インフィニット・ストラトス ~暮桜の懺悔~ 作:熾天使セラフィム
「インフィニット・ストラトス」通称ISと呼ばれるこのパワードスーツは元々「宇宙開発のためのマルチフォーム・スーツ」として篠ノ之束によって開発された。発表された当初はあまり、注目がされなかった。
しかし、ある事件によって世間に日の目が浴びることなる。
「白騎士事件」
これにより極めて高い攻撃力・防御力・機動力が発覚。「既存兵器を凌駕する超兵器」として注目を浴び、軍事転用されることとなる。
なお、現在は「アラスカ条約」が締結されたことにより、スポーツ競技への利用となっている。表向きは…
理由は一切不明だがISは女性にしか動かせないという欠点?がある。これによって世界は女尊男卑の世界へとなった。最も、このアホみたいな考えは最初だけであり世界中でこの考えを残しているのは数国だけである。
理由としては、あまりにも経済的損失が大きすぎた。良くも悪くも、今まで世界の経済を支えてきたのは多数の労働者である。女尊男卑になったせいで解雇された男性の数を女性だけで賄うのは不可能だった。
結果として世界は、理想ではなく「現実」に叩き戻された。
どれだけISが強大でも、社会を支えるのは結局のところ人間の数だ。
工場の生産ライン。物流。インフラ保守。建設現場。海運。エネルギー管理。宇宙開発。
それらの大半を担っていた男性労働者を感情論だけで排斥した結果、多くの国家で経済は急速に悪化した。
特に深刻だったのは「技術職」である。
高度インフラの維持には長年の経験と技能が必要不可欠だったが、当時の各国政府は「IS適性を持つ女性を優遇すれば全て解決する」という短絡的な政策を推し進めた。
だが現実は違った。
ISを扱う才能と、社会を維持する才能は別物だった。
原子力発電所の管理者も。航空機の整備士も。深海ケーブルを修復する技師も。宇宙ステーションの軌道計算を行う管制官も、一朝一夕で代替できる存在ではなかったのである。
そして決定打となったのが――
「第二次中東物流危機」。
ある産油国が、IS保有国による圧力外交に反発。主要海運ルートを封鎖したことで、世界中でエネルギー供給が激減した。
各国は慌ててIS部隊を派遣したが、そこで判明した。
ISは「戦う」ことには向いていても、「社会を支える」ことには向いていない。
一機で戦車大隊を壊滅させる兵器でも、二十四時間止まらない物流網の代わりにはなれなかった。
結局、各国は方針転換を余儀なくされる。
男性労働者の復職。技術者の再雇用。
それでも、世界はISが軍事兵器であるという考えは変わらなかった。
確かに一部の企業や研究者たちは、ISの真価が宇宙開発にあることへ気づき始めていた。
しかし――
国家という存在は、目の前にある「圧倒的軍事的優位」を見逃せるほど理性的ではない。
一機で戦車中隊を壊滅させ、戦闘機すら追い回し、既存兵器を無力化する兵器。
そんなものを前にして、各国首脳が最初に考えたのは「宇宙」ではなく、
「もし敵国だけが独占したら?」
だった。
白騎士事件以降、世界の軍事バランスは完全に崩壊した。
核兵器は依然として最大の抑止力だったが、ISはそれとは別次元の脅威となった。
なぜならISは、
“限定的かつ精密な破壊”
を可能にしたからである。
国家中枢。軍事基地。空母。発電施設。通信網。
従来なら大規模戦争が必要だった目標を、たった一機で破壊可能。
しかも放射能汚染もなく、被害を局地化できる。
各国軍部が熱狂するには十分すぎた。
結果、表向きには「アラスカ条約」により軍事利用は禁止されたものの、水面下では凄まじい開発競争が始まる。
各国はこぞってIS専用研究機関を設立。
表向きはスポーツ競技用。
だが実態は――
次世代兵器開発計画だった。
世界は日本を恐れていた。
正確には――
「篠ノ之束が本気で軍事兵器を作った場合」を。
そのため各国は表向き友好的でありながら、日本に対して異常なほど神経質になっていた。
衛星監視。情報工作。技術スパイ。企業買収。
時にはIS操縦者そのものを亡命させようとする国すら現れる。
もはや世界は、冷戦時代以上の緊張状態へ突入していた。
だが、最悪なのはここからだった。
ISには決定的な特徴がある。
「女性にしか扱えない」
この事実は単なる適性問題では済まなかった。
国家安全保障そのものを変質させたのである。
各国は優秀な女性を幼少期から囲い込み始めた。
エリート教育。国家奨学金。軍直属学園。遺伝子研究。
才能ある少女たちは、国家資源として扱われるようになる。
ある国では英雄。
ある国では偶像。
そしてある国では――兵器。
IS学園が設立されたのも、そうした時代背景が理由だった。
「学生育成機関」という建前。
しかし実際には、各国代表候補生を集めた巨大な政治舞台。
未来のエースパイロット。
未来の国家戦力。
未来の抑止力。
少女たちは青春を送っているように見えて、その実、世界情勢そのものを背負わされていた。
そして、一人の青年によって世界は変わる事となる。
「行こうか、ガンダム」