8000年と月の香り   作:文才の無い本の虫

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かぐやっほー☆
というわけでほのぼの(?)パートです


ある日のかぐやと狩人

 

 

 

 

 

「うわー凄い凄い!!」

 

「そうか?」

 

「うん!!ズババーってアクションヒーローみたい!!」

 

「アクションヒーロー?物語に出てくる正義の味方のようなものか?」

 

「そうそう!!」

 

喋るウミウシ――かぐやと出会ってから十数日。

私は彼女と共にこの大陸――後に日本列島と呼ばれるらしい――を旅をしていた。

正直、水泳とキャンプには3日で飽きて暇だったのが理由だ。

 

「正義の味方か・・・私には向いてないな」

 

「そうかなぁ?狩人はかぐやのこと守ってくれるじゃん!!だからかぐやのヒーロー!!」

 

「ははは・・・嬉しいことを言ってくれるではないか」

 

「えへへ、かぐや、お姫様ですから!」

 

にこにこと笑うかぐやと居ると不思議と気分が高揚する。

アニマルセラピーというやつだろうか?

いや、ただ単に変化のある会話が楽しいのか。

かぐやが話し上手なのもあると思うが。

 

「それにしても狩人って本当にアクションヒーローみたいだよね!カッコいい武器とかいっぱい持ってるし、ツクヨミでの武器みたいに変形するし!」

 

「ほう・・・貴公、仕掛け武器の良さがわかるのか」

 

「カッコいいよね!!オタクとかも大好物だと思う!!」

 

「オタク?」

 

「えっとね・・・アニメとか漫画とかが好きな人たちのこと!!」

 

「アニメや漫画・・・確か未来の書物や動く絵本だったか。それらを好く者・・・英雄譚を好む読者のようなものか」

 

「そうそう、そんな感じ」

 

「ふうむ・・・では、狩人はみな、オタクだったのだろうか・・・」

 

「そうかも・・・?」

 

かぐやとの他愛のない話が心地良かった。

変化のある日常が嬉しかった。

 

――何時しか、私は・・・俺は彼女の事が大切になっていた。

 

たった十数日だというのにそんな自分の変化に苦笑することすら出来る。

その事がとても嬉しかった。

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

「〜〜〜♪」

 

私は上機嫌に歌う。

だって楽しいから!!

 

「ねえねえ、狩人!!次は何処行くの?」

 

「むむ、そうだな・・・前にかぐやが言っていたでっかいどー、とやらを見に行ってみようか」

 

「北海道はでっかいどー!だよ!」

 

「???北海道はでっかいどー、と言うのか」

 

「うん!」

 

彼――狩人は私の我儘を聞いてくれるし、退屈させないように私を色んな場所に連れて行ってくれる。

でも狩人には不思議がいっぱい。

何処から来たのか、何歳なのか、名前は何て言うのか、『狩人』とはどういうものなのか。

聞けば答えてくれるんだけどいまいちよく分からない(要領を得ない)

けいもー、とか、血のいし?とか、狩人は攘夷者?なんだとか。

最近は狩人に日本語を教えて上げたから、けいもーが啓蒙って書くことや攘夷者が上位者だって事はわかるようになったんだけど上位者ってなに?ってなる今日この頃。

 

「焼けたぞ、かぐや。食べるか?」

 

「食べる!!」

 

「焼き立てだから冷まして食えよ」

 

「うん!!狩人ありがとう!!」

 

はふはふ、うま!!

ただ焼いただけの魚なのに凄く美味しく感じる。

月では食べ物なんてなかったからなあ・・・。

 

「生きるの最っ高!!」

 

「そんなにか?」

 

「うん!!」

 

「そうか・・・なら、良かった。俺も嬉しい」

 

狩人の笑顔は分かりづらいけど、優しげで私はその表情が大好きだ。

こう、愛されてる?って感じがするの。

ちょっとくすぐったくて恥ずかしいけどね。

ウミウシの身体の私は人間の身体だった頃よりも受け取れる情報の量は少ないはずなのに、こう、どばーって狩人からのラヴ!!みたいなのがわかるんだよね。

彩葉に育ててもらった時とはまた別の『愛』。

彩葉の『愛』がふかふかベッドだとすると、狩人の『愛』は海みたいな?

こう、どっちも嬉しーってなるんだけど方向性が違う、みたいな?

うーん・・・。

 

「どうかしたか、かぐや」

 

「ぴっ・・・あ、えーっと、考え事してたの」

 

近い近い!!

狩人の宇宙みたいな、吸い込まれそうな青い瞳が私を心配そうに見つめていた。

ああ、ヤバい。

かぐやめっちゃ愛されてるって感じがしてヤバい。

いや、かぐやは彩葉の愛で育ったんだけども、追加肥料みたいな?

幸せオーバードーズっていうか。

彩葉に早く会いたいけどこの『幸せ』に浸かっていたい気もする、というか当分は浸かってるしかできないし・・・うわああ、どうしよう?!今考えたらかぐや狩人のヒモじゃん?!

どうしよ?!

 

「ヒモ?これの事か?」

 

「うわキモナニソレ?!」

 

「『生きているヒモ』だが」

 

「なんか違う!!かぐやが言ってるヒモっていうのはね、女の人にお小遣いとか貰ってお世話してもらってる男の人の事を言うの。今のかぐやってそのお世話されてる人みたいじゃん?」

 

「ふむ、確かに?」

 

「かぐやライバーだったのに今は無職のウミウシで・・・しかも狩人のヒモ・・・やば、かぐや残念な生き物過ぎかも・・・」

 

い、彩葉に合わせる顔が・・・あれ?

私赤ちゃんの時ってまさか彩葉のヒモだった?

・・・・・・やば、気付いてしまった。

確かにお断りするかも。

うう・・・でも、返したから問題無し!!

投資的な?

そういうことにしとこ!

 

「そうなると・・・ふむ」

 

「狩人?どうしたの?」

 

「いや、かぐやが俺のヒモ?だというのならかぐやに渡すお小遣いは金貨(コレ)で良いだろうか、と思ってな」

 

「えっ金貨?!ウッソGOLD?!」

 

「多分純金だが?何か問題があったか?」

 

「狩人大金持ちじゃん!!てかまだ金貨なんて使えないよ?!」

 

「腐る程あるのだが・・・」

 

「まじか、超大金持ちじゃん!!すげー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




狩人:ウミウシセラピーで擦り切れていた人間性が少しずつ戻っていく。ウミウシに惚れちゃった系狩人。甲斐甲斐しくウミウシを世話する。
かぐや:まだ何も知らないウミウシ系かぐや姫。狩人への好感度は超高め。湿度は無し。太陽みたいですね。
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