見せられている感じ。育て親への恩返しが近い。テンションが上がってエセ英語が出てる狩人を優しく見つめている。
ヤチヨ⑨:ほぼ同上。
彩葉:覚悟完了。かぐやー!!貴女が欲しいーー!!を地で行く。

なお次回から唐突に過去編。

過去編(ヤーナムダイジェストは標準装備)

  • がっつり8000年
  • あっさりダイジェスト
  • しっとりヤチヨbanasi
  • 一般転生者狩人の憂鬱
  • Ex-yatiyobanasiコース
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