勝手に【ラブライブ 第3期、4期】を作ってみた。   作:スターダイヤモンド

13 / 29
第13話『ほんの少しの勇気』

 

桃子は公園にいた。

ブランコに座り泣きじゃくる彼女を、デルフィナが差し出した傘が覆っていた。

 

 

 

「自分を変えたい」

 

髪を染め、ケイティと呼んで欲しいと言い…必死に過去の自分と抗ってきた桃子。

しかし、ネットでの評価を見て、ふと『本来の自分の姿』を思い出してしまったのだろう。

 

 

 

「私は和香ちゃんみたいにダンスも得意じゃないし、デルみたいに運動神経も良くないし…奈美ちゃんみたいにスクールアイドルに思い入れもない。やっぱり、興味本位で入っちゃいけない世界だったんだ…」

 

「ソンナ事ナイヨ!アノ時、ケイティハ、ミンナニ負ケナイッテ練習頑張ッタデショ!」

デルフィナはそう言った。

 

 

 

(でも…やる気がない…って言ってる人と、私はこれから一緒にやっていけるの?…)

 

(お姉ちゃんも、こんな感じだったのかな…だとしたら…私が止めても説得力がないかも…)

 

自分たちに彼女を止める権利があるのだろうかと悩む和香と奈美。

2人の考えは「続けるべき」「辞めるべき」の間で揺れ動いている。

 

そうしているうち…自分たちもどう話せば良いのか、わからなくなっていた。

 

 

 

 

 

静寂を嫌うかのように、雪穂が語り掛けた。

 

「あのさぁ…あなたたちは知らないかもしれないけど…お姉ちゃん…一度、μ'sを辞めてるんだよ…」

 

 

 

「えっ?」

 

 

 

「こんな雨の日だった…。次の日にライブがあるっていうのに、夜、走りに行って…結局熱を出して…ステージは途中で中止になってさ」

 

 

 

「穂乃果先輩が?」

雪穂と亜里沙以外は、初めて聴く話だった。

 

 

 

「バカは風邪ひかないっていうのにね…。それが原因でμ'sはバラバラになって…1回はラブライブの出場を諦めたんだ…」

「私のお姉ちゃんが…そうした方がいいって…」

 

 

 

「絢瀬先輩が?」

 

 

 

「うん…体調を崩してまで…スクールアイドルをやる意味があるのかな…って」

亜里沙は、その時を思い出しながら話した。

 

 

 

「…そして、部員は一時、にこさんと今の2年生だけになったの。私は正直悔しかったよ。普段はいい加減で、どうしようもないお姉ちゃんだけど…μ'sの高坂穂乃果は眩しいほど輝いてたから。これで終わるのはもったいない!!って思ってた」

 

「私も…お姉ちゃんが、あんなに楽しそうに歌ったり、踊ったりするの初めて見たから…その姿がもう見られないのかなって思ったら、涙が出ちゃって…」

 

「でも、みんな戻ってきた!みんなでひとつになって…A-RISEに勝って…ラブライブで全国優勝した」

 

「だから…頑張って続けようよ。頑張って続けて、みんなをアッと言わせようよ」

熱く語る2人。

溢れる想いに、言葉が止まらない。

 

 

 

しかし…

 

 

 

桃子には届かない。

「私は先輩とは違…」

 

 

 

「甘ったれんじゃないわよ!」

桃子が言い訳をしようとした瞬間、彼女たちの後方から大きな声が聴こえた。

 

 

 

「矢澤先輩!!」

振り替えると、そこに、にこがいた。

 

 

 

「どうしてここに?」

 

「偶然通りかかったのよ…どこかで見た顔がいるな…と思ったら、アンタたちで…驚かそうと思って、そうっと近づいたら、くだらない話をしてるから、イライラしてきて…」

 

「クダラナイ話ジャナイデス!!」

デルフィナが噛みつく。

 

 

 

