〈個性〉を奪い、ストックし、与える能力の転生者:ヴィラン   作:アマテス豆

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執筆欲が戻ってきた来た!!
この調子だと多分明日も投稿出来る!

てことで本編をどうぞ!


第二話 ヴィラン名〈ユニークバンパイヤ〉

「見つけたでごわすよ!〈ユニークバンパイヤ〉ッ!」

 

俺こと〈ユニークバンパイヤ〉は餅つきヒーローモチドンにを追われていた。

 

くそ〜、なんで俺は終われなきゃいけないんだよ!何もして無かったのに!!

 

全力で逃走しながら、俺は今一度、一年前の忌まわしき事件を…そして転生してからの十五年間を振り返る。

 

転生して間もない頃、慣れない幼児の体であたふたしていた(あと、女神の言葉を頑張って思い出そうとしていた)これが0〜3歳の時。

 

そして訪れた最初の分岐点。

この世界では、総人口の約八割が“個性”と呼ばれる超能力を有しているのだが、女神の言っていた通り、俺は完全な“無個性”であることが分かった。

足の小指にはご丁寧に関節が2つあったし、個性因子らしものもゼロ。

 

“無個性”の烙印を押された俺だったけど、幸いにも周囲の人達は優しく、いじめられることもなく普通の小中学校生活が送れていたし、一丁前にヒーローを目指そうと頑張っていた。

 

だが…人生が思い描いたシナリオ通りに行くはずがない。

中学二年の夏だった…

それは俺の能力の『真実』に気づいてしまったことだ。

 

俺はずっと、自分の能力を本家“オール・フォー・ワン”とほぼ同質のものだと信じていた。

いかんせん、人から“個性”を奪いと言う行為に抵抗があったし、平和な日常でそんな機会もなかったので、なかなか気づく機会がなかったからだ。

 

そして夏のある日にじいちゃんが不治の病にかかったのだ。

これは能力を試すチャンスだと思った。

それにじいちゃんの“個性”は、いわゆるチート級に強力な“個性”…めちゃくちゃ欲し!

それを受け継ぎ(奪い)、俺のヒーローロードの礎にするぞ!―そう意気込んだ俺は、見舞いを口実にじいちゃんの(俺の能力の説明をした上で)“個性”を受け取りに行った。

 

…のだが、断固拒否された。

だから俺は意固地になって、じいちゃんから、なかば強引に【個性】を奪い取った。

すると…じいちゃんから“個性”は消えず、代わりにじいちゃんは『じいちゃんらしさ』…つまり、その人間性や性格を失ってしまい、ロボットのようになってしまったのだ。

 

そこで俺は察した…

 

俺の〈個性を奪い、ストックし、与える〉能力は、この世界の超常現象である“個性”を奪うものではなかった。

 

前世の言葉通りの意味――他者と違う性質、性格、特徴といったアイデンティティとしての【個性】を奪う。

 

〈“個性”を奪い、ストックし、与える〉『オール・フォー・ワン』では無く、ただ単に〈【個性】を奪い、ストックし、与える〉と言うそんな、ヒーロー活動にも私生活にもあまり実用性のない能力だったのだ。

 

俺はショックで心が折れ、順風満帆なヒーローライフの夢を諦めることにした。(この時期、俺は筆記の成績に伸びなんでおり、能力によるゴリ押しで乗り換えようとしていたから、本当にショックだった。)

 

普通にショックで心が折れたのだが、それだけだったらヒーローに追われる事も無いし、サポート科やら警察学やらヒロアカを満喫できる高校に入学出来ていたのかも知れない。

 

俺がヴィラン〈ユニークバンパイヤ〉に成らざる終えなかった決定的な事件が一年前に起きてしまった。

それは同じ中学校に通っていた、トガヒミコとの最悪の出会い方をしてしまったのだ。

彼女と初めて出会ったのは…トガヒミコがヴィラン〈トガヒミコ〉になった時。

 

そう、彼女が殺人を犯した直後だったのだ。

卒業式の片付けを手伝っていた俺は、運悪くその殺人現場を目撃してしまった。

初めて見る鮮血、トガヒミコの狂気じみたオーラ。

パニックになった俺は、逃げるより先に「止めなきゃ」という無謀な正義感で、飛び出してしまった。

…結果は無惨。

足元の血溜まりで派手に滑り、運悪くエグれていた地面で足を切り、流血。

あげく血溜まりに顔を突っ込み全身被害者の血まみれになった…そんなタイミングで巡回中の教師が僕たちを見つけてしまったのだ。

その時…俺は何故かトガヒミコと一緒に現場から逃亡してしまったのだ。(あの時の俺をぶん殴りたい…)

それに俺は何も殺人に関して関わっていないので時期に誤解は解ける、そう楽観視していた。

 

だが楽観視していたから一緒に逃げたトガヒミコを放置してしまっていた。

卒業式から3日後トガヒミコは、俺との逃走中に服かなんかにについていた俺の血を使い、俺の姿に変身して警察官を一人…殺めてしまったのだ。

 

