ちょっと(当社比)ダーク入ったシリアスです。
だから短いです(若干後書きの補足が本体かも)。
読者諸君、コズミックホラーって知ってるかな?
※シリアスを中和する為に狩人(とヤチヨ)の奇行から始まります温かく見守りましょう
ヤチヨカップ。
それは少し前のヤチヨミニライブで発表されたツクヨミでの一大イベント。
期間中にどれだけ多くの新規ファンを獲得できるかを競う、さながらライバー戦国時代。
そんなヤチヨカップが開幕してから少し経ち、みんな大好き夏休みが目前に迫って来ていた。
「すぅーーーーーーーーーー」
そして俺は今、『狩人の夢』の中でヤチヨを抱えながら安楽椅子に揺れている。
おお、よしよし。
「すぅーーーーーーーーーー」
「・・・なあ、ヤチヨ。何時までそうしてるつもりだ??」
「ヤッチョが満足するまでだけど?」
「そうか」
「嫌?」
「嫌では無いが」
「じゃあもっとぎゅってして。ヤッチョをナデナデして甘やかして」
俺は言われた通りにヤチヨを抱き締めて頭を撫でる。
こうしているヤチヨはとても可愛らしくて、無防備だ。
彼女にとって此処は唯の『ヤチヨ』で居られる場所だからだろう。
気丈に振る舞ってはいるが、彼女だって不安や寂しさを感じる。
感受性が高く、しかも
だから俺は多少奇行であろうとヤチヨと触れ合うことを大切にしている。
言葉や行動にしなければ伝わらないのだから。
「よしよし」
「すぅーーーーー・・・えへへ」
と、何か真面目っぽく語ったが――事の発端は数日前のヤチヨ吸いである。
仕事終わりにいきなり現れて、
『分身体ヤッチョ⑨ばっかりなでなですうはあずるいうらやましい!!私も狩人に吸われたいし吸いたいしナデナデされたいッ!!!!』
と恥も外聞も捨てたかのように駄々をこねまくったヤチヨに『狩人の夢』に拉致られたのだ。
まあ、数年に一回の頻度で限界ギリになったヤチヨが『い や し て !!』と言いながら飛びついて来て似たようなことをしているから若干恒例行事みたいな物だが(だから『守月グループ』は俺が居なくても数日は回る様にしている)。
「狩人」
「うん?」
「ヤチヨを――私を離さないでね」
「ああ、勿論だとも」
彼女は
それは
『ヤチヨ』は『▓▓▓』だが、『▓▓▓』は『ヤチヨ』でない様に。
鶏は卵は産めても卵に戻ることは出来ない様に。
――
だから彼女は気付いては行けない。
気付いてしまえば、もう戻る事は出来ないのだから。
――青ざめた血を求めよ。
皮肉である。
求めることが必ずしも良いことでは無い様に。
今だけは、彼女に安寧があらん事を。
まあ、要するに全力でヤチヨを甘やかすだけである。
「よーしよしよしよし」
「えへへ・・・」
◇◇◇
――青ざめた血。
『え、あ・・・か、か▓▓はヤチヨで、ヤチヨは
『じゃ、じゃあ・・・最初から・・・廻ってて、あれ?え?』
『まさか・・・私の知る、彩葉にはもう会えない・・・?』
『で、でもヤチヨ、が・・・・・・ヤチヨ?私じゃなくて?』
『うそ――
『う、あ・・・ああ、ああああああああああああ』
――上位者。
『・・・えっと、ごめんね、取り乱しちゃって。うん。私は私だよ。うん。大丈夫・・・・・・きっと、大丈夫、な筈』
『▓▓▓・・・私、は。ヤッチョは彩葉に会う。そして、
『その為にはやらなきゃいけないことがいっぱい。ヤッチョが
『だから、お願い』
『狩人、
――そして狩人。
「―――なぁ、ヤチヨ」
「このシナリオは残酷だ。とっても残酷なシナリオだよ」
「でもさ」
「俺が思うに、もっと残酷な事が続く事よりは、ずっとずっとましな筈だ」
「だからさ・・・責任は幾らでも取るよ」
「
「―――ああ。好きだとも。大好きだ。この世界よりも、全てよりも大切だ」
「これだけ絶対には嘘じゃないとも。
―――ヤチヨ、愛してる」
――と、まあ。
――こうして、
狩人:まともに見えて何処か壊れて、狂っている。過不足無く常人の振りが出来ている上位者。「狂人の振りをすれば狂人」の様に「常人の振りをすれば常人」なのか、それとも・・・。
ヤチヨ:狩人によって準▓▓▓と成り果てている。だけど気付け無い。気付いてはいけない。成り果てても、彼女の精神は人に準拠したものだから。
「鶏は卵は産めても卵には戻れない」
ループしていても、そのループを持ち越せるわけではなく、ループ毎に最初で最後を繰り返しているヤチヨの状態に対する狩人なりの表現。
「人間の夢に出入りできるのは人間と上位者のみ」
物語のヒントその1。
上位者の夢に出入り出来るのは上位者に類する者のみであろう。
彼女の永い道のりに自身が正常か異常かなどと確かめる暇は無かったのだ。
「愛ほど歪んだ呪いは無い」
物語のヒントその2。
それは
どちらにせよ共通する事は、歪んでいるという事だけだ。
ぶっちゃけライブ感で書いてます。