勝手に【ラブライブ 第3期、4期】を作ってみた。 作:スターダイヤモンド
桃子は公園にいた。
ブランコに座り泣きじゃくる彼女を、デルフィナが差し出した傘が覆っていた。
「自分を変えたい」
髪を染め、ケイティと呼んで欲しいと言い…必死に過去の自分と抗ってきた桃子。
しかし、ネットでの評価を見て、ふと『本来の自分の姿』を思い出してしまったのだろう。
「私は和香ちゃんみたいにダンスも得意じゃないし、デルみたいに運動神経も良くないし…奈美ちゃんみたいにスクールアイドルに思い入れもない。やっぱり、興味本位で入っちゃいけない世界だったんだ…」
「ソンナ事ナイヨ!アノ時、ケイティハ、ミンナニ負ケナイッテ練習頑張ッタデショ!」
デルフィナはそう言った。
(でも…やる気がない…って言ってる人と、私はこれから一緒にやっていけるの?…)
(お姉ちゃんも、こんな感じだったのかな…だとしたら…私が止めても説得力がないかも…)
自分たちに彼女を止める権利があるのだろうかと悩む和香と奈美。
2人の考えは「続けるべき」「辞めるべき」の間で揺れ動いている。
そうしているうち…自分たちもどう話せば良いのか、わからなくなっていた。
静寂を嫌うかのように、雪穂が語り掛けた。
「あのさぁ…あなたたちは知らないかもしれないけど…お姉ちゃん…一度、μ'sを辞めてるんだよ…」
「えっ?」
「こんな雨の日だった…。次の日にライブがあるっていうのに、夜、走りに行って…結局熱を出して…ステージは途中で中止になってさ」
「穂乃果先輩が?」
雪穂と亜里沙以外は、初めて聴く話だった。
「バカは風邪ひかないっていうのにね…。それが原因でμ'sはバラバラになって…1回はラブライブの出場を諦めたんだ…」
「私のお姉ちゃんが…そうした方がいいって…」
「絢瀬先輩が?」
「うん…体調を崩してまで…スクールアイドルをやる意味があるのかな…って」
亜里沙は、その時を思い出しながら話した。
「…そして、部員は一時、にこさんと今の2年生だけになったの。私は正直悔しかったよ。普段はいい加減で、どうしようもないお姉ちゃんだけど…μ'sの高坂穂乃果は眩しいほど輝いてたから。これで終わるのはもったいない!!って思ってた」
「私も…お姉ちゃんが、あんなに楽しそうに歌ったり、踊ったりするの初めて見たから…その姿がもう見られないのかなって思ったら、涙が出ちゃって…」
「でも、みんな戻ってきた!みんなでひとつになって…A-RISEに勝って…ラブライブで全国優勝した」
「だから…頑張って続けようよ。頑張って続けて、みんなをアッと言わせようよ」
熱く語る2人。
溢れる想いに、言葉が止まらない。
しかし…
桃子には届かない。
「私は先輩とは違…」
「甘ったれんじゃないわよ!」
桃子が言い訳をしようとした瞬間、彼女たちの後方から大きな声が聴こえた。
「矢澤先輩!!」
振り替えると、そこに、にこがいた。
「どうしてここに?」
「偶然通りかかったのよ…どこかで見た顔がいるな…と思ったら、アンタたちで…驚かそうと思って、そうっと近づいたら、くだらない話をしてるから、イライラしてきて…」
「クダラナイ話ジャナイデス!!」
デルフィナが噛みつく。
「くだらないわよ!やらなくて後悔するくらないら、やって失敗する方が、よっぽどマシだと思わない?」
「やらなくて後悔するより、やって失敗…」
「合宿で奈美のアネキの話を聴いたでしょ?」
「!!」
「そういう事よ。いい?アタシたちが何の努力もしないでやってきたと思ってるの?…そんなわけないじゃない!みんな必死に努力したわよ!アタシと凛なんて、川に落ちて死にかけたんだから」
「それ…関係あります?」
雪穂が冷たくツッコんだ。
「ま、まぁ…それはそれとして…アンタは自分を変えたいと思って、入部してきたんでしょ?ここでやめたら何も変わらないわよ!」
「…」
「そのメッシュは飾りなの?昔の自分からの脱却を誓った証じゃないの?歌うことが、踊ることが…スクールアイドルが嫌いならやめればいいわ。でもそうじゃないなら頑張りなさいよ!上手いとか上手くないとか…そんなのは二の次よ!ニ・ノ・ツ・ギ!もちろんラブライブに出て優勝するには、実力が大事だけど…でもそれだけじゃないわ」
「情熱…ですね…」
「亜里沙の言う通りよ。アンタの中に…もっと楽しく歌いたい、踊りたい!みんなと頑張りたい!…その気持ちがあるなら、辞めるなんて軽々しく言わないことね」
「先輩…」
「わかったら、今日は帰りなさい。バカ穂乃果みたいに風邪ひくわよ…」
その会話を遠巻きに見つめる穂乃果たち。
「さすが、にこですね」
「いやいや『バカ穂乃果』はどうかと思うよ」
「私たちの出る幕、無くなっちゃったね♡」
「あとは…桃子ちゃんがどうするか…だにゃ」
「そうね…あとは彼女の気持ちの問題ね…」
「…そうだね…」
「明日は雨、上がるかな?」
…
彼女たちは、先日ストリートライブを行った場所にいた。
6人が楽しそうに歌って踊る姿を見て、徐々に人が集まってくる。
ひとしきりパフォーマンスが終わると、拍手が沸き起こった。
それをUTXの学生が遠巻きに見ている。
「あのロングヘアが『おりお』の友達だっけ?」
その中のひとりが、仲間に問う。
「友達?…違うわ…単なる『裏切り者』よ…」
おりお…と呼ばれた少女は不機嫌そうに言い放つと、くるりと向き直って人ごみの中に消えて行った。
少し離れて6人を見守っていたのは、2人の女性。
その片方が、もうひとりに語りかける。
「…妹をよろしく頼むな…」
彼女の唇は、そう動いた。
「それはアイツらに言いなさいよ!アタシは、こう見えて、ヒマじゃないんだがらぁ」
かつての宇宙ナンバーワンアイドルは、穂乃果たちに視線を送る。
「なんだかんだありましたが、雪穂は姉と違って、しっかりと1年生を纏めています」
「海未ちゃん…『姉と違って』は余計だよ」
「そうだよね!穂乃果ちゃんがこうだから、雪穂ちゃんがああなったんだよ」
「ん?…ことりちゃん、それって誉めてる?」
「ちゅん?」
「まぁ、なんにせよ…良かったじゃない。上手くいって」
「もうあんな思いはしたくないもんね!…ね?かよちん!」
「うん!」
…
「それでは…今日はもう1曲やります!一生懸命歌うので聴いてください!」
「『Oh,Love&Pease!』」
勝手に【ラブライブ!】3期のタイトルを作ってみた。
〜完〜