世間から見れば、俺は血まみれで現場から消え、殺人を犯した少年ヴィラン…そう受けるであろう。

こうして、警察やヒーローからマークされるトガヒミコの共犯者〈ユニークバンパイヤ〉が誕生してしまい、今の逃亡生活に至るという訳だ。

 

「はぁ……こんなはずじゃなかったのになぁ、俺のヒロアカライフ……」

 

俺は、ため息を吐きながら嘆き、路地裏の通路をランダムに移動していくのだった。

 

ちなみに、“無個性”として登録されていて能力も詳細がまだ誰にもバレていないことと幼い頃からヒーローになる為に鍛えた体のおかげで、捕まらずに済んでいる。

 

そんな事を考えていたからか、先回りされ目の前には“個性”で出した餅担いでいるモチドンが待ち構えていた。

 

あぁ、終わった。俺は死期を悟った…絶対捕まると。

 

あ〜ほんと、許すまじ、トガヒミコ!!

 

「おいどんの“個性”でイチコロにしてやるでごわす!!『餅バインド』ッ!」 

 

モチドンがぶ厚く長い餅を生成し、鞭のようにしならせて振るう。

 

……なんか、超次元サッカーアニメの技みたいな見た目だな。

 

放たれた餅は先端から四つに分かれ、俺の四肢を狙って襲いかかる。

一応、必死に体を逸らしたが、そんなのは虚しく餅の粘着力に捕まり、絡み取られてしまった。

 

「観念してお縄につくでごわすよ!」

「あ〜。捕まった!やばい…ほんとどうしよ!この餅剥がせないかな…」

 

俺は体にまとわりついた、餅を剥がそうともがく。

 

「何をしたって無駄でごわす。“無個性”にはこの餅をどうすることもできないでごわすからな!」 

 

―カチン、ときてしまった。 

こいつヒーローなのに“無個性”バカにしたのか…マジで許せない!

個性が無いから…実用的な力が無いからなんだ!

脱出ついでに、一発お見舞いしてやるか…

 

「…今、出来ないって言ったな…」

「そうでごわす!私の餅は怪力の個性持ちでも剥がすことは出来ないでごわすからね!」

「あっそ、確かに餅を剥がすのには時間がかかりそうだ。だけど…」

「あ、俺を悪く思わないでくださいね。『ユニーク・スティール』…」

 

俺は手元に意識を集中させると、俺の右手が赤黒い光を放つ。

それと同時に、モチドンの体からぼんやりとした「白い光の玉」が漏れ出し、俺の手の中へと吸い込まれていく。

 

「な……何でごわすか、これは!?」

 

光の玉を完全に吸収し終えた瞬間―モチドンが、劇的な変貌を遂げていた。

 

「……油断しました。あれ? 何か、違和感が……」

 

お相撲さんのような巨体は見る影もなく、どこにでもいる「ただの中肉中背の男性」の体型に。

そして何より、あの暑苦しい口調が消え去っていた。

 

「私は……何を……。あ、そうでした。不審者のあなたを、確保しなければならないんでしたね」

「あ、え…え〜!!」

 

あまりの変化に、俺の方が驚いてしまった。

 

【個性】を丸ごと奪われた彼は、今や特筆すべき点など何一つない、量産型の一般男性になっていた。

 

「…めっちゃ変わっちゃった。だからこの力、使いたくないんだよなぁ。……まあ、今のうちに。」

 

ヒーローが自分の変化に困惑している隙に、俺は常備していたナイフで餅を引き剥がして駆け出す。

てか、怪力の個性どうとか言ってたけどナイフで逃げれる事に少し驚いた…

 

「あ、待ってください。止まってください。……おっと、おっとっと」

 

追いかけてこようとするモチドン(…ぽい人)だったが、急激に軽くなった体のバランスが取れないらしい。

おまけに“個性”を発動しようとするたびに、自分の餅の重さに振り回されてよろけている。

俺はそのまま全速力で路地を曲がり、完全に彼を振り切った。

 

「やっと帰ってこれた……。ちょっと使えそうな資材を拾いに行っただけなのに、なんでこうヒーローに遭遇するかなぁ」

 

あまり使わないようにしていた、能力をモチドンに使ってしまった。

 

抜いた【個性】は、いつか返さないと…てか今のところ4人奪っちゃってるからな。

 

俺は寝床にしている裏路地の隙間に滑り込み、ようやく深く息を吐いた。




コメントなどはじゃんじゃんしてもらって結構です!全てに返信を返します!(些細なことでも結構です!)

アンケートにも回答よろしくお願いします。
あと余談なんですけど、リメイク前の一話が長すぎたんで3分割してます。
なのでリメイク前の一話を見ると三話までのネタバレになります。でも色々変わっていますので読み比べもしていただけたらもっと面白くなると思います。…なるのか?

それでは、また次回!

セリフの前に人物名はいる?(一応、台本形式ではないつもりだけど)

  • いる!!
  • いならい!!
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