「くだらないわよ!やらなくて後悔するくらないら、やって失敗する方が、よっぽどマシだと思わない?」

 

 

 

「やらなくて後悔するより、やって失敗…」

 

 

 

「合宿で奈美のアネキの話を聴いたでしょ?」

 

 

 

「!!」

 

 

 

「そういう事よ。いい?アタシたちが何の努力もしないでやってきたと思ってるの?…そんなわけないじゃない!みんな必死に努力したわよ!アタシと凛なんて、川に落ちて死にかけたんだから」

 

「それ…関係あります?」

雪穂が冷たくツッコんだ。

 

「ま、まぁ…それはそれとして…アンタは自分を変えたいと思って、入部してきたんでしょ?ここでやめたら何も変わらないわよ!」

 

 

 

「…」

 

 

 

「そのメッシュは飾りなの?昔の自分からの脱却を誓った証じゃないの?歌うことが、踊ることが…スクールアイドルが嫌いならやめればいいわ。でもそうじゃないなら頑張りなさいよ!上手いとか上手くないとか…そんなのは二の次よ!ニ・ノ・ツ・ギ!もちろんラブライブに出て優勝するには、実力が大事だけど…でもそれだけじゃないわ」

 

「情熱…ですね…」

 

「亜里沙の言う通りよ。アンタの中に…もっと楽しく歌いたい、踊りたい!みんなと頑張りたい!…その気持ちがあるなら、辞めるなんて軽々しく言わないことね」

 

 

 

「先輩…」

 

 

 

「わかったら、今日は帰りなさい。バカ穂乃果みたいに風邪ひくわよ…」

 

 

 

 

 

その会話を遠巻きに見つめる穂乃果たち。

 

「さすが、にこですね」

 

「いやいや『バカ穂乃果』はどうかと思うよ」

 

「私たちの出る幕、無くなっちゃったね♡」

 

「あとは…桃子ちゃんがどうするか…だにゃ」

 

「そうね…あとは彼女の気持ちの問題ね…」

 

「…そうだね…」

 

 

 

「明日は雨、上がるかな?」

 

 

 

 

 

 

彼女たちは、先日ストリートライブを行った場所にいた。

 

6人が楽しそうに歌って踊る姿を見て、徐々に人が集まってくる。

ひとしきりパフォーマンスが終わると、拍手が沸き起こった。

 

 

 

それをUTXの学生が遠巻きに見ている。

 

「あのロングヘアが『おりお』の友達だっけ?」

その中のひとりが、仲間に問う。

 

「友達?…違うわ…単なる『裏切り者』よ…」

 

おりお…と呼ばれた少女は不機嫌そうに言い放つと、くるりと向き直って人ごみの中に消えて行った。

 

 

 

 

 

少し離れて6人を見守っていたのは、2人の女性。

 

その片方が、もうひとりに語りかける。

「…妹をよろしく頼むな…」

彼女の唇は、そう動いた。

 

「それはアイツらに言いなさいよ!アタシは、こう見えて、ヒマじゃないんだがらぁ」

かつての宇宙ナンバーワンアイドルは、穂乃果たちに視線を送る。

 

 

 

 

 

「なんだかんだありましたが、雪穂は姉と違って、しっかりと1年生を纏めています」

 

「海未ちゃん…『姉と違って』は余計だよ」

 

「そうだよね!穂乃果ちゃんがこうだから、雪穂ちゃんがああなったんだよ」

 

「ん?…ことりちゃん、それって誉めてる?」

 

「ちゅん?」

 

「まぁ、なんにせよ…良かったじゃない。上手くいって」

「もうあんな思いはしたくないもんね!…ね?かよちん!」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

「それでは…今日はもう1曲やります!一生懸命歌うので聴いてください!」

 

 

 

「『Oh,Love&Pease!』」

 

 

 

 

 

勝手に【ラブライブ!】3期のタイトルを作ってみた。

〜完〜

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。